ガマニア、「DIVINA」開発&運営スタッフインタビュー
新職業「モンク」実装。新ボスはクラリスとクラリア!?


11月4日収録

ガマニアデジタルエンターテインメント本社


 株式会社ガマニアデジタルエンターテインメントは、Windows用MMORPG「DIVINA」の大規模アップデートを発表した。実装時期は12月上旬を予定している。

 「DIVINA」は9月24日の正式サービス開始から、すでに2度のアップデートを行なっているが、3度目となる今回は今までで最大の規模となっている。レベルキャップが現在の80から110へと一気に引き上げられ、新エリアや新コンテンツが追加される。

 その中でも注目は「モンク」の実装だ。香港ではすでに実装されており、正式サービス後にもキャラクター枠やダブルキャスト枠を空けて待ちかまえているユーザーも多い期待の新職業だ。

 今回、台湾PLAYCOOのCEOであるジョイス・ジャン氏と、「DIVINA」メインディレクターのジャック・景倫氏が来日して運営ディレクターの稲川義章氏と共にインタビューに応じてくれた。「DIVINA」の開発秘話を交えつつ、最新のアップデート情報をお伝えしたい。


新職業「モンク」はスピードと攻撃力を備えた武闘家だ




■ 新エリアは中国神話がベース。クラリス、クラリアが敵として立ちはだかる!?

PLAYCOO「DIVINA」メインディレクターのジャック・景倫氏
新マップは中国神話や「西遊記」、「封神演義」などの有名な物語がモチーフになっている
ガマニアの「DIVINA」メインディレクター稲川義章氏

編: 12月の大規模アップデートの概要を教えてください。

ジャック・景倫氏: 今回のアップデートでは、中国神話をベースにした新マップが登場します。それに合わせた4つのインスタンスダンジョンとボスも追加されます。また、目玉として新職業「モンク」が実装されます。ほかにも新しいシステムがこのアップデートから導入される予定です。実装時期はいまのところ12月中を目標にしています。

編: 新マップはどのようなものになるのですか?

景倫氏: これまで日本と北欧の神話をもとにしてきましたが、今回は中国の神話をもとにマップを作っています。日本でも知っている人の多い「封神演義」や「崑崙」、「西遊記」などが風景やNPCに要素として入っています。今回のタイミングで現状レベル80までのキャップがレベル110まで解放されます。新エリアは80以上のプレーヤー用になります。

稲川義章氏: 今回中国の神話の追加と並行して、クラリスとクラリアという2人のヒロインの話も広がっていく予定です。今まで半分しか進んでいなかったストーリーが進んで、ユーザーとクラリス、クラリアの関係もこれからどんどん明らかになってきます。今まではNPCとしてしか出ていませんが、今回は敵として登場します。登場する形態ですが、もともとのNPCとしての姿のほかに、全く違った姿でかなり手ごわいボスとして登場します。

編: 新しいインスタンスダンジョンはどのようなものが入るのですか?

景倫氏: 中国神話をもとにしたものが2つと、クラリスとクラリアのストーリーに絡んだものが2つ入ります。入場レベルは、一番下のものでレベル80からです。ダンジョンは、中に入るといきなりおどろおどろしいのではなく、外の世界と似た風景からだんだんと進んでいくようなものを考えています。長いものはクリアするには最低でも1時間はかかります。1回クリアしたらすべてクリアというわけではなくて、さらにその奥が存在していまして、侵入可能なレベルに達していればクエストをこなして進んでいく形になります。だからインスタンスダンジョンは最低でも3回くらいは挑戦しなければ、全貌がどうなっているかは分からないです。


中国の神話がモチーフに使われている新マップ。開発のお膝元だけあって、今まで以上に細かい作りこみの技が光る
ストーリークエストに絡んだインスタンスダンジョン。ボスはなんとクラリアだ
キョンシーや牛魔王のような敵が出るインスタンスダンジョン
雷が空を埋め尽くすおどろおどろしいダンジョン
フィールドには村があり、住人が住んでいる
今回のアップデート最強のボスはクラリスとクラリア。一体、彼女たちに何が起こったのか?




■ 攻めて良し守って良しの「モンク」は多重攻撃が得意なスピードタイプ

新職業「モンク」。アタッカーも盾役もできる汎用性の高い職業だ

編: 新職業「モンク」はどのような職業ですか?

