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「GALLERIA UE9C-R59-C」レビュー

NVIDIAの最新フラッグシップGPU「GeForce RTX 5090」搭載の超弩級ゲーミングPCを「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」と「モンハンワイルズ」で検証する

 NVIDIAのGPU「GeForceシリーズ」は、GPU市場で長らくトップシェアを誇り、GeForceシリーズに最適化されたゲームも多く、多くのPCゲーマーに愛されているGPUだ。そのNVIDIAの最新GPUが、2025年1月7日に発表された「GeForce RTX 50シリーズ」である。

 前世代のGeForce RTX 40シリーズが発表されたのは、2022年9月21日であり、約2年3か月ぶりに世代が更新された。PCゲーマー待望のGeForce RTX 50シリーズは、上位からGeForce RTX 5090、GeForce RTX 5080、GeForce RTX 5070 Ti、GeForce RTX 5070の4モデルが発表されており、GeForce RTX 5060 Ti/5060も近日発表予定となっている。

 今回はGeForce RTX 50シリーズの中でも最上位となるGeForce RTX 5090を搭載した、GALLERIAのフラッグシップモデル「GALLERIA UE9C-R59-C」を試用する機会を得たので、GPU負荷が高いことで知られている「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」(Bethesda Softworks)と発売されたばかりの「モンスターハンターワイルズ(以下、モンハンワイルズ)」(カプコン)がどれだけ快適に遊べるか検証してみた。

 なお、「GALLERIA UE9C-R59-C」は、普段はクリエイター向けモデルとして発売されている製品だが、スペックは、一部パーツを除きゲーミングモデル「GALLERIA UE9C-R59」と同じ構成である。もちろん両製品も超弩級PCであることに変わりはないが、クリエイター向けモデルとゲーミングモデルの違いについても都度紹介していく。

【GALLERIA UE9C-R59-C】
最新のフラッグシップGPU「GeForce RTX 5090」を搭載した超高性能ゲーミングPC「GALLERIA UE9C-R59-C」

インテル最新CPU「Core Ultra 9 285K」とNVIDIA最新GPU「GeForce RTX 5090」を搭載したハイエンドマシン

 「GALLERIA UE9C-R59-C」(以下UE9C-R59)は、インテルの最新CPU「Core Ultra 9 285K」とNVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 5090」を搭載したフラッグシップモデルである。

 Core Ultra 9 285Kは、開発コードネームArrow Lake-Sと呼ばれていたCore Ultra 200Sシリーズの最上位となる製品で、高性能コアのPコアを8コア、高効率コアのEコアを16コア内蔵した24コアCPUである。Arrow Lake-Sでは、1コアで2スレッドを実行するハイパースレッディングテクノロジーが廃止されたため、実行可能なスレッドもコアの数と同じ24スレッドとなる。Pコアの定格クロックは3.7GHzだが、最大5.7GHzまで向上する。さらに、処理能力13TOPSのNPUも内蔵した新世代CPUである。

 GeForce RTX 5090は、Blackwellアーキテクチャを採用した新世代GPU「GeForce RTX 50シリーズ」の中でも最上位に位置する製品で、21,760個ものCUDAコアを搭載し、GeForce RTXシリーズで初めて32GBのビデオメモリを搭載した、フラッグシップモデルである。前世代のGeForce RTX 4090に比べて、レイトレーシングコアの性能は191TFLOPSから318TFLOPSへと、約1.7倍に向上している。また、フレームレートを高める技術であるDLSSも、DLSS 4に進化し、マルチフレーム生成に対応するようになった。従来のDLSS 3では、実際に描画するフレームの間にAIで補完したフレームを1フレームずつ挟むことができたが、DLSS 4では最大3枚のフレームを生成できるようになり、フレームレートが大きく向上する。DLSS 4を利用できるGPUは、GeForce RTX 50シリーズのみであり、GeForce RTX 50シリーズの大きな魅力といえるだろう。

 UE9C-R59は、ゲーミングPCの性能を決める重要なパーツであるCPUとGPUに、最新のフラッグシップパーツを採用した製品であり、最新AAAタイトルも4K解像度の最高画質で余裕をもって遊べるスペックを誇る現時点最強のゲーミングPCなのだ。

