インタビュー

「NINJA GAIDEN 4」インタビュー。プラチナゲームズ&Team NINJAの開発陣が追求した「NINJA GAIDEN」らしさ

それぞれのメンバーがこだわりにこだわり抜いた最新作の開発裏話

【NINJA GAIDEN 4】
10月21日 発売予定
価格:8,900円〜

 コーエーテクモゲームスのTeam NINJAとプラチナゲームズの共同開発で、13年ぶりのシリーズ最新作となる「NINJA GAIDEN 4」。Xbox Series X|S/プレイステーション 5/PCで10月21日の発売を予定している。

 「NINJA GAIDEN 4」を今回、試遊&開発者インタビューを行なうことができた。試遊の様子は別稿でお届けしているので、本稿の前半ではプラチナゲームズのアートディレクターの西井智子氏、リードコンポーザーの宮内雅央氏、レベルデザインの阿部雄大氏に、後半は同社のプロデューサーの中尾裕治氏、そしてTeam NINJAのディレクターの平山正和氏という錚々たるメンバーに、開発にまつわるさまざまな話を聞くことができたので、ぜひ最後まで読み進めてほしい。

【『NINJA GAIDEN 4』 - 公式発売日公開トレーラー | Xbox Games Showcase 2025】

プレーヤーの手で敵を粉砕する「NINJA GAIDEN 4」の気持ち良さを追求

――今回の「NINJA GAIDEN 4」は、世界観がこれまで以上にサイバーな印象を受けましたが、どのような経緯で構築されたのでしょうか?

阿部氏:発想の源は、「『NINJA GAIDEN 2』の世界が10年後になったらどうなるか」「もっと発展させたらどうなるか」といったものでした。シリーズの正統進化として、あの世界から延長線上に何があるだろうか、というところからスタートしています。当時もハチャメチャな世界観だったと思うのですが、あれをさらに拡大解釈し、「こんな要素を入れたら面白いのではないか」と、よりピーキーな世界観へと発展させました。

レベルデザイン&環境リードの阿部雄大氏
過去作から未来像を膨らませて出来上がった、怪しくも魅力的な世界観

――本作ではゴア表現が過去作以上に激しくなっている印象がありました。そういった表現をする上で意識した点、工夫されたところについてお聞かせください。

西井氏:本作のゴア表現については、少なくとも過去作より見劣りするものにだけは絶対にしたくない、という思いが根底にありました。先ほどの世界観についても、順当なアップグレード、つまり延長線上にあるということをベースとして意識しました。今回に関して、特にヤクモがそうなのですが、己の血を使うアクションをとるのもあり、血という表現については力を入れています。血の表現に力を入れた分、その印象が上乗せされ、「思ったよりも血が多く出る」「ゴア表現が強い」といった印象につながったのではないかと考えています。

アートディレクターの西井智子氏
過去作を超えるゴア表現を目指したというだけあり、流血などはかなり過激になっている

――今回試遊して「NINJA GAIDEN」が持っているエッセンスはかなり継続しているなという印象を持った一方で、楽曲はイメージがガラッと変わったなという感想を抱きました。特にボス戦ではボーカルがあったり、かなりインパクトのある印象だったのですが、その変化は意図的なものなのでしょうか。また、どのような考えからこの楽曲の方向性を見出したのか教えてください。

宮内氏:久しぶりのナンバリング新作で、主人公もロケーションも時代設定もこれまでとは異なります。その流れで、楽曲も自然とアップデートしていこうとなりました。もともと弊社が持つ勢いのある雰囲気も上乗せできないかと考えました。ボス戦はやはり目玉なので盛り上がれる楽曲にし、他の場面でも幅広いジャンルの曲を用いていますが、「NINJA GAIDEN」という枠からは逸脱しないようコントロールしています。

リードコンポーザーの宮内雅央氏
幅広いジャンルの楽曲を実装し、ゲームプレイを盛り上げる

――コンセプトについて、先ほど「『NINJA GAIDEN 2』の10年後」というお話がありましたが、具体的な方針はディレクターの中尾さんと相談されたのでしょうか?

阿部氏:コンセプトに関しては、ディレクターの中尾とよくすり合わせるところから始まりました。そこで出てきたコンセプトが“逆境”、“残虐”、“変化”。これが「NINJA GAIDEN」が持つ最もプリミティブな面白さの源泉となる言葉だ、という認識からスタートしました。

 数多の敵に囲まれる緊張感、そこから一気に打破したときに起こる急激な変化、そしてほとばしるアドレナリン。また、先ほどゴア表現の話が出ましたが、そうした刺激的なビジュアルも「NINJA GAIDEN」らしさだろうと。これを最大限生かすにはどういうステージ構成にしたらいいか、エネミーの構成にしたらいいか、ビジュアルはどうあるべきかなど、全ての要素が発展していきました。

 ステージであれば各ステージごとに大きな変化があったほうがいいだろう。ビジュアルは、逆境という言葉を表すように、例えば今にも押し潰されそうな高くそびえ立っている街並みの方が良いとか、反対にどこまでも落ちていきそうな奈落を見せた方がいいじゃないかとか、逆境を感じるステージはどういうふうに表現していったらいいか、そこにいる敵はどんなキャラクターにしたらプレーヤーが一番逆境感を感じるか。1ステージ目よりも2ステージ目の方がもっと逆境に感じるにはどんなシチュエーションの変化をしていったらいいか、こういうふうなアイデアの発展のさせ方をしていきました。

――まずレベルデザインが先に出来上がったところに、そのアートワークだったりが乗って、その後に音楽が乗る、という順番のイメージでしょうか?