景倫氏: モンクというと僧侶というイメージがあると思いますが、中国の僧侶の武術とか気功とか、そういうカンフーのようなものをイメージしています。攻撃は打撃系が中心となります。とても素早い攻撃が可能で攻撃スピードと攻撃力が非常に高くなっています。それに防御のスキルで、パーティーメンバーが受けたダメージの一部を吸収して肩代わりすることができます。例えばメンバーが200ダメージを受けた時に、モンクがそのうち100を吸収してメンバーの被ダメージ量を減らすことができます。パーティーの中で攻撃面でも防御面でも、非常に大きな効果を出せるようになっています。

 エフェクトもかなり充実しています。派手なエフェクトがバシバシと出て武術や気功の部分を上手く再現したという形になっております。コンボ攻撃や遠くの場所から高速で敵に接近しながら繰り出す攻撃や、遠距離攻撃も用意しています。動きの部分で面白みを出すことができる職業ではないかと考えています。防御力はファイターと比べると若干低いですが、一応はタンク役としてパーティーメンバーをサポートすることができる職業です。

編: 今回のアップデートに合わせて新しいソウルメイトなどは登場するのですか?

稲川氏: このアップデートに合わせるという形ではありませんが、今後も新しいソウルメイトは追加していく予定です。フェアリーペットに関しては今後課金アイテムとしても販売していく予定なので、そこで初めて触れるという方も出てくるでしょう。

編: 新しく追加されるアバターでオススメのものはありますか?

稲川氏: モンクが追加されるので、モンクの新しいアバターが数点ゲーム内でも手に入るようになります。あとはアイテムモールの方も随時出していきます。

編: 「西遊記」も登場するとのことですが、例えば金斗雲のようなマウントがあったりすると楽しそうですが。

景倫氏: 金斗雲は実は計画はあります。アバターに関しては孫悟空のアバターなども用意しています。他にもちょっと今までとは違う騎乗ペットが出たりもします。


一度の攻撃で複数回ヒットする素早い攻撃を繰り出す。範囲攻撃や、急速に間合いを詰める攻撃など攻撃方法は多彩だ

【「モンク」スキルムービー】




■ 遊びの幅を広げ、プレイを楽しく彩る新システム

「トロフィーシステム」。左のバーが達成度で、達成すると右にあるポイントを獲得できる ※開発中の画面です

編: 新しく追加されるシステムについて教えてください

景倫氏: 今回のアップデートでは、新しく「トロフィーシステム」と「称号システム」が追加されます。「トロフィーシステム」は様々な条件がゲーム内で設定されていまして、例えば“インスタンスダンジョンを何回クリアしました”といったものやモンスターを倒した数、モンスターキャストで変身した回数などに応じてトロフィーが獲得できます。お金をいくら持っているかとか、レベルがいくつなのかといったことも条件になっています。

 達成すると、全チャンネルに対してシステムメッセージで「だれだれさんはこの条件を達成しました。おめでとうございます」と表示されるようになります。非常に難しい条件であれば、達成したプレーヤーは「俺しか達成してないぜ」という満足感を得ることができます。条件を達成すると特定のポイントを得ることができたり、称号やアイテムを獲得できます。

編: ポイントというのは何ですか?

景倫氏: 獲得したトロフィーによって得られるポイントが決まっています。現在はまだ開発中なのですがこのポイントを特別なアイテムと交換できるようにしようと考えています。ポイントによってランキングに載ることもできます。

「称号システム」。称号を組み合わせることでキャラクターのステータスを上げることができる ※開発中の画面です

編: 「称号システム」はどのようなシステムですか?

景倫氏: 「称号システム」はトロフィーで「称号」が獲得できるシステムです。称号には一般の称号と特殊な称号の2種類があります。一般の称号が形容詞で特殊な称号が名詞になっていて、組み合わせることで1つの称号になります。例えば「伝説の浪人」なら、「伝説の」が形容詞で「浪人」が名刺とかそういった形で選ぶことができるのです。組み合わせによって特殊なバフがもらえたりします。組み合わせはゲーム内では告知しませんので、ユーザーに探してもらうことになります。

編: どのようなバフが付くのですか?

景倫氏: 攻撃力やHPが上がるようなものになります。この「トロフィーシステム」と「称号システム」は全レベル帯のユーザーが楽しむことができます。ゲームに入ったらすぐに触れることができる部分で、ゲームの面白さとして最初から効果を発揮できると考えています。今すでにレベル80に達している人たちは、パッチ後に今までの実績がすべて適用されます。

「戦友エッグ(仮)」の画面。卵はショップから購入したり、ドロップで入手する ※開発中の画面です
「収納システム」。枠ごとに収納できるものが決まっている ※開発中の画面です

編: ほかにも新しく入る要素はありますか?

