【特別企画】「ガンダムクロニクルバトライン」アップデート解説

魅力を増した6月の大型アップデート攻略(後編)
「ガンダムクロニクルバトライン」

  • ジャンル:インターネットカードゲーム
  • 開発元・配信元:株式会社バンダイ
  • 価格:スターターキット 2,625円
    構築済みスターターパック
    エースパイロットEdition 地球連邦軍/ジオン公国軍 各945円
    第1弾、第2弾「―戦場は宇宙へ―」、第3弾「―激動の戦線―」各1パック315円
  • プラットフォーム:Windows
  • 配信日:2008年12月18日(運営中)

 「ガンダムクロニクルバトライン」(以下、バトライン)は、去年12月に稼動を開始したインターネットカードゲームだ。前回の記事では6月に行なわれたシステムのアップデートについて紹介したが、今回の記事では6月に発売された新カードセットと、アップデートで変わった部分へのプレーヤー側での対応について、具体的な方針やカードの紹介を交えた紹介を行なっていく。

 6月と7月を境に、戦場は大きく変化した。デッキの組み方をそれに合わせて変えていくことが、これからのバトラインでは重要になるだろう。まずは、6月に発売された新しいカードを紹介していくことにしよう。



■ 構築済みスターターパック エースパイロットEdition 地球連邦軍/ジオン公国軍

「エースパイロットEdition 地球連邦軍」。地球連邦軍のモビルスーツは汎用性が高く、地球でも宇宙でも戦えるものがそろっている「エースパイロットEdition ジオン公国軍」ジオン公国軍のモビルスーツは宇宙中心になっているが、強力なラインアップだ

 「構築済みスターターパック エースパイロットEdition」(以下、エースパイロットEdition)は、これからバトラインを始めようという人にとって最適なスターターパックだ。このパッケージを1つ手に入れるだけで宇宙用デッキが完成する。

  • エースパイロット Edition カード

     「エースパイロットEdition」のカードには、「モビルスーツ・バリエーション」(以下、MSV)からモビルスーツやキャラクターが収録されている。フルアーマー・ガンダムやジョニー・ライデン少佐など、根強い人気を誇るMSVのモビルスーツやキャラクターを使うことができる。

    これらのカードで出来上がるのはダメージを受けにくく、敵に対しては高ダメージをたたき出すユニットだ。反面「移動」は低いので、母艦攻撃よりは迎撃に向いている

     恐らく「エースパイロットEdition」のカードで1番人気であろう「フルアーマー・ガンダム(ME-004/S)」に、「ルナ・チタニウム製シールド(CU-007/S)」をセットすると、生半可な攻撃では撃破できないユニットが完成する。パイロットを乗せることでクリティカルヒットの確率も大幅に上昇し、押し寄せる敵を次々と撃破してくれることが期待できる。このユニットを1機出撃させれば、しばらく出撃させたラインに援軍は必要ないだろう。

    「ジョニー・ライデン(PZ-004/S)」は「真紅の稲妻」の二つ名の通り、電光石火の攻撃を得意とする

     ジオンのエースパイロット、「ジョニー・ライデン(PZ-004/S)」は、出撃したラインから敵ユニット1体を強制的に移動させる「威名」という特殊能力を持っている。これに、「移動」と「反応」を上昇させる「突撃指令(CU-012/S)」を組み合わせたうえで、敵ユニットが1機しかいないラインに出撃させれば、このユニットは素晴らしい速さで敵母艦にたどりつき、大ダメージを与えてくれる。

  • 特別部隊編成カード

    特別部隊編成カードは軍の命令書を模している。部隊長であるプレーヤーに、メカニクスを送ってくれたのだ

     「エースパイロットEdition」1パックでデッキが完成する、その訳が、この「特別部隊編成カード」だ。このカードをゲームに登録すると、17枚のメカニクスが、デジタルカードとして手に入る。「エースパイロットEdition」には、他にも3ユニットを構成するための9枚のカードが入っている。「特別部隊編成カード」で手に入れた17枚のメカニクスでそれぞれユニットを作れば、最大20ユニットのデッキがすぐに完成するというわけだ。

     「特別部隊編成カード」で手に入るメカニクスは、地球連邦軍であればジム系、ジオン公国軍であればザクやゲルググなど、デッキを編成するときに扱いやすいモビルスーツが中心となっている。バトラインをこれから初めて遊ぶ人は、最初に「エースパイロットEdition」を入手し、そこにカードを足す形でデッキを強化していこう。


