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「リネージュ」、2017年に最後のドラゴン「ヴァラカス」登場!
15周年記念インタビュー。目下は「序盤の改善」で遊びやすさを追求
2017年2月10日 18:41
2001年6月にベータサービスを開始し、2002年2月12日の正式サービスを経て、今年の2月12日でサービス15周年を迎えるWindows用MMORPG「リネージュ」。MMORPGの草分け的存在とも言えるタイトルで、プレイの経験は無くとも名前は知っている、というプレーヤーも少なくないことだろう。
今回はこの15周年という節目を迎えるにあたり、「リネージュ」日本運営プロデューサーの川南巌氏に、今後の運営方針などを伺うことができた。長い歴史を持つ本作が、これからどのような方向を目指していくのか……ぜひ、ご一読いただきたい。
「リネージュ」15周年、そして新オフィスへの移転
――本日はよろしくお願いします。「リネージュ」がいよいよ15周年を迎えるということで、おめでとうございます。
川南氏: ありがとうございます。今年も無事に2月を迎えられたことを、「リネージュ」を日頃よりご愛顧いただいているプレーヤーの皆様にもお礼申し上げます。
――「リネージュ」が2月に15周年を迎えると共に、エヌシージャパンとしては3月からは恵比寿にある旧オフィスから、六本木にある新オフィスに移られます。こちらについてはどのような心境ですか?
川南氏: 私も今回のインタビューで初めて新社屋を訪れたのですが、思ったより広かったですね(笑)。今(2月上旬現在)の弊社の社員数から見ても広いスペースなので、これから会社としてどんどん社員を増やしていくことになるのかなと。そう考えると、身も引き締まる思いです。
――「リネージュ」チームとしては、新オフィスに移ることで何か変化があるのでしょうか?
川南氏: 現在のところ、チームには変更の予定はありません。
――ちなみに、今は何名くらいで運営を行なっているのでしょうか?
川南氏: 運営チームはQA(品質保証)や翻訳チームを除くと3名になりますが、この3名で事業計画からイベントの対応など、運営に関係するすべてを行なっています。これについては、今後もこの体制で行くと思います。
――3名で1タイトルの運営を行なう、というのはかなり大変そうです。
川南氏: それでも2016年の10月までは僕が1人でやっていたので、それに比べるとだいぶ楽になりました(笑)。
――3倍になったのですね(笑)。そのメンバーで迎える「リネージュ」15周年、ゲームとしてはどのような動きを予定しているのでしょうか?
川南氏: 毎年この時期には「周年イベント」を行なっていまして、今年も15周年前夜祭やアートコンテスト、ゲーム内イベントなど、さまざまな催し物を実施または予定しています。また、今回は新規・休眠ユーザーの皆様に向けてのキャンペーンも実施します。
さらに、今年はハイレベルプレーヤーに向けたコンテンツアップデートを予定しております。それに合わせて、キャラクターが強化できるようなキャンペーンも複数用意しておりますので、これらをご利用いただき、ぜひともキャラクターのレベルアップを図っていただければと思っています。
――しかし、15年というのは長いですね。
川南氏: 長いですね。オンラインゲームで15年のサービスがつづいている、というのはなかなか無いことなのかなと。そして、このタイミングを機会に、もう1度「リネージュ」というタイトルをユーザーの皆さんに思い出してほしいなとも考えています。
――ちなみに、川南さんはどのくらい「リネージュ」に関わられているのでしょうか?
川南氏: 会社に入ってからは10年、プレーヤーとしてですと、2002年の夏に始めたので今年で15年目です。そう考えると、自分の人生の3分の1以上は「リネージュ」に関わって生きてきたことになりますね。感慨深いものがあります。会社にはもともと「リネージュ」の運営スタッフとして入ったのですが、そこからカスタマーサポートを経て事業部に入り、現在に至る、という感じです。
――その間、印象深い出来事とかはありましたか?
