先行レビュー

歪んだ世界をハイスピードアクションで進む楽しさ。「コントロール レゾナント」プレビュー&インタビュー【TGS2026】

今作は「前作とのシンメトリー」。マンハッタン全土を多彩な武器で戦う

【コントロール レゾナント】
9月24日発売予定
価格:
7,920円
9,570円(スチールブック版)

 東京ゲームショウ2026にて、プレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC用アクションRPG「コントロール レゾナント(CONTROL Resonant)」の先行体験とインタビューが実施された。本作は9月24日に発売予定だ。

 「コントロール レゾナント」は「ヒス」と呼ばれる超常現象に侵食され変容していく世界が描かれる。前作「コントロール」ではニューヨークにある「連邦操作局(FBC)」でFBC捜査官のジェシーがFBCの建物を侵食するヒスと戦う物語だった。今作ではジェシーの弟ディランが、今や建物から漏れ出し、マンハッタンを覆い尽くすヒスと戦うこととなる。

【CONTROL Resonant Launch Trailer】

 ジェシーはショットガンやマシンガンに変わる「サービスウェポン」と呼ばれる銃を使っていたが、ディランは剣やムチ、鎌など様々な形態に変化する「アベーラント」という武器で接近戦を行う。全体としては、スピーディーで爽快感のある戦いと、現実が歪んだ異世界の描写が楽しい作品だ。今回はプレビューに加え、Art Directorを務めるElmeri Raitanen氏に話を聞いた。

Art Directorを務めるElmeri Raitanen氏に話を聞いた

マンハッタン中を歪めた「ヒス」、目覚めたディランの冒険が始まる

 ディランは前作の主人公ジェシーによって目覚めさせられる。彼は姉のジェシーと共に子供の頃にヒスと遭遇しており、FBCによって姉と引き離され様々な実験をされていた。横たわる彼にジェシーは黒い棒を突き刺す。このショックでディランは目覚める。しかし既に姉の姿はなく、ディランは何も分からないまま閉じ込められていたFBCの実験室から外へ踏み出す。そこは既にヒスによって侵食されている世界だった……。

 ヒスは奇妙な振動を伴う現象で、現実世界を歪め、ヒスに取り憑かれた人間は赤い光をまとう影のような怪物となってディランを襲う。ヒスが飲み込めなかった人々はむごたらしく殺されている。ディランは死体が転がるFBCをさまよい、巨大な亀裂を見つけ建物の外に出る。ヒスは今や建物の中だけでなく、マンハッタンを覆い尽くしていたのだ。ディランは死体が持っていた通信機から捜査官の1人ゾーイが生き残っているのを知る。

主人公ディランは閉じ込められていた部屋で目覚める
ディランの武器・アベーラントは様々な形態に変わる。異なるプレイスタイルで戦いを楽しめるデザインだ

 ディランは人間離れした特殊能力を獲得している。望めば瞬時に棒状の武器「アベーラント」を呼び出すことができる。この武器は二刀流の剣や、斧といった武器に変更できる。スタート時に戦闘スタイルを選ぶことができ、二刀流の素早い攻撃、斧を使う重い攻撃、鎌を使う広範囲の攻撃から選べる。ここからさらにサブ攻撃を取得できる。巨大なハンマー状の重い攻撃、連続ダメージが与えられる槍攻撃などがあり、多彩なプレイスタイルを楽しめる。

 戦闘では回避も非常に重要だ。回避行動を行うことで素早く敵の周りを動き回り、背後を取ることで有利な攻撃が可能となる。そして敵を倒すことでディランは体力を回復できる。またフィールドは敵がいる場合先に進めないようになっており、フィールドを探索し、敵を倒すことで先への道が開かれる。

封鎖されたビルからヒスは漏れ出してしまった。マンハッタン全土が戦場となる

 今回の体験では人間型の敵だけでなく、腕がなく頭がハンマーになっている奇怪な姿をして、3メートル以上あるような大きな敵が登場した。この敵は激しく頭を地面に打ち付け範囲攻撃を行うだけでなく、顔を地面にくっつけたままこちらに突進してくる。これからどのような敵が出てくるか想像もつかないような、恐ろしくなる敵だった。

 そしてディランは戦闘能力だけでなく、身体能力も人とは異なる。常人ではけがをしてしまう高さからも飛び降りられるし、回避の能力を使い空中でダッシュもできる。マンハッタンはヒスのせいで超常空間と化しており、ディランはこの能力を駆使して突破していく。

ディランとヒスはスピーディーで派手な戦いを繰り広げる

 もう1つ、「日本語吹き替え音声」も注目してほしい。本作は日本語吹き替えのフルローカライズが行われており、声優による熱演が楽しめる。ゲームへの理解度が上がり、物語が楽しめると感じた。加えて聞き取ることができないヒスの“ささやき”は字幕で意味を把握できる。こちらは吹き替えされていないようで、ゲーム内では奇妙な音声としてしか聞こえないので、字幕もオンにしてプレイしたいところだ。

