インタビュー

魅力の原点をブラッシュアップ「ブレイドアンドソウル NEO」運営プロデューサーインタビュー

「高火力の追求」「打撃感」などを焦点に再始動

【ブレイドアンドソウル NEO】
3月12日 サービス開始予定
基本プレイ無料(アイテム課金制)

 2014年の日本サービス開始以来、多くのプレーヤーを魅了してきた「ブレイドアンドソウル」。アクション性の高さと美しいビジュアル、独自の武侠世界観で知られるこのMMORPGのリメイク版「ブレイドアンドソウル NEO」のサービスが3月12日に始まる。

 ベースとなる「ブレイドアンドソウル」の魅力を継承しながらも、本作ではプレーヤー目線で様々な改善が施されている。特に注目すべきは「簡易戦闘モード」の撤廃と「武功システム」の導入だ。これにより、「ブレイドアンドソウル」の魅力である打撃感が蘇り、より戦略的な戦闘が楽しめるようになる。

 基本料金は無料で、プラットフォームはPC。現行の「ブレイドアンドソウル」とは別のタイトルとしてサービスされる。

 今回は、自身も11年近く「ブレイドアンドソウル」をプレイしてきたという運営プロデューサーのFSふんこ氏に、プレーヤーならではの視点から見た本作の魅力や変更点、そして今後の展望について語っていただいた。

FSふんこ氏のプレーヤーとしての「ブレイドアンドソウル」との出会い

「ブレイドアンドソウル NEO」運営プロデューサーのFSふんこ氏

――本日はよろしくお願いします。はじめに、自己紹介をお願いいたします。

FSふんこ氏:FSふんこです。現在、「ブレイドアンドソウル」の運営プロデューサーを担当しています。運営プロデューサーとしては、お客様へ販売する商品やイベントの企画、そして長期的なサービス運営の全体を統括する業務を行っています。

――ご自身も「ブレイドアンドソウル」をかなりやりこんでいるとお伺いしました。まずは「ブレイドアンドソウル」との出会いについて教えていただけますか?

FSふんこ氏:約11年前のオープンベータから遊んでいます。実はその当時MMORPGをプレイした経験はなく、FPSゲームをメインでプレイしていました。ある時、コンビニでアルバイトをしていた際に見つけたゲーム雑誌で「ブレイドアンドソウル」を知り、その後、FPSの友人と「人が集まるまでの暇つぶし」として始めたのがきっかけです。

 MMORPGとはどんなゲームかも知らずに始めたんですが、プレイしてみると打撃感が素晴らしくて。FPSゲームもマウス操作で忙しいですが、それに負けないくらい忙しくて楽しかったんです。結果的には、FPSをやらなくなるほどハマりました。

――プレーヤーとして遊んでいるときに印象に残っているエピソードはありますか?

FSふんこ氏:私はリーダーシップを取るタイプなので、ダンジョン攻略で皆で協力するのが楽しかったですね。特に24人や12人で挑むレイドコンテンツでリーダーを務めて、ボイスチャットをつないでみんなと一緒にワチャワチャと攻略して達成感を味わったのは本当に楽しい思い出です。

 運営プロデューサーという立場になると「もっとソロプレーヤーのことを考えて欲しい」というご意見をいただくこともあるのですが、ぜひそういったパーティプレイも楽しんで欲しいと個人的には思います。

グラフィックスも手を入れられ、より一層の美しさになった

「ブレイドアンドソウル NEO」の進化

――日本のプレーヤーはどのような遊び方の特徴がありますか?

FSふんこ氏:アクション性が高いゲームではありますが、日本のプレーヤーは対人コンテンツ(PvP)よりも、対モンスター(PvE)コンテンツを好む方が圧倒的に多いです。

 「ブレイドアンドソウル」には「比武」と呼ばれる1対1のPvPコンテンツがあり、その大会なども開催していましたが、次第に廃れてしまいました。「ブレイドアンドソウル NEO」では1対1の「比武」がなくなり、6対6の集団戦「戦場」というコンテンツが実装されています。

 また新要素として、多くのプレーヤーで挑む「ワールドボス」が追加される予定です。数十人規模でボスに挑むコンテンツで、アクション性の高いゲームならではの、ボスの攻撃を素早く避けながら挑む戦闘が楽しめます。

――ほかに、「ブレイドアンドソウル NEO」で大きく変わった点はありますか?

FSふんこ氏:最も大きな変更点は「簡易戦闘モード」をなくしたことです。

 現行の「ブレイドアンドソウル」では右クリックを押していると自動でスキルを放つ簡易戦闘モードというシステムがあるのですが、これによって「ブレイドアンドソウル」本来のアクション性やボタンを押して攻撃する打撃感が薄れてしまいました。

 代わりに、「武功システム」という要素が追加されています。装備に「武功書」というスキル拡張アイテムを装着することで、スキルにさまざまな属性効果を付与できるようになりました。以前は各職業毎に2種類または3種類しかなかった属性が、スキルごとに属性をカスタマイズできるようになったんです。

 これにより、同じ職業でも使う武功書によって得意なスキルが変わってきます。今までは「ナンバーワン」を目指すゲームでしたが、今は1人1人が「オンリーワン」で活躍できるゲームに進化しました。

――武功書はどのように入手するのでしょうか?