川南氏: そうですね……ゲームに対しては、会社に入ってからよりも、いちプレーヤーとして遊んでいた最初の5年間の方が、色々と思い出は多いかもしれません。入社後は、純粋にゲームを遊ぶ時間も減っていきました。本当はゲームをもっとプレイしたいという気持ちはあるのですが、なかなか難しいですね。
あとは、ゲーム内で友達を作らないようにもしていました。酔った勢いでポロッと何かを言ってしまう、みたいなことがあると怖いので……(笑)。
「インターサーバー」導入でワールド間のコミュニケーションが可能に。2017年の大きなアップデート情報を聞く
――先ほど、ハイレベルプレーヤーに向けたコンテンツアップデートというお話がありました。そちらの具体的な内容をお聞かせください。
川南氏: 春頃に「インターサーバー」というシステムアップデートと、夏頃に「ドラゴンレイド」というコンテンツのアップデートが入ります。「インターサーバー」というのは、コンテンツというよりも仕組みのアップデートでして、ワールド間でゲームデータを共有するための設備となります。この「インターサーバー」では、各サーバーのキャラクターデータが共に遊ぶことができるようになります。
――イメージとしてはどのようなものなのでしょうか?
川南氏: プレーヤーサイドのイメージとしては、テレポーターを使ってイベントマップに飛んでいくだけですが、その先では別ワールドのキャラクターともゲームをプレイできる、という感じになります。同じマップでPvPの対抗戦みたいなものができるようになるということです。そのインターサーバーを使った新しいコンテンツとして「テーベラス支配戦」と「ランキングシステム」の実装が予定されています。
――「テーベラス支配戦」とはどういうものですか?
川南氏: PvPをしたり、PvEをすることでポイントをかせぎ、ポイントが多いワールドが勝者になれる競争型コンテンツです。“ワールド対抗戦”と言えばわかりやすいでしょうか。勝者については参加賞に加えて、特別なボスと戦う権利が得られるようになります。参加賞自体も敗退したワールドよりは良いものを獲得でき、それに加えて特別なボスを倒せばそこからドロップアイテムももらえます。
――そのボスは強いのですか?
川南氏: いえ、そこまで強くはないと思います。イベントのおまけと捉えていただければ。
――「ランキングシステム」とは何でしょうか?
川南氏: こちらは、同一ワールド内を対象に実施されるもので、獲得した経験値の量に応じてランキングが1日1回更新されます。その時、上位ランカーはランクに応じた報酬がもらえるのですが、1番の目玉は、上位ランカーのみ変身ができる「ランカー変身」というものです。
「リネージュ」における変身というシステムは、キャラクターの強さの根幹と言いますか、もっとも差別化が図られる部分なのですが、変身によって攻撃速度が変わり、それによってDPS(秒ごとのダメージ数)も変化します。この「ランカー変身」においては、現在もっとも強い「85 レベル変身」よりもさらに強い変身が利用できるようになります。
韓国では「血盟戦」というギルド単位の争いがよく行なわれているのですが、「ランカー変身」をもっとも所持している血盟が、ほかの血盟からも一目置かれる存在になる、というぐらい重要な、戦局を左右するものになります。
――経験値でランキングを判定するということは、やはり「狩り」が重要になりそうです。
川南氏: 結果的にそういうことになります。PvPでは経験値が獲得できないので、「ランカー変身」を維持するためには狩りをしつづけなくてはならない。こうなってくると、小競り合いみたいなことはその血盟の2軍が行ない、重要な局面でのみ1軍が登場する、という感じになってくるのかなと思います。
――そうなると、上位プレーヤーのプレイバランスも変化してきますね。
川南氏: そうですね。積極的に狩りをすることが重要な意味を持つようになってきますので、狩りに対するモチベーションも変わってくることが予想されます。色々なプレイスタイルが生まれてくるのではないでしょうか。
――では、春以降のアップデート予定についても教えていただけますか?
