Aiming、「剣と魔法のログレス」プロデューサー辻井康司氏インタビュー
クランやレイドなど、12月以降アップデートの詳細が判明!
ブラウザゲームだが、本格的な戦闘や冒険が楽しめるMMORPGに仕上がっている |
「ブラウザ三国志」や「戦国IXA」などを手がけたスタッフが集結した株式会社Aimingの最新作「剣と魔法のログレス」が、10月12日に課金アイテムの追加と同時に正式サービスに移行してから1カ月半を迎える。
「剣と魔法のログレス」はブラウザで遊べるMMORPGで、インストール不要なお手軽ゲームなのだが、実際に遊んでみるとその本格的な作りに驚かされる。プレーヤーはログレス王国に3つあるギルドの中から1つを選んで所属し、クエストをこなしてハンターレベルを上げていく。
11月17日には初めての大規模な職業バランス調整のアップデートが入った。今後は12月に「クランシステム」、2012年以降に「強力ボス」と「レイドボス」、新エリアの実装が予定されている。
今回は、Aiming本社にお邪魔して、Aiming「剣と魔法のログレス」プロデューサーの辻井康司氏と、マーベラスAQLのオンライン事業部ディレクター飛塚剛氏に、今後のアップデートについて話を聞くことができた。17日の職業バランス調整の意図や、今後のアップデートについての詳細など、ログレスの最新情報をまとめてお届けしたい。
■ 自由なパーティー構成を可能にする職業バランス調整
Aiming「剣と魔法のログレス」プロデューサーの辻井康司氏 |
マーベラスAQLのオンライン事業部ディレクター、飛塚剛氏 |
編: サービス開始から今までの手ごたえはどうですか?
辻井康司氏: 予想以上に多くの方に遊んでいただいています。MMORPGですが、ブラウザタイプにしたことで敷居が低くなり、より多くの人がプレイしてくれたようです。最初はMMORPGを全く知らない方も多かったのですが、1カ月経ってようやく慣れてきて、プレイスタイルが確立されてきたかなと感じます。
編: MMORPGで遊んだことのないユーザーが多かったのですか?
辻井氏: そうです。今は公式サイトとYahoo! モバゲーの2つからサービスしています。公式からのユーザーさんはMMORPGに慣れた方が多いのですが、Yahoo! モバゲーはブラウザゲームしか遊んだことがない方や、SNSしか見ないような方が多くて「何をすればいいんですか?」という感じでした。しかし、できるだけコミュニケーションがとりやすいようなシステムにしていたおかげで、色々な人が助け合って今はみなさん普通にプレイされていて、新しい方が来たら今度は教えてあげるといういい循環ができているかなと思います。
編: 初心者にはどういったところが難しかったのですか?
辻井氏: パーティーという言葉すら知らない方もいて、最初は1人で遊んでいるのですが、敵が強くなってくるとどうすればいいのかわからないという方も多かったです。2人でパーティーを組めばすぐにクリアできるようなクエストでも、そこが壁になってなかなか先へ進めないということもありました。この1カ月の間に細かいアップデートを入れて、そういった部分でパーティーを組みやすくしたり、敵を簡単にしたりして壁を削っていったというのが今までの経緯になります。
編: 先日も、アップデートで戦闘に乱入できるようになりましたね。
辻井氏: あのシステムでは、パーティーの組み方がわからない人や、組もうという意識がない人でも半分強制的に組むことになるので、チュートリアルとして有効かなと思っています。ほかにも、少し強い敵がいる場所で、誰か一人が戦闘を開始すると周りに立っていた人がみんなで入っていくという遊び方もされています。初めての方が問答無用でパーティーを組めるのは、いいシステムだったのではないかと思います。
編: ブラウザ型のMMORPG開発でクライアント型との違いはどこですか?
辻井氏: やはり制限が多いところですね。読み込みとかであまりお待たせしないという部分にかなり気を使っていて、フィールドや街がきれいに分割されているのもそれが理由です。クライアント型では想像しない部分でストレスを感じてしまうことが多いと思うので、そういった部分を企画段階から考えておかないと厳しいですね。
強力な新装備も実装される |
編: ブラウザゲームのメリットはどのようなところですか?
