インタビュー
プロゲーミングチームRascal Jester「LoL」部門、プレイオフ進出インタビュー
3勝5敗から7勝7敗まで勝ち上がれた理由は?
2020年3月17日 17:00
- 【LJL 2020 Spring プレイオフ】
- 3月21日 開幕
「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」の国内春季プロリーグ「LJL 2020 Spring Split」にて、見事プレイオフ進出を決めたRascal Jester。前シーズンにあたる「LJL 2019 Summer Split」では、全8チーム中7位という残念な結果に終わっていたが、今回はなんと4位という好成績でプレイオフへと勝ち抜けた。
しかし、4位という順位を取れたのは、順調に勝ち進めたからではなかった。というのも、WEEK7まで行なわれたレギュラーシーズン中、WEEK4の段階で3勝5敗と負け越していたのだ。だが、そこから怒涛の巻き返しで7勝7敗という成績をおさめ、4位にまで登りつめることができた。それはなぜなのか、シーズン前半と後半ではチーム内でどう変化があったのだろうか。
そこで今回、Rascal Jesterへインタビューを行なった。前シーズンよりRascal Jesterに所属していたトップレーナーのCogcog選手とミッドレーナーのNinja選手をはじめ、Rascal Jesterへと移籍したジャングラーのhachamecha選手と、ADCのArt選手、サポートのviviD選手にレギュラーシーズンの感想や、レギュラーシーズンの前半から後半に至るまでに何があったのか、プレイオフに向けての意気込みなど、今シーズンについて様々な話を聞くことができた。
レギュラーシーズンを振り返ってみてどうだった?
――プレイオフ進出おめでとうございます。レギュラーシーズンを終えた今のお気持ちをお聞かせ下さい
Cogcog選手:レギュラーシーズンは思ってたよりも上手くプレイできなかったです。結果だけを見れば4位ではありましたが目標の順位には届かず満足していません。中身はあまりチームとしても良くはなかったのかなと思います。
hachamecha選手:客観的にみれば似たような感じですが、レギュラーシーズン通して他のチームが強かった中で4位という順位は悪くないです。ただ、試合内容ではこっちが勝ったというよりも向こうが負けた試合が多かった。もっと上手くやれたかなという気持ちがあります。
Ninja選手:序盤から負ける試合が多かったので、それだけ直ればプレイオフも全然いけると思います。
Art選手:レギュラーシーズンでは本来の実力を見せられなかったところが多かった。プレイオフではもっと見せられたらなと思います。
viviD選手:僕たちが持っている実力よりも上手くできなかった。プレイオフでは出せるようにしたい。
――Cogcog選手とNinja選手は、前シーズンもRascal Jesterに所属していましたが、前シーズンと今シーズンではチームにどのように変化がありましたか?
Cogcog選手:前のチームではジャングラーがアグレッシブだったので、序盤に命をかけて、序盤勝てないと厳しいことが多かったのですが、今は後半も強いのでバランスが良くなったかなと思います。
Ninja選手:中心は変わりましたね。前シーズンはジャングルメインでしたが、今シーズンはどこからでも勝てるようになった。特に、ボット。ボットからゲームを動かせるようになってます。
――ジャングルだけじゃなく、ボットも、そしてトップからも戦えるようになったと。逆にRascal Jesterへと移籍したhachamecha選手とArt選手、viviD選手は、どういうチームだと思いました?
hachamecha選手:CGA(Crest Gaming Act)と比べてになっちゃいますが、CGAはミッドが一番のキャリーで、次にそのときのArtを合わせた2枚キャリーで、残り3人がそこを支えるような構成しかやっていませんでした。でも今は、Ninjaがキャリー型のチャンピオンもやるし、サポートよりのチャンピオンもやるから、試合の作り方の手段が増えました。
Art選手:僕はコミュニケーションをとりやすくなりました(笑)。
※前チームのCGAではArt選手含めて韓国人選手が2人、RJでは3人に増えている。
viviD選手:僕は、レギュラーメンバーで日本人のジャングラーと組むのが初めてだったので、コミュニケーションに不安があったのですが、問題なかったのであんまり変わらないなって感じです。で、韓国人のADCとプレイするのも初めてなんですが、そことはやりやすくなってるかなって思います。
――レギュラーシーズン中で一番印象に残った試合や、うまく決まったプレイはなんですか?
hachamecha選手:やっぱりCGA戦?後ろに立ってたら見つかって、何故か集団戦に勝てた試合が一番印象に残ってるかも。
――試合後のインタビューで何で勝てたのかわからない、とおっしゃっていたと思うのですが、今振り返って見ても……?
