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【特別企画】春商戦のゲーミングPC選びのポイント ~デスクトップPC編~

激安からハイエンドまで3タイプに分けてトレンドを紹介!

 「PCゲームで大好きなシリーズの最新作が数年ぶりに出たけれど、今あるPCは古くなっていて快適なゲームプレイには程遠い状態。せっかくの新作だし、思いっきり楽しむためにもPCを新調しよう!」

 ――なんて話をゲーム好きの友人達から定期的に耳にする。そこで「それでPCは何を買ったんですか?」と尋ねると、「予算に合うPCを適当に」という返事が大半だ。今売っているゲーミングPCをそれなりの予算で買えば、数年前のPCに比べれば快適にはなるだろう。しかし数年に1度の大きな買い物がそんなにアバウトなのはもったいないし、もっと自分に合う商品を選ぶべきだ。

 とは言え、ゲーミングPCのどこを見て選べばいいのかわからない、という方も多いはず。今回はそんな方に向けて、今時のゲーミングPCを選びに役立つトレンドや注目点を、価格別に3つのケースに分けてご紹介したい。ケース1は最も人気のある「ミドルレンジ」、ケース2はとにかく「安価」、ケース3はとことん「ハイエンド」で、それぞれショップブランドの最新PCを合わせてご紹介する。

ケース1 ~ 今時の3Dゲームが遊べるゲーミングPCが欲しい!

 まずは売れ筋となるミドルクラスのお話から。予算的には1台で10~15万円程度を想定している。最新ゲームの推奨PCのラインナップを見ると、概ねこの辺りの価格帯に収まっているので、買い替えのターゲットとしてはこの辺りになるだろう。

 この予算帯で最も重要なことは、予算をどんなバランスで使うか。ゲーミングPCと一口に言っても、採用するパーツはメーカーごとに様々で、同じ値段でも中身は違う。自分の求めるバランスに応じて、パーツごとの予算のかけどころを考えるのが重要。特に注目してほしいのは、搭載されているビデオカードとSSDだ。

【ビデオカード】

ゲーミングPCにおいてはビデオカードが最優先!

 ビデオカードは、3D描画性能を決めるパーツ。これが高性能になればなるほど、3Dゲームにおけるフレームレートを向上させたり、高画質なオプション設定でも快適にプレイできるようになる。逆にここをよく見ないで買うと、お値段の割にガッカリなことになりがちだ。

 現行の製品としては、NVIDIAのGeForce 600シリーズと、AMDのRadeon HD 7000シリーズを搭載したものがある。2つのブランドがあるが、どちらかを選んだからといって特定のゲームが遊べなくなるということはないので、好みで選んで構わない。性能は価格に比例すると思って概ね間違いない。この予算帯のPCで使われそうなビデオカードは下記のとおり。

・NVIDIA GeForce 600シリーズ
 GeForce GTX 680 50,000円前後
 GeForce GTX 670 40,000円前後
 GeForce GTX 660 Ti 30,000円前後
 GeForce GTX 660 25,000円前後
 GeForce GTX 650 Ti 15,000円前後

・AMD Radeon HD 7000シリーズ
 Radeon HD 7970 45,000円前後
 Radeon HD 7950 35,000円前後
 Radeon HD 7870 25,000円前後
 Radeon HD 7850 20,000円前後
 Radeon HD 7770 15,000円前後

 人気が高いのは2~3万円の製品。最新の3Dゲームの推奨PCにもよく使われているので、今あるゲームを遊ぶ分には安心できる。もちろん高性能(高価)なビデオカードほど快適になるので、同じ予算でもなるべく上位のビデオカードを搭載したPCを選ぶことをおすすめする。

【SSD】

値段もこなれて使いやすくなったSSDは注目の一品

 SSDはここ最近になって一気に普及してきた記憶媒体だ。HDDに比べて容量が小さく、高価ながら、データの読み書きを高速に行なえるのが特徴で、PCの起動やゲームのロード時間を大幅に短縮できる。

 一昔前のSSDは、データの書き込み時にPCの反応がなくなる「プチフリ」という現象が見られたが、最近の製品はそういったこともなくなり、純粋に高速なストレージとして安心して使える。

 SSDの不安点としてよく挙げられるのが、書き換え回数の限界からくる信頼性の問題だ。SSDはその仕組み上、データの書き換えを繰り返すことで劣化し、数千回から数万回書き換えると寿命を迎える。そのためHDDより信頼性が低いと言われるが、これを具体的な事例として説明すると、「1日に何十回もフォーマットをかけたりすると、1年ほどで壊れるかもしれない」ということ。よほど特殊な使い方をしない限り、寿命を気にする必要はない(他の要因で壊れる可能性はあるが、それはHDDも同じ)。

 一般向けに販売されているSSDの容量は、小さいもので60GB、大きなものだと500GBほど。必要な容量はインストールするソフトの使用量から考えるといい。OSで使用するのは10~20GB。ゲームは最近のものだと、例えば「シムシティ」で12GB、「バイオハザード6」で16GB、「ファイナルファンタジーXIV」で6GB必要とされている。その時プレイするゲームさえインストールできればいいので、さほど大きな容量は必要ないだろう。その他のデータや時々使うソフトは、別途HDDを用意してそちらに入れるようにすれば、小容量のSSDでも劇的な環境改善を図れる。

 製品はCPUメーカーとして知られるインテルを始め、様々なメーカーから発売されている。価格は安いものだと数千円からあり、費用対効果の面でとても優秀なパーツだ。SSDとHDDを両方搭載したゲーミングPCも増えてきているので、予算に余裕があるなら積極的に選んでほしい。

【CPU、その他】

ゲームだけで考えれば、CPUの重要性は以前より下がった

 高性能PCといえば、何をおいても高性能なCPU……というのはもう古い。現在はローエンドのCPUでも複数のコアを搭載しており、一般用途には十分なパワーがある。さらに3Dゲームや動画再生の処理の多くをビデオカードが肩代わりしており、CPUの仕事自体が減っている。

 限られた予算の中でゲーム専用機としてのPCを求めるなら、CPUはそこそこのものを選び、余った予算をビデオカードやSSDに回すほうが費用対効果は高くなる。BTOに対応したPCなら、あえてCPUのランクを下げるのも手だ。この予算帯のPCであれば、CPUは4コアあるものを選べば、後々も不満は出ないはずだ。

 メインメモリは、最近かなり安くなっており、16GB(8GB×2)でも1万円以下で売られている製品が多い。PCゲームでそこまで大容量のメモリが必要になることはほぼないので、8GB搭載されているものであれば当面は困らないだろう。増設や交換も簡単なパーツなので、先々で困ってから考えても間に合う。

 「安いならいっぱい積んどけ」というのもアリだが、量だけでなく質にも目を向けて欲しいところ。メモリはデリケートな製品で、粗悪品による初期不良も多く、その症状も「何となく不安定」と曖昧なことが多い厄介なパーツだ。安いからこそ、量より質で信頼性の高いものを選ぶのもアリではないかと思う。ショップブランドのゲーミングPCでは、特定のブランド品を搭載しているのをウリにしたものや、BTOでブランド品に変更できるものがあるので、購入の際にチェックしてみるといいだろう。

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ツクモの「G-GEAR GA7J-H43/ZE」は、GeForce GTX 680、128GB SSDと1TB HDDを標準で搭載。価格は139,980円

(石田賀津男)