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「World of Tanks」の世界大会「Challenger Rumble」観戦ガイド

「WoT Blitz」も加えて盛り上がるWGLの最新事情と、大会の楽しみ方をレクチャー

【Challenger Rumble】

11月19日開催

会場:Altman Building

 Wargaming.netは、「World of Tanks」の世界大会「Challenger Rumble」を米国ニューヨークにおいて11月19日に開催する。GAME Watchでは実施に合わせて現地レポートをお届けしていく予定だが、「Challenger Rumble」という名称のイベントは初めて開催される大会となるため、「それって何?」という「WoT」ファンも多いだろう。そこで本稿では、大会開催に先立ち、「Challenger Rumble」の紹介と、観戦ガイドをお届けしたい。

大会前のインタビューに応じていただいたWargaming.net Head of Competitive Gaming APAC Jini Jun氏
同じくインタビューに応じていただいたWargaming.net Assistant eSports Manager APAC Yamane Cheng氏。ちなみにYamaneというニックネームは、ちびまる子ちゃんの山根くんに似てるところから来ているという
活躍が期待される我らが日本チームB-Gaming
APAC SEASON I FINALSで優勝したEL Gaming
Challenger Rumbleに勝ち抜くと、NAVIが出場するChampion Rumbleの出場権利が得られる

 「World of Tanks」のプロリーグWargaming.net League(WGL)をコアコンテンツとして、グローバルを舞台にe-Sports界を牽引するWargaming.netだが、毎年新たな施策を導入することでも知られている。2015年はWGLのゴールドリーグにサラリー制を導入、名実共にプロゲーマーとして活躍できる下地を作った。そして今年の大きなチャレンジとなるのが「Rumble」イベントのWGLへの組み込みと、PC版「WoT」以外のタイトルでの大会開催となる。

 「Rumble」は、昨年11月に東京で開催されたPacific Rumbleのように、WGLとは関係のない、地域限定の招待制の単発イベントとして実施されてきた。今年からはWGLマイルストーンのひとつとして組み込まれ、2シーズン制を採用するWGLの1stシーズンで、CISを除く3つのリージョンの1位と2位をおさめたチームが集められて雌雄を決するのがChallenger Rumble。そしてChallenger Rumbleで1位と2位をおさめたチームと、CISの1位、そして昨年度の「The Grand Finals」で優勝したチームの計4チームで、1stシーズンの1位を暫定的に決めるのがChampion Rumbleとなる。

 このRumbleイベントで優勝したチームには1stシーズン、そして1月から開催される2ndシーズンの成績に関わらず、世界一を決めるファイナルイベント「The Grand Finals」に出場できる権利が与えられる。優勝できなくても出場するだけで数万ドル単位の賞金が獲得でき、選手にとっては大会出場機会や賞金獲得チャンスが増え、我々「WoT」ファンとしてはプロゲーマーのスーパープレイを視聴する機会が増えるというわけで、Rumbleイベントの充実により、e-SportsイベントとしてWGLがさらに充実した形となる。

 ちなみにChampion Rumbleは実質的にChallenger Rumbleの上位扱いとなっているが、これは「WoT」がベラルーシ生まれのオンラインゲームで、CIS圏の国民的ゲームとして成長した経緯があるため、e-Sportsにおいても伝統的にCISが強いためだ。実際、これまで開催されて来た「The Grand Final」でもすべてCISから優勝チームが出ている。Champion Rumbleは彼らのホームであるロシア モスクワで開催され、CIS勢がホームで世界勢を迎え撃つ格好で、世界勢はかなり不利だが、国民的ゲームの開催地としては最高の場所であり、最高に盛り上がるイベントとなりそうだ。

 このようにRumbleイベントは、言い換えればCIS対世界戦、今回実施されるChallenger Rumbleは、そのCIS勢に挑戦する権利を獲得するための闘いと言えるため、その視点で視聴するとより楽しめるかもしれない。ちなみに「Grand Final 2016」で優勝したNAVIは、今年のCIS 1stシーズンも1位を取っているため、CIS代表として2位のHellraisersが出場する。

 さて、今回ニューヨークで実施されるChallenger Rumbleでは、日本が属するAPAC、米国を主体としたNA、ヨーロッパ各地から強豪が集うEUの3地域から上位2チームずつ、計6チームのリーグとトーナメントで順位が決められる。APACからは、APACで常勝軍団である中国のプロチームEL Gamingと、我が日本からは、韓国のMeltdownを逆転で下したB-Gamingが出場する。

