インタビュー

「新生FFXIV」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(後編)

パッチ2.2以降は、「超える力」でハイエンドコンテンツへのアクセスが容易に

パッチ2.2以降は、「超える力」でハイエンドコンテンツへのアクセスが容易に

コンテンツ攻略は「慌てなくていい」と語る吉田氏
パッチ2.1までで最高難易度を誇る「大迷宮バハムート:邂逅編5」。パッチ2.2からは「超える力」が機能し、攻略しやすくなるようだ
パッチ2.2から新たに最高難易度となる「大迷宮バハムート:侵攻編」
現在、「大迷宮バハムート:邂逅編2」のボスは、アラガンロットを回す正攻法から、時間切れからの全滅攻撃を全体多重ヒールで凌いで倒すというゴリ押しに変わってきている。吉田氏は今のタイミングならあり、初期でやられたら要修正という判定のようだ

――「想定通り」ということは、極蛮神戦や大迷宮バハムートは今後も難易度は調整する意思はまったくないのですか?

吉田氏:ないです。ギミックの難易度自体を変えるつもりはなくて、パッチが進んだ時に「超える力」が掛かるようになる形で緩和を図るつもりです。

――その「超える力」は、これまでもクエストで発生しますよね。クエストで何度か死んでしまったときに発生して、キャラクターの基本性能が上がって攻略が楽になりますが、レベル50以降の「超える力」はどれくらい強くなるイメージなのですか?

吉田氏:ダメージカット25%とか、HP全員25%アップとか、極端な話をすればそういうことです。その「超える力」は、パッチ2.2に向かって今作っています。適用するコンテンツとしないコンテンツとに、今後分かれていきます。

――今のところ適用するコンテンツとしては何を考えていますか?

吉田氏:まず真蛮神戦は全部入れてもいいかなという話をしているところです。大迷宮バハムートはまたレイド用の「超える力」を想定しています。「2.2」スタート時点ではまだ発生せず、パッチリリースから1週間後+10%のボーナス、2週目になると+20%になります、3週目になると……という感じで時間が経つとどんどんプレーヤーが強くなり、攻略が簡単になるというイメージです。

――それは大迷宮バハムートのすべての階層でですか?

吉田氏:それは「邂逅編」のすべてに対してかけるものになります。

――「侵攻編」などの最新のコンテンツに対してはかからないわけですか?

吉田氏:最新のエンドにはかけないです。なぜならそれは最高難易度なので。ゆっくりプレイされていた方がアイテムレベルも上昇して、相対的なキャラクターの強さとして強くなる。かつ、コンテンツも難易度が高すぎて無理だと思っていたものも、自分たちの装備が強くなっていくのにあわせて、「超える力」もあるので、徐々にクリアできるようになっていく、という考え方です。

――なるほど、今はちょっと難しくてクリアできない。あるいはアイテムレベルが足りなくて参加すらできないという方も、もう少し待ってねという感じですね。

吉田氏:ここが「焦らなくてもいいです」とずっと言っているポイントです。アイテムレベルの上昇と共に、コンテンツの緩和が始まります。

――私みたいなアイテムレベルもプレイ時間も足りなくて、エンドコンテンツになかなか参加できてないオッサンゲーマーには、そういう調整はとてもありがたいです(笑)。

吉田氏:中村さん以外にも、そこを期待されている方は沢山いらっしゃいます。最新エンドコンテンツは対象外ですが、一歩遅れてゆっくり歩んでいる人たちにとっては、「緩和されてきたし、そろそろ行こうか?」という流れを想定しています。「超える力」は全滅したらかかる場合と、最初からコンテンツ全体にかかる場合があります。「超える力」を拒否したい方は、自分でバフを外すのも可能です。

――ちなみに、いま大迷宮バハムートの2層でボスを時間切れにして倒す方法がだんだん主流になってきていますが、ああいったトリッキーな攻略方法は許容範囲なのですか?

吉田氏:今のタイミングなら許容範囲ですね。あの攻略法が楽だとおっしゃるのであれば。よく考えるなあと思います(笑)。皆さんが想定していた装備よりも強くなっていらっしゃるために発生する攻略方法ですね。「大迷宮バハムート:邂逅編」の第3層までは、武器だけアイテムレベル90、あとはアイテムレベル70くらいで挑んでギリギリ勝てるように作りました。あそこまでオーバーパワーにHPもDPSも高くなり、ヒールも厚くなったら、エンレイジ(全滅攻撃)を無視するような、強引なクリアの仕方もあるだろうなと。

――パッチ2.1時代のジョブバランスについてですが、現状をどのように感じておられますか? まだ手を入れる必要を感じてますか? それともかなりこなれてきたかなという感じですか。

吉田氏:そうですね。バランス的には今はフェアリーのバグを早く直せという話はしているぐらいです。

――前回のインタビューの時は露程も語られませんでしたが、パッチ2.1で黒が弱くなりましたよね?