    ■ 第3弾「―激動の戦線―」

    全国のカードショップ等で発売中。いますぐ手に入れて、部隊を強化しようネットカードダスダイレクトでの販売は7月21日からを予定している

     バトライン第3弾「―激動の戦線―」のテーマは局地戦。水域、砂漠、森林など、地球に存在する様々な地形で有利に戦いを進めるために開発された局地戦用モビルスーツが多く収録されている。また、『機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争』からのモビルスーツやキャラクターも本格的に参入した。

  • 水陸両用モビルスーツ

    「水中型ガンダム(ME-054/III)」の機体タイプは水陸両用系。実はガンダム系ではないブースターボックスの内側には、「ゴッグ(MZ-055/III)」にちなんだあの名台詞が印刷されている

     局地戦用モビルスーツの中でも、特に数多いのが水陸両用モビルスーツだ。6月最終週、公式戦の地上ステージは、すべてのラインが水域だったため、すでにお世話になったプレーヤーも多いことだろう。これまで水の外で無敵を誇っていたユニットが、低コストの水陸両用ユニットに撃破されて愕然とした人もいたのではないだろうか。

     画像の「水中型ガンダム(ME-054/III)」や「ゴッグ(MZ-055/III)」以外にも、「アクア・ジム(ME-056/III)」や「アッガイ(MZ-057/III)」など、水陸両用モビルスーツは両軍に数種類用意されている。

  • 寒冷地用モビルスーツ

    「ジム寒冷地仕様(ME-050/III)」は、雪原で「反応」が上昇する。シールドを持っているのも嬉しい「ザクII寒冷地仕様(MZ-061/III)」は、雪原で「攻撃」が上昇する。ジムよりも多少装甲が厚く、武器の能力も高い

     7月第1週、公式戦の地上ステージは、中央のラインが雪原になっていた。そういった場面で役に立つのが、これら寒冷地仕様のモビルスーツだ。高コストのモビルスーツには寒冷地仕様のものがいないため、これらのメカニクスを活用するときには必然的にユニット数が必要になるだろう。他の対応としては、飛行するユニットを使ったり、中央のラインで攻勢に出ないということも考えられる。

  • ニュータイプ用モビルスーツ

    地球連邦軍が開発したニュータイプ専用モビルスーツ。すべての能力が高いレベルでまとまっている増加装甲を着込んだアレックス。装甲が厚くなった代わりに反応性は低下している
    ニュータイプ専用モビルアーマー。ジオング同様のオールレンジ攻撃が可能だこのカスタムカードで、あらゆるパイロットをニュータイプにすることができる

     ニュータイプ用モビルスーツも新しく増えているほか、「人類の革新」というオールドタイプのパイロットにニュータイプ能力を付加するカスタムカードも増えた。

     「アレックス(ME-046/III)」はニュータイプ専用ガンダムということで、ニュータイプ能力があるパイロットが搭乗すると能力がアップする。しかし、「アレックス(ME-046/III)」のパイロットとして名前が挙がっている「クリスチーナ・マッケンジー(PE-021/III)」はニュータイプ能力を持っていない。原作どおりの組み合わせにこだわってもいいが、ここは、本来パイロットになるはずだった「アムロ・レイ(PE-001/Sなど)」を乗せるかどうか検討してもいいだろう。

  • 新褒章カード・新勲章カード

     「バトラインポイント」や「ネットカードダスポイント」を貯めるともらえる「褒章カード」、「勲章カード」に、新カードが加わった。「高機動型ザクR2タイプ(ジョニー・ライデン機)(MS-06R-2)」、「ブラウ・プロ(MAN-03)」の2枚だ。これはブースターパックにも入っていない、ポイントでしか手に入れることのできない特別なカード。これらも手に入れたデジタルカードはネットカードダスダイレクトにてリアルカード化することが可能で、配送に必要な情報を登録し申し込むと入手できる。

    特殊能力として「高速移動(強)」をもつジョニー・ライデン機ブースター収録時より反応の高くなったブラウ・ブロ

  • ミッションモード追加カード

    シャア専用機コレクターなら見逃せない1枚

     クリアするとデジタルカードがもらえる「ミッションモード」に、新たなミッションも追加された。一年戦争終盤のソロモン戦から、ア・バオア・クー戦までを再現したデッキとの対戦だ。これに伴い、ミッションで入手できるデジタルカードに「ザクIIS型(シャア・アズナブル機)(MZ-003/M)」も追加された。