【GALLERIA UE9C-R59-C】
CPU:インテル Core Ultra 9 285K(24コア/24スレッド、3.7GHz~5.7GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 5090(32GB)
チップセット:インテル Z890
メインメモリ:64GB DDR5-5600MHz DIMM(32GB×2)
ストレージ:2TB NVMe Gen5 SSD
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home
本体サイズ:235×628×593mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約28㎏
価格:1,129,980円(税込)
「UE9C-R59-C」製品ページ:https://www.dospara.co.jp/TC798/MC17246.html
「UE9C-R59」製品ページ:https://www.dospara.co.jp/TC30/MC17144.html

【内部パーツなど】
左サイドパネルは全面強化ガラスになっており、内部が見える
電源を入れると、内部のビデオカードのLEDが光っている様子が見える
左サイドパネルを外したところ
「GeForce RTX 5090」搭載ビデオカードを採用
デバイスマネージャーを開いたところ。24コアCPUとして認識されており、NPUも認識されている

最強ハードを冷やす冷却システムは、360mm大型ラジエーターと合計8つのケースファン

 CPUの冷却には、Asetek製の簡易水冷システムが採用されている。360mm大型ラジエーターを採用し、ラジエーター部分にNoctua製高耐久120mmファンが3基、その上にフロントケースファンとしてNoctua製高耐久120mmファンが1基搭載されている。さらに、リアケースファンとしてNoctua製高耐久140mmファンが1基、トップケースファンとしてNoctua製の高耐久140mmファンが3つ搭載されているため、ケースファンは合計8つとなる。冷却性能は非常に高く、消費電力が大きなGeForce RTX 5090も安心して連続稼働させることができる。ちなみにNoctua製の耐久ケースファンを採用しているのは、「UE9C-R59-C」のみである。

 マザーボードは、ASUSのハイエンドマザーボード「ASUS ProArt Z890-CREATOR WIFI」が採用されている。拡張スロットとして、PCIe 5.0 x16スロットが2基(そのうち一つはx8相当)、PCIe 4.0 x16スロット(x4相当)の合計3基が用意されている。GeForce RTX 5090搭載ビデオカードがPCIe 5.0 x16スロットに装着されており、3スロット分のスペースを占有しているほか、USB 3.2 Gen2 Type-A×2が用意されたPCI ExpressカードがPCIe 4.0スロットに装着されているため、利用できるPCIeスロットはない。さらに、6Gbps対応のSATAポートが4基とPCIe 5.0 x4対応のM.2スロットが1基、PCIe 4.0 x4対応のM.2スロットが3基、PCIe 4.0 x4/SATA両対応のM.2スロットが1基、マザーボード上に用意されている。

 また、大型ビデオカードをしっかり支えてスロットへの負荷を減らす、サードウェーブ製ケース独自のリジッドカードサポートも採用されている。リジッドカードサポートによって、ビデオカードが上下からしっかり挟み込まれて固定されるので、輸送中の振動による脱落やたわみによる接触不良を防ぐことができる。

【冷却機構】
CPUには水冷ヘッドが装着されている
簡易水冷のラジエーターは360mmと大型で、ラジエーターに3つとその上に1つ合計4つのNoctua製高耐久120mmファンが搭載されている(「UE9C-R59-C」のみ搭載)
リアケースファンとしてNoctua製の高耐久140mmファンが1つ搭載されている
トップケースファンとしてNoctua製の高耐久140mmファンが3つ搭載されている
GeForce RTX 5090を支えるリジッドカードサポートが採用されている
【UE9C-R59】
「UE9C-R59」には、煌びやかな印象を与えるARGBケースファンを8基搭載している。こちらも冷却性能はばっちりだ。

