インタビュー
「ファイナルファンタジーVII リベレーション」ディレクター浜口直樹氏インタビュー
マルチエンドになるようなことは絶対にやるべきではない――「リベレーション」の進化と完結編への思いを直撃
2026年9月10日 21:00
- 【FINAL FANTASY VII REVELATION】
- 2027年4月8日 発売予定
- 価格:通常版 9,900円(税込)
2020年に発売された「ファイナルファンタジーVII リメイク」(以下、リメイク)から始まった「FINAL FANTASY VII(ファイナルファンタジー7)」のリメイクプロジェクト。2024年の第2作「ファイナルファンタジーVII リバース」(以下、リバース)を経て、その三部作を締めくくる完結編「ファイナルファンタジーVII リベレーション」(以下、リベレーション)が、2027年4月8日についに発売を迎える。本作では飛空艇ハイウインドで星全体を巡るオープンワールドが舞台となり、新たにヴィンセントとシドが操作キャラクターとして加わるほか、新たな試みも多数盛り込まれている。
リリースに先駈けて、8月に開発中の「リベレーション」を約1時間にわたって試遊。その後、本作のディレクターを務める浜口直樹氏へのインタビューを実施した。今回のインタビューでは、こうしたゲームデザインの変化をはじめ、成長要素が加わったチョコボ、ハイウインドで世界を巡る仕組み、原作に登場したウェポンやナイツオブラウンドの扱い、さらには三部作の完結編をどのような作品として仕上げようとしているのかについて、詳しく話を訊いた。
「決意」をゲーム体験に――プレイヤー自身が選ぶ「リベレーション」のゲームデザイン
――先日「リベレーション」を試遊させていただきました。今回で三作目ということで、過去2作からどのような変化をつけてくるのか楽しみにしていたのですが、まず驚いたのがインフォメーションの表示です。さまざまな場面で頻繁に表示されますが、かなりポップなデザインになっていました。
浜口氏:特に「マイレポート」あたりですね(笑)。「リバース」のチャドリーレポートから、今回はマイレポートに変えていますが、大きくふたつ変えた部分があります。ひとつは、それぞれのレポートにきちんとストーリー性を持たせたことです。ただ単に「これをやってください」というミッションを埋めていくだけではなく、そこにもストーリーを入れて、世界観を体験できるようにしています。それをMAIが担っています。
そこで参考にしたというか、フィーチャーしたのが最近のスマホゲームのテイストです。MAIも後ろで可愛らしく動いていますが、ゲームのストーリーやプレイしている内容によって、持っているガジェットが変わったり、モーションが変化したりします。そこに気づいてもらえたのは嬉しいですね。
もうひとつは、お題に対して「何が報酬としてもらえるのか」を、わかりやすく表示するようにしたことです。たとえばバトルコンテンツならマテリア、「クイーンズ・ブラッド」ならコラボレーションカードがもらえる、といった具合ですね。
今回はコンテンツの量も多いので、それぞれユーザーが「やる・やらない」という判断をしやすくしています。前作の「リバース」では、たくさんのコンテンツがありましたが、報酬がマテリアの研究につながっていたため、マテリアが欲しい人にとっては「全部やらなければならない」という感覚になりやすかったと思います。
一部のユーザーには、「マテリアのためだけに全部やらなきゃ」と感じていた方もいたと思います。そこで今回は、報酬をわかりやすく提示することで、「これはやる」「これはやらない」とユーザー自身が判断しやすくした。そこは「リバース」から大きく変えた部分ですね。
――今作のテーマは「決意」ということもあり、ユーザー自身が選択する場面が多いように感じました。たとえばサブクエストでは、どのキャラクターで挑戦するかを選ぶ場面もあります。こうした選択は演出が変わるだけではなく、「リバース」のデートイベントのように、後の展開にも影響してくるのでしょうか?
