【連載第252回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


レーシングタイトルを手軽に本格的に楽しめる「HKS レーシングコントローラー」!
iPhone/iPod touch用グリップやPS3用コントローラーを試す


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 久々の更新となる今回はちょっと変わりダネなグッズを試してみた。まずは海外製品のPS3用コントローラー「HKS レーシングコントローラー」。こちらはDUALSHOCK3型のコントローラーに親指で操作するホイールと、押し込みの深いアクセル/ブレーキ用のアナログボタンを搭載したもの。より手軽にレースゲームの本格的なプレイが楽しめるというものだ。

 2つ目はiPhone/iPod touchにグリップアタッチメントを装着して、より快適にゲームを楽しめるようにするというサンワサプライ 「iPhone・iPod touchゲームグリップ(iPhone4対応)」。こちらは以前に紹介した納所庵の「タクティルプラス」も組み合わせてみた。そのほか、デイテルジャパンのPS3用コントローラー「コントローラターボマックス」も試してみた。

【今週のおしながき】
PS3 EAGLE3 「HKS レーシングコントローラー」
iPhone/iPod touch サンワサプライ 「iPhone・iPod touchゲームグリップ(iPhone4対応)」
PS3 デイテルジャパン 「コントローラターボマックス」

 




● パッドタイプのコントローラーにドライブゲームに求められるアナログ感を搭載したPS3用レーシングコントローラー

「HKS レーシングコントローラー」

    メーカー:EAGLE3
    価格:$54.97(購入価格:5,800円)


左右に回転させてステアリング操作ができるホイールを搭載している
×ボタンと□ボタンは、押し込みの深いアナログボタンに。指で微妙なアクセルワークが可能になっている

 「グランツーリスモ5(以下、『GT5』」をはじめとしたレーシングタイトルをより本格的に楽しみたい!でもステアリングコントローラーは敷居が高い。そんな人にオススメしたい、ちょっと面白いアプローチのPS3用コントローラーがこの「HKS レーシングコントローラー」だ。こちらは海外製品だが、ネット通販等で輸入品を購入できる。

 このコントローラーは、車のチューニングパーツを手がけるHKSのブランドを冠している。コントローラーの筐体は前面がツヤのある暗めのメタリックレッドで背面はマットな質感のブラックというツートンカラーになっている。グリップ部分にあしらわれている各種のロゴがレーシングらしさ、海外製品らしさを感じさせる。このデザインだけでも欲しいと感じる人は多いのではないだろうか。

 全体に高級感のあるしっかりとした作りで、USB端子も金メッキされている。ケーブルの長さは約3m、コントローラーの重量は約186gと軽量だ。振動機能を搭載しているが、モーションセンサーは搭載していない。

 全体的な形状はDUALSHOCK3とほとんど同じだが、方向キーの部分には左右にまわるホイールが搭載されていて、○ボタンと×ボタンは指で踏み込むかのようなペダル型のアナログボタンになっているのが最大の特徴。ホイールでステアリング操作を、2個の大きなアナログボタンでアクセルとブレーキ操作をする。△ボタンと○ボタンは右上に小さめのものが並んでいる。

 方向キーは本来の右アナログスティックの位置にあり、アナログスティックは左側の1本だけ。アナログスティックの左右の割り当ては背面のスイッチで切替えられるようになっている。背面にはもうひとつスイッチがあって、「GT5」用(ブレーキアクセルが○と×)と「ニード・フォー・スピード」用(ブレーキアクセルがL2/R2)のキーアサインに切り替えられる。

 コントローラーの中央にはインジケータを搭載。ここにはアクセルボタンの押し込みぐあいが0~100の数値で表示される。中央には、スタートボタン、セレクトボタン、PSボタン(PS3の電源オンには非対応)のほか、マクロボタンというボタンもある。このマクロ機能は、キーアサインを簡易に入れ替えるもので、例えばマクロボタンを押してからL1ボタンを押し、○ボタンを押せば、L1ボタンに○ボタンの機能が割り当てられるようになる。

 L1/R1ボタンはDUALSHOCK3同様だが、L2/R2は押し込みがほとんどなくなっていて、角度も浅くなっている。カチカチとした感触のするスイッチのような方式になっている。おそらくはシフトチェンジ操作に特化させた変更なのだろう。



全体的な形状はDUALSHOCK3/SIXAXISを踏襲している。暗めの赤いメタリックカラーに各種のロゴがあしらわれていてレーシングカーのようなデザインだ。L2/R2ボタンは押し込みが浅めになっていてスイッチ式のような感触になっている