PCIe 5.0対応超高速SSDを搭載。シーケンシャルリードは12,000MB/s超え

 メインメモリも64GBと余裕があり、高速なDDR5-5600メモリを採用している。64GBの容量があれば、AAAタイトルをプレイしながらリアルタイムで実況配信をするにも十分だ。また、ストレージは、最新のPCIe 5.0対応NVMe 2TB SSDを搭載する。容量が大きいだけでなく、速度も高速である。試用機に搭載されていたSSDはCrucial T700であり、「CrystalDiskMark 8.0.6」を使ってストレージ性能を計測したところ、シーケンシャルリード(Q8T1)は12,266.01MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が11,928.65MB/sと非常に高速であった。PCIe 4.0対応SSDでは、高速なものでもシーケンシャルリードが7,000MB/s程度であり、10,000MB/sを超えているのはPCIe 5.0対応の真価が発揮できているといえる。筆者がこれまでにレビューしたGALLERIAの中で最速だ。大規模なAAAタイトルの起動やデータサイズの大きなマップの読み込みも短時間で終わり、ストレスを感じずにゲームをプレイできる。

【「CrystalDiskMark 8.0.6」の結果】
「CrystalDiskMark 8.0.6」の結果

3面に強化ガラスを採用した新フルタワーケースを採用、インターフェースも充実

 GALLERIAのデスクトップPCでは、オリジナルのミドルタワーケースまたはミニタワーケースが使われている製品が大部分だが、今回試用したUE9C-R59は最上位製品であり、ケースも特別なものが採用されている。通常のGALLERIAデスクトップPCのサイズは220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)だが、UE9C-R59のサイズは235×628×593mm(幅×奥行き×高さ)であり、幅は15mm、高さは113mm、奥行きは148mm大きくなっている。

 さらに、通常のGALLERIAのケースでは左サイドパネルの一部が透明の樹脂になっており、中が見えるが、UE9C-R59のケースは、左右両サイドパネルとフロントパネルが厚みのある強化ガラス製になっていることが特徴だ。ガラスには黒い色が付いており、内部が適度に透けて見える。電源を入れると、ビデオカードのLEDが点灯する様子が外から見えるようになっており、高級感を演出している。強化ガラスを採用していることとサイズが大きいことによって、重量も約28kgと超重量級であり、1人で持ち上げて運ぶのはかなり大変だ。ちなみに、普通のミドルタワーケースのGALLERIAの重量は約14kgであり、ちょうど2台分の重さである。

 フロントI/Oポートとしては、USB 3.2 Gen1 Type-A×4とUSB 3.2 Gen2 Type-C×1、サウンド入力端子・出力端子が用意されている。バックパネルのI/Oポートも豊富で、USB 2.0×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×8(うち2つはスロットを占有して搭載)、Thunderbolt5 USB Type-C×2、Thunderbolt4 USB Type-C×1、2.5Gbps有線LAN、10Gbps有線LAN、サウンド入力端子・出力端子が用意されており、さまざまな周辺機器を接続できる。さらに、最新のWi-Fi 7対応無線LANとBluetooth 5.4もサポートしている。

 電源として、80PLUS PLATINUM認定の1200W電源ユニットが採用されており、消費電力の大きなGeForce RTX 5090も余裕で動作する。

 本体上面には、ホコリの侵入を防ぐメッシュシートが貼られているが、このメッシュシートはマグネットで固定されており、簡単に着脱できる。底面には、電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている。フィルタは引き出せるようになっているので、掃除などのメンテナンスも楽に行なえる。

【本体外観など】
GALLERIA UE9C-R59-Cのリアパネル
リアパネル部分のアップ
ビデオカードの出力はHDMI×1とDisplayPort×3という仕様だ
PCI ExpressスロットのブラケットにもUSB 3.2 Type-Aが2基用意されている
フロントI/Oポートとしては、USB 3.2 Gen1 Type-A×4とUSB 3.2 Gen2 Type-C×1、サウンド入力端子・出力端子が用意されている
右サイドパネルは全面強化ガラスになっている
GALLERIA UE9C-R59-Cの上面
上面のメッシュシートはマグネットで固定されており、簡単に着脱できる
底面には電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されており、引き出して掃除が可能

NVIDIAのAI技術を活用したフレームレート向上技術DLSS 4とは?