辻井氏: ブラウザ型にすることによって、ダウンロードしてインストールする手間がなくなってとりあえず試してみられるというのはすごく大きいですね。公式ホームページに来て、そのままプレイしてくれる人って、クライアント型を作っていた時には半分もいたらいいかなというくらいだったのですが、今はほぼ100%がプレイしてくれます。クライアント型の場合は、まずはどうやってクライアントをダウンロードしてもらうかを考えなくてはいけなくて、いっそロムを配ろうかと話をしたこともあります(笑)。でも、ロムを配ってもインストールする手間があるのですよね。お金もかかりますし。最近はPCの進化のおかげで、こまめに読み込みを入れればダウンロードなしで遊べるようになって、そのメリットは本当に大きいと思います。
編: 「剣と魔法のログレス」はある程度レベルが上がるとパーティーが必須になりますね。MMORPG初心者が多いゲームがこういったバランスでは、難しいのではないですか?
辻井氏: 初心者が多いだろうと想定はしていたのですが、何よりもきちんとしたMMORPGを作りたいという気持ちがありましたから、序盤はサクサクとソロでも進めるけれど、途中からパーティー必須になるのは大前提として考えていました。しかし、予想以上に初心者さんが多いので、その意図がなかなか伝わらなかったという面はあります。パーティーありきでバランスを考えた方が、組み合わせの妙や人との連携などで面白くなると思いますから、そこを伸ばすようなシステムにしています。ただ、多少壁が早かったかなとは思っているので、そこは17日のアップデートで修正を入れました。
編: 11月17日のアップデートの意図はほかにどういったことがありますか?
辻井氏: 2つあります。まずは、特定の構成に偏りがちなパーティー編成で次善の策が作りやすくなるような職業バランスにすることです。それぞれの職業の弱点を補強するようなスキルを入れています。例えばファイターは火力職なのに火力が弱いのではないかと言われているので底上げをしたりといったふうに、いい部分を伸ばしたり足りない部分を補完するスキルを入れています。まずは今回が第1弾で、今後も随時調整していくつもりです。
編: この時期にバランス調整を入れたのはなぜですか?
辻井氏: ある程度皆さんのプレイスタイルが確立してきたのと、そろそろレベルアップの壁が出てきたのでパーティーを組みやすくする状況が求められるのではないかと思いました。もう1つはゲームのことがわかってきて、不満がたまってくる頃でもあり、パーティー関連のアップデートが一区切りついたので、じゃあ入れましょうと。なるべく早いタイミングで、きちんと対策しますよという姿勢をお見せしたかったということもあります。
編: スタート時にはファイターが強い印象がありましたが、今はどの職業が強いのですか?
辻井氏: 今はマジシャンですね。これは予想通りで、序盤のソロプレイが中心の時にはファイターが1番強いのですが、敵が強くなってきてなかなか倒せなくなってくるとリスクが高くなってきます。逆にマジシャンはパーティーを組んで守ってもらえるようになると、属性攻撃で敵に大ダメージを与えることができますから。ファイターはほかの職に比べると特色が弱い部分があったので、今回はそこに関しても補強を入れていこうかなと。
編: ナイトの回復系技能が調整されて、レンジャーにも新しく回復技能が加わっていますね。
辻井氏: プリーストがいなくても回復ができるように、応急処置にも少し調整を入れています。プリーストほどには回復できなくても、代わりに攻撃力があるので早く敵を倒すことができる形で、1つの構成に最適化されやすい中で、こんな組み方もありますよという提案になります。
編: ヒーラーが不足気味なのですか?
辻井氏: 人気職なので不足しているわけではないのですが、人気があるだけに取り合いになるのはMMORPGの常だと思います。回復ってたいてい足りないですから。
■ クランはギルド単位で、25人程度を想定
クランチャットの導入で、仲のいい人たちとのおしゃべりが簡単になる |
編: 12月には「クランシステム」が入りますね。これはどういったものになるのですか?