浜口氏:鋭い質問ですね。まず、今回の「決意」というテーマにおけるユーザーの選択によって、メインストーリーがマルチエンディングになるようなことは、絶対にやるべきではないと思っています。少なくともこの作品では、我々クリエイターの責任として、最後に届けたい答えをひとつにして、きちんとお客さんに届けるべきだと考えています。
ただ、三部作を通して、それぞれのキャラクターに対する思い入れの深さはユーザーごとに違うと思います。そこで今回は、サイドコンテンツを通して、各キャラクターがどのような思いで最後の戦いに挑むのかを描いています。そこにユーザーがこれまで積み上げてきた選択を反映させることで、物語の受け取り方やゲーム体験そのものに違いが生まれるような設計にしています。
それが「リバース」のデートイベントのような形になるのかについては、実際にゲームの中で確かめてほしいですね。ただ、ユーザーが選んできた「選択」や「決意」によって、それぞれのキャラクターがどのような思いやテーマを持って最後の戦いに挑むのか。その深さや方向性まで、ゲーム体験として感じてもらえるものを目指しています。
――ちなみに、原作のエンディングは、その後についてプレイヤーが考える余地を残した作りになっていたと思います。一方、「リベレーション」は三部作の完結編でもあります。物語を締めくくるうえで、プレイヤーが「これで完結した」と納得できるような描き方は、どの程度意識されているのでしょうか?
浜口氏:難しい質問だな(笑)。そこを答えてしまうと、なんとなくエンディングのディテールが見えてしまうので、直接はお答えしないほうがいいかなと思います。
私自身は三部作をここまで作ってきて、結末も含めてすべてを理解しています。そのうえで、原作の「FINAL FANTASY VII」を遊んだひとりのファンとして見ても、「この三部作をこういう形で、きちんとお客さんに届けることができてよかった」と思える作品にできました。
これはエンディングだけではなく、三部作を通したゲーム体験全体を含めての話です。実際に「リベレーション」を発売して、お客さんに遊んでもらったときにどのような反応が返ってくるのか、今から楽しみにしていますし、作品には自信を持っています。
――そこはぜひ、実際に遊んで確かめてほしいということですね。では少し話を変えて、前作の「リバース」もかなりのボリュームがありましたが、「リベレーション」はそれ以上になるという話も耳にしました。今作はどれくらいのボリュームになっているのでしょうか?
浜口氏:ゲームのコンテンツ全体でいうと、多分前作よりも多くなっています。ただ、先ほどのクエストなどの「決意」で、ユーザーが選択して分岐していくところがあります。クエストも、最初に誰で攻略するかといった形で分岐しますが、「あれって別にどっちを選んでも大して変わらないんでしょ?」というわけではありません。
なんならストーリーも分岐してしまって、攻略するエリアも変わってしまうみたいな。その結果によって残る影響も変わってしまうぐらいに、ドラスティックに変化するものもあれば、同じストーリーラインだけど、描かれる視点がキャラクターによって異なるので、違った印象になるものもあります。なので、1度きりのプレイで体験できる全体の物量みたいなところでいうと、もしかしたら「リバース」とほぼ一緒くらいかもしれません。
――1回分で「リバース」と同じぐらいですか!?
浜口氏:はい。ただ、分岐分があるのでチェックが大変で(笑)。
――プレイするたびに、異なる演出が見られたりする場合もありうるってことですね。
浜口氏:もう一度やり直したときはそうですね。だからといって、もう一回レベル1からやり直すのはユーザーにとっても辛いので、クエストだけ全部やり直すといった、クリア後に全要素をチェックしたい人向けのオプションはちゃんと用意しています。
――「リバース」でも用意されていましたね。
浜口氏:このゲームって、すごく世界観とキャラクターが好きな人が多いじゃないですか。「全要素絶対チェックしたい」みたいな人もいます。昔のゲームだったら、最初からやればいいじゃんというのが許されましたが、今の時代、それをやりたいけどそれもゲーム設計としてサポートされていないとストレスになるユーザーが多いので、その辺は今回も丁寧に作っています。
移動のストレスを減らしつつ探索の自由度を高めた新たなワールド設計
――移動のストレスという点では、ハイウインドで移動したあとすぐにパラシュートで降下できたり、ファストトラベルを便利に使えたりしました。こうした仕組みも、移動の負担を減らすために用意されたものなのでしょうか?
