【特別企画】

「Minecraft」のグラフィックスを劇的に進化する「Minecraft with RTX」詳報

次世代機Project Scarlettのレイトレ対応を視野に入れた「マイクラ」第2章がスタート

年内βテスト開始予定

 gamescom 2019の会期前日にあたる8月19日、NVIDIAがプライベートイベントをケルンで開催した。昨年は、GeForce RTX 20シリーズを同地で発表したが、今年はGeForce RTX 20シリーズ最大のセールスポイントであるリアルタイムレイトレーシングによるPCならではの美しいグラフィックスをアピールするために、RTXモードに対応したgamescom出展タイトルをgamescomに先駆けて試遊する機会を提供してくれた。

【NVIDIAプライベートイベント】

 その試遊イベント最大のサプライズが「Minecraft」だった。あの「Minecraft」がリアルタイムレイトレーシングに対応し、驚くほど美しいグラフィックスを実現していたのだ。

【PC 版『Minecraft』公式 GeForce RTX レイトレーシング】

 その伏線はE3 2019の頃からあった。1つはMojang自身が手がける新作「Minecraft Dungeon」、「Minecraft Earth」では、本家「Minecraft」より美しいグラフィックスが採用されている。当然、本家にもアップデートが掛かると観るのが自然な考え方だ。

 そしてもう1つが、gamescom直前、8月15日に不自然な形で発表された「SUPER DUPER GRAPHICS PACK」開発中止の発表だ。既報のように、1年前の段階で「SUPER DUPER GRAPHICS PACK」の提供停止は発表されていた。ただ、それはあくまでパッケージ「スーパーデューパーグラフィックスパック」の発売中止であって、4K/HDR化のプロジェクトそのものの行方については曖昧にしていた。あえて今回開発終了をアナウンスしたということは、次のステップをアナウンスする準備が整ったということだ。

 果たして発表された内容は、我々の想像を上回るリアルタイムレイトレーシングへの全面対応というものだった。Windows 10版、しかもRTXコアを採用したGeForce RTX 20シリーズのオーナーだけに提供される無料アップデート。

【RTXオン】

 これは誰にも予想できなかったはずだ。なぜなら現行のBedrock版のコンセプト自体が、全プラットフォームに同一の環境を提供し、真の意味で単一のサンドボックス世界を提供することだったからだ。この「Minecraft with RTX」は、その基本コンセプトから逸脱した内容で、再び「Minecraft」はRTX対応世界と、そうでない世界の2つにわかれることになる。

 ポイントなのは、現時点で「Direct Xレイトレーシングをサポートする未来のゲームプラットフォームもサポートする」と表明していることだ。次世代Xbox「Project Scarlett」や、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの次世代プレイステーションは、レイトレーシングをサポートする可能性が高い。「Minecraft」の次のステップに備えたグラフィックスアップデートを、まずはPCから段階的に実施していこうという考えだ。

【RTXオン】

 実装時期は、RTX対応タイトルとしては異例なことだが、まだ伏せられている。わかっているのは、今後βテストを実施するということと、βテストでは「RTXを利用したグラフィックス」がオンにできるようになり、2020年には本サーバーで使用可能になるということだ。合わせて指向性ライティングをはじめ、RTX版がもたらす一部機能については、他のBedrock Engine版にも適用されるという。

 「Minecraft with RTX」は、新エンジンとなるRender Dragonによって実現される。Render Dragonは、現行のBedrock Engineを置き換えるものではなく、グラフィックス周りのアップデートのプロジェクトネームのような印象で、「Minecraft Earth」にも使われているという。そしてRender Dragonはレイトレーシング対応のみならず、グラフィックスおよびパフォーマンスの強化を目的に、あらゆるデバイスをサポートする。

 つまり、今回の発表は、フラッグシップバージョンであるWindows 10版をRTXまで引き上げつつ、他のプラットフォーム版も、部分的、段階的にグラフィックスアップデートを適用するという、形、内容を変えた「SUPER DUPER GRAPHICS PACK」の提供の再宣言となる。

【RTXオン】

 今回NVIDIAのプライベートショウでは、2つのモードを10分ずつプレイする事ができた。左右のカーソルキーでRTXモードの切り替えができるというもので、マップを読み込んだ後は、フライモードを駆使してその違いを楽しんで下さい、というものだ。

 最初はRTXのオンオフの違いをスクリーンショットで見せようかと思いながらプレイしていたが、あまりにもシーンが多いため、動画を丸ごと掲載する。適宜飛ばしながらその違いを確かめて見て欲しい。また動画の下に掲載しているURLでは、NVIDIA謹製のスライダー機能でオンオフの違いを見比べることができる。こちらも合わせて参照していただきたい。

【「Minecraft with RTX」デモプレイ映像】

https://images.nvidia.com/geforce-com/international/comparisons/minecraft-ray-tracing/minecraft-with-rtx-interactive-comparison-001-on-vs-off.html

https://images.nvidia.com/geforce-com/international/comparisons/minecraft-ray-tracing/minecraft-with-rtx-interactive-comparison-002-on-vs-off.html

https://images.nvidia.com/geforce-com/international/comparisons/minecraft-ray-tracing/minecraft-with-rtx-interactive-comparison-003-on-vs-off.html