Ninja選手:わからないです(笑)。僕たちだけでなく、誰が見てもあれはわからないと思います。
Cogcog選手:なんで勝ったかはわからないですが、チーム内のコミュニケーションでは、アジールとアフェリオスでレートゲームが強いというのがあったので、みんな諦めないで3アイテム持って集団戦できたのが勝てた要因のひとつではあるのかなと思います。
――ちなみにCogcog選手は、レギュラーシーズン開幕前に注目選手をSG(Sengoku Gaming)のapaMEN選手だとおっしゃっていましたが、たしかSGの試合では両方ともソロキルされてましたよね?
Cogcog選手:そうですね。apaMEN選手は全チームのなかでもアグレッシブにレーニングする選手なのですが、その勢い、覇気に負けないよう意識してプレイしていたらソロキルできました。
レギュラーシーズン後半に見せた怒涛の巻き返し! 何がターニングポイントとなったのか
――ここからはレギュラーシーズンを終えての感想を聞かせていただきたいです。まずは、レギュラーシーズンで4位になれた理由をお聞かせください。
Cogcog選手:やっぱり最後の週でチームのスタイルをガラッと変えて、hachamechaさんが序盤からアグレッシブに行けるチャンピオンをピックしたのが大きな要因なのかなと思います。
――最後の週といえば、WEEK6が始まる前に4勝6敗で5チームの順位が並んでいたと思いますが、チームの雰囲気はどうでしたか?なにか話し合いはされましたか?
Ninja選手:チームの雰囲気はいつも通りで良かったと思います。仲良くしてましたし、負けても勝っても変わらなかったです。
――では、レギュラーシーズンが始まる前と今で、チームの雰囲気はどうでした?
hachamecha選手:一番最初はちょっとやばかったかもね?1勝3敗ぐらいしたとき。
viviD選手:でもあれだよね。半分はプレイオフいけないんじゃない?みたいな感じで、残り半分はさすがに行けるでしょっていう感じでしたね。
――レギュラーシーズンの前半は負けが込んでいましたね。しかしそこから後半に7勝7敗まで巻き返すことができましたよね。これは、なにが要因だと思いますか?バンピックやゲームの組み立てをこう変えていこうとか、そういう話し合いはありましたか?
viviD選手:大きな変化は何もなかった。けど、ゲーム序盤に負けすぎて、ゲーム終盤まで行くのが大変な試合が多かったのですが、ジャングルのピックを変えることで序盤をhachamechaに任せて、中盤と終盤はレーンチャンピオンに任せる形にしたのが良かったかなと僕は思います。
――ジャングルのピックを変えたのが良かった……ジャングラーのhachamecha選手はどう思いますか?
hachamecha選手:たぶんその前、WEEK2かWEEK3で序盤に寄った構成をやったときに、序盤勝ったけど詰めきれずに負けて、その後にその戦法をやらなくなっちゃったんです。詰めきれずに負けるのが嫌で。それで、俺が序盤弱いピックをするようになったから、序盤負けてそのまま終わるか、終盤巻き返すまですごい大変っていうのを繰り返していた。でも、やっぱ序盤で動けたほうが絶対にゲームを作りやすいからっていうことで、そのとき負けた印象を忘れてもう1回やってみたんです。そうすればちゃんと勝てたので、そういうことかなと。
Ninja選手:いまは序盤のプレイで失敗しないようにというのを強く意識してるし、できるようになったのがターニングポイントなのかなと思います。
――とにかく序盤を意識してプレイするようにしたんですね。
viviD選手:あと、個人的に前半はメタをしっかりと理解できていなかったかなと思います。オーンやセトといったチャンピオンが強いということがわかっていなかった。
Ninja選手:それに、チーム的なシナジーがあまり出ていなかったのもあります。チームが大きく変わったのもあって、シナジーがでるのに時間がかかったかなと。今はもう序盤よりシナジーを出せるようになったので勝てるようになった。
――試合を重ねていくうえで、チーム全体が馴染んできたと。
hachamecha選手:あと、序盤は負け越してしまいましたが、内容が悪かったわけではない試合も多かった。勝てた試合もあったけど、結果的に負けてしまっただけで、そういうのを取りこぼさなくなったというのもあると思います。
――では、DFM(DetonatioN FocusMe)とAXIZには全敗してますが、その理由はなんだと思いますか?
hachamecha選手:相手が強い!
