コーラス大柳の「ためにならないインディゲームレポート」

【第3回】コーラス大柳の「ためにならないインディゲームレポート」

Amazon Game Studiosのゲームに注目せよ!

 こんにちは。コーラスの大柳です。

 私を含めて皆さんもAmazon.co.jpへの依存度はものすごいものがあるのではないでしょうか。ショッピングはもちろん、PrimeビデオからKindleなど各種サービスまで、私も大変お世話になっています。注文から1時間でお届けのPrime Nowが早くカバーされないか一日千秋の思いで待っている今日この頃です。米を買い忘れてもスーパーまで走らなくてもいいなんて胸アツじゃないですか。

Amazon Game Studiosのウェブサイト。現時点で5タイトルをリリースしているが、うち1タイトルはFire TV専用なので今回は除外した

 さて、数年前にAmazonは「Amazon Game Studios」というゲーム開発・配信をおこなうスタジオを立ち上げました。昨年から矢継ぎ早に4つのタイトルをKindle FireおよびiOS向けにリリースしています。どのタイトルも非常に良くできており、しっかりお金をかけてつくられているだけあって並のインディゲームでは出せない豪華さもあります。全タイトル日本語化もされているのですが、残念なことにこれらのタイトルは国内でほとんど知名度がありません。ここまで書いて気づいたのですが、いわゆるインディという定義から今回も外れているかもしれません。まあいいか。

 有料買い切りのゲーム(最近ではペイワンスと呼ばれます)が一部タイトルを除いて日本国内では特に元気がないのは今に始まったことではありませんが、あまりにももったいないことなので、今回はこの4タイトルを紹介します。いずれもApp Storeのエディターズチョイスを得ており、クォリティの高さはお墨付きです。価格は2016年1月4日現在のもので、変動する可能性があることをご了承ください。

Til Morning's Light 価格:240円

 いじめられっ子の女の子がお化けが出るという噂の屋敷に閉じ込められてしまい、屋敷を探索すると……というRPG風味の探索ゲームです。ホラー的要素はほぼありませんので苦手な方でも楽しくプレイできます。クォータービュー視点で女の子を操作して屋敷を脱出するための手がかりを探しましょう。モンスターとの戦闘は音ゲーのようにタイミングを合わせてタップをして攻撃をするちょっと変わったスタイルが採用されています。音声は英語ですがボイスオーバーがあり、テキストのローカライズもうまく、キャラクターの印象もしっかりプレーヤーに伝わってきます。

【Til Morning's Light】

Lost Within 価格:240円

 古参PCゲーマーの方には「RUNE」や「PREY」などのアクション、FPSをつくったHuman Head Studiosというスタジオを覚えているかもしれません。本作はそのスタジオがつくった最新作です。プレーヤーは警官。廃病院を捜索するとそこは化け物がうようよしている秘密研究施設だった……という、設定自体はありがちなスニーキングもののホラーゲームです。

 基本的にプレーヤーは敵に対抗する手段を持たないため、敵の視覚・聴覚に触れないように行動パターンを見極めて行動しなければなりません。基本的に一本道でヒントも多数用意されている親切設計なので、プレイ中に何をしていいかわからない、迷ってしまうことはほぼありません。このゲームの醍醐味はなんといっても、抜群の雰囲気。プレイ時にはイヤホンを使用して廃病院を逃げ回って下さい。

【Lost Within】

Tales from Deep Space 価格:240円

【画像】
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 前2作はホラー物でしたが、本作はうってかわってパズル風味の強いSFアクションアドベンチャーゲームです。宇宙ステーションである種族が引き起こした事件をプレーヤーと偶然お供になったドローンと二人三脚で謎を解決していくゲームです。お互いのキャラクターを切り替えて操作してパズルを解いたり、異なる攻撃方法を活かして敵と戦うのが本作の特徴です。どちらかというと、戦闘よりはお互いの持ち味をうまく使い分けてパズルを解いていくことがゲームのメインなので、モバイルでアクションゲームはちょっとね……という方にも十分オススメですし、チェックポイントがあちこちにあるのでゲームオーバーになってもやり直しは容易です。

【Tales from Deep Space】

To-Fu Fury 価格:120円

 こちらはほかのタイトルとは全く趣が異なるパズルゲーム。コース上のトゲに当たらないよう壁にひっついたり飛んだりしながらゴールのフォーチュンクッキーを目指すというもの。ちょっと一工夫を加えた「アングリーバード」のようなプレイ感です。ちょっとした空いた時間にプレイするにはちょうどいい感じです。何気にフル3Dでつくられており、視点を変えながらクリアの方法を見極めるといったプレイも必要です。変なアジア風キャラクターで見た目損をしている気もしますが、ゲームのつくりはていねいで、しかも想像以上に豪華です。

【To-Fu Fury】

 いかがでしょうか。追記すると4タイトルともサウンドが素晴らしいです。とくに「Lost Within」の臨場感は見事です。音なしでプレイするのはもったいないので出先でもイヤホンを使って100%ゲームを楽しむことをオススメします。ゲーム機のようなゲームがしたいなあ……という方はぜひ購入を。通常は600円程度の価格で販売されていますが、セール時になると120~240円くらいになるようです。週刊誌買うよりも安く良作が手に入りますよ。それではまた次回。

(大柳竜児)