PSPゲームレビュー

エースコンバットシリーズ最新作!
マルチプレイによる共同攻略作戦を搭載!

「エースコンバット X2 ジョイントアサルト」



シリーズファン待望の最新作がPSPで登場! 充実したシングルプレイに加え、マルチプレイも楽しめる

 2010年8月26日、株式会社バンダイナムコゲームスから「エースコンバット」シリーズの最新作となる「エースコンバット X2 ジョイントアサルト」がリリースされた。

 ジャンルに“共闘”フライトアクションとある通り、本作にはマルチプレイによる協力・対戦プレイ機能が搭載されており、協力プレイは最大4人まで、対戦プレイは最大8人まで同時にプレイできる。特筆すべきはアドホックモードだけでなく、インフラストラクチャーモードに対応している点。家にいながらにして通信プレイを楽しめるわけだ。

 開発は「エースコンバットX スカイズオブデセプション」や「戦場の絆 ポータブル」を手がけた株式会社アクセスゲームズが担当している。

 UMDのみでプレイするよりも快適にゲームが楽しめるデータインストールに対応。インストールには、メモリースティックPROデュオに375MB以上の空き容量が必要になる。

 マルチプレイ機能による複数人でのプレイはもちろんのこと、1人でも十分に楽しめる本作の魅力を紹介していきたい。



■ 東京襲撃!!現実世界を舞台にしたドラマ性の高いストーリー

20XX年
金融危機の傷跡が深く残る世界。

民間軍事会社「マーティネズ・セキュリティー社」所属の戦闘機パイロットである主人公は、
コールサイン“アンタレス”として、
同社での初任務となる合同軍事演習に参加していた。
しかし、突如として謎の武装集団が出現し、交戦状態となる。

「ヴァラヒア」と名乗るその武装組織は、
テロリストの範疇を遥かに超える強力な軍備で、
日本の首都、東京を襲撃した。
そして、被害の凄まじさと彼らの名は世界を駆け巡り、
人々を深い恐怖に陥れていった。
ヴァラヒアの目的も強力な軍備の入手先も不明だったが、
事態を重く見た国際社会は
多国籍治安維持軍「IUPF」を組織し、
“アンタレス”もそこへ編入される。
そして、対ヴァラヒアの戦いは全世界へと広がっていく。

ただ、この世界に広がる戦争の恐怖を、
密かに好機と捉える者たちもいた。
理性を失った市場主義社会に潜む、その好機とは――

 元軍人で、軍人時代は優れたパイロットであった主人公(プレーヤー)は、民間軍事会社「マーティネズ・セキュリティー社」(PMC)に所属し、コールサイン「アンタレス」として、アンタレス隊を率いる。

 最初のミッションでは、ミッドウェイ島周辺で、PMC、第7艦隊、自衛隊と合同軍事演習を行なう。民間軍事会社が軍事演習に参加するのは異例のことで、同社はなんとしても高評価を得ようと演習に臨む。最初のミッションだけあって、チュートリアルも兼ねており、ロックオンしてミサイルを撃つなど、基本的な操作が学べる。アンタレス隊と同時に出撃したライジェル隊の面々の個性的な一面が伺える会話などもありつつ演習は順調に進む。そんな中、突如所属不明部隊が近づいてくる。彼らは敵性戦力として判断され、主人公たちも戦闘に参加し、これを撃破。第7艦隊より、所属不明部隊の目的は東京襲撃との連絡が入り、主人公たちは第7艦隊に合流し、東京襲撃阻止に向かう。