 彼らのAPAC SEASON I FINALSでの熱闘ぶりは、現地レポートでお伝えした通りだが、彼らB-Gamingをはじめ、6チーム中3チームが初出場のチームで、ニューカマーたちがどのような闘いを見せてくれるかが注目される。もっとも、残りのEL Gaming(APAC)、Kazuna Kru(EU)、eClipse(NA)は、「The Grand Finals」の常連ばかりで、常連チームが暴れ回って1位、2位を独占する可能性もある。

 ところで、Challenger Rumbleで実施されたユニークな試みのひとつが、「The Road to Rumble」だ。「WoT」ファンなら「知っている」、あるいは「参加した」という方もいるかもしれない。10月にAPAC地域を対象に2度に分けて実施されたトーナメント大会で、優勝チームは今回のChallenger Rumbleの観戦ツアーに招待するというもの。

ぜひ「The Road to Rumble」は日本の「WoT」にも積極的に出場して欲しいと語るYamane Cheng氏

 大会を企画したYamane Cheng氏によれば、全体で120チーム、日本だけで12チームが参加し、ベトナムからの参加が最も多かったという。3on3の熾烈なトーナメントを勝ち抜いたのは台湾のPPAP。無名のチームだが、実はゴールドリーグに所属する台湾チームHorsemenのメンバーということだ。同じAPACゴールドリーグのEL GamingやB-Gamingの直接的なライバルにあたるため、本来は予定されていた練習風景の視察や交流などもないということだが、その代わり、ニューヨーク観光がたっぷり入っており、かなり楽しんでいた。彼らが体験した内容は後日映像で公開されるという。

 この「The Road to Rumble」は、四半期に一度のペースで今後も開催する予定ということで、ゴールドリーグに参加できるようなチームには所属していないが、3人小隊が組める環境にあるという「WoT」ユーザーはぜひ参加してみてはいかがだろうか。

 そしてChallenger Rumbleと共に併催されるイベントが「WoT Blitz Twister Cup」だ。その名の通り「WoT Blitz」を対象にした世界初の国際大会で、世界から勝ち上がってきた4チームのリーグ戦とトーナメントで世界1位が決められる。

 本大会では、操作方法がタブレットデバイスを使ったタッチ操作に限定されているが、現在「WoT Blitz」はiOS版、Android版に加え、Mac版、Windows 10版、そしてWindows 10以外のWindows PCでも楽しめるSteam版も存在し、「WoT」シリーズの中でもっとも多様性を備えたタイトルとなっている。

自身が統括するAPACのチームに活躍して欲しいと語るJini Jun氏

 APACでHead of Competitive Gamingを務めるJini Jun氏は、今回は最初の大会で、管理運営面の都合を考えて大会のレギュレーションを設定したが、もし次回がある場合は、プラットフォームを自由に指定できるかもしれない、ということだ。

 ちなみにJini Jun氏は韓国人で、個人的な意見としてMeltdownの敗退は残念で、韓国の「WoT」コミュニティも意気消沈したということだが、現在は立ち直り、Meltdownをはじめ韓国チームはシーズン2に向けて準備を進めているという。

 その一方で「WoT Blitz Twister Cup」では、APAC代表として韓国のTeam IDが出場する。Jun氏は、PC版「WoT」と違って、「WoT Blitz」はサービス開始時期の差がないため、実力的にもほとんど差がないという。このためe-Sports大国韓国からTeam IDが出場することを非常に楽しみにしており、先日ヒアリングした限りでは、優勝に自信を持っているという。

 「WoT Blitz Twister Cup」は、ひとまず本大会限りとなる予定だが、大会後に選手や視聴者からフィードバックを集めて、今後の大会について検討していきたいという。「WoT Blitz」は日本でも大人気のタイトルだけに、トッププレーヤーたちの試合ぶりをぜひこの機会に見ておきたいところだ。

 最後に視聴方法について。Challenger Rumbleは、日本時間11月19日22時からスタートする。10時間を超える長丁場となるため、B-Gamingが出場する時間帯(予定では、予選リーグでは11月19日22時20分と、11月20日1時50分に出場予定)から視聴して、結果次第でその後のセミファイナルやファイナルも観戦していくといいだろう。

【Challenger Rumble日本語公式ページ】
http://worldoftanks.asia/ja/news/pc-browser/tournaments/challenger-rumble-2016-announcement/

【Challenger Rumble日本語放送ページ(Twitch)】
https://www.twitch.tv/wgl_jp

 WoT Blitz Twister Cupは、専用のBlitzステージで実施され、こちらもライブ配信される(英語のみ)。11月20日2時50分開始と深夜スタートになる。詳しいスケジュールは公式ページを参照して欲しい。

【WoT Blitz Twister Cup公式ページ】
http://wotblitz.asia/ja/news/pc-browser/tournaments/blitz-twister-cup-event/

【WoT Blitz Twister Cup放送ページ(英語のみ】
https://www.twitch.tv/wotblitz_en