インタビュー

「FFXIV: 新生エオルゼア」吉田直樹氏発売記念インタビュー(後編)

「ファイナルファンタジー」シリーズのコラボ構想や体験版について

「ファイナルファンタジー」シリーズのコラボ構想や体験版について

理路整然とコラボ構想について語る吉田氏。継続的なコラボ企画が期待できそうだ
「FF」ファンに衝撃を与えた「ライトニングリターンズ ファイナルファンタジーXIII」とのコラボ企画

――E3からJapan Expoにかけて、「FF」シリーズ間のコラボレーションを発表されましたが、改めてどのような構想になっているのか教えてもらえますか?

吉田氏: まず1つあるのは、今まで「FF」は、どうしてもタイトルバイタイトルの動きが多く、せっかくシリーズで26年の歴史があって、それぞれのナンバータイトル、キャラクターにファンがいるのに、でもある意味ちょっとプレーヤーに冷たくて、毎回違った世界だったり、すべて覚え直しだったり、そこが僕がずっと「FF」プレーヤーだった時に感じていた違和感です。

 それに対して「ドラゴンクエスト」って世界は主人公が変わってもずっと「ドラクエ」なんです。スピンオフもきっちり「ドラクエ」の世界観の中で作られているし、「ドラクエX」や、将来あるかもしれない「ドラクエXI」にいつトルネコが登場したっておかしくない世界観が作られているじゃないですか。この考え方は、特に僕が「ドラゴンクエストバトルロード」をやったせいもあると思うのですが、初代「ドラゴンクエスト」から「ドラゴンクエストIX」まで徹底的に「ドラゴンクエストバトルロード」で好きに使わせてもらいました。たとえば、「ドラゴンクエスト1、2、3」の主人公が同時に集結してみたり(笑)。

――なるほど、そこが発想の下地なのですね。

吉田氏: だから今回はもっと垣根を越えて、ただし「ドラクエ」以上に設定にはこだわって、何も世界までくっつける必要はないけど、少しずつシリーズのつながりやファンが語れる要素があったっていいというのと、スクエニの環境が厳しい状況の中で、社内一丸となって盛り上げていこうという2つの側面から、社内でそんな話をし始めて、今につながってきていると思います。

――発表後、「新生FFXIV」の世界にライトニングは合わないといったネガティブな反応がありましたが、実際、発表後の手応えはいかがでしたか?

吉田氏: またそうやって、片方だけでお話をする(苦笑)。しっかりグローバルで見ても賛否半々です。初動の「えーやだ~」という声も、ある程度は予測済みです。

――半々なら、まあいいんじゃないかと?

吉田氏: そういう割り切り方ではなく、少し時間を置いて議論を見て、考えるようにしています。日本の場合「最高だ!」という人はあまり声をあげてくださいません。まず即時反応で「やだ!」からどうしてもスタートするので。ですので、それに対しても意見も出始めてから包括的に見ています。

――現在発表されている内容だと、どうやら期間限定でライトニング専用のF.A.T.E.が用意されて、それに参加して、一定の成果を上げると専用装備が報酬としてもらえるらしいと、そういうシステム的な話ばかりなのですが、たとえばストーリーがどうなるのか、もうちょっと詳しく説明していただけると。

吉田氏: まだそれ以上は話せないです(笑)。ただ、ライトニング専用のカットシーンが用意されていたり、ちゃんとライトニングのエピドードがあったりはしますよ。

――一方、これは2年前のインタビューでも伺いましたけど、姉妹作「FFXI」とのコラボはないのですか?

吉田氏: 「FFXI」は11年続いてきて、あれだけ世界中で愛してもらったゲームなので、僕らがやはり同じ土俵に上がってからじゃないと「FFXI」に失礼だと思ったので、少し安定したら何か考えたいなと思っています。

――「FFXI」のコラボに関して、吉田さんが何かやってみたいことはありますか?

吉田氏: やはり「FFXI」はMMOでありながら、ストーリードリブンがすごく強いゲームだったと思うのです。それこそ、MMOをやったことがない人が、MMOをやることになったポイントになったと思っているので、例えば闇王のキャラクターだったりとか。やはり僕はバトルが好きなので、バトルコンテンツだったら闇王と戦ってみたいなとか、単純にモンスターだけコラボしてもなあ、と思っているので、少しストーリーもつけて、やるんだったらそういう形で考えたいなと思っています。あとはシャントットとかですね。

――正式サービスに関していくつか質問があります。まず、体験版のリリース予定はありますか?

吉田氏: 発売前の体験版という意味だと、βフェーズ4がその扱いです。

――正式サービス後はいかがですか?

吉田氏: ある程度時間が経てば無料トライアルの配布は検討しています。ただ、いわゆる業者の流入にも繋がるので慎重には考えています。

――また、過去のインタビューやプロデューサーレターLIVEなどで、正式サービス開始後のコンテンツについて言及されていますが、まず美容室について改めて内容と実装時期について教えてください。

吉田氏: 美容室はパッチ2.1です。とあるNPCにギルを支払って、髪型、髪の色、フェイスペイント、フェイスペイントのカラー、顔の傷、目の色などを変えることができます。

――フェイス回りをかなり自由にいじれるわけですか。価格はどれぐらい?

吉田氏: 価格はまだ言いません(笑)。ただ、それなりに繰り返し遊んでもらおうと思っているのと、ただ毎時間ひたすら変え続けられるみたいなのは考えてはいないです。どれにしようかなと考えて、これに決めたとなったら、1カ月くらいはそれで遊んでいただくようなギル設定にしようと思っています。

――NPCが期間限定で到来みたいなイメージですか?

吉田氏: そういうのではなくてギルで管理するだけです。僕らはゲーム内の排出ギルを計算しているので、この価格だったらそんなに毎日変えないだろうという価格設定です。

――つまり、そこそこの値段だぞと。

吉田氏: それも、ものによりますね。例えば、傷みたいなものだと、しょっちゅう変えるのはどうかと思いますし、髪型はその日の気分に合わせて変えてもいいかなと思います。でもそんなに高いわけではないですよ。

Amazonで購入

(中村聖司)