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それがあなたの答えなのか? 「DETROIT BECOM HUMAN」
人とは何かを問う物語、“本当の結末”を追求できるゲーム性
2016年6月14日 17:10
非常に緊張感のある“絵作り”で会場の注目を浴びたのが「DETROIT BECOM HUMAN」。「Heavy Rain」、「BEYOND: Two Souls」を手がけたQuantic Dreamの作品だ。人間そっくりなロボット「アンドロイド」を主人公にしたアドベンチャーだ。発表と同じタイミングで日本語吹き替えトレーラーも公開された。Quantic Dreamの作品は日本での評価も高いだけに、こちらの発売も期待したい。
今回公開された情報では、物語の中心となるのは交渉人のコナー。彼は一見ハンサムな人間だが、青い血を持ち、こめかみに青いライトが埋め込まれている人間型ロボット・アンドロイドだ。この世界ではアンドロイドは家庭で子守などにも使われる存在のようだ。
しかしそこに何か狂いが生じた。ダニエルというアンドロイドは、少女を人質に取り、高層ビルの最上階で銃を構えている。コナーは彼の前に現われ交渉を開始する。ムービーでは説得しようとするも聞き入れられず、ダニエルは少女と共に飛び降りてしまう。ダニエルは自分が何であるかを見失ってしまっていた。人であるか、機械であるか、自分の存在がわからなくなっていたようだった。
「DETROIT BECOM HUMAN」では、無数の“選択肢”が提示される。ダニエルの前に出る前、部屋の中や遺留品を調べることでコナーはたくさんの情報を入手できる。撃たれた刑事達が持っていた銃を手に入れ、ダニエルに突きつけるという選択肢もある。分岐は無数にあり、コナーが撃たれたり、娘を強引に助けられる選択もある。ダニエルを説得する答えもあるが、娘を離した瞬間、ダニエルは狙撃犯に撃たれてしまう。何がベストの選択肢か、プレーヤーは頭を悩ますことになりそうだ。
昨今人工知能が流行になっており、機械と人間に対する議論も行なわれている。人間は自我を持つ機械を作れるのか、その存在は人とどう違うのか……物語の楽しさは、技術や倫理的問題を超え、人間のような機械を作り出し、「人間とは何か」という命題を問いかけられるところにある。
本作の開発者はさらに問いかける「それが本当にあなたの正しい答えなのか?」。いくつもの結末があり、プレーヤーが選び、構成できるのがゲームの楽しさである。「DETROIT BECOM HUMAN」はそのゲームとしての楽しさをたっぷり追求できる作品となりそうだ。