浜口氏:そうですね。今はオープンワールドのゲームも増えていて、ポイントからポイントへの移動そのものをストレスに感じるユーザーも多いと思います。最初は地上を歩いて、徐々に移動手段が増えていくゲームも多いですが、そうした体験に慣れているユーザーが増えるほど、移動に負荷をかけすぎるとストレスになりやすいと考えています。
そのため「リベレーション」では、移動に関するストレスは最初からなるべく取り除くようにしています。一方で、移動方法そのものは自由に選べるようにしています。パラシュートで降下して目的地へ向かってもいいですし、成長したチョコボで空を飛んだり、高速で移動したりしてもいい。開発チーム内でも、すぐ近くに移動するのに、チョコボを使う人もいれば、「毎回パラシュートで行きたい」という人もいて、そこは狙い通りですね。
移動そのものに負荷をかけるより、目的地に着いたあとのストーリーや選択、コンテンツを楽しんでもらいたい。そのうえで、利便性を確保しつつ、きちんと世界を探索している感覚も残すことを意識しています。そこは今作で表現できているのかなと思っています。
――チョコボといえば、今回はチョコボに乗ったまま敵と戦うことができるようになっていました。あれはどのような意図でそうなったのでしょうか?
浜口氏:このシリーズって、完全に続編系のゲームじゃないですか。なので、元々ある要素を削るのが非常に難しいんですよ。
――足していくしかないんですね。
浜口氏:良かれと思ってシステムを削っても、一部の人は変えてほしいと思ったけど、一部の人は好きだったという声が出ます。基本的に、「過去に入れた仕様は覚悟を持って貫かないといけない」みたいな気持ちはあるんですね。
チョコボという要素の中にも、やはり新鮮さや驚きは感じてほしい。そこで何がいいんだろうと考えたときに、チョコボに騎乗したままバトルできるって、ある意味新鮮さがあるじゃないですか。そこはバトルのコンテンツとして一個の魅力になると思いました。
あと今回の試遊版は、皆さんのプレイ時間も限られているので、チョコボがある程度育っている状態でなるべくストレスを無くしています。
――あっ、チョコボを育てるという要素があるんですか?
浜口氏:そうなんです。最初から空中に高く飛べるし、飛んでいる時間もだいぶ長いし、空中で高速スライド移動みたいなこともできるようになっていましたが、本来は徐々に解放されていきます。バトルの中で使えるアビリティも最初はふたつですが、徐々に増えていくなど、チョコボのピコも今回一緒にキャラクターと旅しているという感じにしたくて。バトルも含めて、ピコもさらにスケールアップしているみたいなところを表現したかったというのもあります。
――今回は、エリアごとにチョコボが変わるというような仕組みはないのでしょうか?
浜口氏:今回はやめたというか、アプローチを変えましたね。前作では、チェックシートを埋めるように「このエリアを全部コンプリートしてから次へ行きたい」というユーザーも結構多かったんです。そのため、エリアごとに同じような体験にならないよう、チョコボの能力などで意図的に手触りを変えていました。
今回は、ひとつひとつのエリアをすぐにコンプリートできないような設計になっています。たとえばグラスランドにも、その時点ですぐ挑戦できるコンテンツがある一方で、終盤まで攻略が難しいものも用意されています。つまり、ゲーム序盤のうちにひとつのエリアを完全に終わらせるのが難しい作りになっているんです。
そのため、今の自分の強さを見ながら「このコンテンツは今やろう」「これは後でいい」と、ユーザー自身が判断していくことになります。そうした遊び方の中で、エリアごとにチョコボの性能まで大きく変えてしまうと、逆に混乱しかねないと考えました。
今回は、むしろチョコボ自体が徐々に成長していくことで手触りを変えつつ、どのエリアでも同じ感覚で探索できるようにしています。そのほうが、ユーザーにとってもプレイしやすいと思ったんです。もちろん、エリアごとの違いがなくなったわけではありません。
前作のコスモエリアでは強風を利用してチョコボで高所へ移動できましたが、今回のミディールでは噴水を使って上へ移動するといったように、各フィールドのギミックで探索の感触を変えています。基本的には、同じチョコボがどんどん成長していくことで移動の利便性が上がっていき、その成長を全ワールドで共通して使えるようにすることで、探索しやすくすることを狙っています。
新たなサマースタイルの衣装も登場!