辻井氏: これまでは外から中に入ってくる人に向けたケアに注力していたのですが、今度は中にいる人たちのつながりをより濃くしていきたいということと、今後のアップデートで競争要素的なものを増やしたいと思っていて、今でもギルド内の個人単位の競争はあるのですが、クラン単位の集団戦を追加したいと。「あの強いクランに負けないように、俺たちのクランも頑張ろう」とより身近な競争対象を見えるようにしたいと思っています。システムは全体がすぐに入るわけではないのですが、まずは仲間を作ってグループチャットができるようなシステムを入れて、その後のアップデートで色々な機能を追加していこうと思っています。
編: クランはギルド単位になるのですか?
辻井氏: どうするか悩んだのですが、今後の競争要素をかんがみるに、ギルド抗争の中のクラン抗争にしたかったので、まずは同じギルド内の人としか組めないようにしています。ただ、それで大きな偏りが出るようであれば、将来的にはギルドの移動も考えようと思っています。ギルドチャットで話をしている人たちが多いので、その中でより濃いつながりを作って、ほかのクランと競争していただきたいなと思っています。
編: クランの競争要素は、どんなものになるのですか?
辻井氏: 今「ギルドコール」というものがあって、ギルドごとの達成人数が表示されたりしていますが、ここにクラン単位の貢献ランキングを表示したいと考えています。このクランがすごいとわかると、そのクランに入ることがステータスになるじゃないですか。フレンドになる時に、この人はあのクランの人だから信頼できるとか、強い人だとわかるような。こういう名誉的なステータスって、MMORPGの数字では見えないステータスとして重要だと思っているので、まずはそこを押し上げていきたいと思っています。後は、今後追加する予定のレイド系の戦闘でクランをクローズアップするようなランキングシステムを入れようと思っています。
編: 人数の多いクランが有利になるのですか?
辻井氏: 人が多いところが強いとなるのは、それはそれで問題があると思っています。そこのプラスマイナスは良く考えて導入するつもりです。弱小の5人くらいの仲良しクランにも、それはそれで価値があるのですが、競争では勝負になりませんから。
編: クランの人数はどの程度を考えていますか?
辻井氏: 20人から25人程度がマックスかなと考えています。最初からその人数にするのか、段階的に拡張していくかはまだ決まっていません。
編: ユーザーの方は結構セカンド、サードを所属させるのですぐに枠が埋まってしまいませんか?
辻井氏: そこもルールしだいですね。クランの人数が多い方がいいとなると、みんなセカンドをいれちゃいますしね。実はクランのシステム自体はもうほとんどできているのですが、そういうルール作りにまだ少し時間をかけたいと思っています。実装は12月の中旬ごろを予定しています。
■ 強力ボスでレアアイテムゲットが簡単に!
強力な敵だが、倒すとレアドロップが手に入る確率が高くなる |
編: クランシステムが入って、ある程度クランが結成された頃に、いよいよ新しいボスが追加されるのですね。
辻井氏: クランを活かせるシステムを入れていきます。ただレイドボスは、それはそれで面白いので、クランの成熟とは関係なくまずは個人間の競争要素として入れましょうということになる可能性もあります。
編: 2種類のボスが発表されていますが、まずは「強力ボス」について、どのようなボスになるのですか?
辻井氏: 今までのボスとビジュアル的には同じで、強さが違うものが主体になりますね。もちろん未登場のものも用意するつもりです。例えば、今までだとこのくらいのレベルで倒すと、このくらいの経験値がもらえるというルールがあるじゃないですか。で、モンスターによって何%の確率でレアドロップを落とすというのが決まっていますが、その数値をいじったりすることを考えています。経験値はそれほどおいしくないけれど、その分レアドロップ率は倍になるとか。そういった敵がいる専用のゾーンがあったりすると面白いですよね。それなりにキャラクターを育てている人用のチャレンジコンテンツで、次のレベルまではまだかなりかかるから、まずはドロップを頑張って獲ろうとなれるようにという遊び方も可能です。かなり強いボスなので、それなりに合成などで自分を強くしていかないといけないですが、その分見返りもいいものが出る可能性があります。
編: そのゾーンは、レアドロップを出すモンスターばかりがいるような場所になるのですか?