阿部氏:キャッチボールしながら作っていた、というのが実情に近いです。第一投は私やディレクターの中尾、レベルデザイン側からボールを放ったのですが、それに対して西井や宮内から「だったらこういうアイデアはどうか?」とボールが返ってくるので、それを見て「ああ、だったらもっとこういうふうにできそうだね」と発展させていくフローだったかなと。

――西井さんや宮内さんからもコメントをお願いします。

西井氏:情報はこまめに流してくれていたので、逆境の話も割と早いうちから「今回はこれでいく」という前提として共有されていました。その後で、それを前提としてあとはどうするという話だったので、セクションごとにちょっとコンセプトが違っていたとかではなく、もうそれぞれベースになるものがあって、アート側からは「それを実現するなら、もっとこう演出を盛った方が良いのでは?」といった提案で発展させていくことがほとんどでした。

――具体的にどういったところを盛ったり、アイデアを出されましたか?

西井氏:もっと脅威にしたいんだったら「もっと風を吹かせたらいいんじゃない?」「落石弱くない?」といった話がありました。コントラストであったりとか、キーワードとして変化がベースにあったので、「変化を表現したいなら、これくらいやらないと伝わらない」といった意見を返すなど、とにかく最初のコンセプトを突き抜けさせる方向でアイデアを出しました。アイデアも全部こちらから出したというよりは、元々やりたいことは決まっていたので、濃度を増していきました。

阿部氏:そうですね。それを見せてもらって、さらに私の方から「ここはもっとこんなステージにしてくれ」みたいな。どんどん高めていってとにかくピーキーな見た目になるように、という調整の仕方でしたね。

西井氏:それでプログラマーに少し怒られたりもしましたね(笑)

突き抜けるという方向性で、特徴的な演出やステージなどが完成した

――そこである程度できてから宮内さんが入られると。

宮内氏:そうですね、最初からもちろんストーリーがあって、どういうふうにステージ展開させたいとかを阿部の方で作られていて、それを横で腕を組みながら「どんな曲を作ろうか」と思案し、出来上がったものに対して「こういうのはどうだろう」と提案を重ねて、ステージやエネミーを含めたゲーム体験全体の質を上げていく、という流れが基本です。先ほど言っていた逆境、残虐、変化、そこら辺もストーリー全体の流れでちゃんと感じられるようにいろんな曲を書かせてもらいました。

阿部氏:楽しかったのが、私が「こういうステージを作りました」と仮組みのようなものを渡して「これで曲をお願いします」と言う前に、彼が曲を送ってくることもありました(笑)。非常に意欲的に取り組んでいて、それを受けて「こういう曲だったら、このタイミングに合わせてビジュアルの変化があるほうがいいだろう」とか、そういうキャッチボールが行われていましたね。

――チャプター1と2は顕著ですが、敵が白い、というのがインパクトがありました。過去作では見えない遠くから敵が攻撃してくるというシチュエーションが結構ありましたが、今回は“敵がいる”とわかりやすかったです。その点は、今回たまたまそうしたシチュエーションが多かったのでしょうか。それとも、作品全体を通して重点を置いているのでしょうか。

阿部氏:白でない敵キャラクターも登場しますが、発想の源は“主人公が黒”でそれに相対する“敵が白”というセッティングから始まっています。世界観がダークなので、結果的に白い敵が目立って良かったという副産物的な効果もありました。あと主人公の孤立感みたいなものを示すのに、そそうした大胆な色分けが、白と黒という対比の出発点です。

西井氏:そうですね。プレーヤーと敵とのコントラストが発想の源でもあるし、その他に、斬って血がたくさん出るゲームなので、白い方がより血が目立つだろうと思いました。比較的整然とした「白のクリーンなイメージ」をプレーヤーの手で破壊していくのは、やはり爽快感がありますから。それを最大限に活かすには、白くクリーンな敵が序盤に登場するのがふさわしいと考えました。そこは意識してそのようにデザインした部分です。

阿部氏:いろんな色の敵も登場します。

西井氏:白だけだとさすがに変化がなさ過ぎるので(笑)。序盤は特に白を強く感じるかもしれませんが、後半になるにつれて違う色の敵ももちろん登場します。

――今作では1つの武器に2つのアクションパターンがあるなど、全体的にバリエーションが豊富だと感じました。その中でも、ハヤブサと被らないようにしつつも、ヤクモのアクションや見た目にしっかり差をつけている印象を受けました。そうしたデザインの方向性や、武器・アクション面でのコンセプトについて、どのように考えられたのでしょうか?

