【特別企画】
「堀井ミステリー三部作」は? 「ルナレスキュー」のクリエイターは? 難問、奇問続出のレトロゲームカルトクイズ「『魁!!クイズ塾』2019夏のカルト大会」現場潜入レポート
2019年7月11日 11:00
- 【QUIZ JAPAN TV】
- 7月下旬放送予定
- 月額300円(税別)
6月某日。筆者は都内のあるスタジオにて、「レトロゲームをテーマにしたクイズ番組の収録があるらしい」との情報を入手した。
自身もレトロゲーム大好きっ子ではあるが、そんな番組が存在するとは、いまだかつて聞いたことがない。なぜクイズなのか、なぜそんな番組が存在するのかという素朴な疑問をがわくと同時に、いったいどんな問題が出題され、どんな出場者がやって来るのか、実際にこの目で確かめてみたいという衝動が抑えられなくなった。そこで、主催社に早速コンタクトを取り、収録当日の模様を取材させていただくことにした。
出題される問題もガチなら出場者もガチ。想像を絶する恐るべき光景が!
レトロゲームクイズを企画したのは、クイズ専門誌の出版や、クイズゲームで出題される問題の監修を行なう、プロのクイズ作家が籍を置く株式会社セブンデイズウォー。同社がニコニコ動画で配信する有料チャンネル「QUIZ JAPAN TV」において、「『魁!!クイズ塾』2019夏のカルト大会」と銘打ったカルトクイズの1テーマとして「レトロゲーム」が採用され、その出場者を公募によって集めたうえで実施されたものである。
そもそも、主催者はなぜレトロゲームのカルトクイズを放送しようと思ったのだろうか?
同社の代表取締役社長である大門弘樹氏によると、「以前にもカルトクイズを2回、『オカルト』と『アニメソング』をテーマで実施したことがあるのですが、普通のクイズ番組には出ないような、かなりディープな知識をお持ちの方が集まってとても好評だったんです。それから今はテレビ番組の『99人の壁』のように、人生を賭けて仕入れた知識を競うような、ジャンル別クイズがすごく盛り上がっていますので、この流れに乗るしかないだろうとうことで、『2019夏のカルト大会』のテーマの1つに選びました。今大会は4つのテーマでやろうということで、『幕末』、『F1』、『推理小説』と、あと1つはマンガ・アニメ系統から何か出したいなと考えた時に、今は『ゲームセンターCX』や『勇者ああああ』など、レトロゲームを題材にした番組の人気がありますし、クイズは10年も20年も昔のことを聞いたりすることにも向いていますので、『レトロゲーム』がいいのではないかということで選びました」とのことだった。
本クイズ大会の出場者は、まず予選のペーパークイズにチャレンジして、上位4人が本戦へと進出する。本戦は3ラウンド構成で、最初は1問正解で1ポイントの早押しクイズ、第2ラウンドは1問正解につき2ポイントのボード(筆記)クイズ、最終ラウンドは1問正解で3ポイントの早押しクイズで、最も多くのポイントを獲得したプレーヤーが優勝となるルールで行われた。筆者もスタッフのご厚意により、予選のペーパークイズを拝見させていただいたのだが、1980年代に発売されたPC用ゲームのタイトルや、ゲーム業界関係者の人名を問うクイズが出題されるなど、想像をはるかに凌駕するマニアックな問題ばかりだったので、本当にびっくりさせられた。
なお、予選で実際に出題されたペーパークイズは、最後のページにまとめて掲載しているので、興味のある方はぜひ、何問正解できるかチャレンジしていただきたい(※ちなみに、予選通過のボーダーラインは全30問中18問だったそうだ)。
クイズ大会の収録が始まってからも驚きの連続だった。早押しクイズでは、4人ともボタンを押すタイミングがとにかく早い! 筆者も問題文を最後まで聞けば正解がわかる問題がいくつかあったのだが、みなさんはそれよりも早く、司会者が読んでいる途中で正解を先読みして解答しており、しかもお手付き(誤答)がほとんどない。みなさんのクイズ頭脳の凄まじさには、ただ脱帽するばかりであった。
では、出場者のみなさんが、いかに早いタイミングでクイズに正解していたのか、いくつかの例を以下に示そう。なお、問題文中にある「/」マークは、出場者が実際にボタンを押して正解した場所にあたる。
Q:破鳥才蔵、大山礼児/、アニー・ハミルトン、花小路クララと言えば、何という格闘ゲームのシリーズに登場しするキャラクターでしょう? (正解:「豪血寺一族」)