吉田氏:そう、いま黒がちょっと弱いのですが、僕の立場上「黒が弱い」といったら、また強化かと言われそうなので(笑)。でも、弱体しようと思ってしたわけじゃないですし、もともとさほど……なのです。ただ、黒魔はユーティリティという意味では、バランスがかなり取れていると思います。攻防一体キャラで、ウォールもマバリアもあるので。大阪F.A.T.E.でも、黒のアクセを全部外してもDPSはしっかりトップでしたし、僕はちょうど良いかなあと思っていたりします。召喚とモンクはDPSを出せる人が使うと、本当に凄いです。びっくりするぐらい(笑)。それと比べると黒は当然DPSでは落ちますけれど、まあこれぐらいでいいかなという気はしています。

――パッチごとにジョブバランスはいじっていきますというお話ですが、「2.2」ではどういった調整を加えようと思っていますか?

吉田氏:今のところまだ具体的にここをこうしなければいけないというところはないですね。

――というと、パッチ2.2でのジョブ調整は、フェアリーの挙動に修正が入るくらいですか?

吉田氏:そうですね。あれは早く直さないと影響が大きいので。どちらかというと最近はPvPのバランス調整に力を注いでいました。今のところ、目立ってこれが突出してヤバイというものはないですね。もしかしたらバトル班が「2.2」向けの修正でいままとめて貯めていて、僕のところに持ってくる直前かもしれないですけど。

――そういえばパッチ2.15でもPvP関連の調整がメインでしたね。

吉田氏:この前の「2.15」の調整で、かなりばらけたと思います。担当でガリガリずっとウルヴズジェイルに引きこもっている奴が1人いますが、見ているとかなりバラエティに富んだプレイをしていて、白が今度は強くなっていると。引き続きここは状況を見つつ、次は「2.2」でレーティングのマッチングを入れます。

――レーティングシステムはどのようなレギュレーションになるのですか?

吉田氏:いま何で入り口を分けるかを最終的に検討中ですが、始めたばかりの人とポイントを貯めまくった人がなるべく当たらないように調整するつもりです。トップランク同士は、ダイア装備を取ってからがちょっと強すぎなので、あれをもっと下から取れるようにして徐々に強くなっていくバランスに切り替えようとしています。その辺りかなり細かく手を入れるので、次のレターライブかパッチ朗読会のタイミングで、細かく説明する予定です。

――ジョブに関して気になっているのが、先ほどのプレゼンでの拡張パックで新アクションが追加されるかもしれないという話です。召喚士がリヴァイアサンの召喚だとすると、他のジョブは何になりますか?

吉田氏:レベルキャップを開放するので、当然2つ、3つは何かを覚えますよね。

――ほうほう、1つと言わず複数ですか。どういったものを検討していますか?

吉田氏:なんにもまだないですよ(笑)。アクションだけではなく、間違いなく新クラス、新ジョブもくるでしょうしね。

――アイテムレベルを導入しているMMORPGで、その後にレベルキャップを開放するとその辺りってどうなるのですか?

吉田氏:もともとキャラクターの強さ50、アイテムの強さ50とか、キャラクターの強さ60、アイテムの強さ40という風にバランスは取っているのですよ。だからレベルキャップが開放されると、キャラクターの強さが上がるだけです。

――キャラクターの基本性能が上がるプラス、ジョブ固有のアクションが増えるという理解でいいですか?

吉田氏:そうですね。

――アイテムレベル95のアラガン武器やレリックなど、今持ってるレア装備がゴミになるわけではないのですね?

吉田氏:はい。だからアイテムレベルが上昇すればもっと違う強い武器が出ます。

――今後も継続してアイテムレベルが高くなるということですが、パッチ毎に、あるいは拡張パックごとにいくつくらい高くなると考えていいのですか?

吉田氏:まだ言えないです。これは意図の違う推測や、憶測が飛んでしまうと、ゲーム内の経済状態や、プレーヤーのモチベーションに大きく絡んでしまうので。他のMMOでも本来は事前に一切発表しないと思います。

(中村聖司)