 今回は「コントロール レゾナント」の序盤を20分ほど遊ぶことができた。ゲームとしてはかなり軽快な操作性と、ガンガン敵を倒す爽快な感触だった。そしてやはり魅力的なのはRemedy Entertainmentの得意とする「歪んだ世界」の描写だろう。ヒスによって歪まされた世界は幻想的な描写とリアルな風景が入り交じり、独特の世界を作り出している。

 この世界で同じくヒスに取り込まれ歪んでしまった敵とハイスピードのアクションで戦うのが楽しい。今回少ししか触れることができなかったので、製品版をしっかり遊びたいと思った。

Art Director・Elmeri Raitanen氏インタビュー

 ここからはElmeri Raitanen氏へのインタビューをお届けする。

――本作は前作の直接的な続篇であり、初見の人にはわかりにくい部分があるかもしれません。最初に「コントロール レゾナント」の基本的な設定を教えてください。

Raitanen氏:「コントロール」シリーズはこの世界を歪める超常的存在「ヒス」と戦う物語です。前作の主人公ジェシーと、今作の主人公ディランは姉弟で、ヒスに遭遇した経験から現象を研究するFBCに注目され、ディランは囚われてしまいます。前作はジェシーがヒスに占拠されたFBC本部で戦う話でした。ラストにジェシーは弟を解放することができます。

 今作のストーリーは前作の結末からほぼ地続きで始まります。ヒスは既にマンハッタンの街へと溢れ出してしまっており、昏睡状態から目覚めたディランは、この混沌の真ん中で何が起きているのか、どう対処すべきかを解明するため、行動を開始するのです。

Raitanen氏は今作では敵との戦闘シーンがより楽しくなったと語った

――「コントロール」ではシューティングアクションでしたが、今作は近接武器を使う爽快なアクションとなっています。ゲーム性を変化させたのはどうしてでしょうか?

Raitanen氏:まず基本的な考え方として前作と今作は対称性(シンメトリー)になっています。前作では、ジェシーが弟を探すためにFBCの本部に向かいましたが、今作ではディランが姉を探す展開になります。ジェシーの性格は計画を立てて動くタイプ。ディランは衝動的なところがある。ここでジェシーは射撃戦、ディランは接近戦というコンセプトに繋がっています。

 「ディランは多彩な接近戦武器を使う」というコンセプトが決まった上で、アートディレクターの私としては、ディランの武器「アベーラント」をデザインすることが楽しかったですね。前作は銃の特性が変わってもサイズ的にそこまで変化がつけられなかったんです。

 ディランの武器は槍やムチ、巨大なハンマーなど様々な武器になりアクションも変わります。敵のリアクションも含めて非常にデザインのしがいのある作品となりました。

――戦闘面でお気に入りの要素はありますか?

Raitanen氏:体験していただいたところでは頭がハンマーになった大型の敵です。本作に出てくる敵はヒスに歪められた人間です。このためよく見るとハンマーの形をしているんですが数人の頭が固まっていて、地面に打ち付けるとアスファルトなどの破片はその頭に突き刺さっているんですね。敵はそのダメージを全く考慮しないのです。

 それは彼らを操るヒスが汚染した人間のことを一切考えていないからです。ヒスにとって彼らは「ツール」であり、大事なのはディランを攻撃すること。ヒスに操られる敵は既に人間ではない、ということを象徴する存在なのです。

――アクション性、地形を進む楽しさも「コントロール レゾナント」の特色だと感じました。

Raitanen氏:高低差(バーティカリティ)は、私たちのレベルデザインや戦闘において非常に重要な要素です。ディランは進行に伴って、二段ジャンプや少し浮遊・ホバリングできるような移動能力を獲得していきます。

 また“見た目”も楽しんでほしいです。とても鮮やかで親しみやすく、探索したくなるような世界にデザインしました。間違いなくカラフルで強調された、魅力的な世界観になっていると思います。

 ヒスはすでにそこにあるものを取り込んで汚染し、目的に合わせた武器を作り出します。例えばヒスに汚染されて敵と化した「ニューヨークの路線バス」と出くわすこともあります。

 フィールドに関しては「マンハッタンらしさ」も楽しんでほしいです。ただ特徴的な建物はライセンス料がかかるので……わざと泥をかぶったりして特定されないようにしていたりしているので、マンハッタンに詳しい人はそういう視点でも楽しめるかもしれません(笑)。

マンハッタンならではの要素も注目

――日本のユーザーへのメッセージをお願いします。

Raitanen氏:日本の皆さんに「コントロール レゾナント」を楽しんでほしいと思います。私は黒沢監督、今敏さん、伊藤潤二さん、弐瓶勉さんなど、様々なアーティストから影響を受けています。彼らから多大なインスピレーションを得てゲームを作ってきたので、日本のアーティストやプレイヤーのみなさんに何か恩返しができればと願っています。

――ありがとうございます。