インタビュー
「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(後編)
PS4版は2014年3月、DirectX 11版は9月を目処にサービス予定。ハウジングの価格は最後まで“内緒”
(2013/9/21 14:00)
- 8月27日発売
- 価格:
- 3,300円(PS3通常版)
- 10,290円(PS3コレクターズエディション)
- オープンプライス(Windows PC版)
- 利用料金:1,344円(エントリー、30日)
- 1,554円(スタンダード、30日)
- 4,347円(スタンダード、90日)
インタビュー後編では、現在開発中のプレイステーション 4版と、PC版のグラフィックスをさらに底上げするDirectX 11版、そしてインタビュー前編でも話題に上がっていたパッチ2.1の具体的な内容について質問を重ねてみた。
PC向けDirectX 11版は別クライアントで提供。「PS4版の半年後にリリース予定」
――今日はPS4版についてもう少しお話しいただけるということですが、私はその前にPCのDirectX 11版について少し質問させて下さい。まずはグラフィックスからですが、今PC版には最高設定がありますが、その最高設定から何が変わるのでしょうか?
吉田氏:基本的にシェーダーも変わりますし、シャドウとライティングとリフレクションに関してはDirectX 11側で持っている機能を使うことになります。そもそも僕らが苦労して描いたシェーダーとかを使わなくても、DirectX 11側で持っている機能が使えるようになるので、格段に絵は変わると思いますね。
――テクスチャの解像度はいかがですか?
吉田氏:解像度を変える気はないです。前にも説明しましたが、解像度で作るという考え方がもう今のゲームにはないので、フォトリアルの場合はノーマルマップのクオリティ、ベースになっているスカルプモデルの時間のかけ方や、クオリティに対して、リアルな光を当てることで、いかにその彫りを再現するかが勝負です。テクスチャの解像度は相当低いものもありますが、使っていることがたぶんわからないと思います。解像度が勝負を決めるのは「旧FFXIV」みたいな設計のゲームのみで、あまり解像度という考え方ではないですね。
――確かに発売記念イベントの時に、4Kのモニターのデモをしたときに、3,840×2,160ドットという想定外の超解像度だったにも関わらず、グラフィックスはまったく破綻していなかったですものね。
吉田氏:あれにさらにシェーダーやポストエフェクトがDirectX 11専用のものが使えてくると、また全然違いますね。たぶん空気感と、いわゆる反射もの、パワーを食うような反射ものが機能としてサポートされるところが大きいですね。ただ、取捨選択はしなければいけないので。
――やはり全部やるとマシン負荷がとんでもないことになるからですか?
吉田氏:はい。TITAN(現行最上位のNVIDIAのGPU、GeForce GTX TITANのこと)を3枚刺していただければ動くと思いますが(笑)。
――全部詰め込んでしまうと、そういうスーパーハイエンドの世界になっちゃうので、ある程度取捨選択しなければならないということですね。
吉田氏:本来DirectX 11ってそういう世代のものなので。ただ、今の最高設定以上のクオリティがこのパフォーマンスでは出せるようになります。
――グラフィックス設定の名称はどうなるのですか?
吉田氏:というより、単純にクライアントが分かれます。DirectX 9で動くものと、DirectX 11で動くものはクライアントが別ですから。
――ではDirectX 11版リリース後は、DirectX 9版とDirectX 11版が並行して走るようなイメージですか?
吉田氏:そうなりますね。クライアントは別です。
――いま私は、PC版、つまりDirectX 9版を持っていますが、私はDirectX 11版は無料で手に入りますか?
吉田氏:もちろんです。
――新たにパッケージを購入する時にはどうなるのですか? クライアントが2つ入っているのですか?
吉田氏:うーん、再販版はそうするしかないと思います。もしくは、DirectX 9版を入れておいて、レジストレーションをした後に、DirectX 11版を落としてください、というアナウンスにするか。まだ決まっていないですね。DirectX 11への対応は、PS4版対応の次なので。PS4版と並行して走っていますけれど、順序はPS4版が先です。
――DirectX 11版はいつ頃公開になるのですか?
吉田氏:やっとこれでPS4版のβテストの開始日が告知できたので、ここから次のフェーズは半年先。僕がずっと言ってきたマイルストーン、パッチ2.0、PS3版、DirectX 11版とPS4版がありますという話をしていて、今はPS4版が先で次がDirectX 11版。だいたい半年ごとにマイルストーンを考えています。
――ちなみに、DirectX 11への対応の後は、4K(3,840×2,160ドット)への対応は行なうのですか?
吉田氏:まあ、今でも動いちゃっているので、あとは何をしようかという感じです。
――その意味では、実はもう4K対応しているわけですか?
吉田氏:あの解像度で動くゲームはそんなにはあるわけではないと思いますが、僕らは動くように検証はして、動かない部分があれば修正はしています。ただ、TITAN3枚刺さないと、60フレームは出ないですが(笑)。
――細かいことをいうと、やはり3,840×2,160ドットという超高解像度環境だと、モニターの大小に関わらず、フォントが小さくなりすぎるのと、UI周りのレイアウトが崩れてしまうので、4Kへの最適化という意味では、もう一段階必要なのかなと思いましたが。
吉田氏:そこはそうでしょうね。実際4Kテレビでプレイするという、商品としての4Kとしての対応という意味でいうと、フォント周りとかはチャットだけできればいいっていう話ではないので、もう1段大きくしないとダメでしょうね。チャットはたぶんフォントサイズをシステムコンフィグから切り替えればそのまま使えると思うのですが、UIの細かさに関してはもう一段解像度の高いものを用意しないとしんどいだろうなと思います。ただ、実際の対応は、4Kがビジネスになるところまで普及してからですね。