【特別企画】

シリーズ初登場から11年、大ボリュームを詰め込んで登場した「初音ミク Project DIVA MEGA39's」ファーストインプレッション

2020年2月13日 発売予定

価格:
5,990円(税別、通常版)
9,990円(税別、限定版)
CEROレーティング:C区分(15歳以上対象)

プレイ人数:1人

 2009年にPlayStation Portableで1作目が発売された「初音ミク -Project DIVA-」シリーズは、さまざまなプラットフォームで発売されてきたほか、アーケードゲームとしても大人気を博してきた。

 筆者は、PSP版で初めてミクさんのリズムゲームに触れ、その後にPS Vitaのミクさんモデルを購入。フィギュアやねんどろいどもいくつか所持している程度のライトなミクさんファンだが、今回はシリーズ最新作であり、Nintendo Switchならではの新しい遊びが盛り込まれた「初音ミク Project DIVA MEGA39's」を一足先にプレイする機会を得たので、そのインプレッションを紹介しよう。

【Nintendo Switch『初音ミク Project DIVA MEGA39’s』最新プロモーション映像】

「初音ミク -Project DIVA-」シリーズは、PSP版から始まった

 今年で誕生から11年目を迎える「初音ミク -Project DIVA-」シリーズだが、最初に発売されたのは2009年7月に登場したPSP版だ。画面上部から下部へと向かいノーツが落ちてくるオーソドックスなリズムゲームとは違い、画面外の上下左右から○×△□ボタンを模したノーツが現われ、それをリズムに合わせてタイミング良く同じボタンを押すルール、そして背景ではPVが流れるという豪華な仕様に、当時「ポップンミュージック」をメインでプレイしていた身としては非常に驚かされたものだった。

 収録曲数はそこまで多くないものの、モジュールと呼ばれる衣装を組み合わせてPVを彩るなど、その他の楽しみ方も合わせると簡単には遊び尽くせないほどのボリュームだったことも特徴と言えた。その後、PSPからPS VitaやPS3、そしてPS4でも発売されてきたシリーズだが、Nintendo Switchでリリースされる本作には、新たな操作方法を導入した“ミックスモード”も収録されている。まずは誰もが気になる、そのモードから見ていこう。

“リズムゲーム”モードに収録された曲数は10の新曲を含めた101に! 操作方法は2通りを用意

 本作のメインとなるリズムゲームモードを選択すると、次にアーケードモードまたはミックスモードを選ぶことになる。アーケードモードは従来と同じ操作方法で、ミックスモードがNintendo Switchで用意された新たなスタイルだ。

 気になるミックスモードを選ぶと、初回はお馴染みの「Ievan Polkka」の曲に乗って、はちゅねミクが操作方法を解説してくれるチュートリアルが始まる。Joy-Conを“いいね持ち”し、手首のひねりでRまたはLと書かれたカーソルを動かして、上から出現するノーツと重なった瞬間にタイミングを合わせてZRかR、ZLまたはLを押していくのが基本システムだ。いいね持ちすると、同社のリズムゲーム「サンバDEアミーゴ」のマラカスを持っているかのような気分になるが、あれほど広い操作スペースを必要としないので、部屋が狭い人でも問題なく遊べるのは嬉しい。

チュートリアルは、ギャラリーモードから選べば何度でも体験出来る。どこかで聞いたことのある曲のリズムに合わせて操作方法を解説してくれるので、すぐに覚えられた

 ミックスモードでは、難易度によってノーツの幅が変化するので、難しくなるほどにカーソルの位置調整精度が問われる。もちろん、ノーツの数や出現ポイントも複雑になっていく。とはいえ、ボタンを押す時はノーツのどこかにカーソルがかかっていれば問題ないので、実際にプレイしてみるとそれほど難しくはなかった。これならばアーケードモードとは違い、リズムゲームをほとんど遊ばないという人でも楽しめるはず。実際にNORMALとHARDをプレイしてみたが、NORMALは最高難度の6.5で、HARDは7までクリア出来たので、“遊んでいるところを見ると、リズムゲームは難しそうにしか思えない”という人にこそプレイしてもらいたいのがミックスモードだと感じた。普段リズムゲームを遊ばないという人は、ぜひ騙されたと思ってプレイしてみて欲しい。きっと気に入るはずだ。