阿部氏:武器は最初に考えたことが2つあります。私たちの考える戦闘の偏りを均等に分けると、だいたい今回の武器の種類になったのが1つ。

 もう1つは、ヤクモはリュウとの対比を作りたかったといいますか、リュウは力強くてストレートなイメージですが、ヤクモはテクニカルに戦う印象をつけたいと考えました。そこから、武器が変化したり、複数の武器を切り替えながら戦ったりといった、テクニカルなプレイができるコンセプトが生まれました。

――ビジュアルに関してはいかがですか?

西井氏:先ほどおっしゃっていた、リュウの武器と被ってはいけないというのはもちろん意識しました。この武器はリュウは使わないなという“リュウに似合わない武器”とか。リュウはやっぱり強くあってほしいので、身1つでカッコ良くなんとでもなるような、本人の技量の高さが際立つような武器はリュウにこそふさわしい、と。

 ヤクモに関しては、リュウと差をつけるために小柄にしているので、さらにギャップを引き立たせるためにそれぞれの個性をちゃんと立たせる選び方を意識してデザインしています。

――ドリルは結構驚いた武器でしたが、武器をデザインする際に世界観の制約などはなかったのでしょうか?

阿部氏:武器のデザインに関しては、特殊な技を使って巨大な武器を生成するという今作の新要素ではあるので、なるべく突き抜けたものにしよう、という意識で始まりました。ただ、例えばビーム兵器のようなものは「これは『NINJA GAIDEN』ではない」となるだろうと、その線引きがどこにあるのかを西井とやり取りしながら、限界まで突き詰めていったイメージです。

西井氏:限界を先に定めたかというと、最初に定めたわけではないですが、やはり表現として、シリーズとして、「NINJA GAIDEN」として気持ち良いところが削がれる武器はやめようという方向でした。ただ、「リュウらしくないからやめておこう」といった制約は、ヤクモに関しては一旦取っ払って考えることにしました。それで「やりすぎたら調整しよう」と、とにかく突き抜ける濃度を増す、という点はここでも意識しました。

ハヤブサが持つのはあり得ない、ドリルなどのぶっとんだ武器も扱うヤクモ

――難易度に関する質問です。「NINJA GAIDEN」シリーズは難しいという印象が昔はありましたが、今回は難易度の選択肢が豊富だと感じました。そのバランス調整など、こだわった部分についてお聞かせください。

阿部氏:こだわったところは「逆境」っていう言葉でして、やはり極限の歯応えがある。もっと平たく言うと「めちゃくちゃ難しい」ということにこだわりました。“すごい強い敵を倒しているぞ”、“すごい難しいゲームを自分はクリアしているんだ”という感覚をどうやって作るか。ただ、難しすぎて誰もクリアできない、ということにはしたくありませんでした。我々としては“すごく難しいが間口は広い”という状態を目指していました。

 なので、過去作よりも大幅に操作性を向上させて、パッと触ってすぐ手に馴染む操作感を意識しています。鵺の型も、これまでのシリーズにはなかったケレン味のある一発逆転のメカニクスのひとつだと考えています。敵も強くなりますが、こちらも強くなる、と。なので、難易度的には上がってますが習熟しやすく、すぐ上手くなりやすいそんなデザインを目指してます。

――実際に触ってみたら「これは『NINJA GAIDEN』じゃん!」という驚きがありました。これは「NINJA GAIDEN」ガチ勢の中尾さんとプラチナゲームズ内での全員の意識の共有というのが強く働いていた結果なのでしょうか?

阿部氏:中尾の方からもう強く「これは『NINJA GAIDEN』なんだ。『NINJA GAIDEN』を作ろう」というアピールが最初から最後までありました。我々もそれを受け取って、何度も何度も過去作をプレイして、ちゃんと「NINJA GAIDEN」になっているかと日々チェックしました。プレーヤーキャラクターやエネミーの挙動は、中尾が朝から晩までチェックと調整を繰り返しました。その結果、アップデートされつつも、手に取った時に「NINJA GAIDEN」だと感じていただけたのであれば、中尾も報われると心から思うはずです。

プラチナゲームズの強いこだわりによって、高いレベルで「NINJA GAIDEN」らしさが実現した

――「NINJA GAIDEN」の好きなポイントをお三方にお伺いしたいです。

西井氏:ゲームとして、難しいところが好きではあるのですが、個人的にはリュウがどこまでも大真面目なところがいいなと思います。突飛な世界観であったり、シチュエーションも突き抜けたようなのはシリーズとしてもともとありましたが、そんな中でリュウはストイックに真っすぐな印象で、シリーズとして独特の空気感がいいなと思っています。

