【特集】
「ゼンゼロ」自由研究! ロスカリファのボンプはどう働き、どう社会に貢献しているのか【夏休み特集】
ファッション、物流、警備、インフラまで街の日常を観察
2026年8月12日 00:00
- 【ゼンレスゾーンゼロ】
- 配信中
- 価格:基本プレイ無料
- 対応ハード:PS5、PC、iOS、Android
「ゼンゼロ」の魅力とは、“架空都市での日常感”にあると、筆者は考えている。目的もなく街中をブラブラし、生活感溢れる路地裏のゴミを目にするだけでもなんだか楽しい。そこで今回は、「夏休み企画」ということで自由研究として「ゼンレスゾーンゼロ」に登場する都市「ロスカリファ」内部を歩き回り、ボンプたちを観察してみることにした。
たとえゲームの世界であったとしても、等身大スケールの生々しさを含有する、あの都市空間に筆者は惹かれ続けてきた。「ボンプ」というキャラクターは、その世界を表現する上で、なくしてはならないほど大きな存在だと思う。
「ゼンレスゾーンゼロ」では、Ver.3.0以降、新たな都市「ロスカリファ」での物語が展開されている。そこは秘匿された空中都市であり、「ゼンゼロ」のマスコットキャラクター「ボンプ」たちに縁のある場所だ。
ボンプといえば、ウサギのように長い耳が特徴的な2頭身の自律型AIを搭載したロボットである。作中では人類の身近なパートナーとして描かれ、主人公たちはもちろん、町のNPCですらボンプとともに生活を送っている。中には持ち主がいないと思われる野良ボンプまで登場する。
そして、ロスカリファは、そんなボンプたちの権利が人間と同程度に認められている都市である。それは単なるパートナー関係ではなく、それぞれが自分の職を持ち、人と同じように生活をしているのだ。その風通しの良さや、彼らだけのコミュニティが許されている都市だからこそ、ロスカリファのボンプたちは多様性に富む。
そこで、本稿では自由研究としてロスカリファの街を支えるボンプたちを中心に観察してみた。なお、本稿は筆者の推測を多分に含んだ内容である。どうかご容赦いただきたい。
まずは“あの大型ボンプ”たち。ファッションから読み解くロスカリファのボンプ文化考察
ロスカリファを歩いていてまず目につくのが、地上の新エリー都では見かけない、妙に頭身の高い大型ボンプだ。耳の長さまでを含めると、リンの顔ほどの全長があることから、実際かなりの大きさであるとわかる。ロスカリファに住むボンプたちは、この大型タイプと普段目にする通常タイプの2種類に分けられる。
サイズが異なるからといって、どちらが優れているということもなく、この2タイプのボンプたちが日々平等に働いている姿を目撃できる。……が、これをよくよく観察していると、大型ボンプたちは頭身の高さをこれ見よがしと言わんばかりに披露している。だいぶ“おしゃれ”である。手足の長さを見せつけるように、スラリとした佇まいで街中を練り歩いているのだ。
着用アイテムの構成はその辺のモブNPCより映えるほど。カッターシャツ、ニット、コートのレイヤーコーデで手堅くキメたボンプがいれば、金ボタンの装飾が煌めくネイビーのジャケットに、ブラウンのストールを巻いた“アズーロ・エ・マローネ”なボンプもいる。「おまえは地中海のファッショニスタか?」とツッコミたくなるほど、ヨーロピアンなスタイルでおしゃれを楽しんでいる。
しかし、そんなおしゃれボンプに油断していると、上は着用しているのに下は何も履いていないという、いささか人類には理解し難いコーディネートで街を徘徊するボンプも見かける。新エリー都のボンプを基準にすると、むしろ履いていないことがデフォルトなのだろうが、ロスカリファの大型ボンプはおしゃれで頭身が高いからこそ、履いていない個体が気になってしまう。
職務中と思われる大型ボンプの中にも、下を履いていないケースが多く見られている。ここまで来ると「むしろボトムスという存在が、彼らにとってのおしゃれアイテム程度」といった可能性は大いにあり得る話だ。ボンプの身体構造的に、実は下半身は露出していた方がラクという線もある。
重ね着を楽しみつつも、演算力を担保する冷却のためだとしたら、いわゆる「おしゃれは我慢」で片付くが……。
ロスカリファでは人間とボンプに同等の市民権が与えられているものの、こういった些細なカルチャーの違いが見つかるので街の観察が面白い。ちなみに通常のボンプたちも、新エリー都で見かけるボンプと比較すると、やはり皆おしゃれな着こなしの傾向がある。
人間とのパートナー関係ではなく、自立しているからこそ働いて金銭を受け取り、自分たちの「個」としての感覚(ファッションセンスなど)をそれぞれが大事にしているのかもしれない。そのように考えると、ファッションを楽しむといった人間的な文化観が彼らにも根付いているのだろう。