 ちなみに、1人プレイでは難しいという場合は、左右どちらかの操作をもう1人に任せて遊ぶ方法もある。これならば、見なければならないノーツもLRのどちらかだけで済むので、小さなお子さんがいるような家庭でも楽しく盛り上がれるだろう。

ミックスモードでは、ノーツが上から出現し下へと移動していく。扇形状に広がった部分のどこかにカーソルがあれば、あとはタイミングを合わせて押すだけ
難易度がHARDになると、ノーツの大きさがカーソルと同じくらいになることがあるほか、出現位置も難しくなる。NORMALに慣れたら、ぜひ挑戦してほしい

 プレイしてみると、最初のうちこそコツが掴めず操作方法に戸惑ったものの、いいね持ちに慣れればクリアは簡単。とはいえ、Lノーツが画面右側、あるいはRノーツが画面左側など持ち手と画面のノーツが反対方向に出現すると脳内でプチパニックが起きて間違えてしまうことが多々あったので、そういう譜面でのパーフェクトは難しいかもしれない。ちなみに、金色のノーツが出現している間は押しっぱなしにする必要があるが、タイミングを合わせれば良いのは最初だけ。最後は押したままでもミス判定にならないのは覚えておきたい。

金色のノーツ部分では、ボタンを押しっぱなしにする。最初のタイミングさえ合っていれば、終わりの部分はボタンを離しても離さなくても問題ない

 ミックスモードがどちらかというと楽しみながらワイワイとプレイできるのに対し、ガチ勝負で挑むのがアーケードモードだ。画面外から飛んでくるノーツを、曲のリズムに合わせてタイミング良く押すのだが、ミックスモードよりも難易度は高め。ノーツも、LとRだけだったミックスモードに対し、アーケードモードはA、B、X、Yに加えて←と→も登場する。さらに、それぞれのボタンを押しっぱなしにする操作方法や同時押しもあるため、なかなかに手強いのだ。初心者であれば、EASYをプレイするのが精一杯かもしれない。

 実際にプレイしたところ、たいした腕前ではないことも相まって難易度5.5をクリアするのがやっと。アーケード版経験者であれば問題ないかもしれないが、押すべきノーツが多いと重なって数を把握しづらいこともあるので、慣れるまではそのあたりの処理が大変かもしれない。ちなみに、アーケードモードで用意されている難易度はEASY、NORMAL、HARD、EXTREMEの4種類のほか、一部楽曲ではEXTRA EXTREMEという超難度も選択可能となっている。興味本位でプレイしてみたが、クリアできる気はまったくしなかった……。

画面外から飛んでくるノーツを、リズムに合わせてタイミング良く同じボタンを押す。NORMALではABがメインでXYが少ないため、かなり遊びやすい
ABXYを押しっぱなし(HOLD)にするノーツは、押下している時間でボーナスが入る。←や→も押しっぱなしにするノーツが登場するが、専用コントローラを使用していればスライダーでの操作も可能だ。ボタンを同時押ししなければならないノーツの時は、画面中央に押すべきボタンが表示されるので迷わないのがありがたい。しかし、それでもミスをしてしまうのが不思議なところ
NORMAL、EASYの途中には、CHALLENGE TIMEと呼ばれる得点ゾーンが発生する。ノーツが若干難しくなるものの、ここでコンボを繋げられればボーナス点を得られる。CHALLENGE TIMEで稼がないと、クリアのボーダーラインまで届かないことも多かったので、ここでも気が抜けない

 難易度が上昇していくと、楽曲の苦手な部分だけを何度も繰り返し練習したいと思うことが多々あるが、そんな要望にも本作はしっかり対応している。それが「プラクティス」。楽曲選択時に“リズムゲームスタート”という小さなメニューが表示されるが、ここで左右を押すと“PV鑑賞モードスタート”と“プラクティススタート”というメニューも選ぶことができる。

 プラクティスでは1曲を通してのプレイはもちろん、任意の部分からの頭出しや繰り返しプレイも可能なので、どうしても失敗する部分を重点的に練習する、ということが可能だ。もちろん、アーケードモードとミックスモードの両方に対応しているので、どちらでもチャレンジできる。苦手を克服して、ゲームセンターで素晴らしいプレイを披露したい、という人にも欠かせないだろう。

LまたはRスティックを押し込むことで、プレイ中でも開始位置を選んで何度でも繰り返せる。苦手な部分を練習するには最適だった$$

もちろん、PVだけを鑑賞することも可能!