辻井氏: 今までの遊び方とは違う、アイテム収集に焦点を当てたエリアなどを作りたいと考えています。ですから今のところはおっしゃったようなイメージに近いですね。例えば今は「マンドラ」というモンスターはレアポップですが、そのゾーンに行けば名前がちょっと違うけど、同じアイテムを落とす敵が普通に歩いていたりとか。その敵は倒すのに時間がかかるけれど、アイテムを落とす確率は高くなると。今まで通りの敵を狙うか、こちらを狙うかはユーザーさんが選べます。普通の成長に飽きてきた人が、仲のいい人たちといっしょに今日はこっちをやってみようとチャレンジできるというコンセプトです。
編: 高レベル向けのコンテンツなのですね。
辻井氏: まだ確定していませんが、例えば20レベル以上の人が対象、といったエリアになるかもしれません。そのレベルに達してない方は、行くために頑張るというモチベーションにもなるかなと。
編: 入るための条件はなにかあるのですか?
辻井氏: 参加条件はこれから調整していきます。一定レベルを超えていれば誰でも行けるようにするのか、Poroで入るのか、もしくは特定のクエスト、例えば女王様からのクエストを受けるとそこに行けるようになるとか。そのあたりのことも考えていかなくてはいけないのですが、まだ先の話ですので、まずは目の前のことをやっていかなくちゃなりません。
■ レイドボスは全プレーヤーが参加できるお祭り的なイベント
レイドボスは「キャッスルコール」のコンテンツとして実装される |
ストーリーイベントは、立ち絵を使った派手なものになる |
レイドボスの討伐は、複数のパーティーが累積したダメージで判定される |
編: レイドボスはどんなものになるのですか?
辻井氏: レイドボスは「キャッスルコール」の対象に入れてしまおうと思っています。女王からクエストを受けるのですが、これをプレーヤー同士協力してボスに挑戦することになります。
編: 告知のイラストでは3パーティーがボスと戦っていますが、3パーティーで攻略するものになるのですか?
辻井氏: 3パーティーとは限らないです。戦闘は従来と同じなのですが、敵に与えるダメージが累積されていきます。例えばAパーティーでは1万、Bパーティーでは5,000、Cパーティーでは2,000なら合計で17,000のダメージを与えたことになります。すべてのパーティーが挑戦したその総合でボスを倒せたかどうかを判定します。
編: ボスがインスタンスになっていて、全員が同時に戦えるのですか?
辻井氏: そんな感じだと思ってください。ですから弱いパーティーでも参加できて、全レベル帯の人たちに遊んでいただけるコンテンツにしたいと思っています。「今回は500しか与えられなかったので、次は頑張ります」となれば僕らの期待通りです。
編: 戦闘はチャンネルをまたぐ形になるのですか?
辻井氏: そうなるかもしれないですし、まだわからないですね。このチャンネルに集まれとなった場合は、入れない人が出てきますが、そういう競争要素ももちろんあり得ます。そのあたりはまだルールを決めていないので、いろいろなバリエーションが作ろうと思えば作れます。
編: 1チャンネルの1つのエリアに最大でどのくらい入れるのですか?
辻井氏: 今は150人ですが、200人くらいは入れます。ただその場合は、マシンスペックの低い人では重くて全然動かなくなる可能性があります。ギリギリ操作できるかなという限界が150人なので、街はその数を基本に考えています。
編: レイドボスが出ると、ゲーム中のプレーヤーが集まってくることになるのですか?