阿部氏:僕は、とにかくピュアなゲームであるところが好きですね。アクションにすべてのリソースをつぎ込んで、極限までアクションを考え抜いたシリーズだと思っています。それがあの唯一無二の手触りを作り出しているので、そこが僕の「NINJA GAIDEN」の好きなところです。

宮内氏:僕に関しては、さっき西井が言っていた“真っ直ぐさ”という部分に強く共感していて、特に印象に残っているのが、声優の堀秀行さんによるアイコニックな演技や声です。あの存在感が作品全体の方向性を象徴しているように感じましたし、アクション面でも、いろんなゲームを触ってきた中で、「ここまでアクション体験を突き詰めようとしているのは本当にすごいな」と。そう思える唯一無二の作品だと思います。

やはり「NINJA GAIDEN」という作品の魅力にハヤブサは欠かせない存在のようだ

――皆さんそれぞれ、担当されている領域があると思いますが、その中で特に大切にしていることは何でしょうか? また、そのこだわりが「NINJA GAIDEN 4」にどのように反映されているのかも、お聞かせいただければと思います。

宮内氏:自分がいつも思っていることですが、僕はあくまで作曲家ですので、ゲームにおける曲や音を“お化粧”に例えています。ゲームという下地の上に、感情面での表現を上乗せする、といったイメージです。今回の「NINJA GAIDEN 4」ではいろいろな顔を作らせてもらいましたが、プレーヤーに飽きさせないでとにかく楽しませる、ということはかなり念頭に置いています。

――今回はいろんな曲調を用意されたという話がありましたが、具体的にお願いしてもいいですか?

宮内氏:大前提は近現代の舞台設定なので、Z世代とα世代のような雰囲気が感じられる、「新しいよね、近代的だよね」っていうカッコ良さがパッと伝わる曲を取り揃えようと考えていました。ジャンルを問わず、様々な分野からカッコ良いものをかき集めたらどうなる? と個人的な意欲もありましたが、そのカオス感がさらに「NINJA GAIDEN」ぽくさせて上手くハマったなというふうには思っています。

阿部氏:私はレベルデザインを担当していますが、レベルの仕事というのは“料理のコースを考える仕事”のようなものだと思っていて、それぞれの料理をどの順番で出すと一番効果を発揮するのか、そういうことを考える仕事だと考えています。

 人の配置でもそうですし、誰に何のステージを頼むのか、ゲーム内でいうとどの順番でどのステージを見せるのがもっとも今回のコンセプトを際立たせるのか、それぞれのパーツがもっとも映える配置にする。これを一番大事にしています。

――まさにコース作りですね。

阿部氏:メイクアップアーティスト、料理人ときて、次は何なんでしょうね。

――あまり縛られずに自分の言葉でお願いします(笑)。

西井氏:アートは見た目にすぐ目が行く分、どうしても“アーティスティック”とか“独創的”といった印象が先行しがちですが、アートの仕事の本質は「翻訳家」だと思っています。見た目がカッコいいだけでは不十分で、いかにビジュアルで企画のコンセプトを直感的に伝えるかが重要だと考えています。「なぜこのデザインなのか」「何を表現したいのか」という意図を、ビジュアルに変換して伝える、その変換作業こそが、アートにおける最も大切な部分だと考えています。

 ですので、まず「何をしたいのか」を正確に聞き取り、理解します。企画側が「これをやりたい」と考えている段階では、それをビジュアルで表現する方法がまだありません。その意図がいかに伝わるかを考え、アートの側から提案することを主に考えています。

 アートって、基本的には“翻訳できない言語”だと思っているんです。だからこそ、直感的に伝わらないといけない。特にその世界を知らない人にも、ちゃんと意味が届くように意識して作っています。たとえばその考え方がどうアウトプットに反映されたかというと、パッと見て「敵が白くて視認しやすい」とか、「強そうな敵がいるな」「このステージ、圧迫感があって大変そうだな」といった、“言葉のいらない情報”として伝わることを大切にしています。そういう、ビジュアルがそのまま意味になるような部分を一番重要視して、アートを仕上げています。

――最高難易度の「MASTER NINJA」でプレイしたところ、敵の攻撃を一発受けただけで体力が8割ほど減る場面もあり、クリアは相当厳しいと感じました。実際、開発者の中ではどの程度のプレーヤーがこの難易度をクリアできましたか?