Q:ゲーム雑誌「ファミリーコンピュータマガジン」のウル技(テク)コーナーに、ヒロイン/と野球拳ができるという、ウソの技が掲載されたことで有名な、1986年にスクウェアが発売したファミコンディスクシステム用のアドベンチャーゲームは何でしょう? (正解:「水晶の龍」)
Q:実際のアイドルが登場したPCエンジンのゲームで、「鏡の国/のレジェンド」のヒロインは酒井法子ですが、「迷宮のエルフィーネ」のヒロインと言えば誰でしょう? (正解:西村知美)
Q:ゲームデザイナーの遠藤雅伸が手掛けた、「バビロニアン・キャッスル/・サーガ」と呼ばれる4つの作品は、「ドルアーガの塔」「イシターの復活」「カイの冒険」と、あと1つは何でしょう? (正解:「ザ・ブルークリスタルロッド」)
最終結果はネタバレになるので、もちろんここでは触れないが、4人とも常人離れした知識とクイズ頭脳をお持ちであることは、上記の例でだけでもきっとおわかりいただけることだろう。それにしても、本戦に出場したみなさんの頭の中身は、いったいどうなっているのだろうか……。
また、私見ながら本大会を拝見させていただいて気付いたことがひとつある。それは、レトロゲームはプレイする以外にも、音楽を聴いたり関連グッズの収集などと同様に、「遊び」の一種としてクイズという消費形態が確かに存在することだった。クイズによって勝敗を決める場でありながら、参加者は収録前も終了後もピリピリしたところが一切なく、逆に和気あいあいとレトロゲームやクイズを話題にして、楽しくコミュニケーションを取っていた姿がとりわけ印象に残った。
本番組の塾長(司会)を務める、クイズ作家の日高大介氏にお話を伺ったところ、「ほかのテーマのカルトクイズの場合は、『みなさんすごい知識をお持ちですね』という感想になるのですが、レトロゲームの場合は初心者でも『懐かしい!』と思えたり、『この問題は自分もわかりました!』、『大好きなゲームなのに、まだ知らないことがあった!』などと、どこかに共感できる部分があって、すごくノスタルジックな気分になれて楽しめます」と、プロの目からレトロゲームのカルトクイズならではの妙味があることを教えていただいた。
本番組は7月下旬に公開される予定で、視聴するためには「QUIZ JAPAN TV」の月額会員登録を行なうことが必要。レトロゲームやクイズ番組に興味のある方はぜひご覧いただきたい。あまりのマニアックさに、そしてレトロゲームを題材にした知識バトルの熱さとレベルの高さには、きっと驚愕するハズだ。
【『魁!!クイズ塾』2019夏のカルト大会 【レトロゲーム】予選問題】
Q1、かつてのファミコン名人で、高橋名人の本名は高橋利幸ですが、毛利名人の本名は何でしょう?
Q2、堀井雄二がシナリオを手掛け、「堀井ミステリー三部作」と呼ばれる3つのゲームは『ポートピア連続殺人事件』『オホーツクに消ゆ』と何でしょう?
Q3、「ゲームボーイの産みの親」として知られるゲームクリエイターにちなみタイトルがつけられた、ワンダースワン用のパズルゲームは何でしょう?
Q4、『Dの食卓』『ポリスノーツ』などのキラーソフトがリリースされた、松下電器産業のゲーム機は何でしょう?
Q5、1992年に『アウトラン』『ターボアウトラン』に続く「アウトラン」シリーズ第3弾としてリリースされたセガのアーケードゲームは何でしょう?
Q6、「転覆した豪華客船レディ=クリサニア号から脱出をはかる」という内容の、1993年にヒューマンが発売したスーパーファミコン用アクションアドベンチャーゲームは何でしょう?
Q7、任天堂のゲーム、『ドンキーコング』でプレーヤーが操作するキャラクターはマリオですが、『ドンキーコング3』でプレーヤーが操作するキャラクターは何でしょう?
Q8、『TO MAKE THE END OF BATTLE』『ICE RIDGE OF NOLTIA』『STAY WITH ME FOREVER』といえば、何というゲームで使われた曲のタイトルでしょう?
Q9、『スペースインベーダー』『バルーンボンバー』『ルナレスキュー』など、タイトーの名作アーケードゲームを数多く手がけたゲームデザイナーは誰でしょう?
Q10.「ーゑーゎん」「ぇぎにぁょ」など、ありえない名前が生成されてしまう「じどう」という命名システムで有名な、1996年にサンテックジャパンが発売したプレイステーション用RPGは何でしょう?
Q11.1989年9月、メガドライブ初のサードパーティー製ソフト『サンダーフォースII』をリリースしたソフトハウスはどこでしょう?
Q12.ニンテンドークラシックミニにも収録された『スーパーマリオUSA』の元となった、1986年にリリースされたディスクシステム用のゲームは何でしょう?