 第2のミッションでは、既に東京上空へ侵攻中の敵戦力を都市部から引き剥がすのが目的だ。このミッションもチュートリアルを兼ねており、画面の表示物などの説明が受けられる。前ミッションとの大きな違いは、戦闘機以外に空母よりも巨大な航空機が登場することだろう。多くの武装、強硬な装甲の巨大航空機はその巨体すらも危険。追突すれば即ゲームオーバーとなってしまう。通常の戦闘機とは異なり、複数のロックオン箇所があるが、基本は変わらない。追突しないよう1つずつ、ロックオンして攻撃していけばいい。目的を果たし、巨大航空機を都市部から引き剥がすことに成功するが、そのステルス性能により、巨大航空機の行方はわからぬままとなる。また、日本はこの襲撃により、湾岸部に大打撃を受けてしまう。そして、ここで初めて、襲撃してきた敵が「ヴァラヒア」という武装組織と判明する。

 再び東京へと侵攻してくる「ヴァラヒア」を自衛隊と協力して阻止する3つ目のミッションでは、伊豆諸島、房総半島のどちらかを選択することになる。伊豆諸島は対空戦、房総半島は対地戦だ。対地戦はここで初登場となるが、対地戦であっても対空戦と戦い方はさほど変わらない。ロックオンしてミサイルを撃つか、機銃で攻撃すればOKだ。選択しなかったミッションは、次周のプレイで選択するなど、条件を満たさないとプレイできないが、とりあえずはフィーリングで選んで問題ない。主人公たちは該当エリアの敵戦力を叩くことに成功するが、他ルートから東京への侵攻を許してしまう。

 第4のミッションでは再び東京上空での戦闘になる。今度は前回とは別の巨大航空機が登場する。別の兵装を持っているなどの差異はあるが、前回同様に追突に気をつけつつ、ロックオンして攻撃すれば問題ない。何が起きたかは実際にプレイして確認してもらいたいが、このミッションではとんでもない問題が発生する。問題は発生したものの、主人公たちは東京湾に巨大航空機を沈めることに成功。事態を重く見た国際社会は多国籍治安維持軍「ICPF」を組織し、アンタレス隊も編入される。

 こうして全世界VSヴァラヒアの戦いが始まる。ミッションを進めていくことで、東京を襲撃した武装組織「ヴァラヒア」の目的やこの戦争に隠された真実が明らかになっていく。現実世界を舞台に繰り広げられる戦争、戦争に関わる個性的な人々の交錯する思惑、予想外の展開と、プレイすれば、そのストーリーに引き込まれていくだろう。

リアリティたっぷりのイベントシーンでは、キャラクターや背景にあまり動きがないにも関わらず、動きを感じさせる独特の表現を用いている



■ エースパイロットとして数々の戦場に挑む「キャンペーン」

 トップのメニューから選択できるモードは、ストーリーを追いながら様々なミッションに挑む「キャンペーン」、プレーヤー同士の対戦を行なう「VSモード」、プレーヤーの出撃記録やリプレイなどが閲覧できる「データビューワー」、他に各種設定を行なう「オプション」、プレーヤーデータの管理を行なう「プレイヤーデータ」の5つ。ここでは最も多く利用することになるモードといえる「キャンペーン」について紹介していきたい。

「キャンペーン」ではエースパイロットとして数々の戦場に挑む。マルチプレイにも対応している「VSモード」はアドホックやインフラストラクチャー通信で対人戦を行なう。CPU戦などはない「データビューワー」では、様々な視点から鑑賞できるリプレイビューワーなどが楽しめる

 「キャンペーン」で最初に決定するのが、ソロプレイ / アドホック通信 / インフラストラクチャーのどれで「キャンペーン」をプレイするかだ。メニューのミッション攻略で○ / □ / △のどのボタンを押すかによってこれらが決定される。

好きなミッションを選んでプレイできる「フリーミッション」。点線で囲われているのはマルチプレイ専用のミッションだ

 「キャンペーン」では、最初に移動するポイントを選択する。これは現在進行中のストーリーのもので、移動するポイントが複数ある場合には任意に選択できる。ここではそのままミッションに挑戦するか、好きなミッションを選択できる「フリーミッション」のどちらかが選択できる。本作では、1度クリアしたミッションは「フリーミッション」でいつでもプレイ可能なため、報酬金稼ぎや高ランク狙いなどで「フリーミッション」が役立つ。