阿部氏:僕ももちろんプレイしていますが、「MASTER NINJA」がデバッグで一番大変でした……(笑)。デバッグできる人も限られてくるぐらいの難易度なので。過去作で「MASTER NINJA」をやり込んだ人もぜひプレイしてみてほしいです。

「NINJA GAIDEN」シリーズには欠かすことができない“圧倒的操作感”と“フェアな攻防”

――今作は久しぶりの最新作となりましたが、その際に「ここは守ろう」という点と「ここは攻めよう」という点があったかと思います。特に攻めの部分は何を重視して決断をしたかを教えて下さい。

平山氏:ヤクモを新主人公に据えた点が、ナンバリングタイトルとしては最もチャレンジした部分だと考えています。これはまさにプラチナゲームズさんとタッグを組んだ1つの理由になると思ってまして、プラチナゲームズさんからヤクモを新主人公に据えたらいいんじゃないかとアイデアをいただきました。新ナンバリングを数十年ぶりに作るというところも含めて、新しいアクションファンの方々にも新鮮な気持ちで「NINJA GAIDEN」に触れていただく、というチャレンジをすべきだと考えました。

 ただ、新主人公を据えたからといって「NINJA GAIDEN」らしさを感じられないアクションだと本末転倒です。そういう意味で、今回プレイしていただき「NINJA GAIDEN」らしさを感じられたのであれば嬉しい限りです。新主人公を作る中でも、根幹の「NINJA GAIDEN」らしいバトルのサイクル、もしくは圧倒的な敵に対する超忍アクションで乗り越える体験といったような「NINJA GAIDEN」らしい攻防は絶対に外せない要素として、何度も協議を重ねました。

――ヤクモという新たな主人公を据えることについては、開発初期の段階からすんなり決まったのでしょうか?

平山氏:その点については、Team NINJAの中でもかなり議論を重ねた部分です。新たな主人公でチャレンジするという方向性と、もう一方で、リュウ・ハヤブサをプレイアブルキャラクターとして実装することで、シリーズファンの皆さんにも「4」ならではのリュウのアクションを楽しんでいただけるようにし、この2つを両立させることを目指しました。

 チャレンジとしての新主人公と、ファンの皆さんがリュウを操作できるという体験、その両軸を大切にしながら判断した部分ですね。

――リュウの声が聞けて嬉しかったです。

平山氏:自分は音声収録にも立ち会ったのですが、リュウの声を聞くと「ああ、やっぱりリュウ・ハヤブサだな」と感慨深くなりますね。

Team NINJAのディレクターの平山正和氏

――中尾さんにお伺いします。先ほどのインタビューでも「NINJA GAIDEN」らしさを追求しているというお話がありましたが、過去作をなぞりすぎると、どうしても同じものになってしまう側面もあると思います。そうした中で、“過去作と同じにはしない”けれど“らしさはしっかり残す”というバランスは、どのような考えのもとで作られていったのでしょうか?

中尾氏:僕の中で「NINJA GAIDEN」らしさとは何かというところを考えていったときに1つのキーワードとして、“繊細さ”がありました。アクションにしても物語のディテールにしてもかなり緻密で繊細な印象があり、特に手触りの面では最もそう感じています。

 その中で、やはりプラチナゲームズとのコラボでやっていくのであれば、そこにプラチナゲームズらしさも入れたかった。ではプラチナゲームズとは何か、ということでそこに付け加えたのが“大胆さ”です。「繊細さ」と「大胆さ」を融合させ、バランスを取ったときに「NINJA GAIDEN」としてどうなるかを考えていきました。そうした繊細さやディテールのある部分を守りつつ、プラチナゲームズの大胆さを加えるという形で骨子を組み立てていった、というのが実情に近いです。

――ド派手な演出や爽快感は、やはりプラチナゲームズさんの良さがすごい出ているなと感じました。

中尾氏:攻防の緻密なやり取りといった部分は、Team NINJAさんが大切にされてきた要素です。そこはしっかり継承しながら、どう詰めていくか、何度も話し合いを重ねてきました。一方で、いわゆるカタルシスのような体験については、プラチナゲームズらしく、ド派手かつ気持ちよく表現したほうが、アクションゲームとしてもう一段上を目指せるのではないかと考え、取り組んできました。

プラチナゲームズのプロデューサーの中尾裕治氏

――今回のアクション面、いろいろな要素が追加されていますが、複雑になりすぎないゲームバランスで気をつけた点など伺えますか。

中尾氏:今回私どもが押し出していきたかったのは、アクションシステムが豊富で選択肢がたくさんあります、というところが1つ。システムの豊富さはアクションゲームとしては群を抜いているかなと思っていますが、すべてを使いこなしてほしいというよりは、「あらゆる選択肢の中から自分の戦い方を見つけてほしい」ということを目的としています。

 ですので、「複雑になりすぎないようにする」という点よりも、それぞれのアクションにしっかりと意味や役割を持たせることの方が難しかったですね。例えば、人によっては「これって正直使わないよね」と感じるアクションがあったとしても、別のプレイヤーにとってはそれがすごく役立っているという風に、選択肢ひとつひとつがメリット・デメリットをはっきり持っていて、プレイスタイルによって価値が変わる。そういった“使い分けが成立する仕上がり”にすることが、特に苦労した部分です。

平山氏:敵との攻防の中には、ジャスト回避やパリィなど、さまざまなシステムが用意されていますが、「NINJA GAIDEN」として超忍アクションを表現するうえで大切なのは、やはり“フルコントロール感”だと思っています。自分の思い通りに動けて、思い通りの攻防ができる感覚は、絶対に外せない要素だと考えています。