 本作はリズムゲームの部分だけでなく、楽曲に合わせたPVをじっくり鑑賞できるのも魅力であり、個人的なイチオシポイントでもある。PSP版と見比べると、当たり前だがその差は歴然としていて、ミクさんもここまで綺麗になったのか……と、成長した娘を見守る親の気分になってしまったほど。見てもらえればわかるが、とにかく美しい。これを大画面で鑑賞できるのだから、良い時代になったものだ。写真を見て、少しでもミクさんを可愛いと思ったならば、即座にポチっても絶対に後悔しません!と、若干興奮気味になってしまうほど、PV鑑賞モードは充実した内容になっている。

実際に、PV鑑賞モードで撮影した写真がこちら。昔と比べて綺麗で美しく、そして可愛くなったことに感動。ツインテールの処理も以前は大雑把だったものが、今では腕に当たった部分はそこに沿って描画されるなど、そういった面でも凄いと感じた。やはりミクさんは天使だった……

 PV鑑賞モードのポイントは、モジュールや髪型、アイテムを自由にカスタマイズして、それをPVに反映させることができるところ。特にミクさんのモジュール数は圧倒的に多く、その数なんと100以上。アイテムなどとの組み合わせを考えると、バリエーションはほぼ無限大と表現しても過言ではない。髪型やアイテムなどと組み合わせて“じぶんがかんがえたさいきょうのPV”を全楽曲で作り出す楽しみ方もあれば、お気に入りのモジュールを全部の曲に適用するなど、人によって遊び方は自由自在。完成させたPVを眺めているだけで、1日が過ぎ去ってしまったほどだ。もちろん、標準状態のPVも素晴らしいので、ぜひ全曲見てもらいたい。

 ただし、モジュールやアイテムを入手するには、VPと呼ばれるポイントが必要となる。これは、リズムゲームモードをプレイするとゲットできるので、カスタマイズを反映させたPVを流しつつプレイに興じて集めよう。

モジュールなどは、選び尽くせないほど豊富に用意されている。ありすぎて、どれを選んだら良いのか迷うほど。今回お借りしたROMでは、すべてのモジュールやアイテムなどが入手し放題だったが、実際はリズムゲームをプレイしてVPを入手し、それを消費して手に入れることになる。みんな大好きメガネや水着も、もちろん収録
カスタマイズしたPVを、オリジナル版と共に並べてみた。上側2枚がオリジナル版で、下側2枚がカスタマイズ版。変更した部分がPVに反映されているのを見ると、自分が手がけたように思えて延々と眺めてしまう
PVプレイリスト再生モードでは、プレイリストを作りPVを連続鑑賞することができる。数十曲のプレイリストを組んで流しておけば、いつでもミクさんたちの歌に浸ることも

リズムゲームが遊びたい人だけでなく、ミクさんたちを愛でたいファンのマストアイテム

 新曲含む全101曲をアーケードモードとミックスモードで遊べるだけでなく、PV鑑賞モードではカスタマイズした自分だけのモジュールに主演させて、その様を眺めるという至福の時を過ごせる1本。ストレスが溜まった時などに鑑賞すれば、ミクさんたちの可愛さで心が癒されること間違いなしだ。

 もちろん、リズムゲームの部分もしっかりと作り込まれており、アーケードモードはアーケード版ライクに、ミックスモードは気軽に遊ぶことができるよう仕上がっていた。特にミックスモードは、アーケードモードと比較すると難易度がやや低いものの、やり込もうと思うと実は遊び甲斐のある作りになっているのもポイント。アーケードモードに関しても、自宅で練習してゲームセンターでパーフェクトプレイをお披露目、などということにも使えるだろう。

 スマートフォン向けの操作がシンプルなリズムゲームが多い中、気合の入った操作方法と大ボリュームで登場した本作は初心者から上級者だけでなく、ミクさんファンにも強力にプッシュできるタイトルとしてオススメしたい。