ロスカリファには、ボンプしか入場を許されない劇場エリアもあるが、こうした生活の楽しみや娯楽がボンプの自立心を掻き立てて、精力的に働ける社会を構築しているのではないかと推察する。ロスカリファで過ごすボンプたちには、どこか人間味を感じてならない。
ロスカリファの社会はボンプたちで回っている?その仕事ぶりを観察する
初っ端から考察に熱が入ってしまった。ここからはロスカリファで働くボンプたちを見ていきたい。まず、結論から言えば、いわゆるブルーカラーな職種で活躍しているボンプが多い。それは、ボンプが人間のような有機生命体ではなく、ロボットであることから察せられるものがあるだろう。
なら、知能構造体もボンプと同じように活躍しても良いと思うが、そもそも知能構造体が自立した市民として認められるには「『禁断の果実テスト』なるものに合格しなければならない」という世界観の背景がある。このテストは劇中の文脈から推察するに、人間と共生できる人格を備えているかを試すもののようだ。
知能構造体には実に色々なタイプが存在するが、はなから人間たちと共に暮らすことができるボンプとは「設計思想や立ち位置が異なるもの」だと考えてもいい。こうしたことから「ゼンゼロ」の世界観では、恐らくボンプよりも知能構造体の個体数は少ないものと思われるし、また、ロスカリファという土地がボンプにとって縁のある都市だからこそ、危険な仕事も前向きにこなしているように見える。
なお、ロスカリファで働くボンプに、ブルーカラーな職種が目立つだけで、新エリー都には「サビザンボンプ」のように、ほとんどオフィス勤務と思われるボンプもいる。言ってしまえばボンプは機械なので、その演算能力を活かせる事務仕事には、比較的向いているはずなのだ。ロスカリファの算枢局では、実際に演算能力を駆使して、受付事務の仕事に励むボンプの姿が見られる。
ロスカリファで働くボンプの職種割合についてまではわからないが、街歩きしているだけでも、街のインフラを支えている仕事の多くにボンプたちが動員されていることがわかった。街の治安を守る衛兵から、配達員など運送業に関わる者、道路の整備を行なう者に、ボンブの充電ステーションを整備するメカニック系ボンプ、人間の生徒を指導する教員系ボンプまで多種多様だ。
ロスカリファの警備網には常にボンプがいる
記事執筆時点では、Ver.3.1直前というタイミングのため、まだまだロスカリファを護るボンプたちの全容を把握できているとは限らない。少なくとも、ロスカリファのブーアストラム市街地、算枢局、エネルギー区を見回ったところ、治安を護るボンプは2種類確認できた。
まずは、ロスカリファ全体の治安維持を担っていると考えられる「パトロルボンプ」だ。ロスカリファが機密特区と呼ばれるだけあって、街の要所となるエリアでは、この衛兵タイプのパトロルボンプが多く見られる。街を巡回している者も多いが、あちこちに小型の警備棟が設置され、そこから市民の安全を見守っている様子である。
衛兵という役割においては、さすがに体躯の優劣がつきまとうのか、算枢広場で昼間に開催される日常議会の公開討論では、大型のパトロルボンプのみが規則正しく配備されていた。通常サイズのパトロルボンプと言えば、忙しく街中を駆け回っている姿を目にする。あるいは大型のパトロルボンプとコンビで巡回していたりもするようだ。
もう1種類のボンプが、戦闘メカに搭乗した守衛ボンプ(※本稿における便宜上の仮称)だ。こちらはパトロルボンプよりも明らかに戦闘に特化したモデルとなっている。算枢局、エネルギー区では、メカに乗った彼らと戦うことができる。主に施設内部の直接的な警備を行なっている。メインストーリーで、パエトーン兄妹がノルムーと共に深夜の算枢局に忍び込んだ際にも登場していた。
物流、保守、工事。ロスカリファを陰で支えるボンプたちを覗く
機密特区であれ、空中都市であれ、そこが生活圏となる以上、インフラストラクチャーは決して欠かすことができないだろう。ロスカリファは、都市全体が雲高度に位置している特殊な地形であり、さらに落下防止策も十分とはいえない都市構造だ。一歩間違えれば、人間もボンプも落下しかねない街で、美しい景観と引き換えにした危険性を確実に孕んでいる。
だが、ロスカリファに住む当の人々は、まさしくそのロスカリファで生まれ育ったわけで、たとえベンチの後ろが心許ない柵で簡単に覆われているだけだとしても、ひどく気にかけている様子はない。しかし、ロスカリファを管理している側としても、こうしたリスクを考慮してのことか、街の電光掲示板では度々落下注意を促している。
また、都市構造の危険性を踏まえて、街の主要な物流を担っているのもボンプたちのようだ。ボンプたちは飛行型のバイクに搭乗し、ブーアストラム市街地を駆け回っている。街の関所ともいうべきエリア、ポート・アウトポストでは、ボンプの配達員たちを目にした。