 ポイントを選んだら、ミッションの難易度を決定する。この画面で表示される対空戦、対地戦といった情報は機体や兵装選びに役立つので確認しておきたい。

 初期状態で選択できる難易度は「Easy」、「Normal」、「Hard」の3種類。ミッション毎に難易度が選択できるため、難しいと感じたミッションがあれば、難易度を下げて挑めるわけだ。クリアすれば難易度に関係なくゲームが進むので、初心者であっても安心して続きが楽しめる。また、前作をプレイした人ならお馴染みの「Hard」を越える難易度も存在。やり応えを求めるへヴィなプレーヤーへの配慮も万全だ。

  難易度には様々な要素が含まれるが、目立った違いの1つに機銃の弾数がある。「Hard」以上では機銃の弾数に制限があるが、「Easy」と「Normal」では無制限に撃てるのだ。弾数の少ない兵装を選択していたり、ミサイルを外しがちだとミサイルがなくなってしまう。ミサイルがなくなってしまうと、頼れるのは機銃だけ。こうなった場合に残弾無制限で機銃が撃てるのは大きい。本作では機銃の威力は高く、扱いになれば大きな戦力となる。通常の戦闘機であれば数秒ヒットさせれば撃墜できるほどだ。

左が「Normal」、中が「Hard」。画面右下GUNが機銃の残弾数を示している。「Normal」では機銃の残弾数が記載されていないのがわかる。これは無制限に撃てることを意味している機銃の威力は高い。弾数制限のない「Easy」、「Normal」では撃ちっぱなしにしておくのも手だ

 難易度決定後、音声付の作戦ブリーフィングが始まる。作戦内容が語られるシーンだが、基本的にゲーム中にも必要な情報は随時提供されるため、飛ばしてしまってもミッション遂行には支障をきたさない。だが、ストーリーをより堪能したいなら見ておいた方がいいだろう。ブリーフィングは音声に合わせて自動送りされるが、何度でもブリーフィングを見直すことが可能だ。ここでは敵情報として、航空機、地上物、艦船、破壊目標の数が表示される。先の対空戦、対地戦などの情報と合わせて、兵装を決めるのに役立つ情報なので確認しておきたい。

 作戦ブリーフィングが終わるとミッションメニューへと進む。ミッションスタート、ハンガー、セーブなどが選択できる。ミッションスタートを選べば、出撃機体と兵装を選択して出撃となる。ハンガーは機体の機体や兵装などの売買とチューニングが行なえるもの。詳細は後述とさせていただく。

ポイント選択→難易度選択→ブリーフィング→(ハンガー)→機体・兵装選択→ミッションスタートとシンプルな流れでゲームは進む。全ミッション同じ流れになっており、ゲームを進めるのに迷うことはない。また、ミッションによっては敵軍備強化などのタイプを選択できるものも存在する

 基本的にミッションの目的はTGT(ターゲット)と表示された敵機を撃破することだが、全てが単なる空戦という訳ではない。特殊兵器や施設により、高度制限が加わるもの、ロックオン不可など様々なミッションがプレーヤーを待ち構えている。もはやシリーズに欠かせない、狭い谷間をくぐり抜けるミッションも健在だ。中には航空機を操作するなんてミッションもある。

 ミッション失敗の条件は「撃墜される」、「MPGが0%になる」、「残り作戦時間がなくなる」の3つ。撃墜は画面右下に表示された「DMG」が100%になったときになるもので、被弾率が上がると黄→赤と色が変化していくため、わかりやすい。「MPG」と「作戦時間」は画面右上に表示される。「MPG」は護衛対象のダメージなどが示されるもので、ミッションによっては回復可能なものも存在する。

