【特別企画】

資源管理を通じて産業の移り変わりを体感できるRTS「アノ1800」OBTプレイレポート

【オープンβテスト】

4月12日9時~4月14日

 ユービーアイソフトが4月16日に発売を予定しているPC用都市建設シミュレーション「アノ1800」。現在そのオープンβテストが実施されている。

 「アノ1800」は「アノ」シリーズの最新作で、前作「Anno2205」や前々作「Anno2070」が未来を舞台としていたのに対し、19世紀から始まる文明の近代化にスポットを当てたリアルタイムストラテジー(RTS)となる。

 OBTは本作の体験版的な位置付けで、誰でも無料でプレイが可能であり、日本語化も行なわれている。期間は14日まで実施されており、この土日にがっつりとプレイすることが可能だ。

 なお、OBTではストーリーの序盤を遊べる、チュートリアル的な役割を果たすキャンペーンモードと、高度なカスタマイズが可能なサンドボックスモード、そしてマルチプレーヤーモードの3つのプレイが可能となっている。早速筆者もプレイしたので、この手触りをお伝えする。

【「アノ1800」オープンベータトレーラー】

シビアな管理が必要とされるRTS

 本作においてプレーヤーは小さな会社からスタートし、植民地との貿易や工場の建設など様々な方法を通して権限を増やし、町を発展させていくことが主な目的となる。

最初は小さな港からスタート。時代が進んでいくことに、様々な生産施設がた立ち並んでいく

 まず、農家の家を建て、住人を島に呼び込んでいくことが最初の仕事だ。島の住人のためにマーケットや衣料の生産などを行ないながら、発展に必要な木材などを生産していく。

 各建造物は道で繋がっていなければ効果を発揮しないだけでなく、効果範囲も決まっているので、効率的な配置を考えながら建築を進めていくことが求められる。

家やマーケットは道でお互いを繋げておかなければ効果を発揮しない。また、資材の入手場所には倉庫を建てて道で繋げておかなければならない

 生産施設の効率的な稼働には人手が不可欠だが、人口の維持や増加には新しい家を建てるのに必要な資材や、不満を下げるための施設などのコストがかかる。当然、こうしたコストも生産の担い手がいなければ産出されない。また、効率的に街を運営できていないと資金はゴリゴリ減っていく。序盤から人・モノ・金の管理をしっかりと行なう必要がある。

木材は後の時代にも必要となる重要な資材。木こりの小屋と製材所を建設すれば産出できる
衣類を作るためには羊の農場と織物工場が必要。これ以外にも様々な生産施設が存在する
生産効率は変更可能だが、それにあわせて住人の幸福度が変動する

 農家の人口が一定数を超えると農家の家のアップグレードが可能となり、そこに住んでいる農家を労働者へと変更できるようになる。一定数の労働者が手に入ればレンガや鉄といった資源の採掘・加工などを行なえるようになり、一気に産業化への道が見えてくる。

 ただし、労働者を増やすのに力を注ぎ過ぎて、農家が不足するとこれまで街を支えてきた一次産業が成り立たなくなってしまうので注意が必要だ。

街は人口などの条件を満たすことにより状況が変化。新たなタイプの住人や建造物が解禁されていく
粘土や鉄といった資源によって、レンガや鋼鉄といった中間財が手に入る。
鉄工所と武器工場を建設。鉄から鋼鉄を作り、鋼鉄から大砲を生産できるようになった。ただ、画像では労働人口が足りておらず、効率的に生産ができていない

 一次産業が中心だった街が、人口の増加と共に発展し鉄鋼業が盛んになる。そうすると必要な資源が増えるだけでなく、住人の要求も増えてき、どんどん管理が難しくなっていく。さらに労働者が増えた結果、農家の必要量も上がっていくので、常に人口を増加させていかなければならないが、一方で不幸度をあげないように気を使わないといけない。加えて他の勢力との出会いもあり、プレーヤーの忙しさは増すばかりだ。

 しかし、この忙しさの中で細かな数値に気を配り、街の発展に全力を尽くしていくことこそがRTSの醍醐味であり、「アノ1800」は忙しさに喜びを覚えるタイプのプレーヤーにはまさにうってつけのタイトルであるように感じる。また、最初は細かいやりくりが中心となるが、街の発展と共に事業のスケールが大きくなっていくことも楽しみのひとつだ。

火災を防ぎ、新聞で世論を操作

 本作の街経営はこうした生産管理だけには留まらない。市民の幸福を維持し、暴動を防ぐために教会や警察署といった施設を建設したり、新聞に手を加えて住人の行動や感情をコントロールすることも重要だ。

 また、他勢力と出会えば交易を通じて余剰資源を輸出し、必要な資源を手に入れることも可能。積極的に利用していきたい。

新聞を検閲することで不満を隠し、幸福な暮らしを送っているように錯覚させることも可能。他にも消費を促して収支を向上させたり、暴動を防ぐことも可能だ

 プレイを通して注意したいのは火災で、建造物を密集させていると発生しやすくなる。消防署を建てていないと大きな人口減少や産出低下を招きかねない。

火災が発生してしまった!人口が減少するだけでなく、工場などに燃え移ると大きな打撃となる。建造物の密集地には消防署の建設が必須だ
不満がたまれば市民は暴動を起こす。生産力が減少するので要注意だ。パブなどの施設を建設して、不満は抑えることが可能

 このように、様々な要素が詰まった本作だが、キャンペーンはOBTでプレイ可能なのは第2章の途中までとなっており、正直まだまだ紹介しきれないほどたくさんの要素がある。

 時代が進めば職人のような新たな住人と、石炭や石油といった資源と、それに伴う加工品が解禁され、さらなる街の発展だけでなく他陣営との戦争や別の島への入植といった要素なども解禁されていくようだ。

 本作はかなりシビアな資源の管理が求められるRTSとなっており、コアなシミュレーションゲームが好きならばハマること間違いなしだ。OBTは4月14日まで実施されている。是非OBTをプレイし、「アノ1800」の世界にどっぷりと浸かってほしい。

他陣営との関係や、取引といった外交要素も充実している
小さな港町が、どんどん発展していくのはそれだけで楽しい。これこそが街シムの醍醐味だ