 最近のPCゲームの設定画面などで「アップスケール」(アップスケーリング)と「フレーム生成」という文字がよく出てくるようになった。今回試用したUE9C-R59-Cは、DLSS 4に対応したGeForce RTX 5090を搭載していることが最大のセールスポイントである。DLSS 4とは、NVIDIAのAI技術を活用したフレームレート向上技術の最新版である。

 そこで、アップスケールとフレーム生成についてここで整理しておこう。アップスケールとは、その名の通り、画素数を増やして解像度を上げる技術であり、例えば1,920×1,080ドットで描画された絵を、縦横2倍に引き延ばして3,840×2,160ドットにすることがアップスケールである。

 アップスケール技術自体は古くからあるが、従来のアップスケール技術ではどうしても拡大した絵がぼやけた感じになったり、テクスチャが粗く感じられるといった問題があった。DLSSに代表される最近のアップスケール技術は、AIを活用することで、画素数の少ない画像(低解像度の画像)を精細感を失わずに高解像化できるようになっているのだ。アップスケールは超解像技術とも呼ばれるが、実際の解像度より低い解像度でレンダリングすることで、GPUの負荷を下げ、フレームレートを向上させることが目的である。DLSSのバランスやパフォーマンスといった設定は、レンダリング解像度と出力解像度の比率を変更するものである。

 これに対してフレーム生成は、フレームとフレームの間にAIで補完したフレーム(1枚の画像)、すなわち新しいフレームを生成する技術であり、あるフレームと次に描画されるフレームを比べて、その中間になるようなフレームを生成することで、GPUに負荷をあまりかけずにフレームレートを高める仕組みだ。DLSS 2までは、アップスケール技術のみをサポートしていたが、DLSS 3以降ではアップスケールに加えてフレーム生成も利用できるようになった。

 DLSS 3で採用されたフレーム生成技術はフレームレートを高めるために非常に有効だが、GeForce RTX 40シリーズ以降でしか利用できない。最新のDLSS 4では、このフレームレート生成技術をより進化させ、フレームとフレームの間に複数のフレームをAIで生成できるようになった。複数のフレームを生成するため、マルチフレーム生成と呼ばれる。DLSS 4では、フレームとフレームの間に最大3枚のフレームを生成することができ、フレームレートを大きく向上させることが可能だ。DLSS 3がGeForce RTX 40シリーズ以降でしか利用できないのと同様に、DLSS 4はGeForce RTX 50シリーズでしか利用できない。

【「アップスケール」と「フレーム生成」】
DLSS 3のフレーム生成は、フレームとフレームの間にAIで補完したフレームを生成する技術だ
DLSS超解像度(アップスケール)とDLSSマルチフレーム生成を組み合わせたDLSS 4では、全体の1/16の画素を描画するだけで、残りの15/16をAIで生成することができる
DLSSの効果の例。DLSSオフの場合と比べて、DLSS 4では最大6倍以上もフレームレートが向上する

「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」と「モンハンワイルズ」で性能を検証

 「UE9C-R59-C」と「UE9C-R59」は、インテルの最新ハイエンドCPU「Core Ultra 9 285K」とNVIDIAの最新フラッグシップGPU「GeForce RTX 5090」を搭載したGALLERIAのフラッグシップとなるゲーミングPCであり、現時点で最強ともいえるパフォーマンスが売りだ。

 そこで今回は、2024年12月9日にBethesda Softworksから発売されたアクションゲーム「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」と2025年2月28日にカプコンから発売されたハンティングアクションゲーム「モンハンワイルズ」を利用して、パフォーマンスを計測してみた。

 「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」は、有名映画「インディ・ジョーンズ」シリーズを題材とした一人称視点のアクションゲームであり、美しいグラフィックスで、インディの視点で冒険を繰り広げられることが魅力だ。昨年末に登場した最新ゲームだけあり、かなり重たいゲームとなっているが、中でもポイントとなるのがフルレイトレーシングを有効にするかどうかである。

 フルレイトレーシングを有効にすることで、水面への周囲の映り込みや光の反射や影の表現がリアルになるが、フルレイトレーシングは非常に負荷の高い処理であり、高い性能が要求される。そのため、PC版の推奨環境として、フルレイトレーシングを有効にせずプレイする場合の「最小」「推奨」「ウルトラ」と、フルレイトレーシングを有効にしてプレイする場合の「最小」「推奨」「ウルトラ」の全部で6種類のシステム要件が規定されている。