Q13.「バンゲリング帝国三部作」と称される3本のゲームとは『ロードランナー』『バンゲリングベイ』と何でしょう?
Q14.コナミのシューティングゲーム『沙羅曼蛇』や『ライフフォース』で、プレーヤー1が操作するのはビックバイパーですが、プレーヤー2が操作するのは何でしょう?
Q15.ロールプレイングゲームの世界で使用されている通貨単位。『ドラゴンクエスト』はゴールド、『ファイナルファンタジー』はギルですが、1987年にビクター音楽産業から発売されたファミコン用ソフト『アウトランダーズ』といえば何でしょう?
Q16.1983年に光栄マイコンシステムがリリースした、「ゴキブリからケーキを守る」という風変わりな内容のシミュレーションゲームは何でしょう?
Q17.「進め進めものども 邪魔な敵を蹴散らせ 目指せ敵の城へ オゴレス倒すのだ」といえば、何というゲームのBGMに付けられた歌詞でしょう?
Q18.当時、人気だった「体感ゲーム」に対して「体汗ゲーム」とも呼ばれた、1987年にリリースされたセガの業務用ボクシングゲームは何でしょう?
Q19.ファミコン向けに発売された『ゴルゴ13』のゲームのサブタイトル。1作目は『神々の黄昏』ですが、2作目は何でしょう?
Q20.1987年にリリースされたファミコン版を皮切りに、日本で発売された『ウィザードリィ』シリーズの作曲を手がけ続けた今は亡き作曲家は誰でしょう?
Q21.1994年12月3日に、SCEからプレイステーションの本体と同時発売されたRPGは何でしょう?
Q22.対戦格闘ゲームのキャラクターで、草薙京が登場するのは『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズですが、草薙条が登場するのは何でしょう?
Q23.女子プロゴルファーの岡本綾子をCMキャラクターに起用していた、1983年にツクダオリジナルから発売された家庭用ゲーム機は何でしょう?
Q24.『ロックマン7』までの作品から選ばれたボスキャラクターたちとロックマンが格闘ゲームのように戦う、1995年にカプコンがリリースしたアーケードゲームは何でしょう?
Q25.2004年に、2ちゃんねるのスレッドで、開発者「ひでむし」による隠しメッセージの存在が明らかになった、ナムコのファミコンゲームは何でしょう?
Q26.地球によく似た環境を持つ惑星ネオケニアから脱出をめざすPCエンジンで発売されたゲーム『リンダキューブ』で、ヒロイン・リンダの声を演じた声優は誰でしょう?
Q27.架空の山脈「カムコルス山脈」に連なる5つの山の制覇をめざす、1998年にソニーコンピュータエンターテイメントから発売された登山シミュレーションゲームは何でしょう?
Q28.アニメ『宇宙の騎士テッカマンブレード』などで知られるメカデザイナー・佐山善則らが高校生時代に結成していた「スタジオ・ジャンドラ」によって制作された、1984年にエニックスから発売されたパソコン用アドベンチャーゲームは何でしょう?
Q29.ナムコのゲーム『パックランド』で、「落ちてきたボス・ギャラクシアンを取る」「モンスターを連続して6匹以上食べる」「ゴールした時のアーティスティック・ボーナスの際、地面ギリギリで止まる」といえば、ボーナス点は何点でしょう?
Q30.「Insert a Coin」を「コインいっこいれる」、「Brutality Bonus」を「残虐行為手当」など、直訳すぎる日本語版のメッセージで話題となった、1990年にアタリがリリースした格闘ゲームは何でしょう?
【予選問題の解答】
1 毛利公信(きみのぶ)
2 「軽井沢誘拐案内」
3 「GUNPEY」
4 3DO REAL(3DOだけでも正解)
5 「アウトランナーズ」
6 「セプテントリオン」
7 スタンリー
8 「イースII」(「YsII」)
9 西角友宏(にしかどともひろ)
10 「里見の謎」
11 テクノソフト
12 「夢工場ドキドキパ ニック」
13 「チョップリフター」
14 「ロードブリティッシュ」
15 ガバス
16 「ホイホイ」
17 「ボコスカウォーズ」
18 「ヘビーウェイトチャンプ」
19 「イカロスの謎」
20 羽田健太郎
21 「クライムクラッカーズ」
22 「痛快GANGAN行進曲」
23 オセロマルチビジョン
24 「ロックマン・ザ・パ ワーバトル」
25 「えりかとさとるの夢冒険」
26 高山みなみ
27 「蒼天の白き神の座(くら) GREAT PEAK」
(「蒼天の白き神の座」だけでも正解)
28 「ザース 人工頭脳オリオンの奪還」
(「ザース」だけでも正解)
29 7,650点
30 「ピットファイター」