攻撃の基本となるのがロックオンしてからの攻撃。ロックオンするには兵装の射程内まで接近する必要がある△ボタンを押すことでターゲットが切り替えられる。多数の敵機がいると1回で目的のターゲットに合わせられないことが起きるが、焦らずに切り替えよう画面右上の作戦時間とMPG、画面右下の残弾数と被弾率は作戦の成否に関わる重要な情報なので常に注意したい

 登場する敵機や施設も様々。ストーリーに関係するため、詳細は言えないが、戦闘機であれば4機編隊で迫ってくる部隊の強さは通常の敵機を遥かに凌駕する。そのスピードや戦闘力に驚くことだろう。また、本作を語る上で巨大航空機との戦闘は欠かせない。兵装の多彩さ、装甲の厚さに加え、追突すると一撃死と緊張感のある戦闘になることは必至だ。

 ミッションによっては、ミッション本編開始前に補給、離着陸などのミニゲームがある。制限時間内にクリアすれば報酬を貰えるが、スキップすることも可能。離陸は簡単だが、着陸や空中での補給はそれなりに難しい。特に補給は空中で行なわれ、給油機との相対速度を合わせなければならないため、ハイスピードの高性能機体だと逆に難しく感じるかもしれない。ただし、ミニゲームだけあってコツさえ掴んでしまえばどれもあっさりとクリアできるだろう。

TGTと表示された機体を撃破していこう。ミッション遂行に必要な情報は随時音声や文字で提供される多数の兵装を持つ巨大航空機との戦闘では、その兵装だけでなく、追突にも注意しなければならない空戦、対地戦のみならず、離着陸や補給といったミニゲームも収録されている

 ミッションをクリアすると、報酬金やキルレートが得られる。報酬金は機体や兵装などの購入に必要となる。キルレートは敵を撃墜すると得られる機体経験値で、新兵装などがハンガーに登場する条件に関わる。機体自体が強くなるわけではない。

 シングルプレイで全ミッションをクリアしてもまだ終わりではない。全難易度別にクリア時の状況が保存されるのでそれぞれの難易度でのトライがあるし、マルチプレイ専用のミッションも存在する。さらにストーリーには関係のない特別なミッションも存在する。思う存分やり込んでほしい。

ミッションクリア後にはクリアタイム、報酬、ランク、撃破した敵の詳細、キルレートなどが表示される。場合によっては新兵装の追加などもある。どんなものが追加されたかハンガーに確認しにいこう


■ インフラストラクチャーモードを利用したマルチプレイ

 マルチプレイでは最大4人での協力プレイ、最大8人での対戦プレイが楽しめる。冒頭で述べた通り、アドホックモードだけでなく、インフラストラクチャーモードにも対応しているため、自宅にいながらにして友人や知人と一緒にプレイできるのが嬉しい。また、マルチプレイのみでプレイできるミッションやシングルプレイよりも多くの報酬が得られるなど、マルチプレイならではのメリットも大きい。早速インフラストラクチャーモードでのプレイの流れなどを紹介していきたい。

 インフラストラクチャーモードでのマルチプレイでは、最初にワールドの選択を行なう。「ワールド1(北米)」、「ワールド2(欧州)」、「ワールド3(日本)」、「ワールド4(ワールドワイド)」の4つがある。国に拘らなければ「ワールド4」を選ぶといいだろう。

 ワールド選択が終わるとキャンペーンロビーへと遷移する。誰かが作成したルームに参加する「ゲームに参加する」、条件を決めてルームを作成する「ルームを作成する」、ルーム検索時の詳細条件が設定できる「検索条件の設定」などが用意されている。

 「ゲームに参加する」を選ぶと、作成されたルームの一覧が表示される。各ルーム毎に、ルーム作成者のTACネーム、ミッション、難易度、エントリー状況などが表示されるので、求めるものに参加しよう。友人や知人が作ったルームに参加する場合は、パスワードを設定をしてもらうと「検索条件の設定」でパスワードありにすることで検索性が上がる。自分で難易度やミッションを決めたいなら、「ルームを作成する」を選ぼう。ルームを作成する際には、階級、パスワード、メッセージの設定を行なう。

