使って試してみました! ゲームグッズ研究所
連載第312回
強い衝撃からも携帯ゲーム機の画面を守る! 衝撃吸収フィルターや100円ショップの格安フィルターを試してみた
(2013/5/30 00:00)
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
今回は携帯ゲーム機の画面を守る定番グッズ「画面保護フィルター」の新製品をチェック。様々な特徴を持つ保護フィルターがこれまで登場してきたが、最近新たに話題になっているのが“衝撃吸収フィルター”だ。ハンマーで叩いても画面までは衝撃が伝わらずに割れない、尖ったもので突き刺しても貫通せず画面は無事。そんな驚異的な衝撃吸収性能のあるフィルターを2製品試してみた。このほか、100円ショップ「ダイソー」で購入できる格安の画面保護フィルターも2製品試してみた。
【今週のおしながき】
衝撃から画面をがっちりガード! 新機軸の“衝撃吸収”能力を持つPS Vita用フィルター
圧倒的な“衝撃耐性”が特徴の、新機軸の画面保護フィルターだ。パッケージには衝撃自己吸収フィルムが1枚封入されており、クリーニングクロスは付属しない。フィルターはディスプレイサイズよりも大きく、上下の余白部分や、左右の操作部分間際まで貼り付ける特殊なサイズになっている。
フィルターはやはり他のフィルターとは異なり厚みがある。他のフィルターでは平均0.2~0.3mmほどの厚みがあるが、こちらは0.5mmほどとなっている。厚みがある分硬いのかというとそうでもなく、グニグニとビニール質に曲がる。感触としてはむしろ柔らかい部類で、衝撃をこの柔らかさと厚みで吸収する作りだ。フィルターの構造は表面から「特殊衝撃吸収層」、「PET層」、「特殊シリコン粘着層」の3層構造となっている。
貼り付けは、粘着面のフィルムを剥がしつつ貼り付けていくというスタンダードなもの。サイズが大きめで左右の枠に合わせないといけないので、多少難しいところがある。粘着面フィルムを左右のアナログスティック周りの枠ぐらいまで剥がして、左右を見つつ貼るのがポイントだ。位置さえピタッと決まると、すーっと画面へ貼り付いてくれて気泡も押し出しやすい。
貼り付け後の画面を見ると、透明度は十分に高くてクセのない映りだ。フィルターに厚みがあるぶんフィルターのフチを触ると段差があるが、操作部分の枠までフィルターがあるので、ほとんどは指が当たらないようになっている。前面カメラあたりのフチが多少指に当たって気になるだろうか。
表面の質感は、前述のようにビニール質なところがあり、タッチ操作時には少し指が突っ張るような感触がある。ピタッと止まる質感が好みの人向けなフィルターだ。厚みはあるが、タッチ操作そのものには何も問題は見られず、快適に使用できる。
気になる衝撃吸収効果だが、このフィルターは柔らかく厚みがあるので、例えば爪先をぐーっと押しつけてみると少し沈み込むような感触がある。この柔らかな厚みを突き通すのは容易ではなく、尖ったものがぶつかっても画面まではそうそう到達しないだろう。
試しに、先の尖ったデジタルノギスをガツガツと音がするぐらい、フィルターを貼った画面に振り下ろしてみたのだが、フィルターには多少刺さった跡ができたものの、画面までは突き通っている感触はない。フィルターをめくって確認してみると、画面には傷が全くついていなかった。
試してみた上での感想としては、先端の尖ったものでグリグリと体重を載せて押しつけるようにするぐらいしなければ、このフィルターを突き抜けて画面まで到達するのは難しいと思えるし、日常的な扱いの中ではそんな事はほとんど起きないだろう。物がぶつかった衝撃に対しても、柔らかさと厚みが吸収してくれる。瞬間的な衝撃であればほとんどをフィルターの段階で抑えてくれると思えた。なお、サンクレストでは傷や衝撃への耐性を実験した動画を公開していて、本稿でも下に掲載している。ぜひご覧頂きたい。
傷や衝撃から徹底して画面を守ってくれるフィルターで、試した限りではかなりの保護力を確認できた。ただし、保護効果はあくまで画面を守るものであり、フィルターそのものは柔らかく、細かなこすり傷などがつく。そのあたりは少し残念なところだ。そうした特徴を理解しつつ、いざという時に画面を致命傷から守ってくれると考えると心強い。落としたり何かをぶつけたりしてデジタルガジェットの画面を割ってしまった……そんな覚えのある人にうってつけな製品だ。
衝撃をしっかり吸収し透明度も高い、PS Vita用の衝撃吸収フィルター
カンタービレから発売されている衝撃吸収フィルターは、PS Vitaの前面全体を保護するフルカバータイプ。パッケージはフィルター本体1枚が封入されており、クリーニングクロスは付属しない。
光線透過率91%という高い透明度のフィルターで、フィルター構造は「スクラッチ防止層」、「特殊衝撃吸収層」、「PET層」、「シリコン粘着層」の4層構造。1番表面のところにスクラッチ防止層という擦り傷を防ぐ硬い層があるのがポイントだ。厚みも約0.6mmとかなり厚めで、適度な硬さがある。
貼り付けてみると、やはりPS Vitaの前面全体に貼り付けるタイプなので、位置合わせは難しい。粘着面のフィルムはPS Vitaの左側から剥がしていくようになっているが、左側だけで角度を合わせても、右側がズレがち。フィルムを1度全て剥がし、上から画面に乗せるようにして角度を合わせるほうが貼りやすかった。
