インタビュー
Obsidianの新作RPG「Avowed」インタビュー。新たな舞台「Living Lands」は“謎に満ちたポテンシャルのある場所”
「Pillars of Eternity」シリーズとのつながりを語る
2025年1月22日 03:00
- 【Avowed】
- 2月19日 発売予定
- 価格 スタンダードエディション:9,680円
- プレミアムエディション:11,990円
RPGの名手として知られるObsidianの新作タイトル「Avowed」が今年2月19日にいよいよリリースされる。2020年の発表から長い時を経たことや、本作が同じくObsidianの「Pillars of Eternity」シリーズと世界観を共有することから、本作に期待をかける読者の方も多いだろう。
そんな本作と「Pillars of Eternity」シリーズがどのように繋がっているのか解説する動画「Lore of Eora」シリーズが1月22日から5週に渡って公開される。「Avowed」の舞台となる“Living Lands”は、過去の「Pillars of Eternity」シリーズでも語られており、前作「Pillars of Eternity 2」の舞台であるDeadfireから遠く離れた場所だが、その多くは謎に満ちている。
今回は「Avowed」の開発者にインタビューを行ない、本作の世界観や動画シリーズについて語っていただいた。今回インタビューに協力いただいたのは、本作のクリエイティブサービスマネージャーであるカリ・ニシムラ氏、エリアデザイナーのジョン・コット氏、ナラティブデザイナーのケイト・ドラハイド氏の3名。わずかな時間ではあったが、本稿を通じて「Avowed」のエッセンスを感じていただければと思う。
全く新しい形で「Eora」を探索できる
――発表から4年半が経ち、いよいよ2月に発売を迎えます。2024年6月のE3のインタビューでは「プレーヤーが受け入れてくれるか不安もある」と仰っていましたが、今の心境をお聞かせください。
ケイト氏:今回のリリースを非常に楽しみにしています。ゲーム開発なので途中でアップダウンもありますが、基本的には楽しんで開発ができました。最近はゲームをプレイすることもあり、その中でプレーヤーが本作のゲームプレイや、世界観、ストーリーテリングも受け入れてくれると感じています。
――「Avowed」でも舞台を“Eora”にした決め手はなんだったのでしょうか?
ジョン氏:「Avowed」の舞台となるEoraの新地域“Living Lands”は、「Pillars of Eternity」シリーズでも言及されているものの、そこまで探求されている場所ではありませんでした。そのため、謎に満ちたポテンシャルのある場所として「Avowed」の舞台となりました。特に「Pillars of Eternity」のファンにとっては、ようやくLiving Landsを実際に見ることができ、期待して貰えていると思います。
――ワールド以外の表現でも、過去作と共通するものや、ファンが読み取れるものが散りばめられているのでしょうか?
カリ氏:そうですね。まだ目にできなかった世界なので、楽しんでいただけると思います。また本作ではゲーム冒頭にイントロダクションが設けられていて、ここで“Living Lands”の存在が謎に満ちていることを既存のファンにリマインドしつつ、過去作をプレイしていない新規のファンにも、これを見るだけで自然にゲームに入れるようにすることを目的としています。
――本作が「Pillars of Eternity III」ではなく、「Avowed」として開発された理由は、やはり新規プレーヤーのためなのでしょうか?
ケイト氏:仰る通りです。本作は新規の方でも楽しんでもらえることや、久しぶりにプレイする人が再度導入しやすいように意識して作られています。また、「Pillars of Eternity」シリーズとはタイムラインが異なることや、「Eora」を探索する全く新しい形の物になるということもあり、あえて新規のタイトルとしました。
動画シリーズで新規のプレーヤーでも入りやすい作品を目指す
――今回公開される動画「Lore of Eora」シリーズは、「Pillars of Eternity」やその舞台となる「Eora」と本作「Avowed」を繋ぐものになっているとのことですが、どのようなコンセプトで制作したのでしょうか
カリ氏:今回配信する計5本の動画は、ゲームの世界観を紹介することを目的としています。例えば「Pillars of Eternity」シリーズには、ファンタジーにありがちなドワーフやエルフといったものだけでなく、独自のキャラクターも登場します。一般的な神話にでてくるようなものに留まらない様々な種族について、そのコンセプトを理解してもらえたらと思っています。
また、本作の世界観やカルチャー、今回のメインキャラクターの出身地である帝国の過去、帝国にとって「Living Lands」がなぜ重要なのかを紹介的に見せることも目的となっています。
――動画を作る上で、過去作の世界観等をもう一度見直したと思うのですが、そうしたなかで新たな発見等はありましたか?
ジョン氏:過去2作品の世界観や歴史を継続させることは強く意識しており、何か新しいコンセプトを導入しようといったことは考えていませんでした。動画をつくるにあたっても、これまでのおさらいになるようなものを意識し、新規のプレーヤーでも入りやすいものになるよう意識して制作していますね。
――「Pillars of Eternity」 シリーズでは日本語に対応していませんでしたが、「Avowed」では遂に日本語に対応しました。日本でのプレーヤーも大幅に増えるかと思いますが、日本のゲーマーに特に楽しんでほしいポイントなどはありますか?
ケイト氏:個人的にはこれまで日本語版がなかったにも関わらず、過去作が日本でも支持されているのは光栄なことだと思います。今回は日本語版を導入できるので、“Living Lands”での冒険を楽しんでもらえたらと思います。何より、日本人のプレーヤーがさらに増えていただければ嬉しいですね。
――動画シリーズは日本語字幕に対応する予定でしょうか?
カリ氏:それぞれの言語を正しく伝えるために字幕をつけたいと思っています。どの言語に対応できるかは正式に決まっていませんが、日本語には対応したいと思っています。
――最後に、本作を待ち望んでいるファンへのメッセージをお願いします
ジョン氏:これまで「Pillars of Eternity」 シリーズをプレイしてくれたファンの皆さんは、いままで慣れ親しんだ世界観や探索を楽しめると思います。「Avowed」はミステリーも多いですし、まだ皆さんの知らない発見も沢山あるので、楽しみにしてください。
――ありがとうございました。
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