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【PS Plusフリープレイレビュー】今月のイチオシは「STEINS;GATE 0」

「ブレイドストーム 百年戦争&ナイトメア」と「PS Plus Challenge!」を達成するためのコツも紹介

5月10日~6月6日(PS Plusへの加入が必要)

 当コーナーは「PlayStation Plus」の無料配信タイトルのうち、プレイステーション 4(以下、PS4)用のゲームに注目。そのなかでも、ぜひとも皆さんに知っていただきたいタイトルを取り上げて紹介していく。

 今月はADVとしては屈指の売り上げを記録した「STEINS;GATE」の正統続編「STEINS;GATE 0」と、数々の名作歴史SLGを生み出してきたコーエー(現コーエーテクモゲームス)が放つアクションゲーム「ブレイドストーム 百年戦争&ナイトメア」の2本。どちらも毎月行なわれている「PS Plus Challenge!」の対象タイトルだ。

 今回は、この2タイトルの作品概要と見どころ、そして実際にプレイしたうえでのレビューをお届けしよう。また、「PS Plus Challenge!」の課題をクリアするためのコツも併せて解説していく。ちなみに、「PS Plus Challenge!」の賞品は先月から引き続き「PS Storeチケット」1,000円分。具体的な応募方法は、「PS Plus Challenge!」の公式ページをご参照いただきたい。

「STEINS;GATE 0」の「PS Plus Challenge!」に挑戦

「PS Plus Challenge!」達成時間

1時間

※時間は筆者が実際に挑戦して応募条件達成までにかかった時間

いきなりショッキングなシーンからスタートする本作。シリーズ未体験でも十分おもしろいが、前作をプレイして物語の背景を知れば、より楽しめる
独特のタッチで描かれるキャラクター&背景も本作の魅力。生と死、過去と未来が交錯する重めのストーリーが、じつにイラストとマッチしている
ゲーム中は、任意のタイミングでスマートフォンをチェックできる。仲間からRINEのメッセージが届いたら、まずスマホをチェックする癖をつけたい
零化域のミッシングリンクをクリアすると、「PS Plus Challenge!」のトロフィーを獲得できる。同時にオープニングムービーが流れて物語も本格始動

 「STEINS;GATE 0」は、科学的な要素がふんだんに盛り込まれたAVGシリーズの1つ。シリーズの1作目となる「STEINS;GATE」はXbox 360用のソフトだったが、そのあまりにも秀逸なストーリーが話題を呼び、その他の据え置き機や携帯ゲーム機、PC、スマートフォンなど、幅広い機種へ移植された。また、アニメ化やコミカライズだけにとどまらず、さまざまなスピンオフ作品、俳優・女優を使った舞台、スロット機までをも生み出した、まさに異色のヒットタイトルである。

 本作は1作目から連なる正統な続編。前作のヒロインであった牧瀬紅莉栖がいない世界が舞台になっている。個人的にはもう少し詳しく解説したいところだが、未プレイのユーザーへのネタバレを避けるため、物語の紹介はここまでにしておく。逆に言えば、それだけストーリー性に優れた作品であり、ぜひプレイを通してその物語を知っていってほしい作品だ。

 システムは、テキストを読んでゲームを進めていくオーソドックスなタイプだが、従来のAVGと大きく異なるのは会話における選択肢が出現しないこと。一般的なシナリオ主体のAVGであれば、ときおり出現する選択肢のいずれを選んだかによって物語が分岐するのが一般的だが、本作はここに工夫が凝らされてる。

 会話選択の代わりに用意されているのが、前作の「フォーントリガー」を進化させた「RINEトリガー」システムだ。「RINE」は現実世界のLINEに相当するメッセンジャーアプリで、本作では、主人公の持っている携帯電話がフィーチャーフォン(ガラケー)からスマートフォンに変化。それにともない、仲間との連絡もLINEならぬRINEで取るようになっている。

 RINEが入ると、画面の左上にアイコンが表示される。メッセージを受け取ったらRINEアプリを開き、複数ある選択肢の中から返答を選択。これによって相手の反応が変わるのはもちろんのこと、誰に何と返信したか(あるいはしないか)によって物語が分岐する。また、マルチエンディングを採用しており、物語の結末もストーリーの進め方によって変わっていくのだ。

 もう1つ、筆者が興味深く思ったのが、ゲーム中に表示されるCG。画面を見てもらえばわかるとおり、いわゆる一般的な萌えイラストとは一線を画している。キャラクターも背景も、淡くてザラザラとした独特の質感を持っており(個人的にはどことなく冬目景氏を感じさせる)、本作の持つ重厚な世界観とピタリと合っているのだ。

 そんな本作の「PS Plus Challenge!」は、「零化域のミッシングリンク」をクリアしてトロフィー「零化域のミッシングリンク」を獲得すること。「零化域のミッシングリンク」とは言わば第1章あるいは序章にあたる部分で、ふつうにテキストを読み進めていけば、おおよそ1時間ほどでクリアできる。序盤はストーリー的な分岐も少ないため、とくに迷うこともなく獲得できるだろう。