――今回の試遊は、CHAPTER 4のハイウインドの船内から始まりました。バレットやシドなど、キャラクターたちが身につけていた衣装がSF風でした。これまでと少し異なるニュアンスになっているなと思ったんですが、あれは新要素の「WEARシステム」と関係しているのでしょうか?
浜口氏:各キャラクターのスキンですよね。あれは今作だと、戦士、ナイト、黒魔道士、召喚士というウェアがあり、それぞれのWEARごとにデザインを作っています。ありがちなのは、たとえば戦士という共通のデザインに全キャラクターを合わせるみたいな感じです。ですが今回は、WEARの種類で合わせるというよりも、「クラウドの戦士って言ったらこうだよね?」というような発想から進めていきました。
そのため、それぞれのアートからデザインを起こしていて、めちゃめちゃ大変でした(笑)。「Summer Game Fest」でティファの衣装が盛り上がっていましたけど、本当にいいデザインになったなと思います。
ただ嬉しい悲鳴ではありますが、4種類のジョブのWEARデザインは、ある意味正統な方向性なんですよね。それぞれの役割に合わせたカッコイイデザインになっています。それとは別に、各サイドコンテンツをプレイしているとキャラクターのスキンが入手できたりするんですよ。
――そうなんですか!
浜口氏:キャラクターのスキンの中には、たまにコミカルなものもあったりします。プレイしているとコミカルなやつが可愛くて。WEARシステムのスキンはカッコよく作っているのに、気が付いたらWEAR以外のコミカルなものばかり選択しちゃっている自分がいて(笑)。それはある意味人の好みなので、そうじゃないプレイをする人もいますが。
――プレイヤーの好みも出そうな部分ですね。ちなみに、コミカルなスキンで浜口さんがお気に入りのものがあれば教えてもらえますか?
浜口氏:えー! 詳細は多分まだ……でもそうだな、前作ってサマースタイルの衣装も出てきましたが、ああいうコミカルというか、日常的な衣装って結構好まれます。今作はもちろん、前作の衣装はそのまま初期から選べるようになっていますが、今作用に違ったデザインでその系統の衣装も入れてあるので、それは喜ばれるんじゃないかなと思います。
――新たなサマースタイルの衣装も楽しめると!
浜口氏:どうでしょうね(笑)
――今回ハイウインドで空を移動している時に、ウータイに入る時だけ別のアナウンスが流れました。スポットによって特別な演出があるのでしょうか?
浜口氏:ちょうどあのタイミングのゲームの進行上、初回で訪れるので、メインストーリー的な演出として入っているだけですね。以降、ウータイに行くときは、ほかのエリアと全く変わらずにパラシュートで飛び降りるみたいな感じになっています。
――ほかのエリアでも、初めて行くときは演出が見られるのでしょうか?
浜口氏:ロケットエリアや、ほかのエリアでも、シナリオ進行に合わせてお話とセットで訪れるときは、演出を付けた方がユーザーも最初から感情移入しやすくなるので、適材適所で入れています。
――あと、ハイウインドで飛んでいるときに、「ウェポンが出現しました」みたいなアナウンスが表示されることがありました。実際には直接パラシュートでは降りることができず、手前で強敵に阻まれたんですが、ウェポンは今回どれぐらい登場するのでしょうか? また、どのような扱いになっているのかについても教えてください。
浜口氏:基本的には原作に登場したウェポンは、ファンの皆さんが期待する部分だと思うので全部登場します。メインストーリーに組み込まれているものもあれば、ラスボスよりも強いエンドコンテンツとして組み込まれているようなものもあります。
おっしゃっているのはコレルエリアに登場するウェポンのことだと思いますが、あれは結構長丁場のコンテンツになっていて、ちょっとずつ攻略していくようになっています。まさに、原作にもいたあのウェポンなんですけど(笑)。あとはミディールのウェポンのように、新規デザインのウェポンがメインストーリーに絡んでくることもあります。
――エンドコンテンツとしてはウェポン以外にも何か要素はありますか?