貼り付け後の画面を見ると、艶やかで光沢が強い。透明度が高く、画面をキレイに見せてくれる。全体に貼るタイプであり厚みもあるので、PSボタン/スタートボタン/セレクトボタンを押す時は開口の段差が指に当たって、その厚みを感じさせる。フィルターを貼ったというよりは、ビニール質のクリアシートを貼っているような感覚だ。
タッチ操作をして表面の感触を見ると、ビニール質で指をキュッキュと止める。少しペタペタと指に吸い付くような感触だ。
衝撃吸収の効果を試してみた。まずは爪先をグーッと押しつけてみると、沈み込むような感触があって、画面には全く到達しない。フィルターが破れて貫通するということも、よほどの事がないと起きないだろう。
試しに先端が尖ったデジタルノギスで、ガツガツと音が鳴るほどにフィルターの貼った画面を打ち付けてみた。フィルターには刺さった跡がしっかりと残ったものの、めくって画面を見てみると傷はまったくついていなかった。柔らかく厚みのあるフィルターを突き通すぐらいの事がなければ、画面は無事だろう。物がぶつかった衝撃に対しても、柔らかさと厚みが吸収してくれる。
今回同時に試しているサンクレストのものと比べると、こちらの製品は表面に擦り傷などがつきにくいのが好印象だ。表層のスクラッチ防止層が効いているのだろう。画面だけでなく、フィルターそのものにもある程度の耐性があるのは嬉しい。
柔らかく厚みのあるフィルターをPS Vita前面全体に貼り付けるフィルターで、多少貼り付けの難易度は高めなものの、上手く貼り付けられれば透明度が高く、キレイに仕上がる。厚みが多少、開口部からボタンを押す際に影響するが、それほど大きな問題ではなく、保護性能は十分。貼り付けが難しくとも、全体をよりしっかりと保護したいという人にオススメのフィルターだ。
100円ショップで買える、低価格な3DS LL用の液晶保護フィルター
100円ショップ「ダイソー」で販売されている3DS LL用の低価格な液晶保護フィルターだ。購入価格105円という破格の値段ながら、パッケージには上下画面用のフィルター各1枚ずつに加え、小さいながらも布製のクリーニングクロスも付属する。
保護フィルターのサイズは、上画面用は112×69mm(横×縦)と、画面外の枠より少し小さい程度。下画面用は85×64mm(横×縦)と画面全体より少し小さめ。下画面側は枠の端に合わせて貼ると縦横ともに約2mmの隙間ができてしまうので、左右に1mm程度余裕を持たせて貼るのがポイントだ。
貼り付けは粘着面のフィルムを剥がしつつ貼り付けていくスタンダードな方法。フィルムは粘着面にのみで表面にはない。貼り付けてみると、画面への吸い付きは良く、気泡も簡単に押し出せる。貼り付けしやすいフィルターだ。
貼り付け後の画面を見ると、わずかに全体が暗くなるところがあり、精細さにおいても全体がわずかに白っぽくボケてしまう。だが、何も貼っていない画面と見比べればわかるものの、画面全体に貼ってしまえば気にはならない。価格を考えれば十分な質感と言える。
タッチペンを滑らせてみるとツルツルとしいて滑りが良く、何も貼っていない画面よりもガラス質な滑りと硬さを感じさせる。こちらも感触に対するこだわりが無ければ、十分に満足できるものだ。
100円ショップで購入できる最安値な3DS LL用の液晶保護フィルターだが、さすがに高クオリティとまでは言えないものの、実用性は十分。低価格だけに気軽に貼れ、100円ショップのゲームグッズも侮れないという思いだ。コストパフォーマンスを重視する人にオススメしたい。
低価格ながら防指紋ノングレアのPS Vita用の画面保護フィルター
こちらは100円ショップ「ダイソー」で販売されているPS Vita用の画面保護フィルター。防指紋タイプで、光沢がなくマット加工が施されているノングレアタイプとなっている。3DS LL用同様に105円という低価格ながらも、フィルター1枚のほかに小さいクリーニングクロスが付属している。
フィルターはPS Vitaの画面サイズで112×64mm(横×縦)と、PS Vitaの画面サイズ109×62.5mm(横×縦)よりも大きい。フィルターの構造は「特殊ハードコート層」、「反射防止層」、「PET層」、「特殊粘着層」の4層構造。低価格ながらも反射防止層を持っているのが嬉しい。
実際に貼り付けてみると、画面枠がないので位置合わせは多少難しいものの、画面への吸い付きは良く、気泡も押し出しやすい。貼り付けの際には電源を入れた状態で画面が表示されているところより、縦に約0.8mm、横に約1.5mmほど余裕を持たせると、バランスよく貼れる。
このフィルターは指紋跡のつかない防指紋タイプなので、手触りはサラサラ。画面は光沢や映り込みのないノングレアになり、粒状感が出る。特に白い色を映した明るい表示の際には、反射防止層のものと思われる粒状のチラチラしたものが目立つので、画質を重視する人には向いていない。画質よりも、映り込みや指紋の軽減、タッチの感触を重視したいという人向けだ。
防指紋の効果を確かめるべく、フィルターを貼った画面と何も貼っていない画面の両方に指紋跡をつけてみたが、フィルター自体が磨りガラス状になっていることもあり、白い指紋跡はほとんど目立たない。また粒状の加工が施されているだけに映りこみや反射も軽減されている。低価格なフィルターながら、こうした効果もしっかりと備えている。
最安値ながら、防指紋効果も持っているPS Vita用フィルターであり、非光沢タイプのフィルターを求めている人にとって、十分に選択肢に入れられる製品だ。欲を言えば、もう少し粒状感が薄くチラツキが少なければ、よりオススメの製品と言えたのだが。コストパフォーマンスは抜群にいいので、映り込みや反射が気になる人にオススメだ。