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「ラグナロクオンライン」新ワールド「Breidablik」体験レポート

「RO」が持つ楽しさを再認識。新旧プレーヤーが混じり合って生まれる面白さ

5月21日よりオープン

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントはMMORPG「ラグナロクオンライン」において、10周年を記念した特別なワールド「Breidablik(ブレイザブリク)」を5月21日よりオープンした。

 「Breidablik」は無料で楽しめるワールドで、通常のワールドと異なり10年前の「ラグナロクオンライン(以下、RO)」と同じような感触が得られるように、意図的にマップやコンテンツを限定してスタートしている。そしてこれから6カ月かけて10年の進化を再現していくという。また、スタートから14日間連続でニコニコ生放送で午後8時から10時まで生放送を行ない、様々な“生主”が各種イベントを行なっていくほか、GMによる「初心者ツアー」も開催されている。

 先日行なったインタビューでは、運営スタッフは「10年前のMMORPGの繋がりをもう1度プレーヤーに味わって欲しい」と語った。10年間筆者はMMORPGをプレイし、様々なタイトルを見てきた。あえて10年前の楽しさをとこだわり提供される「Breidablik」とはどんな世界なのか、筆者も実際にプレイしてみた。そして改めて見えてきた「RO」の魅力、運営スタッフと、プレーヤー達の熱意をお伝えしたい。

戦闘が、探索が、レベルアップが楽しい! 改めて感じる「RO」の魅力

多くの人が集まっているプロンテラフィールド
プロンテラの通りの露店も日々増えている
ワールドマップはショートカットキーで呼び出す。フィールドの繋がりなども含め、少し見にくい

 「Breidablik」はサービス開始以来連日盛況だ。「RO」は本来チャンネル制をとっていないが、「Breidablik」では特定のフィールドにユーザーが集まることがあらかじめ想定されるため、ニコ生放送時前後、スタート地点である「プロンテラフィールド08」は大人数に対応するためミラーフィールドを設け、プレーヤーを分散させなければいけないほどになっている。いつでも多くの人が座っているし、プロンテラでは露天も盛んだ。

 キャラクターを作成すると、まずはこの「プロンテラフィールド08」に降り立つ。ゲームの基本的な説明は、NPCをクリックすることで知ることができるが、プレーヤーに混ざってちょっと見つけにくい。

 実際にプレイすると、最初は現代のMMORPGのトレンドと違う部分に戸惑った。ショートカットのアイコンが少なく、ALT+キーで様々な機能を呼び出すというやり方なのだ。キーの使い方はすぐ覚えられるが、昔のゲームは確かにこうだったと懐かしさを感じた

 しばらくプレイしていると、最初に感じた違和感はすぐになくなり、戦闘にのめり込んでいる自分を発見した。「RO」はとにかく戦闘が楽しい。まず“打撃音”が良い。モンスターを剣で切るときの音や、棍棒で殴るときの音、魔法による攻撃音がとても気持ちがいいのだ。

 そしてレベルアップによるステータスの強化がダイレクトに戦闘に反映するところもいい。苦戦していたモンスターがいつしか楽に倒せるようになる。STRを上げればダメージが上がるし、AGIを上げれば振りが速くなる。DEXを上げればミスが少なくなる。レベルアップでアップできるステータスはほんの少しだが、その少しが積み重なり、どんどん強力なキャラクターに成長していくことを実感できるのである。

 モンスターも個性的だ。ポリンは弱いがドロップアイテムを盗む性質があり、ちょっと憎たらしい。プパは抵抗しないモンスターで、倒せれば経験値がおいしいが、倒すのに時間がかかりすぎると強力なクリーミーに変化してしまうのが怖い。ルナティックは最初の強敵だ。デザートウルフはちょうどいい強さなのに、画面内に仲間がいると複数で攻撃されるのが痛い。ペコペコは序盤ではとてもかなわないが、すでに狩りまくっている猛者もいて、そのプレーヤーの熱意に驚かされる。

 モンスターの配置は「このレベルならこれ」とガチガチに決まっているわけではなく、かなり幅がある印象だ。ちょっと足を伸ばして強くなれば、行動半径が広がる。アクティブなモンスターも少なく、ドキドキしながらプロンテラからかなり離れたところまで行ける。うまくいけば新しい町を見つけられたりする。この感覚はMMORPG初期のワクワク感を思い出させてくれた。

 ひるがえって昨今のMMORPGは、クエストのアイコンをクリックするだけでNPCの場所までたどり着けるし、ストーリーを進めているだけでレベルが上がる。その代わり、ちょっと道を外れただけで敵が一気に強くなったりする。また多くのプレーヤーはクエストを追っかけているだけで精一杯で、イベントでのパーティープレイが足かせになって、無理にレベルアップしたり、時には課金アイテムにたよってでもソロで突破したりする。

 「Breidablik」ではそういった“強制”がない。時には強敵に倒され町に戻ることもあり、死にながら行動半径を学び、強くなったらそれを拡げようと挑戦する。この手探りで進む感じが楽しい。ソロプレイでも色々な場所に行ける。もちろんこれは「RO」が10年の間で進化し調整を行なったバランスによるものだ。懐かしさだけでなく、プレイの快適さの部分も見逃せないところだ。

 戦闘が楽しい。アイテムを集めるのが楽しい。レベルアップが楽しい。知らない地域を探索するのが楽しい……。「Breidablik」はかつて僕がMMORPGで感じていた“根本の楽しさ”を再認識させてくれた。そしてまだ体験できてない部分が「濃密なパーティープレイ」である。

 「RO」のダンジョンは薄暗く、強力なモンスターがひしめいている。今の僕のキャラクターではかなわない強いモンスターがひしめいているが、近いうちに仲間を作り、挑んでみたい。MMORPGは仲間と苦難を乗り越えるのが楽しい。“狩り”が楽しさの中心である「Breidablik」ならば同じように力を合わせて進んでいきたいと思うプレーヤーが多いはずだ。ギルドに入るなど積極的にプレーヤーの輪に入って、もっともっと楽しんでいきたい。

 「Breidablik」は初心者はもちろん、MMORPG経験者にも楽しい世界になっている。12月までの限定であるが無料で遊べるところもいい。「RO」は独特の進化を遂げてきたMMORPGでトレンドとは違う部分も多いが、プレイすることで10年支持される根本の魅力と、練られてきたゲームバランスを実感できるだろう。この機会に、多くの人にプレイしてもらいたい。

【Breidablik】
ノービスとしてスタート。徐々に行動範囲を拡げ、探索していく感触が楽しい
ソードマンに転職。装備の金額の高さに驚いたり、偶然町を見つけたり手探りでの冒険は続く
Amazonで購入

(勝田哲也)