インフラストラクチャーモードが搭載されているため、自宅にいながら通信プレイができる。発売日当日朝から参加できるルームの存在が確認できた。実際にプレイしてみたが、協力プレイにはシングルプレイとは違った楽しさがある。本作を購入したなら是非試してみてほしい

 ミッションには特徴として「シングルミッション」、「リレーミッション」がある。「シングルミッション」は1つのミッションを2~4人でプレイするもので、協力しているプレーヤーが見た目にわかるし、同じ標的をロックオンするとわかるなど、協力プレイが実感しやすかった。ミッションの内容は基本的にシングルプレイと同じだが、敵機の数が増えるなど、複数人プレイならではの変化がある。「リレーミッション」は1つのミッションを最大2人で協力してプレイしたり、複数のミッションを二手に分かれて攻略する。ルームに4人いれば2人ずつに分かれてプレイする訳だ。この「リレーミッション」では、ミッションによって互いのマップを行き来するリレーコンテナの敵が登場する。自エリアに登場したら攻撃し、協力して撃破しよう。また、両者がミッションを達成しない限りクリアとはならない。先にミッションクリア条件を満たした側は時折現れる敵機を倒してクリアを待つようだ。「リレーミッション」を2人でプレイすると、それぞれ1人でミッションに挑むため、連帯感は得られにくいだろう。

 ミッション毎に設定された失敗条件を満たしたり、参加プレーヤーが合計3回撃墜されるとゲームオーバーとなる。この撃墜数は参加プレーヤーに関わらず3回だ。

 「VS」モードは最大8人で対戦可能なモードで、個人やチームで戦って最後まで生き残ることを目指す「サバイバル」、個人やチームで設定した数の敵機撃墜を目指す「シュートアウト」、シャッターに守られた相手チームの基地撃破を目指す「基地攻撃戦」、制空エリアを飛行してポイントを稼ぐ「制空戦」、相手側のビーコン上空を飛行してビーコンを奪って自軍基地まで持ち帰る「ビーコン戦」、相手から味方部隊を守る「護衛戦」の6つのゲームが楽しめる。筆者がプレイした限り、「VSモード」の参加可能なルームを確認することができなかった。発売当日だっだので、みんな「キャンペーン」をプレイしていたからだろう。一通り「キャンペーン」をプレイし終わった後に賑わうと予想される。

 本作では他端末などを使わない限り、マルチプレイで文字チャットなどのコミュニケーション手段はないため、マルチプレイを遊ぶにあたり、伝えておきたいことがある。

・シングルプレイと同様にゲームオーバーになると報酬金やキルレートは得られない。

 トータル3回撃破されたり、ミッション失敗条件を満たした瞬間にゲームオーバーとなる。つまり、誰か1人でもすぐに撃破されてしまうプレーヤーがいる場合、全員そのゲームでの報酬が得られないことになる。このため、「リレーミッション」を2人でプレイしているのでなければ、戦力にならずとも撃破されないように逃げ回ってくれる方が良いと思うプレーヤーもいるかもしれない。友人や知人とプレイする場合や「Hard」などの高難易度へのトライする場合ならともかく、「Easy」や「Normal」ではクリアできるだろうと思って参加する人が多いのではないだろうか。

・全員がスタートできるようになるまで次のゲームは始められない。

 参加者全員が機体と兵装の決定すると、ホストがミッションをスタートできる。それまでは待つしかない。機体や兵装の売買やチューニングなどをしていても自動的にミッションが始まることはないわけだ。また、ミッションクリア後に流れるムービーなどを見ている場合でも同様で、他の人が全員ムービーをスキップして急いで準備を完了していてもミッションは始められない。

