ケイブ、オペレーター向けに初期費用0円のレンタル方式を導入
第1弾は今月稼働の新作シューティング「デススマイルズII」
代表取締役の高野健一氏 |
株式会社ケイブは、アミューズメント事業に関するプライベートショー「新商品\0発表会」を都内・京王プラザホテルにて開催した。同社は、5月13日出荷予定のアーケード用新作シューティングゲーム「デススマイルズII 魔界のメリークリスマス」より、オペレーター向けにイニシャルコスト(初期投資費用)不要の新レンタルプラン「レベニューシェア方式」を導入する。
レベニューシェア方式は、契約に基づき収益の分配が行なわれる成功報酬型契約の1つ。従来のアーケード用ビデオゲームは、オペレーターが各メーカーからゲームソフト(基板)を購入し、それを店舗で運用することでユーザーから利益(インカム)を得るのが一般的だったが、ケイブはレンタルにて基板を「0円」で契約したオペレーターに提供。毎月のインカムに応じて、一定の比率で売り上げを分け合う。分率は、1プレイ100円以上のときはオペレーター60パーセント:ケイブ40パーセント、1プレイ100円未満のときは折半(50:50)。100円2プレイ設定は、後者分率が適用される。
売上の管理は、USBドングルにて行なわれる。ケイブは、月初の稼働にあわせて新USBドングルを各店舗に発送。新USBドングルは、ソフトのバージョンアップを兼ねる場合があるという。店舗は、前月の売上を翌月3日以内にFAXにて送信。また、交換した旧USBドングルをケイブに返送する。USBドングルにはデジタルインカムデータが記録されており、店舗側から送られてきた売り上げデータと差異が生じたときは翌月に差額の請求を行なう場合があるとしている。契約は6カ月単位で、以降は1カ月ごとの自動更新。更新を希望しないときは、前月末までに終了する旨をケイブ側に連絡する必要がある。
本方式は「デススマイルズII 魔界のメリークリスマス」だけでなく、ファミリー向けの体感ゲーム機「お祭りやさん『元祖! たこやき』、『きんぎょすくい』」にも導入される。詳細は明らかにされなかったが、今後リリースされる「お祭りやさん」シリーズ第3弾や体感型キラーコンテンツについても同様だという。ただし、メダルゲーム機については収益構造の違いから本方式には対応しないとしている。
代表取締役の高野健一氏は、発表会の冒頭で「私どもはゲームの受託開発から始まり、時代のトレンドにあわせて少しずつ成長してきた会社。そのなかで15年変わらず続けてきた事業は、アーケードゲームの開発と販売。会社設立当初は、プリクラやUFOキャッチャーで市場が活性化していた時代。それから15年、金融危機などで市場自体が停滞している。とはいえ、やはりアミューズメント施設で遊びたいというニーズはある。弱小企業ながら、何かこの業界に一石を投じることができればという思いで、今日の発表会を行なわせていただいた。このプランは、オペレーター様をはじめ、周りの協力があって初めて成立するもの。ぜひ私どもの志(こころざし)をご理解いただき、ぜひ業界にいい流れがくるよう、ともに進んでいけたら」とコメント。将来的には全基板をネットワーク化し、各マシンを「メディア」として店舗や地域に対し情報発信を行なっていきたいという。
念のため触れておくと、オペレーター向けの新作レンタルは同社が初というわけではなく、近年にもいくつか例がある。だが、初期投資0円、契約期間6カ月という提案は、ここ数年来高騰の一途を辿る各社の新作OP価格と比較するまでもなく“一石”以上のインパクトがある。すべての機器に適用できる方式ではないが、これが一般化すれば「とにかく買わせてしまえば勝ち」といった焼畑的な売り方は通用しにくくなるだろうし、エンドユーザーにとっても大きなメリットがある。これまで「高くて買えない、予算がない」と二の足を踏んでいた店舗でも、初期投資費用が0円なら気楽に導入できるからだ。ユーザーが新作に触れられる機会が増えれば、それだけシーンも盛り上がっていく。同社の施策が、業界全体の活性化につながっていくことを期待したい。
■ 出展タイトル
http://www.cave.co.jp/
(2009年 5月 1日)