 フルレイトレーシングを有効にしない場合の「推奨」要件は、ネイティブ1440pをターゲットにしたもので、CPUがCore i7-12700KまたはRyzen 7 7700、GPUがGeForce RTX 3080 TiまたはRadeon RX 7700XTで、同じくフルレイトレーシングを有効にしない場合の「ウルトラ」要件は、ネイティブ4Kをターゲットにしたもので、CPUがCore i9-13900KまたはRyzen 9 7900X、GPUがGeForce RTX 4080またはRadeon RX 7900XTとなっている。フルレイトレーシングを有効にしない状態でも、「ウルトラ」ではかなり高いスペックを要求するが、フルレイトレーシングを有効にした場合の「推奨」要件は、アップスケールでの1440pをターゲットにしたもので、CPUがCore i7-12700KまたはRyzen 7 7700、GPUがGeForce RTX 4080と高いスペックを要求する。

 さらに、フルレイトレーシングを有効にした場合の「ウルトラ」要件は、CPUがCore i9-13900KまたはRyzen 9 7900X、GPUがGeForce RTX 4090と、非常に高いスペックとなる。フルレイトレーシングを有効にしない場合は、RadeonシリーズもGPU候補として推奨されているが、フルレイトレーシングを有効にすると、GPUの要件は、NVIDIAのGeForce RTX 40シリーズのみになることにも注意したい。

 なお、すべての要件において、ターゲットフレームレートは60fpsとなっており、安定して60fps以上出せれば快適にプレイできるといってよいだろう。なお、「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」は、単に重いだけでなくGeForce RTX 50シリーズの新機能であるDLSS 4にもいち早く正式対応したタイトルなので、GeForce RTX 5090の性能検証に適している。

 一方、「モンスターハンター」シリーズの最新作である「モンハンワイルズ」もAAAタイトルとしてかなり負荷が高いソフトである。PC版の動作環境は、最低環境/推奨環境/高/ウルトラの4つが公開されており、それぞれターゲットとする解像度やフレームレートが異なる。

 動作環境ウルトラでは、4K(3,840×2,160ドット)/60fps(フレーム生成使用)がターゲットとなっており、CPUがCore i5-11600K/Core i5-12400/Ryzen 7 5800X/Ryzen 7 7700、GPUはGeForce RTX 4070 Ti/GeForce RTX 4070 Ti SUPER/Radeon RX 7800 XTとかなり高いスペックを要求する。ビデオメモリも12GB以上が必須で、高解像度テクスチャパック適用時は16GB以上が必須となる。こちらもターゲットフレームレートは60fpsであり、安定して60fps以上出せれば不満はない。

 現時点では、「モンハンワイルズ」はDLSS 4には対応していないが、DLSS 3とGPU負荷が高いレイトレーシングに対応しているほか、ビデオメモリを多量に消費する高解像度テクスチャパックも用意されているため、GeForce RTX 5090の性能を検証するのにふさわしいゲームといえる。

【「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」と「モンハンワイルズ」を利用】
DLSS 4やレイトレーシングに対応した「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」
DLSS 3やレイトレーシングに対応した「モンハンワイルズ」

DLSS 4の威力は絶大!4K最高画質フルレイトレーシング有効でも平均228fpsを実現

 まずは、「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」のフレームレートを見てみよう。CapFrameXを利用して1分間の平均フレームレートと最低フレームレートを計測した。計測は盗まれた猫のミイラの最初のシーンで5回行ない、その平均値を採用している。

 まず、解像度を4Kに設定し、全体的なグラフィック品質を「究極」にし、パストレーシングを「オフ」、アップスケーリングを「ネイティブTAA」に設定した。この状態ではDLSSによるアップスケーリングやフレーム生成は無効になっており、パストレーシング(レイトレーシング(フルレイトレーシング)も無効である。この設定では、平均フレームレートが129fps、最低フレームレートが93fpsとなった。もちろん、プレイ感も非常に快適である。次に、パストレーシングを最高の「フルRT」、RTシャドウを「太陽のみ」にして計測したところ、平均フレームレートは49fps、最低フレームレートは39fpsと、どちらも半分以下に落ち込んだ。やはりパストレーシングの負荷は非常に高いようだ。この状態でもプレイは一応できるものの、やはりフレームレートの低さが気になる。そこで、この状態でアップスケーリングを「DLSS」にし、DLSSスーパー解像度を「バランス」、DLSSレイ再構成を「オン」にしたところ、平均フレームレートは78fps、最低フレームレートは63fpsまで向上し、快適にプレイできるようになった。この状態では、DLSSによるアップスケーリングが有効になり、レンダリング解像度が実際の表示解像度より低くなる(この設定だと2227×1253ドット)。