親指でステアリング操作をする独特の操作感覚だが、意外に慣れるのは早かった
手前側がブレーキ、奥がアクセル。ブレーキは1低めになっていて、親指でアクセルを押さえつつブレーキも押さえるという操作ができる

 実際に「GT5」をプレイして試してみた。手に持った時のホールド感はDUALSHOCK3/SIXAXISに非常に近いが、前面はツヤで手がしっかりと止まり、背面はサラサラとした手触り。質感はとてもよく、凝縮感が感じられる。ホイールとアナログボタンの斜めの角度もよく、両手の親指を自然に置ける。

 ステアリングホイールは中心に溝が付いていてセンター位置が感触だけでわかるようになっている。左右にだいたい30度ずつ回るようになっていて、回す感触は軽め。指を離すと自然にセンターに戻る。

 実際の操作性はどうかと思っていたのだが、プレイしてみると違和感がなく、すぐに慣れてスムーズな操作ができた。ホイール回転の堅さが堅すぎず柔らかすぎずと絶妙で、微妙なハンドリング位置で固定するのも楽にできる。親指で操作しているので、右は奥へ、左は手前へ引っ張る操作になるので、独特の感覚だ。多少、上達には独自のコツというか、このコントローラー特有の力加減が必要になってくるが、すぐになじむことができた。

 アクセルとブレーキのアナログボタンは、アクセルの×ボタン側が少し高く、ブレーキの□ボタン側が1段低くなっている。アクセルは約1cm、ブレーキは約7mmほど押し込みの深さがあり、微妙なコントロールは従来のボタンよりはるかにしやすい。ボタンの感触はしっかりとした抵抗があり、感触がいい。

 アクセルとブレーキは親指を両方のボタンにかけて、親指の右半分でアクセルを、左半分でブレーキを微調整するような押し方になる。ぐーっとアクセルを押し込み、指を少し左にかたむけてちょいちょいとブレーキを押すような操作だ。足でペダルを踏み込むのを指で再現しているかのような独特の操作だが、これも違和感はなくすぐに慣れた。

 ただ、アクセルの感度は、ボタンを6割ぐらいまで押し込んだところで最大になってしまい、微調整はその手前ぐらいで行なうようになっていた。それでも従来のボタンより押し込みの幅があるぶん調整しやすいが、路面の感覚を確かめながらアクセルを踏み込むようなシチュエーションだと、もう少し中間域にリニアさがほしい。インジケータの数値も、同じく6割ぐらいの押し込みで100になってしまっていた。

 また、アナログボタンをぐいぐい操作した指がちょっと痛くなるところも気になった。プレイに力が入ってきて、アナログボタンの角になっているところを押しこむようになってしまうと、長時間のプレイ後には少し痛みを感じてしまう。痛みといっても少しでそれほどのものではないのだが、このコントローラーの使い始めには気になるかもしれない。


唯一気になったのがアクセルの感度。押し込みの6割を過ぎたあたりから最大の100%になってしまう。完全に押し込んで100%ぐらいの調整具合にしてもらえれば、より中間域での微妙なアクセルコントロールができたのではないだろうか

 使用感としては、従来のコントローラーとステアリングコントローラーの間のような、いいところ取りをしたようなコントローラーで、コンパクトに扱える良さと、アナログ操作の醍醐味を両方押さえている。キワモノに思えるかもしれないが、とてもよく考えられている作りで、違和感なくスムーズに扱える。コントローラーの振動機能もメリハリのある強めの振動で、全体に質の高さを感じることができた。ボタンの感度がシームレスさに欠けるところがあったのは唯一残念だったが、手軽により本格的なプレイを楽しめる、好印象のコントローラーだ。




● iPhoneやiPod touchでもっと快適にゲームプレイしたい! スマートなグリップアタッチメント

「iPhone・iPod touchゲームグリップ(iPhone4対応)」

    メーカー:サンワサプライ
    価格:オープン価格(購入価格:1,480円)
    対応機種:iPhone4/3GS/3G、iPod touch 第2世代/第3世代


左下がグリップの本体で、残りはiPhone4用、iPhone 3GS用、iPodtouch第2世代/第3世代用のフレーム

 独自タイトル、移植タイトルが多数配信され、すっかり“ゲームも楽しめる”存在として認知された感のあるスマートフォン。だが、やはりネックになるのは操作性やホールド感。

