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セガ・インタラクティブ、「マルチデバイス×ワンサービス」の3タイトルを発表!
アーケードとスマホの連動「CODE OF JOKER Pocket」、「StarHorsePocket」など
2016年10月25日 20:38
10月25日に開催されたセガの「『マルチデバイス×ワンサービス』事業戦略発表会」では、アーケードゲームと連動するスマホタイトル3作品についての紹介が行なわれ、発表会終了後には試遊も可能だったので、できる限りの情報をお伝えしていこうと思う。ただし残念ながら、実際にプレイした状態でのスクリーンキャプチャなどはできなかったので、公開された公式素材を見つつ、解説をしていこう。
アーケードの「CODE OF JOKER」がスマホタイトルに
まず紹介されたのは、アーケードゲームで人気の「CODE OF JOKER」をスマホゲームにしたAndroid/iOS用「CODE OF JOKER Pocket」だ。発表会に登壇したセガ・インタラクティブの西山泰弘氏は、「『CODE OF JOKER」で徹底的にこだわったのはガチバトル。自分が全体の中で何位になっているかとか、ランカーを目指したいとか、そういうことをスマートフォンのマーケットでも実現したいと思って作っている」と語る。
「スマートフォンのマーケットでも対戦型が出てくる。ただいまいち相手がわからないし、自分がそうなったときにどう影響されているのかもわからない。アミューズメントのエンジンは、そういったことを感じさせるエッセンスが詰まっている。そういった所をガチで入れていく」(西山氏)。
また、アナログで作られたカードゲームをそのままデジタルに移し、得点計算が簡単になった程度のものにはしないと西山氏は語る。デジタルならではのゲームシステムを導入しているとのこと。「他社と比べても熱いTAGデジタルゲームを作りたい」と西山氏。ゲームには相手のターン時に特定のユニットを使って攻撃をブロックしたり、同じカードを引いたとしても、それを重ね合わせて強くできたりする。「アナログではカード2枚重ねてもパラメーターは変えられない」(西山氏)。
またTCGで悩ましいのは、カードやシステムを覚えるのが大変なこと。そこで、どのようなデッキを組んだらいいのか、フレンドやライバルの相手のデッキをコピーして使えるようになっている。持っていないカードについてはブランクで表示され、どうやったらもらえるのかも教えてくれるという。「ランカーのデッキを見て、自分でもそのデッキを組めるなとか、ちょっと足らないなとかわかる。対戦リプレイで、相手は同じようなデッキを使っているのになんでこんなに勝てるんだ、ということもプレーヤーが知ることができる」(西山氏)。
なお「CODE OF JOKER」のプレーヤーに対しては、ゲームセンター以外の場所では「CODE OF JOKER Pocket」をプレイしてほしいと語る西山氏。「アーケードを軸にしてデバイスを多岐にわたって駆使し、人が集まるゲームセンター向けのゲームを作っている。各デバイスのマーケットのお客様がいて、そのお客様向けに、アーケードの開発部隊であれば、必ずチャレンジできるというのが自分のポリシー。プレーヤーたちがより喜びを繋げられるサービスを作っていく」(西山氏)。
本作のプレイ方法だが、デッキからカードを選んで場に出し、次のターンで相手を攻撃をするというのが基本だ。ターンは60秒の時間制限があり、それを過ぎると自動的に相手のターンになってしまうので、時間内でいかに素早く判断してカードを出すかが重要となる。
カードは1ターンあたり2枚引くことができるのだが、カードにはそれぞれ「CP」が割り当てられており、それを消費する分のCPを貯めていないと、カードを出すことはできない。当然、強いカードほどCPが必要となる。攻撃自体はカードをタップして、攻撃対象にドラッグするというスタイルで、直感的で分かりやすい。カードを攻撃して破壊し、プレーヤーへの直接攻撃ができると相手のポイントを1つ削ることができる。全部で7ポイントあり、これをゼロにすると相手に勝つことができる。
「CODE OF JOKER Pocket」をプレイした感想だが、カードをやりとりするTCGのスピード感もあるうえ、JOKERを出したときの凝られた演出もあるなど、かなり作り込まれている感じを受けた。実際にどのカードがどういう効果を持つのか理解するまでに至れなかったので、サービスが開始されたら是非ともそのあたりから研究して、プレイしてみたいと思う。
16年の歴史を持つ「StarHorse」もスマホ版が登場
アーケード版としては登場以来16年以上の歴史を誇る「StarHorse」シリーズのスマートフォンアプリとなるのがAndroid/iOS用「StarHorsePocket」だ。本家の「StarHorse」については1、2、3とメジャーバージョンアップを行ない、全国670~680店舗ほどで稼働しており、全都道府県に行き渡っているという。
「『StarHorse』はメダルゲームで、メダルを投入してベットするのが基本。1万枚のメダルを獲得したら、一生ただで遊べるのではないかという射倖性を突いたのがメダルゲームの根本」と語る、本作のシリーズプロデューサーであるセガ・インタラクティブの佐藤直行氏。
競走馬を育成するというアプリは、各社から何タイトルも出ている。ただしメダルゲームの要素を取り入れたものはこれまでなかったと佐藤氏。「馬券にベットしてメダルが増えたから育成が有利になるといったところが一線を画している」(佐藤氏)。