景倫氏: 現在「DIVINA」には「戦友システム」というものがありますが、それを発展させた「戦友エッグ(仮)」が入ります。このシステムは、戦友システムを組んだAとBのユーザーが協力して卵を育てることができるものです。インスタンスダンジョンに挑戦するなどして、一緒に戦闘している時間が長ければ長いほど卵についたゲージが上がっていきます。ゲージが貯まると卵を孵化することができるようになりまして、この中から回復系のアイテムだったり、アバターや「フェアリーペット」などが入手できます。何が出るかはランダムです。

 もう1つ、「収納システム」というものも入ります。これはバッグや倉庫の拡張と考えていただければいいと思います。「収納システム」は特定のアイテムだけを入れられるもので、区切りごとにアバター、ソウルメイト、フェアリーペットと入れられるものが決まっています。入れたものはインベントリからは消えますが、いつでもどこでも出し入れできるようになります。

編: いくつくらい入るのですか?

景倫氏: 今後運営側で販売するアイテムにもよるのですが、現状では60くらいのアイテムを納めることができるようになっています。1つの項目でだいたい10から15くらいを入れることができます。さらに特定のアイテムを収納することで、特殊なバフやスキルを使うことができるようになります。取りだすと機能は使えなくなります。

 それからこれは必ずしも今回のパッチで入っているわけではありませんが、今後の開発予定としましては「トレジャーハンター」システムのような非戦闘型のコンテンツを追加していきたいと思っています。幅広いレベルのユーザーさんが参加できるシステムを追加して、横の部分もどんどん拡大させていきたいと考えています。

編: 例えば、今後どのようなものが入っていくのですか?

景倫氏: 具体的なことはまだ言えないのですが、先日実装した「トレジャーハント」のような非戦闘型のものを3つほど準備中です。詳しいことはまた次回にお伝えできればと思います。




■ 現在準備中だというCvCシステムはお神輿を担いだ集団戦?

PLAYCOOのPresidentジョイス・ジャン氏

編: 以前のインタビューでお伺いしたクラン対クラン(CvC)の大規模対人戦はどうなっているのですか?

景倫氏: CvCに関しては現在開発中です。このシステムについてはただ戦うだけではなく、そこでしか得ることができないアイテムがあったりと「ルーセントハート」とは違った形で展開していこうと思っています。「テリトリーシステム」とどれだけ関係を持たせるかについてはまだ考案中です。もちろん将来的には考えていますが、まずはCvCを導入するところから考えていきたいと思っています。

編: 「ルーセントハート」とどこが違うのですか?

景倫氏: 「DIVINA」のCvCはお祭りっぽく展開しようかと考えています。祭りというのがイメージしにくいかと思いますが、お神輿を担いで戦うという感じです。通常のCvCですと2つのクランの戦いですが、そこが例えばABCのチームとDEFのチームが一緒に戦うことになります。クランが力を合わせて他のクランと競うことができたりします。最大で60vs60くらいの戦闘を考えています。開催時期は今のところは週末の特定の時間を予定しているのですが、ユーザーの反応が相当良ければ開く時間を考えようと思っています。

編: 実装はいつごろになりそうですか?

景倫氏: 結構まだ時間がかかりそうです。

「お神輿の画像を見ました」と稲川氏

編: 香港で最初にサービスを開始してから半年ですが、落ち着いてきたことで見えてきたものはありますか?

ジョイス・ジャン氏: ユーザーのログイン状態もかなり落ち着いてきた感があります。香港には今までPvPのサーバーしかなかったのですが、あちらでもPvEを求める声があり、新しくPvPができないサーバーを準備しようと考えています。さらに今回のアップデートはすでに香港では実装されていますが、その次のアップデートを求める声も多数上がっているという状況です。

編: 日本でもPvPサーバーは当初検討されていましたが、結局実装されませんでしたね。

稲川氏: 確かに最初はPvPサーバーを導入しようと思っていたので、CBTの時にはPvPができるような仕様にしていたのですが、その時にはPvPの部分にしっかりしたルールが存在しなかったので、ゲーム内では無差別なPK行為が問題になって、ユーザーさんからもPKを辞めてほしいという声が多かったのです。

 PvPをやらせて欲しいという声も上がってはいたのですが、やはりそういった部分を回避したほうがゲーム内のコミュニティが活性化するのではないかといったところで運営としては、まずはPvEサーバーという形でいこうと決めました。ユーザーさんに受け入れていただけたのではないかと思います。今後、まだ先になりますがクラン戦などを入れるタイミングで、ルールを設けたうえでの対人戦を入れていきたいと思っています。

編: 「DIVINA」は対人要素が少ないですが、最初からPvEのゲームとして開発されたのですか?

