インタビュー
【ディシディア デュエルム】FF歴代名曲×現代東京! これらのサウンドはどう作られたのかに迫る開発陣への120分特大インタビュー
2026年5月26日 00:00
乱戦でも状況がわかる! スマホ環境を意識したサウンドデザインと空間構築
――では、音響デザインの方についてお伺いしていきたいと思います。3対3のアクションにさらにボス敵も加わって、画面内の情報量が非常に多いゲームだと思いますが、スマートフォンのスピーカーでも状況を把握しやすいよう、サウンドディレクターとしてこだわった音響の工夫を教えていただきたいです。
廣瀬氏:今作における僕の役割は、サウンドディレクターというよりもサウンドプロデューサー的な立ち位置に近く、全体のクオリティコントロールや監修がメインです。スマートフォン環境での複雑な音響デザインや効果音の多くは、NHNさんを信頼してお任せしています。一部こちらで制作しているSEもありますが、基本的にはNHNさんのディレクションをベースにしつつ、要所要所で全体の方針を僕からオーダーしていく、という形で役割分担をしています。
――NHNさんにはどのようなお願いをされたんですか?
廣瀬氏:最後まで相談していたのは、圧縮ですね。対応機種によって圧縮を強くしないと乗らないということがあって、音質を少し下げているんです。「曲だけでもせめて少し上げてほしい」というお願いはずっとしていたんですけど、そこは叶わなかったですね。今後、対応機種が変わってきたら音質を上げることも可能になってくるかもしれません。
松本氏:前提として、なるべく多くの人に手に取ってもらうために「デュエルム」は対応機種をかなり広くしており、実はiPhone 6s(2015年発売)でも動くんです。海外展開もあってかなり低スペックな端末でも遊べるように処理負荷や容量にはすごく気を使っています。そことクオリティの議論になった時に、現段階では少し叶わなかった部分はあるかもしれません。ただ、今後スマホの普及率が変わってきて、下限端末をどんどん上げていくことになれば、そのタイミングで方針変更が入る可能性は全然あります。それを見越してのことですね。
廣瀬氏:BGMがめちゃくちゃあるんですよ(笑)。
松本氏:キャラを追加するだけでなく、BGMも配ったりしていますので……(笑)。
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— ディシディア デュエルムFF公式 (@DDFF_JP)March 26, 2026
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水野氏:当初の開発中には、自分の好きな曲を鳴らして遊ぶ機能はなかったんです。必ずバトルに参加しているキャラの曲が鳴るというルールだったんですが、PSPからアーケード版での体験として、「対戦時にいろんなFFの曲で楽しめるのがディシディアじゃないか」という思いがありました。アーケード版は曲数がかなりありましたから。あれを目指して楽しくしたいよねというところで機能を追加してもらい、結果として現在のようにかなり多くの曲を入れてもらう形になっています。
――ちなみに銀座やみなとみらいなど、現実の東京がステージになっていますけれども、この東京の空間とバトルBGMを違和感なく共存させるためにこだわった空間構築のポイントなどはありますか?
松本氏:ステージの方が先に完成していたというのもあり、僕らとしてはそこはあまり気にしていませんでした。上がってきたものを入れたら問題なくマッチしたという感じです。
水野氏:原則としてキャラクターにしっかりフィットさせて作っていただいているので、ステージがどこになっても変わりなく戦えます。違和感が全然起きないようになっていると思います。
今村氏:戦闘している動画はいただいていたので、それを見ながら戦闘の長さや尺感、風景などを含めてインスピレーションをもらって作っている感じですね。
――乱戦時でも操作キャラクターや、他のキャラクターのボイスがしっかり耳に届くようになっていますが、再生優先度のシステムはどのようになっているのでしょうか。
水野氏:ここのバランスは開発会社のNHNさんに基本的にお任せしています。
松本氏:設定画面でBGMとボイスの音量をユーザーごとに調整できる機能もあるので、皆さん好みで使っていただいていると思いますが、デフォルトの調整はNHNさんにお任せしています。
水野氏:今おっしゃっていただいた推察はすごく合っていて、声が聞こえやすいと思います。近場で発生した敵も含めて声が聞こえやすいので、声を頼りに例えばリノアの攻撃の声が聞こえたから避けなきゃ、というように自分の行動のヒントになるように聞こえてくるので、ここはNHNさんの調整がすごく上手いと思っています。
現代のスマホを扱うFFキャラたち。ボイス収録と野村哲也氏のディレクション
――では、現代世界におけるキャラクターの声と日常についてお伺いしたいと思います。歴代のキャラクターが現代のスマートフォンなどを扱うというシチュエーションがとても新鮮ですが、FINEなどSEのこだわりはありますか?
