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スクウェア・エニックス「オーバーウォッチ」先行体験プレイレポート

ヒーローたちが特殊な能力を使って戦いをくり広げる、斬新なFPSだ

5月24日発売予定

価格:7800円(税別)

 スクウェア・エニックスは、5月24日に発売するFPS「オーバーウォッチ」PS4版のメディア向け体験会を、4月23日に開催した。今回の体験会は、4月24日に行なわれたユーザー向けの「オーバーウォッチ最速体験会」に先駈けて行なわれたもので、製品版に近い状態の体験バージョンを使って、6対6の対戦をプレイできた。そのプレイレポートを、動画とともにお伝えしたい。

 なお、本作は5月3から9日までオープンβテストの開催も予定している。こちらも期待したい。

戦うのは個性あふれる力を持った21人の「ヒーロー」たち

 アメコミやカートゥーンアニメに登場するような「ヒーロー」と呼ばれるキャラクターたちが、バラエティ豊かな武器やアビリティを使って戦いをくり広げる本作。今回プレイできたバージョンは、全て日本語ローカライズが施されていて、製品版と同様のキャストによる吹き替えボイスも入っていて、戦闘時にはそのボイスも楽しむことができた。

個性的な21人のヒーローが登場する
ヒーローはゲームスタート後の待機中や、リスポーン直後に変更して最出撃が可能だ
ここぞという時に発動させると非常に有効なアルティメット・アビリティ。その効果はしっかり覚えておきたい

 選択できる21人のヒーローには、それぞれが持っている攻撃方法やアビリティによって「オフェンス」、「ディフェンス」、「タンク」、「サポート」の4つのロールが設定されている。プレイ開始前の前の選択画面は、ヒーローのアイコンがロールごとに並んでいて、さらにプレーヤーが選んだ組み合わせによるチームバランスが画面右側に表示される仕様だ。この仕様からロールはゲームにおいてかなり重要なものであるとも取れるが、もちろんどんな組み合わせでもプレイは可能で、さらにゲーム中も使用するヒーローは変更可能なので、表示されるバランスについては参考程度と考えるのがいいかもしれない。

 ゲーム中のヒーローはR2ボタンでのメイン攻撃、L2ボタンでのサブ攻撃、R1とL1でそれぞれアビリティの使用が可能だ。また戦闘中に溜まるゲージによって、△ボタンで必殺の「アルティメット・アビリティ」の発動も可能だ。

 これら固有の能力の種類はキャラクターによってまったく異なり使える数も違っている。能力が多いほうが多彩な対応ができるぶん、それらを使い分けるための状況判断能力が必要となる、難易度の高いキャラクターといえるだろう。なおヒーローの難易度は、能力に関する情報画面で確認可能だ。

【「オーバーウォッチ」、多彩なキャラクターで戦え!】

【多彩なキャラクター】
シールドを張ったり、砲台を設置したり、様々なスキルがある

FPSというよりも、対戦格闘ゲームの感覚でバトルを楽しみたい

 ヒーローたちが主人公のFPSということで、いわゆるミリタリーものFPSなどとはプレイ感覚がまったく異なっているのが大きな特徴だ。何しろバトルフィールド上に現われるキャラクターたちが、空を飛んだり壁を走ったり、変形したりテレポートしたり、あげくは自爆までしたりして、さらに効果はキャラクターによって異なるわけで、その感覚は対戦格闘ゲームに近いものがあった。

 前述のとおり、攻撃やアビリティはボタンにアサインされているので、操作自体は基本的に共通のものなので、対戦格闘のような複雑な入力を求められることはないのでご安心を。

【戦い方も異なる】
テレポートしたり、高く飛び上がったり、戦い方は様々

・トレーサー(オフェンス)

瞬時に移動できるトレーサー

 本作の主人公的存在の女性キャラクター。彼女の最大の特徴は、「ブリンク」と「リコール」の特殊な動きをするアビリティだ。前者は連続で3回まで指定した方向への瞬間移動するアビリティで、これを発動することで敵との距離を一気に詰めたり、逆に遠くへ離脱したりすることを得意としている。

 一方後者は、ボタンを押したタイミングから自分の時間を戻し、戻した時間のぶんだけ体力や残弾を戻すことができるというもの。このときはそこまで移動してきたルートも戻るので、移動手段として使うこともできるだろう。

 敵の懐へ素早く潜り込める機動力の高さは魅力で、アルティメット・アビリティの強力な粘着爆弾「パルス・ボム」を絡められれば、相手にとって驚異となるだろう。

・バスティオン(ディフェンス)