ジャン氏: もともとPvPができるPvEのゲームとして設計されています。台湾や香港、中国でもサービスすることが決まっていたので各国の運営がどちらを選んでもおかしくないようなシステム作りを目指しています。各国の需要はそれぞれ違いますからPvPのゲームとして出してしまうと、香港では受けても日本では受け入れられないということもあるかもしれないので、そこを上手くカバーできるようにどちらでもできるようにしています。




■ 「ルーセントハート」のクイズシステムが「DIVINA」にも登場

「何が欲しいかをどんどん要望として送って欲しい」と開発、運営の両氏は口を揃えた
孫悟空風のNPCのアバターも課金アイテムとして登場する

編: 今後サービスが長く続くと新規の参入が問題になってくると思います。そこに対する対策はありますか?

景倫氏: 今後、新しい大きなパッチが入るたびに、低レベル帯のクエストも増やしていく予定があります。まだ企画段階ですが、特別なクエストを受けることでレベル1からレベル80までの成長スピードを若干速くしようと考えています。単純に獲得できる経験値を上昇させようというものですが、そういった方策で新しいユーザーを取り逃さないよう考えています。スピードについてはまだ調整中ですが。

編: レベルアップのスピードを速くして、既存ユーザーに追いついてもらうということですか?

稲川氏: そうです。後は「クイズシステム」が入る予定です。これは「ルーセントハート」から引き継いだものなのですが、クイズに答えて正解すると戦闘を行なわなくても経験値がもらえるというシステムです。「DIVINA」ではこれを毎日開催するのではなく、定期的に開催していこうと考えています。これのせいで高レベルのユーザーもどんどん上がっていってしまうのではないかと思われるかもしれませんが、レベルが低いユーザーほど恩恵が受けやすく、レベルが高いユーザーが参加してもそこまで多くの経験値は得られないので、レベルが低いユーザーのほうがより恩恵を受けやすいというシステムになります。どうなるかは運営の手腕にかかっていますが(笑)。

編: それはいつから始めるのですか?

稲川氏: 運営の方で絶賛準備中です。

編: 今後、使ってみたい神話があれば教えてください

稲川氏: ヨーロッパ系のどこかの神話を使ってみたいと思っています。

空を飛ぶ魚人の飛行船。要望次第では乗れるようになるかも?

編: 最初の街にいる魚人族は、今後もストーリーに絡んでくるのですか?

稲川氏: あれは各国の神話とは別にPLAYCOOが独自に考案した「DIVINA」のベース世界に存在している種族です。システィアの中にいるもので、今のところはその後出てくることはありません。今後どう出していくかは人気次第です。

景倫氏: ユーザーから「これは騎乗ペットにならないのですか?」とかこれは「妖精ペットにならないのですか?」といった意見をいただいたり、運営側が掲示板などで意見を拾ったりしています。その中で可能なものはゲーム内に反映させていきたいなと常々考えています。日本の市場については、開発よりも日本のユーザーさんのほうが理解していると思います。日本の面白い文化を運営を通して開発に伝えていただければ、ゲーム内のいろいろなところに反映させていただきたいです。

編: 要望はどういった窓口から送ればいいのですか?

稲川氏: 基本的にはカスタマーサポートにある「ご意見・ご要望」という窓口から受け付けています。そこが一番早いですね。あとは掲示板にも色々と書きこんでいただいているので、そういった意見を凝縮していきたいと思っています。

編: 最後にファンへのメッセージをお願いします

景倫氏: これからも精進して日本のユーザーさんに面白いと思っていただけるゲームを作り続けていこうと考えています。「DIVINA」を面白い方向に持っていけるように、ユーザーさんも一緒に楽しんでいただければと思っています。今後ともよろしくお願いします。

ジャン氏: 日本の市場は「DIVINA」にとって非常に重要だと考えています。これからも継続的にユーザーさんの声を反映して、様々なものを追加していきたいです。引き続き日本の市場の調査も行なって、本当にユーザーさんが楽しんでもらえるものを作っていきたいと思っています。日本のユーザーさんの意見はゲームにいい影響を及ぼすと確信しているので、本当にたくさん意見を送っていただきたいです。

稲川氏: サービスが始まって1カ月少々経つのですが、日々クランが設立されたり、フレンドが増えたりと、運営としても非常にうれしい状況です。ユーザーがゲーム内で非常に活発に動いてくれていることが大きなポイントですので、これからの運営方針としてはユーザーの満足度を上手く向上させていきたいと考えています。これまではサービスを安定させるところに注力していたのですが、これかはら今のユーザーにいかに継続的に遊んでいただくかというところで、イベントやキャンペーンなどで楽しんでいただけるよう力を入れて行きたいと思っています。もちろんクリスマスとお正月にもシステムイベント、GMイベントも予定しています。


【スクリーンショット】
相変わらず可愛い敵がたくさん登場する。筆者のお気に入りは一輪車に乗った猿

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(2010年 11月 18日)

[Reported by 石井聡]