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今シーズンは優勝狙える! 「LoL」プロチーム「Rascal Jester」新体制発表会レポート

チームはどう生まれ変わったのか? メンバーが注目選手&チームを語る

【LJL 2020 Spring Split】

2月8日 開幕

 2月8日に開幕戦を控えた「LJL 2020 Spring Split」。PC用MOBA「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」の国内プロリーグ「LJL(League of Legends Japan League)」の2020年春季プロリーグだ。年に2回、春と夏に日本一のプロチームを決める大会に、今シーズンも「Rascal Jester」(以下、RJ)が参戦する。

 前シーズンにあたる「LJL 2019 Summer Split」では、RJは8チーム中7位という不甲斐ない結果に終わった。しかし、今シーズンはTopレーナーのCogCog選手とMidレーナーのNinja選手を残し、ごっそりとメンバーが入れ替わっている。また、メンバーだけでなく、RJのゲーミングハウスも新しくなった。メンバーも練習環境も心機一転し、なんでも今シーズンは優勝を狙える布陣になっているとのこと。いわば“新生RJ”が誕生したといえよう。

 そんな、RJの「新体制発表会」が新ゲーミングハウスで行なわれた。発表会では、新メンバーによる今シーズンの意気込みや、韓国のプロチームである「ROX Gaming」(以下、ROX)と戦略パートナーになったこと、チームとしての今後の活動などを聞くことができたので、本稿でお伝えしていきたい。

お邪魔します

「今シーズンは優勝できる!」 前シーズンのRJとはココが違う!

 まずは新生RJのチーム構成を見ていこう。チーム構成は、1月7日にRJの公式サイトにて公開されている。7名中2名のみが引き続きRJとなり残りの5名が他チームからの移籍となっている。

ロール選手名前所属チーム
TopCogcogRascal Jester
JunglehachamechaCrest Gaming Act
MidNinjaRascal Jester
ADCArtCrest Gaming Act
SupportviviDV3
CoachSavageV3
CoachLangloROX

 発表会では最初に、RJのオーナーであり、サードウェーブ代表取締役社長の尾崎健介氏より“新生RJ”の説明が行なわれた。尾崎氏によれば、今シーズンからはコーチ監督選手が強化され、優勝を目指せるようなチームになっているという。これは新監督のキム氏も同じ考えのようで、LJLの目標について聞かれたさいに、力強く「日本一」だと答えていた。

 また、経験豊富なROXが戦略パートナーになったことで、「LoL」強豪国である韓国のノウハウをキム氏を中心に取り入れていく形をとっているとのこと。RJ新メンバーになったあと、韓国へ2週間遠征に行ったようで、韓国のノウハウを取り入れることにかなり力を入れているようだ。

サードウェーブ代表取締役社長 尾崎健介氏

 そして、話題は「LJL 2020 Spring Split」に。キム氏によれば、今シーズンのRJのストロングポイントは、全メンバーが日本語で会話できるところにあるという。RJは日本人が2人、韓国人が3人のチームとなっているが、韓国人選手が簡単な日本語であれば話せるため、コミュニケーションエラーが起きづらいようだ。また、Jungleのhachamecha選手によれば、RJはどのレーンからもキャリーを狙えるチームになっているという。他のチームから見れば、BotレーンのArt選手とviviD選手による韓国人Duoはもちろん、Ninja選手のMidレーンが強力に見えるが、Cogcog選手も気がつけばキャリーしている、できるプレーヤーになっているとのこと。

 さらに、選手ひとりひとりに他チームかつ同レーンの注目選手を語ってもらった。TopのCogCog選手は、Sengoku GamingのapaMEN選手。前にapaMEN選手と戦ったときに悔しい思いをしたらしく、今シーズンは勝ちたいと思っているとのこと。Jungleのhachamecha選手は、Crest Gaming Act(以下、CGA)のYoshi選手。hachamecha選手がCGAのメンバーだったころに練習生だったYoshi選手がメインメンバーとして出場するので、どれだけ活躍できるか、また、日本人JunglerがYoshi選手とhachamecha選手の2人ということもあり注目しているようだ。次にMidのNinja選手の注目プレーヤーは、CGAのLuna選手。Luna選手がLJLで一番上手いと思っているとのこと。ADCのArt選手は、CGAのGango選手。実力が未だにわからないので気になるそうだ。そして、SupportのviviD選手はDetonatioN FocusMe(以下、DFM)のGaeng選手。前シーズンの決勝でDFMに負けたこともあり、リベンジを狙っているという。

 また、最大のライバルチームは、やはりDFMとのこと。他のチームにはチームの実力を出せれば問題ないとのことで、DFMに関しては徹底的に分析し、即興で合わせる戦略をつくろうとしているという。

 また、RJは今後、ファンに愛されるチームになっていきたいとキム氏は語った。これからは個人の配信やチームでの配信のほか、eスポーツ施設「LFS 池袋」を使った練習などを増やしていき、ファンとの接点を増やしていきたいらしい。選手ごとのプロ意識を高めることも目標にしているようで、チームとしての強さはもちろん大事だが、ファンを増やしていくことがeスポーツの発展に必要なことだと考えているのだろう。

これが新生RJ! 左上から、Ninja選手(Mid)、viviD選手(Support)、コーチのSavage氏、同じくコーチのLanglo氏、監督のキム氏。そして左下から、CogCog選手(Top)、hachamecha選手(Jungle)、Art選手(ADC)

コンビニが遠いことが不満!? 新ゲーミングハウスは「それ以外は完璧」

 最後に、新ゲーミングハウスを案内してくれた。住んで2週間になるとのことだが、選手によれば、ゲーミングハウス自体は広く、かなり満足しているようだが、駅やコンビニから遠いというところが不満だと笑いながら話していた。たしかに周りにコンビニはなさそうだが、ゲーミングハウスは立派な一軒家になっており、選手がゆったりできるコタツスペースなども用意されていた。練習スペースは少し窮屈そうにも見えるが、プレイする分には支障はなさそうだ。

 また、1日のスケジュールは、少し遅めの11時より12時ごろに起床し、そこからお昼ごはん。そのあと14時ごろから練習が始まり、夜まで続く。なお、途中で休憩時間も用意されているが、選手たちはみな基本的に寝ているという。

 ちなみに、家事は役割分担で担っているとのこと。料理に関しては、監督のキム氏が担当している。

練習スペース。大きなモニターが構えてある
和室。この時期のコタツは嬉しい
玄関には写真と「LoL」グッズ。フィズの人形がかわいい
練習スペース以外にもゲーミングスペースが
こちらはキッチン。かなり広々としている
居住スペース
事務所。棚にはRJの写真が飾られている

 メンバー練習環境ともに大きく変化したRJ。今シーズンは、日本最強チームと名高いDFMを打ち倒し、日本一へと登り詰めることができるのか。2月8日の開幕戦では、Sengoku GamingおよびCGAと対戦する。まずはそこで、生まれ変わったRJがどのような戦いを見せてくれるのか、大いに期待したい。