辻井氏: 巨大ゴーレムが出現したから倒してくれ、といったクエストが発生する感じです。1時間でどれだけダメージを与えることができるかギルド間で競うようなものなら、今やっているクエストを中断しても行こうという形になるかなという狙いがあります。
編: ギルド競技という側面もあるのですね。
辻井氏: 今はまだギルド間の関係がぬるいので、そこをもう少しとがらせようかと。国家の危機かもしれないのだから、それこそ何をおいても出撃しろと(笑)。参加したら意義はあるので、突発イベントとしてみんなで参加できるお祭り的な要素にして、そこで活躍している人が尊敬されるのも大事なところかなと思っています。
編: 出現頻度はどのくらいになるのですか?
辻井氏: システムだけにした場合は低くなりますが、「キャッスルコール」は運営側でもタイミングをいじれるようにするつもりなので、たとえば週末には出しますよと事前に告知することもやろうと思えば可能になります。
編: 運営イベントのような位置づけなのですか?
辻井氏: 出来ればシステマティックにしたいところではありますが、まあどちらとも取れるシステムにしておいた方がいいかもしれないですね。なんだか期待感が高まっているから、今週は出してみようかと出すのが面白いかもしれません
編: 今、ギルドの中でガレリアだけが人数が少なめですね。
辻井氏: ガレリアは開発の中では1番人気なのですよ(笑)。まあ、人気がないだろうなというのは予想がついていたのです。ほかの2つに比べてとがっていませんからね。シルベリーは正統派なので絶対に人が来ると思っていたし、グリュネはキャラクターが好きな人が集まると思っていました。ガレリアが1番普通なので、普通な人が集まるかなと。ただ人数が少ないから不利かというと、例えばレイドボスの参加枠がある程度決まっているとしたら、人数が多いところは全員が参加できませんが、少ないところは参加できたりと単純にデメリットばかりではないじゃないですか。そういう部分は工夫の余地があるかなと考えているので、詰めていきたいです。貰えるリワードについても、買えるものの条件が多少変わるだけで、あまり不利になるようなら運営側でラインナップを更新して改善することもできます。
編: なるほど。しかしそうなると今後は競争要素が弱くなって、遊び応えがなくなるのではないですか?
辻井氏: どこまで殺伐とさせるかというのは、難しいところだと思います。偏りは必ず出ると思っていたので、今は結構緩い作りにしています。あまり厳しくして、「今回も負けたから、もっと参加しろ」と強制する人が出ても、それが嫌でやめていく人が出てしまうので。なるべく参加することに意義があって、人数が少ないと勝てないけれど、代わりに何度も参加できるので個人がもらえるリワードは多くなるとか、そういうところでうまく調整したいなと思っています。
■ 新エリア追加とともにレベルキャップを開放
新エリア「雪山」は高レベル用の新しい狩場となる |
編: 新エリアは強力ボスやレイドボスと関連があるのですか?
辻井氏: また別のコンテンツです。今は4つのエリアがあるのですが、新エリアは5つめのエリアとしてレベルキャップの開放と絡めて考えています。雪山のフィールドで、今まで見たことのない新モンスターと、既存モンスターの雪山仕様みたいなものも出していきます。目標としては、みなさんが30レベルに達してからあまり時間が経たないうちに出したいと思っていますが、なかなか難しいかもしれません。
編: レベルキャップ解放ではどの程度のレベルが解放されるのですか?
辻井氏: 5から10程度です。もしかしたら、新エリアの実装より、レベルキャップの開放を先行するかもしれません。既存の砂漠エリアでも、上げようと思えば30以上にあげられるので。
編: 新エリアの実装は今後どのようなスケジュールで行なわれていく予定ですか?
辻井氏: パターンが2つあります。強力ボスエリアのようなものは、基本的には既存のフィールドパーツを再構成することで作れるので、結構早く作れるのですね。逆に雪山フィールドのような完全新規エリアはやはり時間がかかります。ですからその2つを織り交ぜていこうかなと思っています。
編: これ以外のコンテンツ、たとえば対人戦などについては、実装の予定はありますか?