ただ、ポート・アウトポスト周辺の様子を見ていると、どこか抜けているところがあり、“ボンプクオリティ”を感じられる。荷物の配達先を誤ったり、配送ルートから外れて上司に注意されている部下がいたり、さらには配送予定だった荷物を忘れて顧客に叱られているボンプまでいる。どうやら、仕入れが増えている関係で、物流が大変な状況にあるらしい。
他にも、この街ならではの職もある。それが街の天候を予報する「オテンキボンプ」たちの仕事だ。ブーアストラムの主要な生活エリアとなるベックフォード街から、まるで風船にくくりつけられて飛ばされているような姿の大型ボンプたちを確認できる。それがロスカリファの天候を予報して、住民たちに伝えるオテンキボンプたちである。
エメラルド中央公園では、オテンキボンプから天気予報を聞きくことができる。空の上にあるロスカリファは、当然天候による影響を強く受けやすいのだろう。パエトーン兄妹の独白によると「雨が多い」とされ、街には雨具専門店があるほど。ただ、小雨が多いことから傘を差さない住民ばかりなのだとか。
強風が吹けば、たちまち外に置かれたあらゆる物(ボンプも含めて)が飛んでいってしまうだろうとも考えたが、何やらミス・サンブリンガーのエーテルテクノロジーによって、強風はロスカリファの外で遮られているようだ。しかし、地域柄、物資に乏しいことが判明しており、地上との流通を進める過程では、エーテルテクノロジーの効力外で天候の影響は避けられないはず。そのため、ロスカリファ内部が安全でも、天候には慎重なのだろうと思われる。
ロスカリファはボンプ住人が多い地域なので、ボンプの充電ステーションも各所に設けられていた。地上では見なかった大型ボンプ用の充電ステーションも当然用意されている。しかし、大型ボンプ用の設備は何故か洋式便器のようなデザインである。
この充電ステーションや、街中の公共設備を整備するエンジニアボンプの姿も目立つところだろう。というのも、数が特筆して多いわけではないのだが、ロスカリファにやって来たパエトーン兄妹はこれらの設備にハッキングできるようになった。ちょっとした遊びのような仕掛けで、街の公共設備をハッキングするたびに、彼らは懸命に修理を行なうのだ。青いオーバーオールと、黄色の安全帽を着用しているため、比較的働くボンプたちの中では印象に残りやすい。
最後に、算枢広場から接続されているボンプの生活エリア、ギアストリートへの道を工事している修理業者のボンプを見ていく。見慣れた蛍光ベストを着用する大型ボンプは現場監督だろうか。2体の修理工に対して、少し尊大そうな態度で会話をしていた。もしかしたら、工事監督ではなく、誘導警備員のボンプがただ自慢話をしているだけなのかもしれない。
一体、何が原因で工事を行なっているのかまでは定かではないが、近くでぼやくボンプの台詞を見るに、エネルギー区で起きた事件が絡んでいる可能性は高そうだ。Ver.3.0の時点では、ほとんど竣工間近のように見え、重機やら工具なども見当たらない。現場には人間は一人もおらず、あらためてロスカリファのインフラがボンプたちによって支えられていることが実感できた気がした。
“「ゼンゼロ」らしさ”は、やはり街の日常にある
新エリー都のヤヌス区、スロノス区、衛非地区、そして郊外。そこから空に浮かぶ島ロスカリファへと、パエトーン兄妹の活動範囲は広がり続けてきた。ここに至るまで訪れたエリアの中でも、ロスカリファは“ボンプたちの楽園”とでも言うべき地域だろう。
地上と比較した待遇の良さも、職に困らない暮らしやすさも、公的機関に反発するコミュニティ(「ンナ・ギャング」)の黙認についても、総合的に見て活動の自由度が高いのだ。生き生きと過ごしているボンプたちは見ているだけでも癒される。
本企画を始めた時、筆者としては「ただ街並みを見て歩くだけでも楽しめそう」と軽く考えていたが、想定以上にロスカリファ内での発見が多かった。最近は、さまざまな運営型ゲームの大型バージョンを消化するだけで精一杯な日々を送っていることもあって、どのゲームのフィールドもゆっくり見て回る時間が取れていない。
そんな中、この企画を通してロスカリファを歩き回らざるを得ない状況を自分に課したことが、結果的に「ゼンゼロ」に対する見方を一層深めてくれたという手応えが残っている。本作がクローズドβテストの頃から大事にしてきた“街の日常感”は、Ver.3.0を迎えても損なわれておらず、その事実にある種の嬉しさが込み上げてくる。コンテンツに縛られない楽しみ方も案外悪くないものだ。
これから実装されていくであろう新しい地域も、「ゼンゼロ」らしさを見失わずに実装していってもらいたいと切に願う。
(C)COGNOSPHERE
































































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