廣瀬氏:FINEの音は僕が作りました。スタンプが可愛かったので、可愛い音にしたいなと思ったくらいですね。あとは聞こえやすい感じにするとか、その辺のこだわりはありましたが、実際のSNSを参考にしたりとかは全くしていません。単純に絵を見て、そのまま見た目の印象で作った感じです。わかりやすさという部分にこだわっています。あまり時間をかけていないので見た目通りとは言えないかもしれませんが、違和感なく馴染んでいて良いなと思います。
――ボイスの収録現場での印象的なエピソードはありますか? 例えば声優さんと「このキャラなら現代の東京をこう捉えるよね」といったような話し合いはありましたか?
水野氏:基本的にはクラウド役の櫻井孝宏さんなど、長く演じられている方ばかりなので、我々から改めて指定をするまでもなく、世界観のご説明だけさせていただければ「じゃあクラウドが来た体でやるね」と、すんなり演技に入っていただけます。皆様ベテラン揃いなので、こちらから最低限「世界観はこうですよ」と説明さえすれば、キャラクターに上手く反映していただけていました。
松本氏:リュック役の松本まりかさんは久しぶりでしたが、私は「FF」の一ファンとしてひたすら感動しましたね。松本さんの時も本当に概要レベルの最低限の説明だけさせてもらったら、もう普通に現代に馴染むリュックがそこにいたという感じでした。「ワールド オブ ファイナルファンタジー」があったとしても結構久々だったと思います。
水野氏:リュックに限らずですが、基本はクリエイティブプロデューサーの野村さんが各収録に立ち会ってディレクションをされています。私もゲームの細かいところを案内するサブ担当として同席するのですが、野村さんのやっぱり「このキャラだったらこう」というディレクションもすごく的確なんです。年数が経っていて久々の収録の場合でも、野村さんの的確な指示や案内ですぐにキャラクターへスッと戻ってくるという場面を何度も拝見しました。すごく勉強になるなと思いながら同席させていただいています。
――シナリオチームとサウンドチームで、どのように目線を合わせていかれたのかなと思ったのですが、それはやはり野村さんの活躍が大きいのでしょうか。
水野氏:非常に大きいですね。そもそもこの現代の世界観を授けてくださったのも野村さんですし、野村さんから始まったタイトルでもあります。最初の世界観や原案は全て野村さんからいただいています。最初にコアとなる設定を野村さんからいただいて、それを私とシナリオライターさんでいろいろ煮詰めながら展開しているという感じですね。
――では今後の展望についてお伺いしたいのですが、新キャラクターの登場に合わせて、今後楽曲のジャンルもさらに多様化していくのでしょうか。
今村氏:必然的にそうなる気はしています。ただ、今はゲームに合わせて曲のテンポ感を割と速めにしているところを、違うジャンルになった時にどう変えていくかというのはまだあまり想像できていないですね。キャラデザにもよると思いますし。
ただゲーム画面を見ていてもスピードが速いので、アクションに合わせようと思うと、どうしても似たようなテンポ感になっています。なにかいいアレンジの仕方がないかなというのは、今後探していこうと思っています。
――追加キャラクターのBGMの選曲や楽曲のアレンジなどで、どのようにユーザーに喜んでもらえる楽曲をチョイスしていこうと考えていますか?
水野氏:基本的な方針は最初に申し上げた通り、そのキャラクターでしか鳴らせないものというか、キャラのファンが一番喜んでくださるものと、作品自体が好きな方に向けたメジャーなところ、この両立を目指していくのは今後も変わらないと思っています。
先のキャラクターに対しての名曲を「使っちゃった」問題ですが、実は「オペラオムニア」でも「バースト(BT)武器」という特定の技を使うとキャラに寄り添ったBGMが鳴るシステムがありました。あの時も名曲がどんどん使われて先が尽きてしまうのでは、という似た話がありました。近い経験をしているのと、先々のキャラの想定はある程度組んでいるので、すぐに困ることはなさそうな気はしています。
今村氏:アレンジについては、逆に今まで戦闘曲としてアレンジされてこなかった曲が増えてくると思うので、そちらの方がやりやすいかもしれません。新鮮味を届けられるという意味で「これが戦闘曲になるのか」という驚きは提供できると思います。あとはキャラにマッチさせられるかどうかですが、そこもあまり心配はしていません。そういう意味ではやりやすい気がしています。
――今村さんの引き出しの多さに期待しておりますね!