 次に、GeForce RTX 50シリーズのウリであるマルチフレーム生成機能を有効にしてみた。「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」では、DLSSフレーム生成という項目で設定が可能で、オフ/2x/3x/4xから選択できる。2xはDLSS 3に相当し、フレームとフレームの間にAIで補完したフレームを1枚挟むことができる。3xと4xは、DLSS 4相当の設定(マルチフレーム生成)で、3xではフレームとフレームの間にAIで補完したフレームを2枚、4xではフレームとフレームの間にAIで補完したフレームを3枚挟むことができる。最高の「4x」に設定したところ、平均フレームレートは232fps、最低フレームレートは59fpsとなった。DLSSを一切無効にした状態と比べると、平均フレームレートは約4.7倍に向上している。DLSS 4の威力は絶大である。

 続いて、DLSSフレーム生成をオフにし、パストレーシングのRTシャドウの設定を最高の「すべての光」に設定した。RTシャドウを「すべての光」に設定するには、DLSSレイ再構成を「オン」にする必要がある(DLSSレイ再構成を「オン」にしていない場合は、DLSSレイ再構成を「オン」にするという表示が出る)。この状態では、平均フレームレートは74fps、最低フレームレートは61fpsとなり、同じ設定でRTシャドウが「太陽のみ」の場合と比べると、平均フレームレートが4fps、最低フレームレートが2fps低くなっているが、それほど大きな差ではない。この設定で、DLSSフレーム生成を4xにしたところ、平均フレームレートは228fps、最低フレームレートは57fpsとなった。

 最後に、パストレーシングを「オフ」にして、アップスケーリングを「DLSS」、DLSSフレーム生成を「4x」にしてフレームレートを計測したところ、平均フレームレートは357fps、最低フレームレートは95fpsとなった。

 「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」は描画負荷が高いゲームだが、GeForce RTX 5090を搭載した本製品なら、4K/究極/テクスチャ品質最高/パストレーシングフルRTといった最高設定でも、快適にプレイできることが分かった。

【「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」のベンチマーク結果】
「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」のメインメニュー画面
4K解像度に設定した
全体的なグラフィック品質を「究極」に設定した
パストレーシングを「オフ」、アップスケーリングを「ネイティブTAA」に設定した
次にパストレーシングを「フルRT」、RTシャドウを「太陽のみ」に設定した
今度はパストレーシングを「フルRT」、RTシャドウを「太陽のみ」、アップスケーリングを「DLSS」、DLSSスーパー解像度を「バランス」に設定した
さらに、DLSSフレーム生成を「4x」(マルチフレーム生成、DLSS 4)に設定した
RTシャドウを「すべての光」に設定するには、「DLSSレイ再構成」を有効にしなければいけない
RTシャドウを「すべての光」に設定した(DLSSレイは、アップスケーリングでDLSSを選択しないとオンにならない)
RTシャドウを「すべての光」に設定し、DLSSフレーム生成を「4x」(マルチフレーム生成、DLSS 4)に設定した
最後に、パストレーシングを「オフ」、アップスケーリングを「DLSS」、「DLSSフレーム生成」を「4x」に設定した
ベンチマーク結果のグラフ

「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」におけるレイトレーシングの効果

 「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」では、パストレーシングの設定を「フルRT」にすることで、画面に存在するあらゆる光源の処理にレイトレーシング処理が適用され、よりリアルな光の映り込みを実現できる。下のスクリーンショットがその一例だ。その反面、負荷が高いためフレームレートはかなり低下するが、DLSS 4のマルチフレーム生成を利用すれば、フレームレートが大きく向上するため、問題なくプレイが可能だ。

【「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」のレイトレーシングの効果】
パストレーシング「オフ」でのゲーム画面
パストレーシング「フルRT」でのゲーム画面。中央の床に奥のライトが映り込んでおり、周りの影の描写も異なる