辻井氏: このレイドボスと雪山マップだけでここ半年分くらいはありますが、その後にはもちろん対人戦も考えています。ただ、アイデアとしては最初からあったのですが、まだ具体的なことは何も決まっていないのでやるかもしれない程度ではありますが。対人戦についてはルール設定に慎重を期したいので、時間がかかるかもしれません。競争要素がないわけではなくて、単に戦うだけという対人であれば、実は今でも作れなくはないのですが、それが面白いのかというと疑問ですし、それにやはりそれなりの手間はかかりますので、まずは全レベル帯の人が遊べるレイドボスを先行すると、僕の方で優先度をつけています。
編: オンラインゲームはアイテム集めや戦争がエンドコンテンツになっているものが多いですが、今後ログレスはどういう方向性になっていくのでしょうか?
辻井氏: 今は完全にアイテム集めですね。まだ遊びつくされていないコンテンツとしては「合成」があります。やろうと思えばかなり奥深いことになっているので、レベルアップに合わせて、色々な敵を倒して合成の材料を集めてもらうことを目的にしています。強い武器を作って、より強いボスを倒して勇名を上げて、ほかの人を助けたり、ほかのプレーヤーはその人を目指してもらいたいです。
【新フィールド「雪山」】 | |
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新エリアは雪山。いかにも雪国らしい新モンスターも同時に登場する |
■ ゲームに関係ない話でだべるようなコミュニティを作って欲しい
「のんびりとおしゃべりしているだけでも楽しい空間にしたい」と辻井氏 |
編: 「剣と魔法のログレス」の特徴として、画面にキャラクターの交友関係がでますね。あれはどうしてああいった形にしたのですか?
辻井氏: ブラウザゲームなので、ソーシャル性を強調したかったのです。パーティーを組んだり仲間を作ることがネックになると思っていたので、それをやりやすくするためのシステムです。ボタンを押したらすぐにフレンド登録ができて、フレンドの現在の状況が一目でわかって、パーティーを組みたい時にすぐにアクセスできるという。これはMixiのようなSNSの基本スタイルだと思うのです。MMORPGで遊んだことがない人でも、ここに出ている人には話しかけてもいいのではないかと思ってくれるのではないかという希望的観測もありました。コミュニティを作りやすい要素を考えて、色々なゲームやSNSを参考にした結果、ああいう形になりました。将来はクランメンバーのログイン状況もわかるようにしたいです。
編: ログイン状況って、人に知られたくないと考える人もいませんか?
辻井氏: もちろん良し悪しはありますね。僕が昔関わっていたゲームでは、装備を見せたくないという人が多くて、オンオフできるシステムを入れたのですが、そうするとみんな切ってしまうのです。でもそれじゃ面白くないじゃないですか。僕は基本的に他の人の装備を見て目標にするとか、自分と比べることって大切だと思っているので、そこはオープンにいきたいなと。もちろん、弊害が大きいようであればオンオフ等は検討しますけど、まずはこのゲームはオープンですよという形にさせていただいて、入っているけど実はログインしてないよというようなあいまいな状況はまずはぶった切った形で考えさせていただいています
編: ユーザーの反応はどうですか?
辻井氏: 否定意見はそれほどきていないですね。SNSに慣れている方はそういうやり取りがしたいから入るわけじゃないですか。そういう人たちはあまり気にならないようです。今までのゲームから来た方でも、最近そういうのが多くなってきているじゃないですか僕がMMORPGにガチではまっていた時代に比べると、フレンドとか話しかける敷居がずいぶん下がっていると思います。
編: プロフィール欄にプライベートな情報も書き込めるようになっていますね。
辻井氏: あそこは、例えば趣味が同じだから仲間になろうと言ったゲームに関係ないことを書いてもらうのも目的の1つなので、活用してもらえると嬉しいです。「ゲームは初心者ですが、こんな趣味があります」などと書いてもらって、単純にだべる仲間としてフレンドになったりクランになったりするのが目的なので。
編: コミュニティ掲示板もありますね。
辻井氏: あそこにも同じ効果を狙って「ゲーム外」みたいな項目をわざと用意しています。ゲームの攻略情報だけの掲示板って面白くないので、どんなドラマが好きですかとかどんな食べ物が好きですかとか、だらだら書いてもらって、面白い人がいたら、そこの名前をクリックしてもフレンド登録できるようになっています。そうやって仲間を増やして、横のつながりを広げていって、ひたすら殺伐とレベルアップして効率を求めるだけじゃなくて、仲のいい人たちとたまに戦闘して戻ってという緩いコミュニティで遊んでもらえればなぁと、かなり最初から狙っています。
編: ゲーム内のそういったコミュニティはかなり形成されてきているのですか?
