インタビュー

「新生FFXIV」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(後編)

大阪イベントの手応え、今後のファンイベントの抱負について

大阪イベントの手応え、今後のファンイベントの抱負について

ファンイベントについて楽しかったと語る吉田氏。
1月25日に大阪で実施されたファンイベント
大阪イベントではアシスタントディレクターの髙井浩氏が出演した
出演が期待される河本信昭氏。「旧FFXIV」ディレクターで、現在は「新生FFXIV」のリードゲームデザイナーを務める「FFXIV」のすべてを知る人物だ

――ところで1月に大阪で初のファンイベントを実施してみてどのように感じました?

吉田氏:率直にいうと、いつも通りですが楽しかったですね。すべてのお客様とお話をして、一緒に写真を撮ってということができたので。たぶん話ができなかった人はいなかったはずです。自発的に、「俺はよしだとは話したくない」という方はいたかもしれないですが(笑)。

――厳しいことを言われたりしましたか?

吉田氏:いや、「家高いよ~」というくらいですね。

――みんな優しいですね(笑)

吉田氏:はい(笑)。

――「こっそり黒魔弱体しやがって」とかは言われなかったのですか?

吉田氏:それはさんざん「黒だってそんなに強くないって言ったじゃないですか」って話になるので、みなさんたぶんわかっているのですよ。だからネット上では盛り上がりだったりネタだったり、僕をやり玉にすることで楽しんでいるんだと思います。

 僕らは結局、最後はプレーヤーとしてではなく、開発として商品寿命を考えているし、プレーヤーさんのライフサイクルも考えている。例えばMMORPGは、最新のジャンルデータでは「1人当たりの継続プレイ日数は平均100日くらいがピーク」と言われています。昔は9カ月とか6カ月と言われた時期もあるのですが、もう3カ月というくらい短いのです。そのくらいもう1つのゲームに固執する時代ではないのです。そういうことも念頭に入れて、全体のデザインやアイテムの入手時間、コンテンツクリアまでの時間を考える必要があります。だから僕も、正直言えば、この3カ月の山が1番心配だったのです。3カ月目が恐ろしくて恐ろしくて。でも、皆さんのおかげで非常に好調なまま、この山を乗り切れました。

 いっぱい不満はあると思います。それは僕らが、商品寿命の中で長く遊んでもらうことを考えた時に、開発だったりプロデューサーだったり、後は運営という目線で入れる仕様がどうしてもあるからです。僕自身プレーヤーなので、「ぐぬぬ」と思うことはありますし、皆さんにしてみれば不満に思われる部分もあるかと思います。ただ、皆さんにお会いすると、「がんばってください」、「楽しんでいます」という、お声を沢山いただきますので、ある程度その辺りも理解された上で、ネット上では発散も込めて言われている部分もあるのかな、と。

――そういう意味では自分はしっかりとユーザーさんに支持されていることが確認できたなという感じですか。

吉田氏:そこまで思い上がるつもりはないです(苦笑)。ただ、おもしろいなあと思うのは、プロデューサーレターLIVEが始まるまでのフタ絵放送している時には、罵詈雑言が多いのですが、始まると「よしだああああ!」となって、あとはワイワイ楽しんでくださっていますので、ある意味お祭りかなあとも。

――今回の大阪イベントでは髙井さんがゲストとして出演されましたが、髙井さんを登場させた理由は何かあるのですか?

吉田氏:いや、どちらかというと、「ドラクエX」の生放送を見ていて、当時ディレクターだった藤澤さんが、誰も気付かないような小さなアップデートを語るコーナーをやっていて、すごくマイナーなところに焦点を当てて結構盛り上がれていたりとか、逆にマイナーな修正にスポットが当たるので、開発チームの士気が高くなったりしていました。「これはいいなあ」と。新生になってたくさん新しいお客様が来てくださいましたし、今までは割と僕1人でやってきましたが、吉P以外のコメントも聞いてみたいという声がリクエストとして多かったこともあってですね。

 せっかく地方を回るのであれば、いつもの固定化した面子だけではなくて1人くらいゲストを連れて行った方が、多角的にいろんなお話ができるのではないか。たとえば「エフェクトが見づらかったから、勝手に自分で直しといたわ」みたいな話は、さすがに僕にはできないですし(笑)。

――今後また別のゲストが登場するわけですか?

吉田氏:今のところ予定では、出張F.A.T.E.では毎回1人ずつゲストを変えようという話になっています。

――やはり「旧FFXIV」ユーザーのひとりとしては、河本さんの登場に期待したいですね。

吉田氏:俺は河本、そろそろありなんじゃないかと思っています。

――しかもいきなり次回の札幌で。

吉田氏:おもしろそうですけどね。ラーメン、ラーメンって言いそうですが(笑)。

――最後にPS4版を楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

吉田氏:スクウェア・エニックスという会社は新しいハードが出ても、なかなか新しいタイトルが出てこない会社なのですが、今回先陣を切って、しかも「ファイナルファンタジー」シリーズの最新作が出ます。なおかつ、PS4ローンチ直後にもかかわらず、相当クオリティ的にもパフォーマンス的にも、遊べる分量的にも自信のある仕上がりになっています。まずは2月22日にPS4本体を手に入れた方は、PS4本体のベンチマークソフトだと思って遊んでいただけたらと思います。

 「PS4本体ってどの程度のものよ?」というのを確認するためだけでも良いです。ぜひぜひ触って、その性能の凄さを見ていただいてもいいですし、家庭用テレビでここまできたかという時代の変化を味わってもらってもいいですし、後はリモートプレイを使って、ゲーム体験が変わっていく様を味わってみるのもありですね。

 もちろんその中で「新生FFXIV」自体の魅力にも触れていただければ幸いです。いろいろなことができる、本当に自信を持ってお届けするタイトルになっています。βテストに参加して気に入られたら、ぜひご購入していただいて、RPG1本クリアするぞ!くらいの気持ちで楽しんでいただければ良いかなと。

 PS3版をプレイされている方で、PS4本体を購入しようとしている方にとっては、PS4版は何のデメリットもない、ひたすらメリットしかない出来になっていますので、ぜひぜひ性能の違いを味わいながら、「なるほどここまで細密だったのねエオルゼア」というのを楽しんでいただければなと思います!

――ありがとうございました。

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(中村聖司)