インタビュー

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(後編)

パッチ2.1の目玉コンテンツ「クリスタルタワー」は初のアライアンスレイド。肝心の実装時期は12月中旬か

パッチ2.1の目玉コンテンツ「クリスタルタワー」は初のアライアンスレイド。肝心の実装時期は12月中旬か

吉田氏によればハイエンドコンテンツの導入により、コンテンツの緩和が始まるという
ベヒーモスの遙か後ろにそびえるのがクリスタルタワー
「FFIII」のクリスタルタワーで対峙した強敵アモン。イラストは公開されているため登場するのは確実だが、いつどのタイミングで登場するかはわからない

――パッチ2.1の目玉であり、新しいハイエンドコンテンツとなるクリスタルタワーについて、もう少し教えていただけますか?

吉田氏:基本は8、8、8という3つのグループがさらにアライアンスを組んで挑戦する24人のアライアンスコンテンツと呼んでいて、CFにも対応する予定です。もともとパッチ2.0で入れるつもりだったのですが、パッチ2.0で作ったクリスタルタワーが、“24人が縦に並んで縄跳びをして、縄が3本同時に回ってるくらいの難易度”で、“21人が飛べたんだけど、3人がひっかけるともうダメだみたいな仕様”だったので、これはさすがに飛べないだろう、責任がキツすぎるだろうということで、パッチ2.1に遅らせて調整しました。

 少なくともレベル50を突破したプレーヤー向けの遊びではありますけど、もう少しワイワイ、全滅するならドカっと全滅して、再トライと言いながら遊べるくらいの難易度にしたいと思っています。

――クリスタルタワーに待ち構えるボスは何者ですか?

吉田氏:そこはぜひ「FFIII」をプレイして確認していただければ(笑)。ただ、何度も言ってますが、クリスタルタワーは上方に非常に長い建物です。パッチごとに階層は上がっていきますし、そもそもクリスタルタワーとは言ってますが、「FFIII」のクリスタルタワーを思い出していただければ分かるとおり、「古代の民の迷宮」を抜けないと……。

――なるほど、クリスタルタワーだけでなく、その手前に「古代の民の迷宮」もあると?

吉田氏:楽しみにお待ちください。

――では、大迷宮バハムートと同じように、1回でクリアではなさそうですね。

吉田氏:はい。大迷宮バハムートも、今回でクリアじゃないですからね。序章の「邂逅偏」で、第5層まであるだけなので。

――クリスタルタワーに挑戦するミッションは、何という名前のクエストで、どのようなストーリー設定なのですか?

吉田氏:それはまだ発表していないです。

――クリスタルタワーはパッチ2.1で実装される分をクリアすることで、アイテムランクの高いレアアイテムが手に入るのですか?

吉田氏:もちろんです。ここまでがパッチ2.1の内容ですが、パッチ2.1から徐々に始まるのは、コンテンツの緩和です。つまり頂点が高くなりつつ、下がなだらかになっていくというのが、ホンの少しずつですが、実感していただけ始めると思います。

――“頂点がより高く”というのはわかりやすいですが、“下がなだらか”とはどういうことでしょう?

吉田氏:ハイエンドコンテンツである大迷宮バハムートの頂点はパッチ2.1では変わらず、それはパッチ2.2まで変わりません。パッチ2.1ではダンジョンが3つ、ハードモード2つ、高難易度ダンジョンが1つ増えます。これによって周回対象のダンジョンのバリエーションが増えるので、入手できるトークンの数が今までよりも上がります。つまりアイテムレベルを上げやすくなる。で、その1つ下の格のトークンも排出量が増えるので、気軽にアイテムレベルが上がりやすくなる。つまり上に追いついて行きやすくなる。でもパッチ2.2でまた上がるので、上位プレーヤーはもっと頂点へ。そしてコンテンツは横へ増え、またなだらかになるので、徐々に追いついていく。このサイクルがパッチ2.1から始まります。

――ヒエラルキーのピラミッドを少しずつかさ上げしていくようなイメージですか。

吉田氏:ピラミッドを単にかさ上げするだけだと、下から見上げた人にとっては、ただ高くなってるようにしか見えない。そうではなくて、同時に裾野も広げるのです。だから今はチョモランマに見えていても、6カ月後に見るとハイキングコースに見えている可能性があるということです。ただ、そう見えたけど、その向こうにまだ霧に包まれたすごい山がある。でもこれもゆっくり近づいていく頃には、またなだらかになっている。つまり蜃気楼のような感じの見え方をする。こうした感覚も、1つ1つお伝えしていければと思います。

――ズバリ、パッチ2.1の実装時期はいつ頃ですか?

吉田氏:2013年内には出します。

――年末の結構ギリギリですか?

吉田氏:できるだけ早く出せるよう、年末すぎると対応に苦慮するので頑張ります。

――わかりました。最後にユーザーさんにメッセージをお願いします。

吉田氏:本当にお待たせして無事ローンチはできたのですが、本当に予想外にご好評いただいたせいで、約2週間、ログイン制限がかかるという状態でご迷惑をおかけしてしまいました。出荷も制限せざるを得ない状態になってしまったので、せっかくプレイしようと思った方にもご迷惑をおかけしてしまいました。そのことについては大変申し訳ないと思っています。

 国産のMMORPGがこれだけの規模でローンチするのは、また10年先、あるかないかというものだと思います。いよいよ始まった「新生FFXIV」の新しいスタートを気を抜かず全力で、新しい価値感だったり「新生FFXIV」ならではの価値観も提示し続けていこうと思っています。9月12日のメンテナンスで落ち着けば、パッケージの販売も再開しますので、1人でも多くこの「FF」の最新作に触れていただいて、僕らと一緒にゲームを作りながら楽しんでいってもらえればなと思っています。

――これからも期待しています。ありがとうございました。

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(中村聖司)