・1人でも回線が切れるとマルチプレイが終了してしまう。

 ミッション開始後に参加者の誰か1人でも回線が切れるとマルチプレイは終了してしまう。正直、対策は難しい。ただ、1点言えるのは電池切れでも同様であるということ。これは対処できるはずだ。なお、「VSモード」では開催者か対戦相手が全員いなくならなければ終了しない。

 ここでお伝えしたのは、シングルプレイを全てクリアしてからでないとマルチプレイに参加してはいけないと言っているわけではないし、ムービーを見たり、ハンガーで準備をしてはいけないと言っているのではない。ミッションクリア後、新機体、新兵装などが追加されたとのインフォメーションがあった場合、確認したくなるのは当たり前だ。あくまで、こういった事実があるということを伝えておきたかっただけであり、臆せず多くのプレーヤーがマルチプレイに参加してくれることを願っている。



■ より誰でも楽しめるよう設計された2種類の操作

 シリーズをプレイしてきた人はともかく、「エースコンバット」をプレイしたことのない人の中には、難しそうと感じている人がいるのではないだろうか。「エースコンバット」は、フライトシミュレーターのように複雑かつ細かな操作が必須ではないし、本作ではさらに誰でも楽しめるよう調整されている。

 対空戦で基本となるのが、相手の背後を取り、ロックオンして攻撃すること。自分だけでなく、相手も動いているため、これを実現するためには機体を自在に操る必要がある。本作では「ノーマル」と「エキスパート」の2タイプが用意されており、「ノーマル」を選べば誰でも簡単に操作できるし、「エキスパート」なら前作と同じ操作感でプレイできる。

 「ノーマル」はアナログパッドをスライドするだけで入力方向に旋回。さらに、アナログパッドを離せば水平を保ってくれるため、天地が逆になったり、斜めになっていても墜落しづらい。初めて「エースコンバット」をプレイする人であっても簡単に操縦できるだろう。

 「エキスパート」だと、ピッチ・ロール・トリム・ヨーなどが各キーにアサインされる。ロール→ピッチアップ→旋回など、本格的な操縦を求めるならこの操作方法を選ぼう。

左が簡単に操縦できる「ノーマル」、中が本格的な操縦ができる「エキスパート」。操縦に必要なキーの数の違いは一目瞭然だ2種類の操作タイプに加え、3種類のボタン配置や「エキスパート」専用のピッチ操作も設定できる
操作だけでなく、視点も3種類から選ぶことができる。左が後方視点、中がコックピット視点、右がHUD視点。後方視点はデフォルトに設定されているだけあって扱いやすい

■ 機体、兵装、パーツの売買とチューニング

 難易度を「Easy」にしてもクリアできない。そんな場合でも、プレイスキルを磨く以外に、機体や兵装を変えるという手段が残されている。特に機体を変えることによる変化は大きく、難易度で受ける印象は機体によって全く異なるだろう。

 機体には、スピード、対空性能、対地性能、機動性、安定性、耐久力が設定されている。新しく機体を購入する際には、求めている性能を持つ機体なのかを確認しておきたい。例えば、背後を取ってもすぐに距離を離されてしまうならスピード、ダメージを受けてやられてしまうなら耐久力といった具合だ。ミッションの対空、対地戦などを踏まえて兵装も考慮に入れておくとなおいいだろう。

 兵装は基本的に2つまで装備できる。対空と対地とバランス良く装備するのも、対空ミサイルを2つ装備するもプレーヤーの自由だ。なお、零式艦上戦闘機など、1つしか兵装を装備できない機体が一部存在する。

 機体や兵装などはミッションクリアで得られる報酬金を支払って購入する。高性能な機体ともなると目が飛び出るような価格だが、購入して使ってみればその明らかな違いがわかる。