浜口氏:いろいろあります。多分一番ファンの方々が期待しているのって、ナイツオブラウンド(※歴代最強とも言われる召喚獣)だと思います。原作では特に戦うこともなく、その場所に行ったら入手することができました。
今作のナイツオブラウンドは、前作の「リバース」でいうところのギルガメッシュに近い扱いになっているので、かなり長丁場で、ストーリーや体験を追いながらたどり着くエンドコンテンツになっていますね。
――あ、演出というか、ストーリーも盛り込まれているんですね。
浜口氏:今回ナイツオブラウンドも、マイレポートのひとつになっています。マイレポートはストーリー性を入れていく設定になっているので、敵としても強いですし、皆さんに納得していただけると思います。「ナイツオブラウンドを再現してくれますよね?」みたいなことってよく言われますが、あの原作みたいにポツッとマテリアだけ置かれていて、取って終わりだったら、ファンの皆さんは怒ると思うんですよ。
ちゃんと皆さんが期待するようなコンテンツとストーリーを用意しているので、喜んでくれるような内容になったと思います。
――今作はオープンフィールドでいろいろなスポットが登場しますが、浜口さんのおすすめの場所はありますか?
浜口氏:一番はやはり、ハイウインドでワールドマップを飛び回って欲しいですね。最近いろいろなオープンワールドのゲームが出てきています。でも、ほとんどのオープンワールドのゲームは、ある区画を区切った地域のお話になっています。でも、「リベレーション」は全世界規模のお話で、本当に世界中を飛び回ります。だからこその飛空艇なんだと思うんですよね。
そのスケールを感じられるオープンワールドのゲームは、正直に言って今の世の中にはなく、むしろ初だと思っています。本当に今作で飛んでみて楽しんでもらいたいと思います。もちろん、各ロケーションで言えば、いろんな細かいところでこだわりはあるんですが、まず一発目はハイウインドで飛び回ってもらいたいですね。
――ハイウインドって、ワールドマップの上に行ったらマップの下から出てくるとか、そういう作りになっているんですか?
浜口氏:なってますなってます。ちゃんとぐるっと回ってます。いや、すごく揉めたんですよ。技術的にも昔と違って座標系を調整するのって簡単じゃないんですよね。リアルに丸くなっていて飛んでいるわけじゃないですからね。
どこかで座標をリセットして戻さないといけないので、結構技術的にもめんどくさくて揉めたんです。でも、せっかくハイウインドで飛び回っていて世界規模だって言っているのに、透明壁があって「ここから先は進めません」じゃテンション下がるじゃないですか(笑)。
「どれだけの人たちがそれをやるんですか?」って言われたんですけど、「それはもうやるかやらないかの話じゃなくて、これを実現しているかどうかの話だから、これはもうやります!」って言いました(笑)。
――意外と地味ながら大変なところなんですね!
