インタビュー
【特別企画】MSI本社で、またもや未発表ゲーミングノートを発見!
自宅ではGeForce GTX 980をぶん回し、出先ではモバイル環境で快適に使うデスクトップノート(!?)「GS30」
(2015/2/13 00:00)
自宅ではGeForce GTX 980をぶん回し、出先ではモバイル環境で快適に使うデスクトップノート(!?)「GS30」
「GS30 2M Shadow + G-Dock」は、日本で1月23日に発売されたばかりのユニークなゲーミングノートだ。厚さ19.8mm、重さ1.2kgの薄型軽量のノートPC「GS30」は、一見ごく普通のビジネスノートPCに見えるが、同梱の拡張ドッキングボックス「G-Dock」に接続することで、デスクトップ用のGPUや、PCIe x16 3.0による大幅なパフォーマンスアップが可能となる。
このノートPCのアーキテクチャに、デスクトップの拡張バスとGPUを繋ぎ込むにあたって、MSIのマザーボードベンダーとしてのノウハウが活かされているようで、担当者は「他社では真似できない」と胸を張る。
「GS30」がユニークなのは、その使い方だ、モバイル時は「G-Dock」から切り離してモバイルノートとして使う。まあ、これはわかりやすい。おもしろいのは「G-Dock」を接続した場合の使い方だ。なんと、専用ケーブルなどで接続するのではなく、「G-Dock」の上部にドッキング用の端子が用意されており、“上に載せる”形で使うのだ。
つまり、「G-Dock」接続後は、完全にノートPCとして使うことは想定しておらず、「G-Dock」に接続されたモニター、キーボード、マウスを使う形になる。要するに「GS30」は出先ではモバイルノートPC、自宅ではデスクトップPCとして使うわけだ。日本でも2011年にリリースされたVAIO Zのように、外付けドッキングステーションを接続することで、ディスクドライブとしての機能に加え、GPUパワーの恩恵を受けることができるノートPCが存在したが、それらはあくまでノートPCとしての使用が前提であり、「GS30」それらとは発想の時点で異なることになる。
そのため比較対象はデスクトップPCだ。アピールポイントは重量と容積。「GS30」は、一般的なデスクトップPCが15kgの重量、51Lの容積なのに対し、「GS30」はわずか5kgの重量、15Lの容積で済む。デスクトップと同等のパフォーマンスが発揮できるのに、重量/容積は1/3まで減らしているというわけだ。
「GS30 2M Shadow」そのものは、誤解を恐れずに言えば、“ゲーミングのMSI”らしからぬオーソドックスなオンボードスタイルの薄型軽量のノートPCだ。CPUはCore i7-4870HQ、GPUはCPU内蔵 Iris Proグラフィックス5200を採用。CPUはこのグレードとしてはかなりリッチなクアッドコアを採用しているが、GPUはいかんせんオンボード止まりのため、3Dゲームをバリバリ遊ぶには非力だが、ビジネスや学業など普段使いには十分すぎるほどの性能を備えている。
一方、「GS30 2M Shadow」のブースターとなる「G-Dock」は、デスクトップGPUが使えるだけでなく、先述したように周辺機器を接続するためのUSB(3.0)ポートが4つ、3.5インチSATA3用のスロットが1つ、2.1chのステレオスピーカーなどが用意されており、それをフル活用するために450Wの電源が搭載されている。
価格はすでに発表されているように、ノートPC「GS 30 2M Shadow」とドッキングボックス「G-Dock」のセットで250,000円前後。今後、マーケットニーズに応じて、「GS 30 2M Shadow」単体での販売や、「G-Dock」の他の「G」シリーズへ使えるような横展開も検討していく。
MSIはGSシリーズで、ゲーミング性能とモバイル性能の両取りを実現したが、「GS30」はさらにそのコンセプトを拡張したようなノートPCといえる。ある程度デスクトップ向けの環境があって、モバイルノート環境も同時に揃えたいゲームファンにお勧めのゲーミングノートだ。