 UE9C-R59なら、「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」を設定可能な最高画質で快適にプレイできることがわかった。以下、4K/究極/パストレーシングフルRT/RTシャドウすべての光のスクリーンショットをいくつか紹介するので、その美しさを堪能頂きたい。

【「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」4K/究極/パストレーシングフルRT/RTシャドウすべての光でのスクリーンショット】
インディは基本的には素手と鞭で戦うことが多い
パストレーシングによって、鉄格子の影もリアルに描画されている
リアルなグラフィックスは最新AAAタイトルならではだ

「モンハンワイルズ」も4K/ウルトラ/高解像度テクスチャ/レイトレーシングで快適!

 続いて、「モンハンワイルズ」のフレームレートの計測を行なった。「アルシュベルド(歴戦の個体)」の討伐クエストをプレイし、CapFrameXを利用して1分間の平均フレームレート、最低フレームレートを計測した。計測は5回行ない、その平均値を採用した。なお、第2回オープンベータテストのときはレイトレーシングの設定項目が用意されていなかったが、正式版ではレイトレーシングの設定も可能になっていた。また、無料DLCとして高解像度テクスチャパックが提供されているため、高解像度テクスチャパックを導入してテストを行なった。

 まず、解像度を4Kに設定し、グラフィックプリセットを「ウルトラ」に設定後、アップスケーリングを「NVIDIA DLSS」、フレーム生成を「ON」、レイトレーシングを「OFF」、テクスチャ品質を「高」に設定した。高解像度テクスチャパックをダウンロードしない状態で、レイトレーシングオフでの最高設定となる。この設定では、平均フレームレートは139fps、最低フレームレートは78fpsとなった。「モンハンワイルズ」も60fps以上が安定して出ていれば快適にプレイできるタイトルであり、もちろん非常に快適にプレイできる。そこで、レイトレーシングを「高」に変更したところ、平均フレームレートは128fps、最低フレームレートは71fpsになった。平均フレームレートは11fps、最低フレームレートは7fps低下しているが、大きな差ではない。「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」に比べると「モンハンワイルズ」におけるレイトレーシングの適用は部分的であり、フレームレートの落ち込みが小さいのだ。

 今度は、レイトレーシングを「OFF」にした状態で、テクスチャ品質を「最高」に変更してみた。この状態での平均フレームレートは138fps、最低フレームレートは76fpsとなったが、テクスチャ品質「高」の場合と比較して、フレームレートは1~2fps程度しか低下していない。さらに、テクスチャ品質を「最高」にした状態で、レイトレーシングを「高」に変更して計測したところ、平均フレームレート126fps、最低フレームレートは70fpsとなった。

 「モンハンワイルズ」は現時点ではDLSS 4のマルチフレーム生成には対応していないのだが、それでもGeForce RTX 5090を搭載した本製品なら、4K/ウルトラ/テクスチャ品質最高/レイトレーシング高といった最高設定でも、快適にプレイできることが分かった。

【「モンスターハンターワイルズ」のベンチマーク結果】
「モンスターハンターワイルズ」のタイトル画面
解像度を4Kに設定した
グラフィックプリセットを「ウルトラ」に設定後、アップスケーリングを「NVIDIA DLSS」、フレーム生成を「ON」、レイトレーシングを「OFF」、テクスチャ品質を「高」に設定した
レイトレーシングを「高」に設定した
レイトレーシングを「OFF」にし、テクスチャ品質を「最高(高解像度テクスチャ」)」に設定した
テクスチャ品質を「最高(高解像度テクスチャ)」にした状態で、レイトレーシングを「高」に設定した。最も負荷の高い設定になるが、VRAM使用量はまだまだ余裕がある
ベンチマーク結果のグラフ

「モンハンワイルズ」における高解像度テクスチャとレイトレーシングの効果

 「モンハンワイルズ」をハイエンドゲーミングPCでプレイするアドバンテージとして、高解像度テクスチャとレイトレーシングの適用が挙げられる。今回の試用機では、高解像度テクスチャとレイトレーシングを同時に適用しても、高いフレームレートを維持できるため、プレイ感覚は全く損なわれないのだが、それぞれの機能が画質にどんな影響を与えるのか、検証してみた。