 このグッズは、そんなiPhoneやiPod touchにグリップアタッチメントを装着して、コントローラー並のホールド感を得られるようにしようというアイテムだ。以前は「iHandstick」という名称で輸入販売されていたようだが、iPhone4に対応した最新版がサンワサプライから販売されている。

 グリップ本体のほか、iPhoneやiPod touchを装着するフレームが3種類(iPhone4用、iPhone 3GS用、iPod touch第2世代/第3世代用)が付属。専用フレームにiPhone等を装着しツメで固定してから、最後にグリップ本体へと装着させるという作りだ。

 グリップ本体はラバー質のマット加工が施されていて、手にしっくりとなじむ。形状はプレイステーション系のコントローラーに非常に近い。DUALSHOCK3に重ねてみると、横幅はほぼ同じで、グリップの角度も近い。手に持ったときのフィーリングも非常に似ている。

 グリップ本体とフレームをあわせた重量は約83g。iPhone4の場合だと137gなので、合計220gになる。DUALSHOCK3の重量は192gなので、それと比べると少し重いぐらいになる。


使用時はまず、専用フレームにiPhone/iPod touchを装着させ、それごとグリップアタッチメントに装着させる。グリップはプレイステーション系コントローラーを参考にしているようで、サイズやホールド感は非常に近い

実際にグリップを装着してゲームをプレイするとまるで新しい携帯ゲーム機のよう。ただし、側面が覆われてしまうので各種の操作ができないのがつらいところだ
画面に突起のついたシートを貼ることで指の感触を加えてくれる納所庵の「タクティルプラス」も組み合わせてみた。ホールド感の良さ、そして操作の感触と、プレイの感触は非常に良くなった

 iPhone4を装着して試してみた。まず装着だが、専用フレームはツメが堅めで、ちょっと固定するのに苦労する。なにより、iPhone本体をツメで傷つけてしまわないように気をつけないとならないのがネックだ。同様に取り外すときも少し力をこめないと外れない感覚だ。

 また、フレームはそれぞれiPhoneやiPod touchにぴったりのサイズなので、カバーやクリアケース等は干渉してしまう。本体をとりつける左右の向きは、iPod touchのみ音量ボタンが干渉してしまうため、ホームボタンが右側になるようにつけるよう指定されている。

 フレームに装着したら、グリップ本体に装着して準備は完了。フレームの枠からiPhoneの前面だけが出て、他は完全に一体化した状態だ。見た目は非常にスマート。フレームへの固定力が強かったので、そのぶんガタつきなどはない。

 手に持ってみると、グリップがしっくりと手に納まってホールド感が非常に良い。iPhoneが一気に携帯ゲーム機に近づいたかのように思える。前述のとおりサイズや形状はプレイステーション系のコントローラーに似せてあるので、ほとんど同じ感触と言っていいほど。

 カプコンの「ストリートファイターIV」やセガの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードI」など手持ちのタイトルを色々とプレイしてみたが、なにより手の負担がほとんどないことが大きい。角のある薄い本体をそのまま持ち続けるよりも圧倒的にホールドしやすい。長時間のプレイにも十分に耐えられる。

 ただデメリットもあって、見た目がスマートなのと引き替えに、側面が完全に覆われていてホームボタン以外は触れないのが辛いところだ。音量に関してはiOS4から追加されたマルチタスクメニュー(ホームボタン2度押しで呼び出せる)から調整可能なものの、電源ボタンに触れなかったり、イヤフォン端子が使えないのは辛いところだ。今後、同じコンセプトの製品が出るのなら、ここをぜひ改善して欲しいと思う。

 最後に、当連載の245回で試してみた納所庵の「タクティルプラス」も組み合わせてみた。スマートフォンのタッチキー部分に突起付きのシートを貼って操作に感触を加えるというもので、もちろん問題なく併用可能。グリップでしっかりとホールドし、指先に操作の感触を感じながらのプレイは、何もつけていない状態よりも、格段に操作がしやすくなる。現時点ではこれ以上ないほどの工夫だ。

 iPhone/iPod touchでより快適にゲームをプレイできるよう、グリップをつけてしまえという、大胆な製品。着脱に扱いにくさを感じたり、装着後は側面部の本体操作ができないなど気になった点はあるが、ホールド感のアップは非常に効果的。よりベストな環境でプレイを楽しみたいという人はぜひチェックしてみてもらいたい。