砲台に変形できるバスティオン

 方向キーの→でモードを切り替えて戦うロボット。モードには「偵察モード」と「セントリー・モード」があり、移動しながらサブマシンガンを使って戦う前者に対し、後者は自身が固定砲台となって強力なガトリングを撃ちまくれるモードだ。

 自身のライフを回復する「自己修復」もあるので、設定されたロールの通り、特に防衛時には大きな力を発揮できるヒーローだ。

 自身を戦車に変形させて、強力な砲撃を行なえるようになるアルティメット・アビリティの「タンク・モード」を使ったときは、一転して攻撃的なヒーローへと転身するので、攻めてきた敵を一掃できるかもしれない。

・D.VA(タンク)

「メック」という巨大なパワードスーツに乗ったD.VA

 「メック」という巨大なパワードスーツに乗った女性キャラクター。彼女が乗るメックには両腕にガトリング砲が装備されていて、これは弾数制限なく撃つことができる。ただし撃っている間は自身の動きが遅くなってしまうので、近くに敵がいる時は注意が必要となる。

 メックに乗っている間の彼女のライフはメックに依存されていて、攻撃を受けつづけるとメックは爆発してしまう。メックから降りた状態の彼女は、攻撃手段が「オートマチックブラスター」のみの非力なキャラクターとなってしまうが、アルティメット・アビリティの「メック召喚」を使うことで、再びメックに乗ることが可能だ。

 またメックに乗っているときにアルティメット・アビリティの「自爆」を使うと、メックを自爆させて周囲の敵に大ダメージを与えることができる。メックの使い方次第でかなり面白い戦いができそうなヒーローだった。

・ルシオ(サポート)

音楽で仲間を癒やすルシオ

 ドレッドヘアのファンキーな男性キャラクターで、彼の周囲には常に音楽が流れている。この音楽は近くの味方に特別な効果をもたらすものとなっている。効果の範囲内にいる味方は全員に、「ヒーリング・ブースト(回復)」か「スピード・ブースト(移動速度上昇)」のどちらかのの恩恵を受けられるのだ。

 ルシオ自身はアビリティの「クロスフェード」で回復と移動速度上昇の効果を臨機応変に切り替え、「アンプ・イット・アップ」でその範囲を広げることも可能だ。味方のそばにいるだけでチームに貢献できるので、ある意味初心者にも使いやすいヒーローと言えそうだ。

 アルティメット・アビリティの「サウンド・バリア」は、周囲の味方に音波シールドを張る能力で、こちらも含めてサポートとしての役割の比率が高いヒーローである。

 個人的にはサポートのキャラクターはどれも触っていて楽しかったのだが、同じロールの中でもかなり傾向が違うものも存在しているので、誰が自分のプレイスタイルに合っているかは、ある程度遊び込んで決めていくのがいいかもしれない。

敵を倒すことが絶対ではないルールにより、幅広いプレーヤーが参加しやすい内容に

 今回出展されたバージョンでは、マップ上の特定のポイントを巡る攻防と、移動する「ペイロード」の動きを制御する攻防、そしてそれらが混成したルールでゲームをプレイすることができた。

プレーヤーの貢献度は、キル意外のところでも評価される。ロールに徹するほど、この評価が上がるのだ
ハリウッドのステージでは勝利画面が映画風に

 敵をキルしてポイントを稼ぐデスマッチ的なルールは存在しないとのことで、さらにキル数意外の部分でもチームへの貢献度は評価されているので、オフェンス以外のヒーローは無理に攻撃をする必要がなく、自身のロールに徹するほうが貢献できるし、ゲーム自体も楽しめるようになっているのが、本作の最大のポイントとなっている。

 もちろんFPSに慣れている人は本作でも活躍できるのは間違いないが、初心者にも扱いやすいヒーローも数多く用意されていて、その見た目のタイプも豊富なので、より幅広いプレーヤーに楽しめる内容といえるのではないだろうか。

 5月3から9日に行なわれるオープンβテストでは、PS Plus未加入者も参加することが可能なので、これまであまりFPSをプレイしたことがない人もぜひ参加して、ヒーローたちが入り乱れる斬新な戦いを味わってみてほしい。

【多彩なステージとルール】
バトルステージは非常に凝ったつくりで、どこから敵がやってくるかわからない緊張感がある
防衛やものを運ぶなどのルールがある。単純な撃ち合いだけではないゲーム性が楽しい

(稲元徹也)