 ハンガーで販売される機体や兵装は初期から全種類あるわけではなく、ミッションを進めたり、一定以上のキルレートや出撃回数など、特定の条件を満たすと追加されていく。

 1度クリアしたミッションはフリーミッションを選択すればいつでも、何度でも挑戦できるため、報奨金稼ぎも安心。ミッションを繰り返しクリアすればいいだけだ。しかも挑戦するのは1度でもクリアしたことのあるミッションなのでクリアできないなんてこともない。プレイを重ねることで、報酬金が稼げ、プレイスキルも向上すると良いことづくめだ。

 ハンガーでは、機体や兵装などの売買以外に、パーツとして、エンジン、ウィング、装甲、コックピットの4箇所がチューニングできる。チューニングにより、大きく性能が変化するため、目的に応じてパーツを付け替えたい。 筆者が所持しているパーツは全体の半分程度だが、コックピット以外の3つは、ほとんどの場合、特定の性能がアップし、他の性能がダウンするものであった。

ハンガーで確認できる機体のマス数から予想される総機体数はなんと44!コンプリートするには相当のやり込みが必要になるだろう機体や兵装などは売却することもできる。売値は買値と同額なので、買って使ってみてから必要かどうか判断できるし、誤って購入してしまっても安心だ機体や兵装だけでなく、パーツの種類も豊富。なお、機体毎に装備できるパーツが決まっており、所持しているパーツ全てがどの機体でも装備できるわけではない

■ 機体・兵装紹介

 本作では多くの機体や兵装が登場する。一部ではあるが紹介したい。

 ・F-4E Phantom II

 最初に登場する機体だけに汎用性が高く、可もなく不可もなくといった性能。初期兵装は標準的な性能のミサイルSTDMが72発、誘導性と機動性が高く、目標に回避されても反転して追尾するQAAMが7発。対地に特化した武装はないが、本作では機銃やSTDMでも十分に対地戦をこなせるため、特に問題はない。弾数が多くないので弾切れには要注意。機体タイプは機動性に優れ、主に対空戦闘で力を発揮する「ファイター」。この機体から、高性能な機体に乗り換えた時の感動はひとしおだ。


 ・Tornado IDS

 機体タイプが対地攻撃を得意とし、高い兵装搭載能力を誇る「アタッカー」なだけに、弾数が多く、対地性能の高い初期兵装を装備している。初期兵装はSTDMが120発、機体下部から無数の小型爆弾を投下し、帯状の範囲を攻撃するBDSPが20発。この弾数は魅力的で多くの敵機が登場するミッションでもミスを気にせず撃ちまくれる。価格は30,800とお手軽で最初に乗り換える機体としてチョイスする人が多いのではないだろうか。


 ・YR-99 Forneus

 高性能な次世代戦闘機のプロトタイプ。スピード、機動性、安定性の高さはかなりのもの。初期兵装はSTDMが120発、落下中に分裂して無数の破片を地表に撃ち降ろす無誘導爆弾SFFSが16発。対空、対地ともにバランスのいい兵装だが、SFFSは誘導性が無く、使いこなすには慣れが必要だろう。使い難ければ、射程が長く、着弾地点を中心とした範囲攻撃が可能なLAGMなどへ切り替えるのがオススメだ。射程の長い兵装は敵が攻撃してくる前に攻撃できるので頼りになる。価格は119,000と多少高めだが、この性能にしては安いといえるのではないだろうか。機体タイプは機動力と攻撃力のバランスがとれた「マルチロール」。