    ■ コスト制限にどう対応するか

     バトラインの公式戦は、7月からデッキの総コストが120までとなっている。6月までは総コストの上限は200だったので、先月に比べて使えるコストが6割になったということだ。6月までのルールに従い、総コスト200を上限として組んだデッキのほとんどは、現在の公式戦では使えなくなっているはず。そこで、120コスト以内でデッキを作る際の指針を考えていこう。カード1枚あたり平均で何コストを使うかが鍵となる。

    編成画面で総コストをチェック。右上のユニット数はクリックすることで変えられるデッキ構築のセオリーが大きく変化しようとしている時期は、新しくゲームを始めるチャンスと言える


     これまで、デッキの総コストを大まかに決めていたのは「ピンポイントアタック(CU-026/I)」というカスタムカードだ。このカスタムを装備したユニットが出撃すると、全ラインにいるユニットのうち、コストが最大のものが破壊される。これによって、高コスト・高機能のユニットにある程度の歯止めがかかっていたわけだ。

     「ピンポイントアタック(CU-026/I)」はコストが7のカードだ。メカニクスの最低コストは1で、パイロットは2。つまり、ピンポイントアタックを装備したユニットは、最低でもコストが10になるため、9以下のコストで編成されたユニットなら「ピンポイントアタック(CU-026/I)」で破壊されることはない。1デッキは20ユニットで構成されるため、全てのユニットを9コストにすれば、総コスト180のデッキが組みあがる。「ピンポイントアタック(CU-026/I)」を受けるリスクを許容し、いくつかのユニットを高コストにしていくことで、総コスト200弱のデッキが組みあがっていた。

     今は状況こそ違うが、平均コストの考え方を7月以降のデッキの組み立てに流用することはできる。いくつか例を挙げていこう。

  • 平均コスト6の場合

    ザク系の機体は大半がコスト2。パイロットを乗せても、まだカスタムする余裕がある量産機は数をそろえて出すことで各種パラメータが上昇するものもある。特殊能力をチェックしてみよう


     デッキの枚数を初期設定から変えず20枚で作る場合、ユニットの平均コストは6になる。この編成で有用なモビルスーツは、地球連邦軍ならジム、ジオン公国軍ならザク。パイロットもコスト2~3の、それほど能力の高くないものが中心になる。今月は局地戦がフィーチャーされているため、航空機にも使い手があるはずだ。ガンダムやゲルググなど高コストのモビルスーツは、使うとしても1から2ユニット程度になるだろう。

  • 平均コスト9の場合

    ジムスナイパー系の機体は強力なモビルスーツだが、ジムよりコストが高い。ある程度射撃能力の高いパイロットを乗せたいところだデッキの枚数を絞ることで、徐々に強力なモビルスーツを使えるようになっていく


     これまでと同じように、ユニットの平均コストを9としてデッキを組む場合、デッキの枚数は13枚になる。7枚ほどデッキの枚数が減るため、長期戦には弱くなるが、通常の公式戦でデッキを全て使い切ることはあまりない。平均コスト9で作る13枚デッキの最大の利点は、6月以前と変わらない感覚でデッキを組むことができることだ。これまでに培った強いコンボをそのまま新しい環境に投入することができる。ランキングは成績の良かった10戦の得点合計で争われるため、長期戦になった場合は仕方が無いと割り切ってしまってもいいだろう。

  • 平均コスト12の場合

     デッキの枚数調整ができるようになってから台頭してきた組み方が、10ユニットデッキだ。ユニットを最小限の10体しか作らないことで、望まないカードがカタパルトに乗るシチュエーションを極限まで減らすことができる。また、作ったユニットは、ほぼ全てバトルで使うことになる。トレーディングカードゲームで言われるところの「デッキ事故」が最も少ないのが、このタイプのデッキだ。

    第三弾のガンダムとアムロの組み合わせはコスト13。総コスト120の環境では、全デッキの10%以上を占めることになるジオンにも、ガンダムに比肩するモビルスーツが増えてきた。ただしコストは高い


     総コスト制限が120という現状と、デッキのユニットを10体しか作らないという考え方を組み合わせると、1ユニットあたり平均12のコストを費やせる。これだけあれば、新鋭機もエースパイロットも使いたいだけ使える。だが、これはプレーヤーに最も判断力が求められるデッキでもある。ユニットを出撃させるラインの読みが何よりも重要だ。

     バトラインには次々と新しいカード、新しいルールが導入され、楽しみ方もプレーヤーとともに広がっている。ぜひこれをきっかけに、バトラインの熱い戦いに参加してみてほしい。

    (C)創通・サンライズ


  • (2009年 7月 17日)

    [Reported by 斉藤高吉/冒険企画局 ]