 ですので、“これをやらなきゃいけない”ではなく、“これをやってみたい”と思ったアクションがきちんとできて、それによって自分なりの攻略法を見つけていけることが大切だと思っています。そこは開発チーム内でも繰り返し話し合い、協議を重ねた部分です。

――アクションの話でいえば、今回いろいろな技コマンドがあります。一回転コマンドのような複雑なものもありましたが、比較的ラフな入力でも出せるように感じました。この点にこだわりはあるのでしょうか

平山氏:そこはかなりこだわって作り込んでいます。先ほどお話しした“フルコントロール感”にも通じる部分ですが、「思った通りに動かせる」感覚って、単にボタンをぴったり押すだけの話ではないと思うんです。感覚的に押しているつもりでも、実際には少しディレイしていたり、逆にタイミングがずれていたりする。たとえば、着地と同時に入力しているつもりでも、実際には着地後に押している人もいると思うんです。プレーヤーが「今、自分は入力した」と感覚的に思ったタイミングで技が反応する、というグリップ感はかなり意識して作りました。

中尾氏:一方で、これをやりすぎると意図しない技が暴発してしまうため、そのバランスは何度もやり取りを重ねて調整しました

自由度の高いアクション性と手触りの良い操作感にかなり注力したようだ

――今回プレイして、「これはもう“NINJA GAIDEN”としか言いようがない!」という体験ができて驚きました。一方で、過去作を振り返りつつ、現代にあわせて新たに開発するうえで「ここは課題だな」と感じた部分があれば教えてください。

中尾氏:武器の切り替えがシームレスにできたり、難易度設定やアクセシビリティなど、ユーザビリティの観点を現代的にアップデートしました。

 また、細かい点ですが、移動に関しては、触ってみていただいてかなり自由度が上がっていると感じていただけたかと思います。たとえばダッシュの導入や、新たに追加された「鴉忍具」といった機動的なアクションにより、縦横無尽に戦えるようになり、移動面は大きく進化しています。これは「NINJA GAIDEN」の移動をそのまま踏襲するよりも、より面白くなると考えて取り入れた要素です。

一方で、やりすぎてしまうと「NINJA GAIDEN」らしさの繊細な操作感やグリップ感が損なわれてしまうため、しっかりバランス調整しました。不自由にはしたくない一方で、自由すぎてもプラチナゲームズらしさが強く出すぎてしまう。そのバランス調整は、かなり苦労しました。

――今作の新キャラクターの黒龍の巫女「セオリ」ですが、これまでの「NINJA GAIDEN」にはいないようなキャラクター性だなと感じました。どういった経緯で作られたのでしょうか?

中尾氏:セクシーな女性が登場するという、「NINJA GAIDEN」のお決まりは外したくはなかったのでまず入れましょうという話になりました。その上で、今回はヤクモが新主人公になるため、ヒロインのキャラクター性もヤクモに合わせて新しくする必要がありました。明確に区分しているわけではありませんが、ある種の“プラチナらしさ”を盛り込み、Team NINJAさんにもご快諾いただいた上で、今回のキャラクターが生まれました。

――ヤクモ側のプレイでは、通信を通じたサポートなど、キャラクター同士のやり取りがあるのも印象的でした。こういった要素は、これまでのシリーズにはあまりなかった新しい試みですよね。

中尾氏:ヤクモもリュウも、どちらもクールなキャラクターとして描かれていますが、それは「NINJA GAIDEN」のハードな一面を表現するうえで重要な柱のひとつです。ただし、それ以外の部分では、リュウ・ハヤブサとヤクモは明確に対比させています。

 例えば、ヤクモはまだこれから成長していく若き忍で、リュウはもう熟練の超忍です。ルーツや考え方、一門や一族としてなど、さまざまな面で違いを持たせています。その中で、まだ1人で戦い抜けないというヤクモの未熟さを表現するのに会話は大事だろうと考えており、群像劇というほどではありませんが、仲間とのやり取りを入れています。クールで寡黙であるというキャラクターはそのままに、肉付けで対比させているイメージです。

――今回プレイさせていただいたのは、ヤクモ編でハヤブサを操作する形だったため、会話やイベントが一切ない状態でした。一方で、ハヤブサ編では、そういった会話シーンやイベントなどの演出もあるのでしょうか?

中尾氏:リュウ・ハヤブサのステージでも会話はありますが、ヤクモとの対比を表現するために、ヤクモほど会話量は多くありません。これは単に削っているっていう意味ではなく、リュウ・ハヤブサの物語を表現するために必要な表現だと考えています。

――誰かと会話をするというよりは、つぶやくようなイメージですか?

中尾氏:つぶやきだったりとか、敵とのちょっとした会話ですね。

――新たに追加された「血殺」や「乱殺」といった要素には、どのような狙いがあったのでしょうか?