 ・F-22 Raptor

 高いステルス性と抜群の旋回性能を備える高性能機。性能面はどれも高レベルでバランスがとれている。STDMが168発、射程が長く、最大4機の対空目標を同時に攻撃できるXMAAが32発と初期兵装も充実。価格は332,000と高額だが買って損は無いと言い切れるほどの機体だ。特にXMAAは最大4機へのマルチロックオンが可能で、スピーディーに敵機を撃破できる頼れる兵装。巨大航空機に対しては複数個所あるロックオン対象に1度に攻撃できるし、単体の敵機に対してもSTDMは2発しか連続して発射できないが、これなら4発連続して発射できるという利点もある。さらに中距離とレンジが長いため、敵が攻撃する前にロックオンして攻撃できる点でも強力。ただし、対地戦では一切機能しないため、STDMや機銃を使うことになる。この機体があれば難易度「Hard」もやすやすとこなせるだろう。機体タイプはF-4E Phantom IIと同様の「ファイター」。


 ・零式艦上戦闘機

 ゼロ戦の名で知られる名戦闘機。機動性、安定性は高いが、それ以外はからきし。初期兵装は誘導性を持たない投下型爆弾UGBが5発のみ。つまり、ほぼ全ての戦闘を機銃に頼るしかない。スピードが遅いため、背後を取ってもすぐに距離を取られてしまうので攻撃できるチャンスは少なく、耐久力が低いこともあり、乗り手を選ぶ機体だ。使うならパーツでのチューニングは怠らないようにしたい。価格は15,500と性能に見合った安価となっている。この機体で全ミッションをクリアできたら、かなりの腕前を持っている証明となるだろう。機体タイプは「ファイター」。


■ パーツ紹介

 機体の性能に変化を与え、物によっては特別な効果が得られるパーツの一部を紹介したい

エンジン
Light Engineスピード、機動性、安定性が上がり、耐久力が下がる
RAMJet Engineスピードが大幅に上がり、機動性と安定性が下がる
ウィング
Extra Elron機動性が上がり、安定性と耐久力が下がる
Adv B. Wing Body機動性、安定性、耐久力が上がる
装甲
Ceramic Armor耐久力が大幅に上がり、スピード、機動性、安定性が下がる
RAM Coat耐久力が下がるが、ステルス効果が上がる
コックピット
Tracer対空性能が上がり、飛行物体の移動軌跡を表示
AMFDガンレティクルが表示されると自動的に機銃を発射

 何を付けるか悩ましいパーツだが、マイナス効果のあるものを嫌うなら、装備しないのも手。プラス効果だけのものは装備するだけ得なので迷わず装備したい。

左がノーマルの「F-22 Raptor」。中がパーツを装備したもの。比べてみるとスピードなどに大きな違いがあるのがわかるだろう。目的に応じてチューニングしていこうTracerを装備すると移動軌跡が表示され、進行方向が確認しやすい

■ 最後に

 「エースコンバット」ならではの手に汗握る空戦やドラマ性の高さに加え、PSPというハードの特性を活かしたマルチプレイを搭載し、新規プレーヤーでも遊びやすく調整されている本作。ミッションの難易度別トライや機体や兵装集めなど、シングルプレイのボリュームも十分で、マルチプレイをしない人にもオススメできる秀逸なタイトルだ。本文では紹介していないが機体のカラー変更、エンブレム設定、結果に応じて獲得できる勲章なども存在する。

 現在、筆者は695,000という高コスト機体を購入すべく、シングル・マルチ両方を楽しみながら報酬金を稼いでいる。所持機体を売却すればすぐにでも購入できるのだが、どれも愛着ある機体ばかりで売却に踏み切れないでいる。機体、兵装、パーツのトータル獲得状況は半分も満たしておらず、全難易度のミッションといった進捗で、「VSモード」も未プレイと、本作はまだまだ楽しませてくれそうだ。

 「エースコンバット」シリーズのファンには言うまでもないが、シリーズをプレイしたことのない方々に「エースコンバット」ならではの面白さを体感してもらいたい。



(C)2010 NBGI (C)GeoEye (C)JAPAN SPACE IMAGING CORPORATION
All trademarks and copyrights associated with the manufacturers, aircraft, models, trade names, brands and visual images depicted in this game are the property of their respective owners, and used with such permissions.

(2010年9月6日)

[Reported by 木原卓 ]