辻井氏: 仲のいい人たちは固まってきていると思いますが、趣味的な集まりはまだだと思います。というのも今のところ、そういう人たちが話し合う場所がないのです。ギルドチャットかパーティーを組むか、もしくは誰もいない場所に行ってそこで周囲チャットで話すかくらいしかなく、ちょっとやりづらいので、クランが実装されたら活性化するのではないかと思っています。
編: クランだけが使える施設や部屋のようなものは入るのですか?
辻井氏: まだ確約はできませんが、クランルームみたいなものを作りたいなあと思っています。そこを維持するためにドロップを拾ってきたり、お金を貯めたりするのも面白いのではないかと。本当はそれを入れてからクランを実装しようと思っていたのですが、そうなるといつになるんだという状況だったので、まずは最低限のシステムを入れましょうと。
編: 個人単位でルームやハウジングなどの予定はありますか?
辻井氏: 今は考えていません。集団をベースに考えたいので。もちろん個人のニーズが多いのも重々承知しているのですが、まずは集団で遊べるコンテンツを優先したいと思っています。
編: 「ブラ三」のようにシーズンがあるゲームと違って、長期に続いていくわけですが、今後どうなっていくのでしょうか?
辻井氏: しばらくは今の延長線上で新しいエリアやアイテムを追加しつつ、レベルを上げてもらって、自分のバリエーションを増やしていただくというところに注力していきたいと思っています。それとは別に友達を増やしてもらって、クランルームの飾りつけであるとか、そういう戦闘以外の要素を増やして、いつも入って必ず戦闘しなくちゃならないというわけではないというゲームにしたいです。もちろん戦闘が1番楽しいのは間違いないですが、気軽に入って友達としゃべるだけでも面白いというゲームになってくれるのが1番いいですね。
編: 海外展開についてはいかがですか?
辻井氏: 具体的な計画があるわけではないですが、十分あり得るのではないでしょうか。ブラウザなのでやろうと思えばどこででもやれますから。
編: 出したい気持ちはありますか?
辻井氏: 結構どこでも通用するのではないかと思っているのです。特にMMORPGなので韓国なんかでは普通に受け入れてもらえるのではないでしょうか。例えばパーティー参戦システムで日本人だと挨拶しなくちゃだめというのがありますが、海外の人だと、とりあえず入って戦ったら黙って出て行ってもOKという風潮があるので、より受け入れられやすいのではないかと思います。少なくともビジュアルとかでは負けてないと思うので。これだけ本気出してるので(笑)。
編: 最後にファンへのメッセージをお願いします。
辻井氏: オンラインゲームですから、これからどんどん成長していきます。もっと面白くなると思います。ご期待に添えるよう頑張りますのでよろしくお願いいたします。
飛塚剛氏: チャットに拒否反応がある方もたぶんいらっしゃるのではないかと思いますが、「ログレス」はいいお客さんがたくさんそろっています。基本的には「よろ」「おつ」「おめ」の3個くらいを言っていただければだいたい会話も全部成立しますし、パーティーに入ってタイミングに合わせてその3つを言っていただければ普通に1時間遊んで、出てきてよかったねと、そのあとタイミングが良ければフレンド申請が1つくらいはきますよね。だからまずは楽しく1回遊んでみてください。
編: ありがとうございました!
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(2011年 11月 24日)