インタビュー

「ラグナロクオンライン」“βプロジェクト”の詳細が判明!

「RO」の10年を6カ月で体験できる新ワールド。そこで魅せる“MMOの楽しさの本質”とは?

募集期間:5月7日〜5月14日定期メンテナンス開始時

5月21日オープン

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントはMMORPG「ラグナロクオンライン」において、これまで“βプロジェクト”として名前のみ発表していたプロジェクトの詳細を公開した。βプロジェクトの中心となるのは新ワールド「Breidablik(ブレイザブリク)」のオープンとなる。

 「Breidablik」は基本プレイ無料で遊べる、5月21日から12月までの期間限定の新ワールドで、参加するには公式ページかメディアからの先行登録が必要となる。GAME Watchでもこちらで5月7日から募集を行なっているのが、まさに新ワールド「Breidablik(ブレイザブリク)」の募集となる。募集は5月14日まで行なっているので、まだ応募していない方は、募集要項を確認の上、下記バナーかこちらから奮ってご応募いただきたい。募集要項は、本記事の最後、もしくはこちらから確認できる。

 「Breidablik」は通常のワールドとは違い、“MMORPGの楽しさをもう一度確認する”というコンセプトの元、たくさんの施策が行なわれる。ガンホー運営スタッフによる「ラグナロクオンライン」、そしてMMORPGそのものの歴史を振り返り、プレーヤー達が“繋がっていく”世界を作り出すと言うことだ。

 弊誌では、発表に先がけてインタビューを行なった。ガンホーオンライン本部パブリッシング部第1企画課主任の中村聡伸氏と、第2企画課の田口彰氏から、βプロジェクトの詳細と運営の想いを聞くことができた。

新ワールド「Breidablik」先行登録キャンペーン募集ページはこちら
※応募データは、すべてガンホー・オンライン・エンターテイメントで管理されます。弊社では応募内容についてはお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

秘密に包まれていた“βプロジェクト”こと「Breidablik」ついに公開、10年を振り返る特設ワールド

ガンホーオンライン本部パブリッシング部第1企画課主任の中村聡伸氏
ガンホーオンライン本部パブリッシング部第2企画課の田口彰氏
初期マップは10年前のβテスト時の範囲となる
Breidablikのイメージイラスト
MMORPG初期のような、ユーザー同士の濃い交流を目指すという

 βプロジェクトは詳細を明かさないまま、5月7日から先行受付を開始している。なぜそこまで秘密にする必要があるのか質問してみたところ、中村氏は「確かに新タイトルではなく、『RO』ではあるのですが、“新しいもの”として見せていきたい。このために期待感を持ってもらう演出をしたいと考えました」と答えた。

 “βプロジェクト”という名称自体も「Breidablik」を中心に、様々な施策を“『RO』の楽しさ”をテーマに展開していく。サイトでの情報提供にとどまらず、インタビューという形でもアピールしていきたいという狙いがあるとのことだ。

 田口氏は新ワールドの概要を説明してくれた。「Breidablik」は北欧神話に出てくる宮殿であり、言葉の意味は「幅広き輝き」となる。伝説ではとても美しい場所であるという。新ワールドBreidablikは、「10年の『RO』を6カ月で体験できる」というテーマを持っている。Breidablikは10年での世界の変化を6カ月で再現しようという方向でコンテンツが準備される。

 通常、「RO」は月額課金制だが、Breidablikは無料でプレイ可能だ。課金アイテムは購入可能だが、ラインナップに関しては、通常ワールドと異なる予定。Breidablikはゲームアカウントがあればすぐにログインでき、キャラクターは新規のものとなる。マイグレーション(移住)や、アイテムを他ワールドから持ってくるといったことはできない。ゲームクライアントは通常と同じものを使うため、現行プレーヤーは新たにインストールする必要はない。ちなみにBreidablikは6カ月で閉鎖されるが、ここで育てたキャラクターは何らかの形で引き続き使えるようにする予定だ。

 アップデートは1カ月に1回のペースで行なう予定で、次々にマップの拡張や転職、スキルや要素が追加され10年の進化を追いかけていく。「RO」の古参プレーヤーは「そういえばあの時これが実装されたのか」といった記憶を呼び覚まされることだろう。どの要素が実装されるかは告知されるので、それまでにレベルアップして準備していくことになる。このため、経験値のバランスも通常ワールドとは異なる。また、「このマップとこのマップ、次に入れるのはどっち?」といった、「RO」の歴史とは違う流れが生まれる可能性も持たせている。

 Breidablikでは、オープン時は1次職のみで、次の月に2次職のBaseレベル75まで、といった形で順次コンテンツを増やしていく予定だ。最初に実装されるのは2002年βテスト開始時と同じように1次職実装のみで、主要なマップ数も70ほどになる。