平山氏:乱殺に関しては、忍術の立ち位置が比較的近いです。超忍アクションを使い、苛烈な状況を乗り越えるというところがベースにありつつも、緊張からの解放という役割を持つものが乱殺だと考えています。ただ、乱殺を使うことに対して、ユーザーが試行錯誤できる余地があるのがやはりアクションゲームとして考える面白さだと思っているので、そこは残したいと思っています。

今回の「乱殺」は、あるモードを発動した後に「鵺の型」で特定のアクションを行うことで「血殺」へとつながる、という設計になっています。武器種ごとに性能も異なり、刀でなぎ払って敵を一掃したり、ドリルで前方の敵に突進しながら攻撃したりといった使い方が可能です。「乱殺」「血殺」にも武器種ごとに個性があり、武器種が切り替えられる本作だからこそ乱殺1つに対しても試行錯誤する余地、アクションの攻略を探す面白さを出そうと意図としています。

ド派手な演出とともに敵を一撃で倒すことができる新システムの血殺

――ハヤブサでプレイするとショップがムラマサの像になっていたりと、過去作をプレイしているとニヤリとできる要素は他にもありますか?

中尾氏:ヤクモでプレイしたときにショップで流れるBGMがりますが、実はムラマサの曲のアレンジ曲になっています。

平山氏:それをはじめて実装し、聴いたときはエモいなと思いました。

中尾氏:何よりニヤリとしてほしいのは、アクションの細やかさに関してです。過去作をプレイしている方であれば「ここまでやってる!?」と感じられるチューニングにしておりますので、そこは結構喜んでいただけるかなと。

――「NINJA GAIDEN」の特徴として、敵がいやらしく苛烈な攻撃をしてくるというのがあると思いますが、一方でフェアさを重要視している印象もあります。フェアというものに対してどのように捉えて形にしていますか?

平山氏:プレーヤーが思った通りにキャラクターを動かせる、というのはまず重要だと思っています。アクションゲームは基本的に、敵の状態によって自分が何をするのかを考え行動します。しかし、それを思った通りに動かせないと、うまくいくはずだったのに動かなかったせいで攻撃を食らってしまった、と一番フェアさを感じられなくなります。思った通りに動かせる、いわゆるフルコントロールの操作性が最重要なポイントだと思っています。

 また、多くの敵が襲ってくるシチュエーションで、見えない場所から攻撃されるというのもフェアじゃない要素のひとつになりえます。そこで今作では、敵の数が増えるごとにカメラが引いて辺りを見やすくするなどの工夫をしています。それもまさにフェアにするひとつの要素で、アクションとしてのフェアさと、カメラなども含めてプレーヤーが理解できずに攻撃を食らってしまうといった理不尽に感じるポイントは徹底的に潰すという方針で進めていますね。

中尾氏:“敵とプレーヤーの間で能力に大きな優劣がない”というのも「NINJA GAIDEN」シリーズを通してフェアを表現するのに大事だと思っています。例えば、敵が当たり前のようにガードして、それを一定回数やったら弾いてきて反撃してくる、なんて普通に考えるとザコでそういうことをやらないと思います。そういった、対人ゲームをしているかのようなある種の公平さですよね。そこもフェアだと言えると思います。

――「NINJA GAIDEN」といえば、歯応えのある高難度アクションという印象が強いですが、今作では難易度選択の幅が広く、「ヒーローモード」ではオートガードやオート回避といったサポート機能もあり、かなり遊びやすくなったと感じました。歯応えのあるプレイを重視してきたシリーズにおいて、誰でもクリアできるような難易度を実装した背景には、どういった意図があったのでしょうか?

平山氏:久しぶりの新作ですので、アクションが得意じゃないと感じている方にもプレイしていただきたいというのが前提としてあります。その上で「ヒーローモード」のオートガードなどのサポート機能は、それぞれ個別にオン・オフできる仕様になっています。最初はオートガードを使って操作に慣れ、ある程度わかってきた段階で「もう自分でガードしてみようかな」と思ったら、オプションでオフにして難易度を一段階上げるといった、そうしたプレイスタイルの変化に対応できる設計になっています。

 また、サポート機能だけではなく、実は難易度も途中で変えられるようになっています。ヒーローモード、ノーマル、ハードの3つの難易度は、チャプター1でヒーローモード、チャプター2でノーマル、チャプター3でハードというふうに、ゲームをやり直さなくても順番にステップアップできるようになっており、一歩一歩、皆さんが超忍に近づいていくためのステップをしっかりご用意しました。ぜひ歯応えのある内容を、多くの方に体験していただきたいというのが設計の意図です。

――体術の解放についてですが、たとえば最初のステージを繰り返しプレイしてポイントを稼げば、序盤のうちにすべての体術を解放するといった遊び方も可能なのでしょうか?

