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【特別企画】「CRAZY CASE BACK TO THE FUTURE II DELOREAN TIME MACHINE」インプレッション
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」30周年記念アイテム登場
(2015/2/13 11:00)
バンダイは、通販サイト「プレミアムバンダイ」にて、1989年に公開された劇場用映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」に登場するタイムマシン「デロリアン」をモチーフにしたiPhone6向けケース「CRAZY CASE BACK TO THE FUTURE II DELOREAN TIME MACHINE」を、6月に発売する。プレミアムバンダイでの受注は2月13日11時からとなる。
大人向けに遊び心のある「持ち歩けるミニカー(フィギュア)」としてシリーズ化されている「CRAZY CASE」シリーズの最新アイテムで、iPhoneケースとしてはこれまで、「バットマン」より2タイプの「バットモービル」がラインナップされ、この「CRAZY CASE BACK TO THE FUTURE II DELOREAN TIME MACHINE」はシリーズ第3弾となる。
この発表されたばかりの製品のサンプルを、今回触ることができた。先日掲載した「CRAZY CASE TOUCH MILLENNIUM FALCON」に続き、開発担当のバンダイボーイズトイ事業部 矢野航亮氏と、矢野氏とともに開発に携わったパトリック・ジョンズ氏に話を聞きつつ、そのインプレッションをお届けしよう。なお商品開発中のサンプルであるため、一部が製品とは異なる場合がある。
2015年到来に合わせ、「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」のデロリアンを選択
2015年という年は、1985年に全米公開された、ロバート・ゼメキス監督のSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(以下、「BTTF」)の公開30周年を迎える記念すべき年である。そして、2015年は映画の第2作である「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」の劇中にて、主人公のマーティ・マクフライが“ドク”ことエメット・ブラウンとともに、デロリアンに乗ってタイムスリップする未来でもある。
2015年という年は、「BTTF」にとって重要な年なのだ。「CRAZY CASE BACK TO THE FUTURE II DELOREAN TIME MACHINE」はこの2105年に発売すべく商品開発が進められており、現在、最終調整に入っている。劇中での「デロリアン」は、1981年にデロリアン・モーター・カンパニーより発売された「DMC-12」という実車をもとに、ドクが独自の改造をほどこした、過去と未来を行き来できるタイムマシンだ。
3部作となった「BTTF」では、作品ごとに違う改造がほどこされた3種のデロリアンが登場した。今回発売される「CRAZY CASE BACK TO THE FUTURE II DELOREAN TIME MACHINE」は「PART2」に登場するバージョンとなる。製品は最も印象深いホバー飛行時に水平になったタイヤを再現している。もちろんこれのモチーフは、今年2015年に合わせたチョイスであり、劇中では2015年にこのデロリアンが現われるのである。矢野氏は「卓上に置いた状態から、手に持って飛び立たせる」という、映画序盤のシーンを再現するためにこの形に決めたという。
「CRAZY CASE BACK TO THE FUTURE II DELOREAN TIME MACHINE」はiPhoneのケースとするために、適度なデフォルメがなされつつも、デロリアン独自の角張ったフォルムや、車体後部の特徴的なシルエットは健在で、誰が見てもデロリアンだとわかる、“ミニカー”として完成している。
矢野氏達開発チームは、デザインするにあたりデロリアンの資料を集めたが、公式資料は、限られたものしか存在しなかったという。そこで、資料を見てもわからない部分は、映画本編のデロリアン登場シーンやユニバーサル・スタジオに展示された実車などを確認しながら、デザイナーに何度もリテイクを出しつつ、現在の形を完成させたとのことだ。もちろん「BTTF」配給元のユニバーサルの公式な監修も受けている。
「CRAZY CASE BACK TO THE FUTURE II DELOREAN TIME MACHINE」で特に筆者がうれしかったのは、「PART2」デロリアンで最もキャッチーな存在といえる、車体後部に取り付けられた“家庭用原子炉”の「Mr.FUSION」がきちんと確認できることだ。Mr.FUSIONは、スマートフォンとして使うときに邪魔にならない適度な大きさで表現され、さらにこの小さなスペースにちゃんと「Mr.FUSION」のロゴや名称もタンポ印刷でプリントされている。これを見るだけで思わず笑みがこぼれてしまう。
バンダイらしい、玩具メーカーならではのこだわりのギミックを搭載
もちろん、「CRAZY CASE BACK TO THE FUTURE II DELOREAN TIME MACHINE」には、これまでの「CRAZY CASE」シリーズ同様、眺めて楽しいギミックも搭載されている。1つはiPhoneのLEDライトの点灯と連動したヘッドライト、もう1つは内蔵電池によるバンパー及び車体後部配線のライトアップだ。
ケースでは、これらを点灯させるために、本体内部にバンダイらしい玩具的な設計をほどこしている。特にヘッドライトは、iPhone 6のLEDライトの光をボンネット内部のクリアパーツを通し、光を屈折させて点灯させている。iPhone 6のLEDライトは設定で着信時に点滅させることができるほか、アプリでもON/OFFができるようになる。これらの機能を活用することでデロリアンのライトを点灯できる。
このライト点灯ギミックにはかなり苦労があったようだ。iPhone 6のLEDライトと本体のヘッドライトとの距離はとても近く光の誘導が難しい上に、さらにカメラ使用時にはボンネットの一部を開閉させるので、屈折用のクリアパーツはどうしてもカメラのレンズ前に置かざるを得ない。
そこでこのクリアパーツを、カメラの開閉ギミックと連動して可動するように設計し、カメラ使用時にはクリアパーツもレンズの前からいなくなるようにした。ライト点灯ギミックを実現させるため、非常に凝った作りになっているのである。
本体を光を反射する無垢の素材で作って、レンズの部分に穴を開けておくだけでもiPhoneケースとしてなら成立するし、ヘッドライトのギミックだって専用のLEDを仕込めばもっと簡単に成立するかもしれない。しかし、そこにあえて複雑なギミックを組み込むという挑戦的な仕様は、筆者にはバンダイのおもちゃメーカーとしての大きなこだわりが感じられた。「触った人をあっと驚かせたい」という矢野氏の言葉にもそれが現われているようにも思えた。
iPhone 5と比べ、iPhone 6が大きくなっているので、「CRAZY CASE BACK TO THE FUTURE II DELOREAN TIME MACHINE」はこれまでの製品より大きめだが、標準的なパンツ(ズボン)の後ろポケットならギリギリ入るサイズだ。もちろん電話として使うぶんには、写真のように問題なく使用できるだろう。
「PART2」バージョンのデロリアンの電飾ギミック内蔵ミニカーとしても満足度の高いものとなっているので、あとは手に取って“ブンドド(手に持って空を飛んでいるシーンを空想して模型を振り回す)”するときに、デロリアンがタイムスリップするときの効果音や、「BTTF」のサウンドトラックあたりをiPhone 6で再生すれば、気分はもう2015年のヒル・バレー上空だ。またiTunes Storeなどで配信されている映画本編や、「Back to the Future: The Game」などを、このケースに入れて楽しむのもいいかもしれない。
「BTTF」メモリアルイヤーとなる今年、デロリアンとなったiPhone6を片手に、1985年からマーティがやってくる「10月21日の水曜日」を迎えてはいかがだろうか。