FSふんこ氏:武功書はボスドロップや変換、特定の商人から獲得可能で、レアリティによって効果が変わります。また、今回から市場システムも変更され、ゲーム内課金によって入手できる「神石」という通貨でやり取りするようになりました。この神石は課金でも手に入りますが、無課金プレーヤーでもレアアイテムを市場に出すことで獲得できます。

 つまり、今まではPay to Win(課金すると強くなる)の傾向だったのが、Play to Win(プレイすると強くなる)の要素が強くなりました。ゲームをプレイすればするほど恩恵が大きくなるシステムです。

 無課金プレーヤーでもレアなアイテムをゲットすれば課金並に神石を手に入れられる可能性があるので、プレイの価値は非常に上がると思いますね。

武功書システムにより、やり込み度が増し、プレーヤー毎の差が生まれるようになった

――これらのゲームシステムの変更により、ヘビープレーヤーとして感じた変化はありますか?

FSふんこ氏:近年の「ブレイドアンドソウル」は簡易戦闘モードの実装で「ギミックを攻略するゲーム」になっていたと感じています。しかし本作では手動でスキルを打つことで、「モーションキャンセルを研究して誰よりも火力を出す」といったテクニックや、キーボードを打って敵を殴る打撃感など、元々の「ブレイドアンドソウル」の魅力を思い出させてくれたと感じています。

 また、長く運営されてきたことで、コンテンツが増えすぎて初めてプレイする人には取っつきにくくなっていました。今作では複雑さが解消され、より始めやすくなっています。

――新規プレーヤーにも遊びやすいというわけですね。

FSふんこ氏:そうですね、新規の方でも十分楽しめると思います。10年前に比べると若年層のPC保有率は上がっていますし、若い世代がアクションゲームをプレイする環境が整っています。例えば近年ではアクション性の高いFPSゲームも人気ですよね。

 そういったアクション性の高いゲームに慣れた世代には、「ブレイドアンドソウル NEO」は受け入れやすいと思います。「FPSでプレーヤースキルを磨いてきたなら、そのスキルを『ブレイドアンドソウル NEO』でも発揮してみませんか?」と言いたいですね。最近は格闘ゲームの配信も流行っていますし、そういった層にもぜひプレイしてもらいたいです。

アクション性の高さが「ブレイドアンドソウル」の魅力でもある。その魅力をフルに引き出せる作品になっている

新規・復帰プレーヤー向けのアピールポイント

――新規プレーヤーに特にアピールしたいポイントはありますか?

FSふんこ氏:まず、キャラクタークリエイターの充実度です。グラフィックが美しくなり、頬骨や顎の長さなど、非常に細かい部分まで調整できます。無料ゲームでここまで作り込まれたキャラメイクができるゲームは少ないと思います。

 また、独自の武侠の世界観、美しいグラフィック、そして高いアクション性という三本柱が魅力です。特にアクション性については、近年FPSやアクションゲームをプレイしている若い世代にも十分楽しんでいただけると思います。


――それでは、休眠プレーヤーへのアピールもお願いします。

FSふんこ氏:本作は完全新作として、現行の「ブレイドアンドソウル」とは別に並行して運営していきます。これまでのストレスポイントが解消され、より便利になっています。また全員が1からのスタートなので、復帰するなら今が絶好のチャンスです。

 また、「探検日誌」というコンテンツも実装されています。秘境と言われる絶景ポイントを探したり、サブストーリーを楽しんだりと、「ブレイドアンドソウル」の世界をより深く楽しめるシステムになっています。

探検日誌というコンテンツにより、遊び方の幅がより広がっている

――今の「ブレイドアンドソウル」から良くなった点や進化した点が多いからぜひプレイして欲しい、というところですね。

FSふんこ氏:その通りです。そして、個人的な思いとしては本作の醍醐味としてパーティでプレイしてもらったり、門派(「ブレイドアンドソウル」シリーズにおけるギルド的な存在)に所属して欲しいですね。

 本作の起動には「PURPLE」というプラットフォームを使用します。このPURPLEの機能に「PURPLE Talk」というシステムがあって、そのシステムを使うことで、ゲームに接続していない時でもスマホなどから門派チャットのやりとりができます。 そうやってより一層人と繋がれるゲームになっているのは「ブレイドアンドソウル NEO」の魅力の1つです。

――それでは、運営プロデューサーとしての運営のこだわりを教えてください。

FSふんこ氏:まず、ローカライズでは、「ブレイドアンドソウル」の世界観を崩さないのはもちろん、復帰プレーヤーにも馴染みやすい文言にこだわっています。また、UIの改善も行い、視認性が大幅に向上しました。以前は様々なボタンを押す必要があった操作が、1つのボタンで完結するようになっています。

 また、本作では「ホン門加護」と呼ぶ、いわゆる「疲労度システム」が採用されています。一定以上プレイするとアイテムドロップが制限されるシステムですが、これは現代のプレイスタイルに合わせた選択です。今はゲーム以外にも様々なエンタメコンテンツがある時代なので、ゲームに拘束されない遊び方も大事だと考えています。

――最後に、プレーヤーへのメッセージをお願いします。

FSふんこ氏:運営として、過去の経験や反省点を活かしながら、よりストレスのない環境を提供していきたいと思っています。プレーヤーとしての視点も持っているので、お客様の声を理解し、代表として開発に伝えていくつもりです。

 NCSOFTのタイトルは長寿サービスが魅力です。「リネージュ」は24年目、「ブレイドアンドソウル」も11年目になります。「ブレイドアンドソウル NEO」も長く愛されるタイトルになるよう、運営していきますので、ぜひ長く楽しんでいただければと思います。

――本日はありがとうございました!

「ブレイドアンドソウル NEO」の旅が始まろうとしている