中尾氏:今回のプレイでは、体術などを全解放していましたが、ヤクモの場合、本体はタイランというサポートキャラクターから解放していきます。すごい豊富なテクニックがあり、それらを順番に解放していくことで、今までより深く、いろんな方に「NINJA GAIDEN」を知ってほしいという思いを詰めてこういう調整にしました。

平山氏:ストーリーが進むごとにより多くの体術が解禁されていきますが、その中でもオススメといいますか、我々の中でまず初めに触っていただきたい「飯綱落とし」ですとか、そういったアクションに関しては特別価格で配置させていただいています。どの体術を解放するのか悩む方もいらっしゃると思いますが、最初はお買い得な体術を解放していただくと早めに「NINJA GAIDEN」らしいアクションを堪能しつつ、攻略が有利になるような形で設計しています。

中尾氏:シリーズのファンの方からは「飯綱落としは最初から使えるようにしてほしい」という声があるかもしれませんが、先ほどお話ししていたように最序盤からリーズナブルに購入できるので、そこは安心してほしいです。

忍の必殺技の代名詞でもある飯綱落とし。ゲーム序盤で使えるのはファンにとっては嬉しいポイント

――今作ではフォトモードが実装されていますが、どういった経緯で実装に至ったのでしょうか?

中尾氏:フォトモードを実装することは、プラチナゲームズとしては前提にありました。昨今ではかなりスタンダードな機能ですので。その上で、どこまで遊び心を入れられるかは結構チャレンジし、フィルターやスタンプもこだわって設定できるようになっています。

――殺伐とした世界観にフォトモードは面白いですね。

中尾氏:ヤクモを新たな主人公に据えた背景には、新しいユーザー層にも作品に触れてほしいという意図がありました。フォトモードの実装も、そうした方向性につながる要素のひとつと捉えています。コアなファンの中には「使わない」という方もいるかもしれませんが、フォトモードがあることでより楽しんでいただける方も多いはずです。かわいらしいキャラクターを撮るのとは少し違いますが、本作では、ものすごくカッコいいアクションの瞬間や戦闘シーンを切り取って楽しんでいただきたいです。

平山氏:実は道中もカッコ良いポーズをとっていたりするので、細かな動きにも注目してほしいです。そういった瞬間もぜひフォトモードなどで切り取って楽しんでいただけたら嬉しいです。

――今回のボス戦では、ワイヤーアクションで灯籠の上に登り、広範囲攻撃を回避するようなギミックが印象的でした。こういったギミックを活用したボス戦は、今作に多く盛り込まれているのでしょうか?

中尾氏:ギミックを使う場面もありますが、ギミックがないと攻略できないというものは基本的には据えていないです。「NINJA GAIDEN」のバトルを中心に楽しむ中で、あくまでも補助的な工夫のひとつとして用意しています。さきほどの「技が豊富で選択肢が多い」という中のひとつで、鴉忍具などでいろいろできるようになります。

――試遊では、鴉忍具はワイヤーのみ確認できましたが、ほかにもさまざまな種類が登場するのでしょうか?

中尾氏:具体的にはまだお伝えできませんが、今後、ほかの種類についても紹介できるかと思います。

――最後に、これから「NINJA GAIDEN」をプレイしようと考えている方に向けて、本作が持つアイデンティティをどのように捉えているか、お二人それぞれの視点からお聞かせいただけますか?

平山氏:「NINJA GAIDEN」のアイデンティティとして重要なのは、やはり“圧倒的な操作感”と“フェアな攻防”だと思います。思った通りにアクションできる、思った通りに動かせるというところが何よりも大切です。

 もうひとつの特徴として、超忍としてのアクションが「NINJA GAIDEN」には絶対外せない要素だと思っています。一見すると理不尽と感じるようなシチュエーション、理不尽と感じるような難所に対しても、思った通りに動かせる操作のフェア感や、多彩なアクションで乗り越えられるのが「NINJA GAIDEN」のアイデンティティかなと思います。本作では主人公がヤクモに変わりましたが、その“フェアさ”はしっかりと継承されています。ヤクモはリュウとは異なる手触りを持ちながらも、「NINJA GAIDEN」らしい攻防の魅力は変わりません。安心してプレイしていただければと思います。

中尾氏:それに加える形になりますが、私自身もファンのひとりとして、「NINJA GAIDEN」のアクションサイクルは、すごく緻密で繊細な、完成されたものだと感じています。今回、鵺の型をどう本作に溶け込ませるかで苦戦しましたが、すごい綺麗にまとまっています。どの要素にもメリット・デメリットや個性があるので、それぞれの納得感、手応えのある遊び心地が「NINJA GAIDEN」には大事な部分だと考えています。そうした魅力は、と、開発者としても、一ファンとしてもずっと守っていきたいなと思っています。

 また、本作の制作にあたっては、「ハード」「クール」「ドライ」を両チームの共通キーワードとして共有し、それらを徹底して貫くよう意識して取り組みました。

――熱量の高いお話、ありがとうございました。