今後のBGM展開とオフラインイベントへの野望
――どの曲も現代的なアレンジがされているため、リアルライブとの親和性もすごく高いなと思ったのですが、音楽的なオフラインイベントを開催するといった野望はありますか?
今村氏:そういうイベントがやれるなら、僕がDJします(笑)。
松本氏:まだ何も決まっていないし情報も出ていないですが、個人的にはそういうこともやっていけたらなと思いますね。
――やはりオフラインイベントは一つの節目になりますか?
松本氏:そうですね。今月早速、第1回目のオフラインイベント……これは大会ですが、それを社内でやるんです。(※)そこでの経験を踏まえて今後どうしていくかを決めていく予定ですが、やはり対戦ゲームである以上、大会などのオフラインイベントもやっていきたいという思いはリリース前からずっとあります。現時点では具体的なことは何も言えないですが、オフラインの大会だけをやるわけではなく、バリエーションを持たせたいという気持ちはあります。
水野氏:今思えば贅沢ですけど、10年前のアーケード版「ディシディア」の大会で、石元丈晴さん率いるThe Death Marchのライブ演奏をやっていただいたことがありましたね。今になって振り返ると、なんて贅沢な催しだったんだろうと思います。
廣瀬氏:「FF14」が海外を回って素晴らしいイベントをやっているのが羨ましいですね。そういうことも今後楽しみです。
※:「公式オフラインβテスト大会&第1回公式生放送」として、5月23日にイベントが実施された。
――ひとりのファンとしてもイベントをぜひやっていただきたいなと思っていて、一周年など何かの記念の際にファンイベントを行なっていただけると嬉しいです。
松本氏:検討いたします!
――ちょっと気が早いですが、今の「デュエルム」の音楽リストに入っていない曲を収めた、オリジナルサウンドトラック Vol.2を出したいという野望もきっとあるんですよね?
水野氏:正式サービス開始後の追加キャラクター分の曲はまだサントラ化されていませんから、聴きたい方がきっといらっしゃると思うので、曲がたまったらまた考えます。
今村氏:現在、ローンチ初期の10キャラクターのテーマが入ったサントラは既にリリースしていまして、廣瀬さんのカットシーン曲もそちらに入っていますので、よろしければそちらもぜひ。
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— ディシディア デュエルムFF公式 (@DDFF_JP)March 24, 2026
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メインコンポーザーに#FFXIV#FFXVIのサウンドも手掛けた
今村貴文(SQUARE ENIX)を迎え…pic.twitter.com/HZoR79PR56
――では、最後にプレーヤーの方に向けて「激しいバトルの最中でも一度手を止めて、この音やこのフレーズを聞いてほしい」という開発陣ならではのマニアックな注目ポイントをお伺いしたいです。
今村氏:リュックとクライヴ、リノアの「My Mind」のところですね。見つけづらいマッシュアップなのでどうマッシュアップされてどこで鳴っているか、見つけられたら素晴らしいと思います(笑)。
水野氏:ソロモードの報酬に原曲があるので、わかる方はそこでわかると思いますが、それ以前に聴いてパッと気づく人は少数だと思います。そこで気づける人は本当にすごい。
今村氏:報酬があったとしてもわかりづらい気がしているので、これは探してみてほしいなと思います。
松本氏:開発側からすると、全部聴いてほしいですね(笑)。
水野氏:そうですね、それもあって今回BGMセレクト機能やプレイリスト機能を入れているので、その日の気分や使うキャラに合わせて切り替えながら、いろんな曲で楽しんでいただけると一番嬉しいです。
今村氏:原曲からこんなアレンジがされているんだという面白さもあると思います。
廣瀬氏:あとは僕が何曲か作曲させてもらったカットシーン用のBGMなんですけど、これってバトル用としてはセットできない仕様なんです。そのため、どうしても皆さんの耳に触れる機会が少なくなってしまうので、ゲーム中でカットシーンを見る際には、ぜひ音楽にも注目して楽しんでもらえると嬉しいです。
――それでは今回のシーズンもオメガを目指して頑張ります。改めてありがとうございました!
(C) SQUARE ENIX/NHN PlayArt
CHARACTER DESIGN: MIKI YAMASHITA / TETSUYA NOMURA
























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