● トリガータイプのL2/R2ボタンを採用したエルゴノミクスデザインのPS3用コントローラー

「コントローラターボマックス」

    メーカー:デイテルジャパン
    価格:2,480円
    カラーバリエーション:ホワイト、ブラック、レッド、ブルー


人間工学に基づいたエルゴノミクスデザインを採用したPS3用コントローラー。使用しているのはレッドで、メタリックな少し明るい赤になっている

 4段階の連射機能を搭載し、人間工学に基づいたエルゴノミクスデザインを採用した、有線のPS3用コントローラー。カラーバリエーションはホワイト、ブラック、レッド、ブルーの4色。今回はレッドを使用してみた。

 全体にスベスベとしたツヤのある表面加工で、メタリック塗装になっている。全体にかなり大きめのコントローラーで重量は約212g。USBのケーブルの長さは約3m。振動機能も搭載しているが、モーションセンサーは非搭載。PSボタンはPS3本体の電源オン操作以外に対応している。

 大型のグリップと、十字型の方向キー、トリガータイプのL2/R2ボタンが特徴で、十字ボタンと○△□×ボタンはハの字に斜め向きについている。グリップを握った指を自然な角度で置ける角度だ。

 L1/R1ボタンは平べったいボタンになっていて、そこから1段下がった位置にL2/R2ボタンが搭載されている。L2/R2ボタンはトリガー形状のボタンを採用していて、微妙なコントロールをしやすくしている。

 4段階に切替可能な連射機能を搭載していて、コントローラー中央のターボボタンを押しながら連射設定したいボタンを押すことで設定できる。連射設定可能ボタンは、○/×/△/□/L1/L2/R1/R2/STARTボタン、連射速度(秒)は6連射/12連射/24連射/36連射の4段階。中央の下にある4個のLEDランプで連射速度がわかるようになっている。


ハの字に斜め向きについている十字ボタンと○△□×ボタン、トリガータイプのL2/R2ボタンが特徴。全体的に大きめのコントローラーで、写真右下の比較写真をみてもらうとそのサイズがわかるかと思う

持ちやすさ自体は悪くはないが、ボタン操作を前提に指を置いてホールドしようとすると、ちょっと大きすぎる
グリップもかなり太さがあるため、手の小さい人だとホールドするのも厳しくなるのではないだろうか。少しバランスに難を感じる

 実際にゲームプレイに使用して試してみた。まず、コントローラーを手に持った感触なのだが、かなり大きめになっている。グリップ部分が太く、筐体全体も大きい。研究所員も手は大きいというか指が長いのだが、各部ボタンを押さえつつ全体をしっかりとホールドするのには持ちづらさを感じてしまった。特にコントローラーの頂点部分にあるL1/R1ボタンは遠くなるので、指を添えるのがギリギリになってしまった。

 気になったのが、コントローラーのガタつき。コントローラー筐体の前面と背面の2つのパーツが組み合わされているのだが、グリップを握るとギシギシと鳴ってしまう。サイズのわりに凝縮感がなく、重量もサイズからすると軽い。パーツの分割によるものなのか、本体パーツの内側に骨のような構造がないのかはわからないが、ひねりに対しても強度が足りないので、全体的に剛性感が不足している。

 トリガータイプのL2/R2ボタンはカシュカシュとした感触で軽く、もう少し押し込みのぐぐっとした感触が欲しかったところ。○、×、△、□ボタンの感触は純正コントローラーのボタンの感触に近いが、それよりももう少しパサパサしている。アナログスティックの感触も純正のものに近いが、先端が約2mmほど小さくなってしまっていた。コントローラー全体が非常に大きいのに対して、アンバランスに感じる。

 連射機能については、まず連射設定がターボボタンを押しながら連射にしたいボタンを押し続けることで、時間経過で連射速度が切り替わるという設定の仕方が、ちょっと扱いづらい。ターボボタンを押すごとに切り替わる一般的な設定方法のほうが手早く楽に行なえると思える。また、4段階の連射速度切替えよりも、連射ホールド機能が欲しかった。

 人間工学に基づいたエルゴノミクスデザインということで、確かに持つだけなら、スッと手に馴染むのだが、ボタン操作とのバランスが悪く、コントローラー本体のスケールともあっていないように思える。安価なコントローラーながら、トリガータイプのL2/R2ボタンの採用やホールド感を考慮してのエルゴノミクスデザイン採用など、コンセプトは魅力なだけに残念なところだ。






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(2011年 2月10日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]