 ただし、Breidablikのシステムそのものは最新のものになっている。モロクの街も、「魔王モロク」の復活により壊滅したものになっている。モンスターの配置も通常のワールドと変わらず、10年前の状態とは異なっている。これはクライアントを今と同一のものを使っているためで、現在のプレーヤーにも違和感のないものにしている。中村氏は「既存のワールドで遊ぶときに戸惑わないこともありますし、ゲーム性という点でも、現在の最新の状態がベストだと思っています」と語った。

 このように“完全再現”ではないものの、できるだけβテスト当時の様子を再現しようとしている。マップ数70前後というのは、現在の主要なマップ数350と比べるとだいぶ狭い。また、1次職までというところでキャラクターもそれほど強くない。そしてプレーヤーの行動範囲を大きく制限するものとして、「カプラサービス(マップ間移動サービス)」をわざとない状態でスタートさせるという。

 カプラサービスはゼニーを払うことで他のマップへ移動できるサービスで、現在の「RO」には欠かせないサービスだ。しかしこのサービスはβテスト時にはなかった。唯一アコライトのスキル「ワープポータル」で離れた場所へ移動できる。このため、アコライトが“運び屋”をやっていた時代があったというのだ。そして「ワープポータル」を使うためにはゲフェンの街にしか売っていない触媒「ブルージェムストーン」が必要なのだ。当然この「ブルージェムストーン」で儲けようというプレーヤーも当時はいた。Breidablikはこうした「RO」初期のプレーヤーの繋がりも再現しようとしているのだ。

 また、10年前のMMORPG初期は、知らない人に声をかけて色々教えてあげるプレーヤーが多かった。中村氏自身も、そういうプレーヤーに出会った印象が忘れられないという。しかし今そういうゲームは少ない。Breidablikでは最初、GMがこの役割を担うようにするという。積極的に人に声をかけ「ツアー」という形でプレーヤーを教え導くGMのガイドを用意する。

 GMは複数いて、ゲームを始めたばかりのプレーヤーに声をかけ、その後街の近くの他のGMがいるところに転送させ、現地のGMにツアーのガイドをさせる。この体制を作るため、多くのGMを投入する予定だという。そして最終的には自分からその役割をやってくれる「コンパニオン」をプレーヤーの中から任命し、プレーヤーだけでも楽しんでいけるような形にしていきたいという。コンパニオンは特別な装備を用意して、初心者が頼れる存在にしていく。

 手動のGMイベント、プレーヤーを任命する形のコンパニオンというのは、昔懐かしいMMORPGのシステムだ。中村氏は「『RO』を最初にプレイしたときの感動、楽しさを今のプレーヤーにも体験してもらいたい。もちろん過去体験した人にも、もう1度味わってもらいたい。ここが“βプロジェクト”のキモの1つなんです」と語った。MMORPGの楽しさ、出会い、繋がりを運営側が“お手本”を示してみようというのだという。

 運営チームがやろうとしている「昔のMMORPGの楽しさを現代に」という考え方は魅力的だ。しかし昨今、ソーシャルゲームやスマートフォンのゲームの流行などから見られるように、オンラインゲームのトレンドは、よりプレイ時間を短くする方向に行っていると感じる。オンラインゲームでもソロプレイを求める声が大きい中で、この方向性を打ち出したのはどうしてなのだろうか?

 「僕たちがMMORPGに時間を費やせた時代って、余暇時間を使えるコンテンツが少なかったからだと思うんです。今は余暇に遊べるゲームがたくさんある。昔の僕たちのMMORPGに夢中になっていた時間、1日10時間とか、そこまでを消費してもらおうとは思っていません。そのためにレベルアップをしやすく、レベルキャップに到達しやすくする。ゲームのハードルそのものを下げているんです。レベル上げにかかる時間を減らして、コミュニティに時間を割いてもらいたいと考えています」と中村氏は答えた。

 現在のゲームユーザーが求める手軽さ、プレイしやすさを経験値テーブルの見直しや、コンテンツの追加速度で満たしていく。現在の設計だと、1週間で5時間ほどプレイするとレベルキャップに到達する速度を予定している。ゲーム内ですぐ強くなれ、その後は後進のプレーヤーに力を貸せるようなバランスを目指しているという。プレイ感覚を“現在の価値観”に合わせるようにする。「RO」では15レベル離れると一緒にプレイしても経験値が入らなくなってしまう。レベルキャップに関しては、コアプレーヤーとそうでないプレーヤーの差が開きすぎない設計にもしていくという。

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(勝田哲也)