 まず、高解像度テクスチャだが、下のスクリーンショットを見れば分かるように、モンスターの皮膚の鱗などの表現がより精細になり、立体感も増している。高解像度テクスチャを導入していない状態でも、十分綺麗に感じられるが、高解像度テクスチャを導入してテクスチャ品質を「最高」にすることで、さらに臨場感や迫力、空気感がグレードアップする。無料でダウンロードできるので、高解像度テクスチャを適用できるスペックのゲーミングPCをお持ちの方には、高解像度テクスチャの適用をおすすめする。

【「モンスターハンターワイルズ」の高解像度テクスチャの効果】
テクスチャ品質「高」でのゲーム画面。
テクスチャ品質「最高」でのゲーム画面。護竜アンジャナフ亜種の皮膚の鱗がより精細に描かれ、立体感も増している

 レイトレーシングの効果だが、こちらは主に水面への映り込みで違いが見られた。レイトレーシングを「OFF」にした状態でもある程度水面に映り込みがあるが、厳密なものではない。レイトレーシングを「高」にすることで、周囲の樹木などの水面への映り込みがよりリアルになる。こちらも性能に余裕があるなら、レイトレーシングを有効にすることをおすすめする。

【「モンスターハンターワイルズ」のレイトレーシングの効果】
レイトレーシング「OFF」でのゲーム画面
レイトレーシング「高」でのゲーム画面。水面への映り込みが全然違う
レイトレーシング「OFF」でのゲーム画面。水面に左の椰子の木が映り込んでいるが、木の根元のほうはかなりいい加減である
レイトレーシング「高」でのゲーム画面。椰子の木の映り込みがよりリアルになっている

 UE9C-R59なら、「モンハンワイルズ」を最高の画質で存分に楽しむことができる。以下、4K/ウルトラ/テクスチャ品質「最高」/レイトレーシング「高」でのスクリーンショットをいくつか紹介したい。

【「モンハンワイルズ」4K/ウルトラ/テクスチャ品質「最高」/レイトレーシング「高」スクリーンショット】
操虫棍の「飛天螺旋斬」を放ったところ
リオレイアに「集中転翔突き」で攻撃した後の様子
リオレイアの討伐に成功した瞬間の様子
アルシュベルドに「飛天螺旋斬」を繰り出したところ

「VALORANT」も「Apex Legends」も4K最高画質で平均250fpsを超える

 参考のために「VALORANT」と「Apex Legends」でもフレームレートを計測してみた。どちらも4K解像度で画質設定は最高にしている。CapFrameXを利用して1分間の平均フレームレート、最低フレームレートを計測したところ、「VALORANT」では、平均フレームレートが307fps、最低フレームレートが150fps、「Apex Legends」では、平均フレームレートが263fps、最低フレームレートが164fpsとなった。もちろん、競技的にプレイする場合でも、十分なフレームレートである。

【「VALORANT」と「Apex Legends」のベンチマーク設定】
「VALORANT」の設定
「VALORANT」の設定の続き
上記設定でのゲーム画面
「Apex Legends」の設定
「Apex Legends」の設定の続き
上記設定でのゲーム画面

現時点で最速のゲーミングPC 4K最高画質レイトレーシング有効で快適にプレイしたいゲーマーに

 「UE9C-R59-C」は、インテルの最新ハイエンドCPU「Core Ultra 9 285K」とNVIDIA最新フラッグシップGPU「GeForce RTX 5090」を搭載した、GALLERIAのフラッグシップモデルである。本製品のパフォーマンスは現時点最強というべき、フラッグシップの名に恥じない、素晴らしいものであった。特にGeForce RTX 50シリーズのみのサポートとなるDLSS 4の威力は凄まじい。約113万円という価格はもちろん安いとはいえないが、GeForce RTX 5090は現在非常に品薄で、実売価格も50万円を超えている。同スペックの他社製PCと比べても、価格的にはリーズナブルであり、「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」のように、フルレイトレーシングをサポートしたゲームを4K最高画質で快適にプレイしたいのなら、本製品が有力な選択肢となるだろう。

【GALLERIA UE9C-R59-C】