川南氏: 6月ぐらいから「ドラゴンレイドリニューアル」と「エピソード:ヴァラカス(仮)」というハイレベルプレーヤーに向けたアップデートが予定されています。今も「ドラゴンレイド」という既存のコンテンツがあり、こちらは「アンタラス」、「パブリオン」、「リンドビオル」という3種類のドラゴンがいます。これらがリニューアルされた上で、最後のドラゴン「ヴァラカス」も登場するようになります。
これまでも各ドラゴンが登場することはありましたが、4種類のドラゴンが出揃うのは今回が初めてです。また、レイド自体の難易度も上昇するので、ハイレベルプレーヤーの方も非常に楽しめるものになるかと思います。報酬も豪華で、「ヴァラカス」の素材を使って製作できる上位の鎧や、4種類のドラゴンの素材を使って製作できる、とても強力な伝説の剣「ドラゴンスレイヤー」も登場しますので、ぜひ獲得していただきたく思います。
――こちらのコンテンツのレベル帯はどの程度になるのでしょうか?
川南氏: 「ドラゴンレイドリニューアル」がレベル80以上、「エピソード:ヴァラカス」が85以上になる予定です。
――コアプレーヤーには楽しみなコンテンツとなりそうですね。ちなみにですが、日本独自コンテンツの「日ノ本」については、現在どのようになっているのでしょうか?
川南氏: これについては、色々と難しい事情があります。まず、長いサービスを展開しているなかで、当コンテンツを中心になって推進していた前任者が退職してしまっていること。さらに、開発元の担当者も当時と変わっているという、おもにそのような理由から難航している、というのが実情です。ユーザーの方からもときおりご質問をいただいており、何とか形にしたいという思いはあります。
ゲームバランスを大幅調整予定! 今年の「リネージュ」はもっと遊びやすくなる!
――2017年における日本の「リネージュ」運営のテーマは何でしょうか?
川南氏: 現在、日本運営チームが大きな問題として捉えているのが、これは2016年7月の「Season4 GATE OF RESURRECTION」というアップデートから登場したチュートリアルエリア「クラウディア」です。これはレベル55まで簡単に育成ができるエリアなのですが、ここを卒業したあとに送り出される「話せる島」移動後は、ゲーム内の導線が何もないために、プレーヤーが放置される状態となってしまいます。
さらに、敵は急激に強くなっており、ポーションの値段も跳ね上がるなど、プレイの継続が困難な状態に陥ります。実際にレベル55で止まってしまっているキャラクターは多いのが現状となっているので、今年はそういった点を改善していき、「ゲームをもっとプレイしやすくしていく」という部分に注力していきたいと考えています。
実際、今はゲームをプレイしていても、レベル55に到達後は装備は変えられない、ポーション代もかせげない……と非常に厳しさを感じます。
――具体的には、どのような改善策を考えているのでしょうか?
川南氏: 細かな部分についてはまだ詰めている最中ではあるのですが、「通常ゾーンのモンスターの強さと倒した際の報酬の低さ」、「通常ゾーン到達後の導線の薄さ」という問題点に注目して改善を考えています。それに加えて、現在の運営上で発生している問題部分も同時に改善して、「ゲームコンテンツ」と「運営サービス」の両面から「リネージュ」を遊びやすいゲームにしたいと思っています。
ただし、韓国開発元としては海外の要望だけでなく、オリジナルの部分についても対応しなければなりません。そのため、日本の「リネージュ」を独自仕様にしてもらうというのではなく、日本の要望をフィードバックして、オリジナル側のバランスをグローバル仕様として変えていければというところです。
――こちらが実際に改善される時期は、いつぐらいを予定しているのですか?
川南氏: 今年の前半では解決したいところです。
――最後に、プレーヤーの皆様にメッセージをお願いいたします。
川南氏: 「リネージュ」は古いタイトルであり、最新のゲームを体験している皆様にとっては物足りない部分の目立つタイトルかもしれません。しかし、私自身は「リネージュ」が独特のいい部分がある素晴らしいタイトルであると思い、担当させていただいています。
これからも、1人でも多くのゲームプレーヤーの皆様に「リネージュ」というゲームをお伝えしていき、そして「リネージュ」をプレイしていただいた皆様に「いいゲームだな」と思ってもらえるゲームにできるよう、「リネージュ」サービスチーム一同、鋭意努力して参ります。これからも「リネージュ」をよろしくお願いいたします!
――ありがとうございました。
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