浜口氏:クリエイターならわかると思うんです。その大変さが(笑)。
売り上げに関係なくみんなで盛り上がってお祭り感を体験したい
――試遊版もかなりのボリュームでしたが、3作目が出てから遊ぶというユーザーの声もよく聞きます。その場合、物量的に大変でしょうか? あと、おすすめの遊び方があれば教えてください。
浜口氏:これまで私もメディアやファンコミュニティの方々と世界各地でお会いして、「すごくFINAL FANTASY VIIが好きだけど、どうしても一度に3作でやりたいから待っているんですけど」という人や、なかには、買っているんだけどプレイするのを待っていますという人もいました。この前、対外的にも情報を出していましたが、「リベレーション」を発表してから「リメイク」と「リバース」がものすごく売れています。決算へダイレクトに影響するぐらい、本当に多くのお客さんが、「リベレーション」発表後に、「リメイク」と「リバース」に入ってきてくれているというのは、数字としても出ています。
それも本当にありがたいことで、我々としても嬉しく思っています。その上で、これからプレオーダーも始まりますし、発売までにいろんな情報が出てくるので、どんどん新しいお客さんが入ってくると思います。じっくり遊んでもらってもいいのですが、今って「ブースト機能」なども入っていて、ストーリーを追いかけるだけだったら、ある程度の時間をつくれば遊べるゲームになっています。
たとえば土日の2日間で終わらせることもできるので、そんなに重く受け止めずに遊べます。あとは「リメイク」や「リバース」はすごくお求めやすい価格になっていて、今後もセールなどを積極的にやっていきます。
まずは1回手に取ってもらい、「時間があるときにちょっとやってみようかな」みたいな状態であれば、プレイ自体はしやすく、イベントも倍速にできますし、難しいなと思えば一部パラメータだけ調整してすぐに駆け抜けていくこともできるようになっています。
せっかく「リベレーション」を発表して、いろんな「FINAL FANTASY VII」のファンの人たちがたくさん入ってきてくれています。ここからローンチに向けてのお祭り感が出てくると思うんですよ。私は一クリエイターでありながらサラリーマンでもあるので、会社から出してもらった開発費に対して、きちんと利益を上げることはもちろん重要です。
ただ、こういうと会社に怒られちゃうかもしれませんが、私はこのフランチャイズの一ファンとして、売り上げの前にみんなで盛り上がってお祭り感を体験したいんですよ(笑)。
そのためには、マルチプラットフォームで、PCもSwitchもXBOXも含めて同時に発売していきます。全然敷居はないと思っているので、発売日にみんなで一緒に楽しみたいという思いです。
――Switch 2に対応した影響は大きかったですか?
浜口氏:Switch 2も影響が大きかったですね。「ファイナルファンタジー」って、グローバルでバランス良く売れるフランチャイズなんですね。昔の「ファイナルファンタジー」は、比較的日本市場の数字がすごく強く出ていました。日本の方々は、日本だけの数字を見て売れているんじゃないか、売れてないんじゃないかみたいな反応しがちじゃないですか。
でも、日本と同じぐらいで売れる地域が数ヵ国あったら、ビジネス的に成立するレベルになります。Nintendo Switch 2は、我々としても想定以上の数字として伸びています。特にグローバルでしっかり数字が出ていますね。今だと中国語圏内の市場に関しては、PC版がものすごく売れています。PC市場はこれまで北米が強かったのですが、それに匹敵するぐらい中国語圏内の方々が「FINAL FANTASY VII」に興味を持ってくださっていて、そこもすごく勢いを感じます。
――プラットフォームや地域によっても色々変わってくるんですね。
浜口氏:そういう意味では、各プラットフォーム、各地域にそれぞれファンがいるので、グローバルでみんなで盛り上がるという意味では、土俵はできています。あとは私自身がちゃんとしたクオリティで、ちゃんと皆さんにお届けできるかにかかっているんだろうなと思っています。
――最初に今回のリメイクシリーズが発表されたのは、2015年のE3でした。おそらくそれよりも先にプロジェクトが動いていたかと思います。開発としても長い旅が終わろうとしていますが、これまでの苦労を振り返ってみた感想をお聞かせください。
浜口氏:実はこのプロジェクトを立ち上げるときに、私はいませんでした。もともとこのプロジェクトって、北瀬(北瀬佳範氏)や野村(野村哲也氏)、橋本(橋本真司氏)などが、外部会社をメインに開発していたんですよ。
ただ、開発のクオリティや進捗にリスクがあり、社内体制へ切り替えることになったとき、当時の松田社長が「仕切り直すから、浜口にやって欲しい」というところで私がジョインしました。もちろん、私は「FINAL FANTASY VII」というIPが好きですし、思い入れをもってやっているので、ファンの皆さんに熱量が伝わって支援・支持してくれているんだと思います。