なお「StarHorsePocket」でも、「StarHorse」で見ることができたハイクオリティなレースシーンは忠実に再現されているという。「アーケードでグラフィックを作ってきたが、スマホのスペックも追いついてきたので、多少ポリゴンのリダクションを行なっているものの、割とスムーズにスマホに持ってこれた。アーケードのクオリティがほぼそのままスマホで楽しめる」(佐藤氏)。モーション系にはこだわって作られており、レースシーンなどではアーケードよりよくなっているといった出来になっているそうだ。
競馬の実況はアーケードと同じく、実況の神様である杉本清アナが担当。「延べ収録日数は50日以上。ワード数は何万ワードかわからないくらい。これをすべてスマホ版のアプリで聴くことができる」と佐藤氏。このほか、馬名については音声合成でしゃべってくれる。これは「マツコロイド」のシステムと同じエンジンで作られており、自然に聴くことができる。また、スマホゲームは1人で遊ぶものなので、「あなたの馬が勝ちました」といった、主語を“あなた”に置いた音声の新規収録も行なったそうだ。
このほか「StarHorsePocket」では、メダルゲームライクに、馬券を購入して遊ぶことも可能。記入は普通の馬券を買うように、マークシート方式となっている。ちなみにJRA方式の馬単、馬連、三連単などの馬券にプラスして、オリジナル馬券も用意される。馬券でメダルを増やすことで、育成やイベントが有利に進められるようになる。
なおゲームシステムとして「秘書」が用意されるのだが、このイラストは“人気イラストレーター”が担当しているとのこと。詳細については10月27日に公開されることとなっている。「いろいろなヒントを言ってくれたり、レースに勝ったら一緒に喜んでくれるといった所を秘書がサポートする」(佐藤氏)。
なおアーケード版との連動だが、ゲームがより楽しくなる仕組みを考えているとのこと。「育成した馬がゲームセンターの大画面で走らせることができたり、ログインボーナスでは、ゲームセンターでログインした日にはボーナスが2倍もらえるといったことも考えている」(佐藤氏)。
「StarHorse」についてだが、固定客が多いように見えるが、半年くらいのタイミングで3分の1から半分のユーザーが入れ替わっているという。「1度止めた人がもう1度ゲームセンターに来て、双方が盛り上がることを目指していきたい」(佐藤氏)。
「StarHorsePocket」を試遊してみた感想だが、確かにグラフィックスはきれいで、まるで本物の馬が走っているように見えた。1週間のうちに調教したり、飼料をあげたりしつつ、その週に出るレースを決めて育てていく、というのはスタンダードな競馬育成ゲームと言えるが、やはり特徴的なのは馬券を買ってベットできることだろうか。自分の馬に賭けてもいいし、勝ちそうな馬に賭けてメダルを多くもらうというのもプレーヤー次第だ。
育成については、購入した馬を新馬戦に出し、ランクを上げていくというのもオーソドックスでわかりやすい。レースについてはスキップして結果だけを表示させることもできるが、1つ1つ見ていくと、「?」で隠れていた馬のパラメーターが表示されることもあり、じっくりと育てていくならば、それぞれのレースを見ていく方がよいだろう。
馬名の合成音声だが、かなりクリアで、自然な感じに聞けたのには驚いた。レースに登場する馬についてはすべての馬名が合成音声なのだが、その実況は本格的。目の前に展開されるレースには、思わず見入ってしまった。競馬ファンならば是非ともプレイしてみたいタイトルと言えよう。
先日発表された「SOUL REVERSE ZERO」もアーケード版が登場
最後に紹介されたのは、10月21日に発表され事前登録も開始されている「SOUL REVERSE ZERO」だ。こちらについては本作のプロデューサーである平井徳一氏からのプレゼンテーションがあった。
本作は「英雄転生」をテーマにしたい世界ファンタジー。プレーヤーは「英霊」と一緒に敵と戦っていくこととなる。「豪華な声優陣によるフルボイス、臨場感のあるストーリーを堪能してもらえるものとなっている」と平井氏。
それぞれの英霊については、英雄ごとの「ソウルアーツ(最終奥義)」が用意されており、戦闘中に発動するとリアルタイムムービーのエフェクトがかかるほか、英雄ごとに個別のシナリオも用意されている。「ソウルアーツは、プロジェクトが始まるところからAM2研が培ったシステムをUnityに落とし込むことから始めた。クオリティもさることながら数も多く揃えているので、楽しんでほしい」(平井氏)。
バトル演出についても、アーケードを作り続けてきたAM2研のノウハウを生かしてスマホゲームに落としているとのこと。エフェクトや演出には力が入っており、リッチなグラフィックスになっているが、遊びやすさにもこだわっているので、サクサクと動くゲームになっているそうだ。
このほか、プレーヤーを飽きさせない仕組みとして、様々なクエストモードを用意。メインストーリーにはハードモードがあったり、ボリュームたっぷりのモードがあるという。
本作の特徴の1つである「マルチ協力バトル」は、プレーヤー3人が協力して敵と戦うモード。「アタッカー」、「ディフェンダー」、「ヒーラー」のそれぞれの役割を分担してバトルする。友達同士でキーワードを決め、マルチプレイを楽しむことができるほか、知らない人とのマッチングでも遊べるようになっている。
また、ストーリーを進めていくことで、破壊された町を復興していくことも可能。建設した施設に応じて英霊立ちの能力がアップする。ほかにも巫女(ヒロイン)を助けていくアドベンチャーモードもあるという。
本作のマルチデバイス×ワンサービスについては、アーケード版の制作が発表された。「ZEROとは違ったゲーム性で、近々詳細を発表する予定なので楽しみにしてほしい。スマホ版からアーケードへということなので、前の2タイトルとは異なった展開をしていきたい」と語る平井氏だった。
なお本作のインプレッションについては、10月21日の記事を参考にしてほしい。