 AVGとしては驚異的な売り上げを記録した「STEINS;GATE」の正統なる続編。今回フリープレイの対象になったということで、前作を知らずにプレイしても十二分に面白い……とは思う。しかし、せっかく優れたストーリーを持つシリーズ作なので、その原点にあたる前作もぜひチェックしていただきたい。

【スクリーンショット】

「ブレイドストーム 百年戦争&ナイトメア」の「PS Plus Challenge!」に挑戦

「PS Plus Challenge!」達成時間

1時間5分

※時間は筆者が実際に挑戦して応募条件達成までにかかった時間

エディットモードでは、自分の分身となるキャラクターを作成できる。左右の眼の色を別々に設定できるこだわりようも◎
兵には歩兵や騎兵、弓兵といった種類があり、率いる兵科によって主人公の姿や戦闘スタイルも変化する
百年戦争をベースにした物語のほか、ドラゴンやグリフォンといったファンタジー要素がふんだんに盛り込まれた「ナイトメア編」も楽しめる
「PS Plus Challenge!」は、チュートリアル中に達成できることが多い。獲得できないという人はR1ボタンを押しっぱなしにして戦ってみよう

 今月の「PS Plus Challenge!」対象タイトルのうち、もう1本はコーエーテクモゲームスの「ブレイドストーム 百年戦争&ナイトメア」。もともとはPS3およびXbox 360用のアクションゲーム「BLADESTORM -百年戦争-」のリメイク作で、2015年1月にPS4/3/Xbox One用タイトルとして発売された。

 数多くの歴史ゲームを輩出してきたコーエーテクモ作品だけあって、本作もモチーフとなっているのは歴史上の事変。1300年代前半から1400年代半ばまで100年余りにわたって続いたイギリス対フランスの“百年戦争”が題材だ。

 画面写真からは同社の「無双」シリーズと似た印象を受けるかもしれないが、実際にプレイしてみるとまったく異なるタイプのアクションゲームであることがわかる。「無双」シリーズは名前が示すとおり、天下無双の英傑や姫武将が一騎で敵の大軍と戦うのに対し、本作は少数ながらも部隊を率いて敵と戦う。乱暴な言い方をすれば、「三國志」シリーズの戦争における部隊同士の交戦をクローズアップし、アクションゲームに落とし込んだものとも言えよう。

 システム的には、オープンワールド型の戦場で戦うシームレスバトル。あちこちにいる兵たちの集団に近づいて×ボタンを押せば、部隊として率いることが可能。その後は率いた兵たちと一緒に行動できるので、味方の陣営を守ったり敵の拠点を落としたりして自軍を勝利へと導くのだ。

 敵部隊と遭遇したときはR1ボタンで通常攻撃、○or△or□ボタンで特殊攻撃を行なえる。通常攻撃は無制限に使用できるが、特殊攻撃は強力なぶん、クールダウンを挟まなければ再使用できない。また、弓による特殊攻撃はボタンを1回押すと構えてもう1度押すと発射、騎馬による一部の特殊攻撃は加速中でなければ出せないといった制限もある。

 本作の醍醐味は、やはり部隊同士の戦闘=多人数での戦いにある。味方がごく少人数で敵の大軍と戦う、あるいはシミュレーションゲームのように部隊が1個のユニットとして動くというゲームは多いが、それではやはり「兵を率いる」という実感を得るには物足りない。

 しかし、本作は兵の1人1人がそれなりに細かく描写されているため、兵士たちそれぞれに「ともに戦場を駆けている息遣い」を感じられる。結果として、小規模ながらも一軍の将なった気分を味わえるのだ。三国志や戦国もの、ヨーロッパにおける戦史が好きな人なら、1度は経験してほしい感覚である。

 かくいう筆者も三度の飯より「三国志」が好きなので、かなり楽しむことができたが、気になった点が1つある。それは戦場が極端に広いため、全体的に何をやればいいのかが見えにくい点。たとえば「○○の拠点を制圧せよ」と言われても目的地がどこにあるかわからない。「××部隊の隊長を倒せ」と言われても、誰が隊長なのかわからないといった具合だ。初心者にも楽しんでもらうためには、もう少し情報が用意されていてもいいのではないかと思った。

 さて、本作の「PS Plus Challenge!」はと言うと、ストーム状態になって「剣戟の嵐」を獲得すればOK。ストーム状態はチュートリアルでほぼ確実に発生するため、ふつうにプレイをしていれば、とくに苦労することもなく獲得できる。筆者が1時間以上かかっているのはキャラクターメイキングにこだわりすぎて時間がかかってしまっただけで、そのあとはプレイを開始してから5~10分ほどでトロフィーが手に入った。

 「三國志」シリーズが持つ深い戦略性と「無双」シリーズが持つ爽快なアクション性が同居する1作。難易度はそれほど高くないため、アクションに不慣れな人でも作戦や率いる兵科を考えて戦えば、強敵と十分に渡り合える。逆にアクションが得意な人は、あえて兵を率いずに1人で戦地へ赴くのもおもしろい。さまざまな遊び方のできる作品に仕上がっているので、ぜひ自分の分身を作り百年戦争に参戦してみてほしい。

【スクリーンショット】