Cogcog選手:AXIZはジャングラーのHoglet選手を中心にゲームメイクをしていて、序盤から中盤に関してのゲームメイクがとても上手なので、こちらが序盤弱いチャンピオンをピックしていたこともあって、AXIZのゲームプラン通りにゲームメイクされちゃったのかなと思いますね。
――プレイオフでは、AXIZと当たる可能性もあるわけですが、そこは克服できそうですか?
一同:絶対できます。
Ninja選手:俺らが弱かったのは序盤だけだったと思っているので、プレイオフでは序盤からゲームを作っていけば勝てると思います。
――なるほど。とにかく序盤と……。DFMに対してはどうでしょう?
Ninja選手:相手が上手い……。でも、正直、実力差があったと思います。個人的にはピックもちょっと悪かった。相手がシンドラをピックしたのに、俺はカシオペアをピックするとか……。アカリあげるとか……。あのときはバンピックの準備が未熟だったと思います。
――今後プレイオフを勝ち上がったときに、DFMと当たることになりますが、こちらも克服できそうですか?
Ninja選手:時間があればできます。コーチ次第?(笑)
Langlo氏:バンピックで負けなければ、たぶん勝てますよ。
――そのほかプレイオフに向けての課題はありますか?
Cogcog選手:個人的には、トップレーンが勝てるようにならないとBO5ではキツくなると思っています。プレイの幅、チームの作戦の幅を広げるためにも勝てるようにならないといけないなと思ってます。チーム的には、やっぱり序盤のゲームメイクです。そこをしっかりできるようになれば勝ち星をあげられると思います。
hachamecha選手:僕もほとんど同じなのですが、序盤作れるチャンピオンできちんと序盤を作って、何かしらのアドバンテージを持ってキャリーに引き継ぐことができれば勝てると思っています。
Ninja選手:そこでミッドがミスをしたらプランが壊れてしまうのですが、レギュラーシーズンでは、私が序盤からガンクされてきつくなったことがあります。なので、そこをなくしたいと思ってます。
Art選手:レーン戦ではだいたい勝てると思うので、後半の終盤戦でのポジショニングに集中できるようにしたい。
viviD選手:レーンは勝って動けたら良いですね。チームとしては、視界やレーンの連携をもっとできるようにしてプレイオフに挑みたいです。
――ありがとうございます。では、プレイオフに向けての意気込みをお聞かせください。
Cogcog選手:初戦がAXIZか、CGA?AXIZ戦は、Uinyan選手がレーン戦で勝てるピックをすることが多いので、そこで負けないようにして、相手のやりたいことを封じるのが大事かなと思ってます。CGA戦では、やっぱり後半Aria選手とGango選手がとても強いので、どれだけ序盤に差を広げることができるのかが大事になると思ってます。
※プレイオフ1戦目はCGA戦に決定した
hachamecha選手:僕の場合は、Hoglet選手かYoshiが相手なので、Yoshiの場合は先輩の威厳を見せてボコボコにしたいと思ってます(笑)。Hoglet選手に関してはかなり上手い選手と見ているので、ボコボコにするかされるかはさておき、Hoglet選手にゲームメイクをさせず、こっちのプランを通していけるよう頑張れたらなと思います。
Ninja選手:CGAとAXIZ、どちらも上手いチームだと思っています。でも、僕らも自信があるので、どのチームと当たることになっても僕らのプラン通りに僕らのプレイをできたら勝てると思っているので頑張ります。
Art選手:Hide選手もGango選手も上手いと思いますが、自信持ってプレイすれば勝てると思います。
viviD選手:両チーム上手いですが僕らも負けないと思うので、普段どおりの戦い方ができれば勝てると思っています。
――最後に、ファンに向けて一言ずつお願いします。
Cogcog選手:プレイオフの決勝まで長い道のりだと思いますが、勝てる自信はあるので応援してくれると嬉しいです。
hachamecha選手:プレイオフはレギュラーシーズンと違ってBO5の戦いになるので、またRJの違った面を見れると思います。ぜひ楽しんで応援していただければなと思います。
Ninja選手:最近、コロナウイルスがやばいと思うので、みんな気をつけてください。試合は頑張ります!
Art選手:失望させないようにがんばります。
viviD選手:僕らに期待してくれている人がいると思うので、その期待に答えられるようがんばります。
――本日はありがとうございました。
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