三部作の終わりっていうところで、このIPに対して特別な感情もあるし、自分自身もこのフランチャイズの一ファンとして納得できる形としてお届けできるものになってきていると思います。それとは別に、これまでは「リメイク」が終わりました。そうすると「リバースどうなりますか?」とか。「リバース」を出したら「三部作の最終作はどうなりますか?」みたいなことをずっと聞かれていた中、その流れが変わり始めてきました。
最近は特に「リメイクシリーズが終わったら、浜口さんは何を手掛けますか?」っていう質問がすごく増えてきたんですね。これってすごくありがたいというか、ある意味このシリーズが期待されているものとして世の中に届けられているからこそ、次の作品というのは興味を持たれている。
これが結局いいものになっていなかったら、期待されないじゃないですか。そういう意味では本当にクリエイターとしてはありがたいですね。この「FINAL FANTASY VII」ってレジェンドIPじゃないですか。一歩間違えたら、私の名前が悪い意味で永遠と刻まれかねない(笑)。
まだ終わっていませんが、「リベレーション」への期待感を含めて、お客さんやメディアの人たちに納得していただけているというか、期待される形としてコントロールできているんだろうなというところが、ひとつ自分の誇りだと思っています。
逆に言うと、私自身の次のタイトルに興味を持たれているというのは、三部作がしっかり仕上がっているという前提があってのことですから、本当にクリエイターとしてはありがたく嬉しいことです。その期待に応えつつ、今後もいろんなタイトルを皆さんにお届けしたいなという思いがあります。
――「リベレーション」というサブタイトルは野村さんがつけたんですか?
浜口氏:この三部作のサブタイトルは、常に野村が付けています。今回も「野村さんお願いします!」っていう。
――サブタイトルは全部「R」から始まっていますが、それは意図的に付けたものですか?
浜口氏:そうですね。ここは文法なので、ハッシュタグも「#FF7R」とかになっています。急に変えられると、いろいろと困るんですよ。
――FF7R1とかFF7R2とかじゃないんですね。
浜口氏:ここは北瀬の意向もありました。私自身がゲームデザインをする時もその意識でやっているんですけど、シリーズとしてのストーリーは分作なので繋がっていますが、一本一本は起承転結を含めたひとつの作品として、ユーザーに受け取られたいと思っています。1とか2とか3という作品名にすると、どうしてもシリーズの繋がり感が強くなりすぎるので、一本の独立としたタイトルとしてちゃんと伝えたい。全体としては、「ファイナルファンタジーVII リメイクシリーズ」という三部作の構成です、と。
――FF7Rというのも、シリーズを総称する略語になっているんですね!
浜口氏:そうです。今ちょうど「ファイナルファンタジーVII リメイクシリーズ」というロゴも作って、それも商標登録しています。「リベレーション」のローンチ後は、「リメイクシリーズ」という三部作ですという感じになります。
――ちなみに前作にあったストーリーのダイジェスト映像みたいなものは、今作にも付いているんですか?
浜口氏:今準備は進めているので、ダイジェストを作るつもりであります。
――じゃ、今作からでも遊べるような作りになっているんですね。
浜口氏:もちろんしています。ただ、ディスカウントやセールもやっています。むしろ、これからどんどん情報も出て盛り上がるので、「リメイク」と「リバース」をそれまでに遊んでほしいですね。
――最後に、本作の発売を楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします!
浜口氏:私自身、このフランチャイズの一ファンとしても、自信を持って皆さんにお届けできる作品になったという手応えを感じています。そこは楽しみにしていただきたいですね。さっき話したお祭りじゃないですけど、本当に皆さんと盛り上がりたくて。今までいろんな方々と話す中で、「全部揃ったらやります」って言っている方が多くいたんですけど、ついにその時がきましたよ(笑)。もう完結ですから、必ず皆さんと一緒にやりたいので「これからやるよ」という方はぜひ一緒に楽しんでいただければと思います。
――ありがとうございました!
(C) SQUARE ENIXCHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA / ROBERTO FERRARILOGO ILLUSTRATION:(C) YOSHITAKA AMANO



















































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