(2013/7/9 00:00)
相次いでデビューを果たしたHaswell世代のCore i7とGeforce 700シリーズ。いずれも前世代に比べ低消費電力化とさらなるパフォーマンスアップを果たし、PCゲーマーにとって気になる存在となっている。
これらの新世代パーツを搭載した今世代のスタンダード的な仕様のゲーミングPCが本製品、ツクモ eX.computerのBTOミドルタワーマシン「G-GEAR GA7J-E51/E2」だ。CPUにCore i7-4770、GPUにGeForce GTX 760、メインメモリ8GB(PC3-12800)に1TBのSATA HDDを搭載と、まさしく今世代の“ミドルクラス”を地で行く仕様といえよう。
新世代CPU+GPUで高められた“ミドルクラス”の新基準
まずはスペックを確認しよう。
【G-GEAR GA7J-E51/E2】
CPU Core i7-4770(4C8T/3.4GHz/TB時3.9GHz)
マザーボード ASUS H87-PLUS (ATX)
メインメモリ 8GB(DDR3 PC3-12800)
GPU GeForce GTX 760(GDDR5 2GB)
HDD 1TB(SATA III)
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
サウンド HDオーディオ
有線LAN 10/100/1000Base-T
電源ユニット CWT製 550W(定格 500W、80PLUS BRONZE対応)
拡張スロット PCI Express x16スロット(空き0) / PCI Express x16スロット(空き1) / PCI Express x1スロットx2(空き1) / PCIスロットx3(空き3)
拡張ベイ 5インチx3(空き2)/ 3.5インチx2(空き2)/ 3.5シャドーx4(空き3)
外形寸法 190(W)x475(D)x435(H)mm
本体重量 約12KG
OS Windows 8 (64bit) または Windows 7 Home Premium SP1(64bit)
以上の通り、G-GEARブランドのおなじみのミドルタワーケースに、基本的なパーツ構成でまとめた一品だ。本製品はWindows 8またはWindows 7 Home Premiumを搭載する標準構成で119,980円と、価格的にもゲーミングPCとしては実に標準的。
しかしながら、新世代のCPU&GPUのパワーはミドルクラスと言えども侮りがたいものがある。各種最新ゲームタイトルを最高品質でラクラク動かせるほどのパワーを秘めており、それがわずか12万弱で実現できる。数世代前のゲーミングPCを「まだいける!」と騙し騙し使っているユーザーにはオススメの買い替えタイミングが来ているといえるのだ。
そこで今回は、ちょうど2年ほど前に新調した筆者の旧世代PCとの比較を通じて、新世代CPU+GPUのパワーと、そのパワーがPCゲーマーに何をもたらすのかを検証してみたい。
比較用の旧世代PCは、Core i7-2600(SandyBridge)、GeForce GTX 560Ti、8GB RAM(PC3-10600)を搭載し、2年前にちょうど本製品と同価格帯であった製品だ。さて、2年の月日で“ミドルクラス”はどう進化しただろうか。
それでは各種ゲームでのベンチマーク結果を見ていこう。
DirectX 11基準のベンチマークツールとなっている「3DMark」では3つのテストを実行できる。本比較において特に差がついているのは、特に動作の重い「FIRE STRIKE」テストだ。ここでは倍近いスコア差となっているが、体感上の違いも大きい。旧世代のPCでは紙芝居状態となっていたところ、本製品ではきちんと動画に見える(!)。
「FIRE STRIKE」テストはDirectX 11機能を映像・物理処理両面にこれでもかと投入したプログラムだ。これがそれなりに動くなら、来年以降には登場してくるであろう、次世代ゲーム機水準のPCゲームもラクラク動作するはずだ。その点、本製品は充分にその品質を達成できているように思える。
オンラインゲームのベンチマークとしてはかなり重めの内容になっている「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」。最高品質設定のベンチマークにおいては、旧世代PCでは60fpsを割り込むシーンも多かったところ、本製品ではほとんどのシーンで60fps以上、大半は120fpsかそれ以上のパフォーマンスを達成していた。
面白いのは、旧世代PCにおける1,280×720ドット解像度でのスコアが、本製品における1,920×1,080ドット解像度におけるスコアにほぼイコールであることだ。これは、少し前のゲーミングPCではフルHDで重くなることを嫌って低い解像度で妥協していたコンテンツを、今世代のゲーミングPCではそのままのフレームレートでフルHD品質で遊べるということになる。これは今世代のゲーミングPCがもたらすメリットとして注目すべきポイントと言えるだろう。
PC版のサービス開始が楽しみな「ドラゴンクエストX」は、もとがWii用タイトルであったこともあって全体的に動作は軽め。旧世代PCでもほとんどのシーンで60fps以上で動作するが、本製品では全てのシーンで必要以上のパフォーマンスを発揮。スコア差は2~3割ほどだが、高解像度設定においてより大きな差がついている。本製品でプレイするなら、フルHD、最高品質設定でフレームレート低下を感じることは皆無であろう。
ともに画質設定“5”での数字。「ファンタシースターオンライン2」は、幅広いPCで遊べるオンラインゲームとして標準的なグラフィックスの作品と言える。旧世代PCでも問題なく遊べるが、ベンチマークで重めのシーンでは60fpsを割り込み、ややカクカクに見えるシーンがあった。
本製品ではそのようなシーンは全くなく、常時120fps以上、シーンによっては300fps付近で安定動作するという余裕ぶりだ。スコア的にも他のゲームより大きな差がついており、もしこの世代間で買い替えを実行するならかなり大きな体感上の違いを得られそうだ。特にプレーヤーとモンスターが多数登場するシーンでもフレームレート低下がまず起こらない、というのはハードコアなプレーヤーにとって有難いメリットになるだろう。
シングルプレイ主体のリッチゲームの代表格「バイオハザード 6」はDirectX 11機能もふんだんに活用するヘビー級の作品で、本製品のパワーを存分に感じられる。旧世代のPCではフルHD解像度で平均30fps以下となるシーンが多いため、実際のプレイでは1,280×720ドット程度の解像度で妥協したくなるパフォーマンスだ。しかし本製品では、その旧世代PCで妥協した解像度(1,280×720ドット)でのパフォーマンスをフルHDで叩きだすことができている。
アクションゲームをプレイする場合、画質面で妥協するかしないか、その境界線は“ほぼ60fps以上を確保”できるかどうかにかかっている。最新の本作において、本製品でその水準をわずかながら超えることができていることは嬉しい。本作が快適にプレイできるなら、他のヘビー級PCゲームもまず大丈夫だ。