3DSゲームレビュー

シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール

RPG的に攻略していく「クエストメドレー」、オンライン対戦も可能な「バーサスモード」を搭載

RPG的に攻略していく「クエストメドレー」、オンライン対戦も可能な「バーサスモード」を搭載

マス目ごとに楽曲をプレイし、最後に待つ大ボス撃破を目指す「クエストメドレー」

 「ミュージックセレクト」をある程度やりこんでプレイに慣れた頃に、「クエストメドレー」や「バーサスモード」という新しいプレイモードが開放されていく。前作はそうしたモードがなく、楽曲プレイを中心にしたシンプルなゲームだったが、今作では遊びごたえがかなり増したのが嬉しいところだ。

 「クエストメドレー」は前作のiOS版に追加された、1マスごとに楽曲をプレイして進み、最後に待ち受けるボスを討伐するのが目的のモード。前述のように、使用可能キャラクターを増やすための「クリスタルの欠片」を集めやすいモードだ。ボスを倒せばクリスタルの欠片やドロップアイテムが手に入る。

 クエストは混沌の地図に記されていて、地図にはボスまでのルートの長さごとに、ショート、ミドル、ロングがあり、難易度のレベルやクエストそのもののレアリティにも種類がある。クリアすることで新たな地図が手に入り、地図ごとにボスから手に入る報酬やドロップアイテムも異なってくる。

 クエストメドレー中の各マスでプレイする楽曲は、FMSでのフィールド移動と、BMSでのバトル楽曲の2種類。楽曲プレイ中のミスでHPが減るところを、回復アイテムやアビリティも駆使しつつ、ボス撃破を目指していく。ルート中には鍵が手に入るマスや、その鍵で扉が開くマスもあり、その先のマスに中ボスがいたりと攻略要素も入っている。

 ポイントになるのは“楽曲を上手くプレイするだけではボスに勝てない”ところ。クエストの道中は楽曲を上手くプレイできれば問題なく進んでいけるが、ボスとのBMSではボスを倒すことが1番の目的だ。キャラクターのレベルが低くて攻撃力が足りなければ、楽曲を上手くプレイしてもボスは倒せずクエスト失敗になってしまう。そのためにもキャラクターの育成が必須になるというわけで、このあたりはRPG的だ。

 ボスモンスターがなかなか倒れず、残りの譜面もあとわずかというギリギリのシチュエーションになってくると、「残り全部クリティカル(1番いい判定)ならいけるか!?」という緊張感も出てきて熱いプレイにもなってくる。

 欲を言うと、よりRPG的な要素が入ってくると、もっと面白いものになりそうな予感がある。例えばクエストメドレーのモードに原作再現なストーリー展開があったり、「このボスにこのキャラを入れたパーティーで挑むとイベントなりが起こる」といった原作シチュエーション再現などがあると、よりプレイのモチベーションも高まりそうだ。今作においては、そういうところはプレーヤーが空想するほかないのだが、今後に機会があれば期待したい。

 なお、このクエストメドレーの地図は「すれちがい通信」やバーサスバトルでの通信対戦(オンライン/ローカル両方あり)でも交換ができる。他のプレーヤーからもらったクエストは「継承クエスト」という枠になっていて、他のプレーヤーが攻略したルートのマスでプレイする楽曲や、ボスとそのドロップアイテムなどの履歴が見えるようになっている。当然、おいしいドロップアイテムや、大量の経験値が手に入るようなレアリティの高い地図もあり、そうした地図は喜ばれること間違いなしだ。

混沌の地図ごとに、ショート、ミドル、ロングというルートの長さの違いがあり、レアリティや難易度も地図ごとに異なる。見事クリアすれば、アイテムや使用可能キャラクターを増やすための「クリスタルの欠片」が獲得できる
インターネット対戦も可能な対人戦モード「バーサスバトル」が熱い!

 オンライン対戦も可能ということで熱く楽しめるのが「バーサスバトル」。対戦はオンラインでの通信対戦、近くにいる人と対戦するローカル、CPUを相手に対人戦の練習がてらにランキング上位を目指していけるCPU対戦がある。

 バーサスバトルはバトルのBMSを違いに同時にプレイし、そのスコアで勝敗を競うというもの。互いにプレイ楽曲を選んで、ランダムにどちらかの楽曲に決定。対戦のあとには、勝者がコレカを2枚、敗者が1枚もらえるようになっているほか、プロフィールのやり取り(混沌の地図付き)も行なえる。

 バーサスでの特殊な要素は「EXバースト」というもの。MISS以外の判定でリズムを叩くと、「EXバーストゲージ」が貯まっていき、バーストが発動すると9種類からランダムで、相手を妨害する効果が発動する。バーストの9種類には、矢印のリズムが回転するものや、直前までリズムの中身が見えないもの、リズムが流れてくるスピードが変化するものなど、厄介なものがたくさんある。

 なお、バーストの発動やスコアの逆転などは、モーグリがボイスで「逆転したクポ!」といったように状況を伝えてくれる。「ボイスが邪魔で曲が聴きづらい!」という人用にオン/オフ機能も備わっていて、プレーヤーへの配慮もしっかりしている。

 対戦することでレートが高まっていき、上級者同士がマッチングするようになっている。最高難易度「究極の譜面」で競り合いのようなバトルを繰り広げる対戦は、一瞬も気の抜けない熱い対戦だ。バーサスをより有利に進めるための、パーティーメンバーのレベルアップ、コレカによる育成、アビリティのチョイスも奥深い。

Miss以上の判定でリズムを取っていくと「EXバースト」のゲージが貯まっていく。「EXバースト」には相手を妨害する効果が、9種類からランダムで発動する
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(山村智美)