コメディアンBJ Foxの脱サラゲームブログ

連載第4弾

「カメラを止めるな!」がとてもおもしろかったので「ゾンビの話を止めるな!」とばかりに「The Last of Us Remasterd」を遊んでみた

 この連載の1つの目的とは、近年のサラリーマン仕事とコメディー活動の同時両立の厳しい中で、プレイし逃してしまったゲームを遅れ気味で手にすることだ。英語では、以下の慣用句があるって知ってた?

“Eyes Bigger Than One's Stomach”

 直訳すると、「目が胃袋よりも大きい」だが、意訳は、「食べきれないほど食事を注文する」ということだ。焼肉の90分食べ飲み放題が終わって調子に乗ったことを後悔しながら使う言い方なんだ。僕の場合、ゲームに関しても似たような言い方が当てはまるだろう。ゲームをプレイする時間がないし、まだまだプレイしていないゲームがどんどん積もっているくせに、ついつい新しいやつを買ってしまうのだ。僕の場合は、こういうことになるだろう

“My Eyes are Bigger than my Gaming Stomach” 「プレイしきれないほどゲームを注文する」

 ただ、映画は別だ。どんどん見る。短いしね。先週は、このブログの準備をしているはずなのに、映画館へ行って話題作の「カメラを止めるな」を見に行ったわけ。もう、感動した。笑った。現在作りかけてるコメディドラマをさらに良いものにしなきゃ、というモチベーションにもなった、本当にいい作品だった(しかも日本語的にわかりやすかった!難しい専門用語もな買ったし、関西弁もなくて助かった!)。ちょっと炎上しているという噂はさておき、傑作だったなという印象で家に帰ったね。家に帰っても、「ゾンビの話を止めるな!」という感覚で、ゾンビゲームでもやろうかと思った。

 「まだ遊んでいないゲームの山」を見ると、2つのゾンビゲームが残っていた。「The Last of Us Remastered」と「バイオハザード7」。未開封のプラのラッピングがより輝いていたことが原因だったどうかわからないが、Naughty Dog の方に手がついに行ってた。続編もそろそろ出るしね。あの映画を見てゾンビのゲームをやりたいしね。という思いで、PS3番の発売から5年も経って、やっと「The Last of Us」の体験が始まった。

 遊んでみてすぐに分かったのは、ゾンビのジャンルが一緒だと言っても、「カメラを止めるな!」と「The Last of Us」のテイストは雲泥の差だということだ。全然違う。「カメラを止めるな!」が楽しさとチームワークの重要性というモラルに溢れている作品であるのに対して、「The Last of Us」は世界の崩壊後にもしかしてこうなるだろうという現実性と絶望感が満載の作品だった。もうびっくりした。

 ジャンルが一緒だと言っても、子供向けのSF映画「ウォーリー」(それとも「ラスト・ジェダイ」)を見てSFゲームをやりたくなって、そしてプレイしたゲームが「デッドスペース」だったときと同じ気分だろう。全然違う。ジャンルは「海底」だから一緒に楽しもうと思って、「ファインディング・ニモ」を見てそして「バイオショック」をプレイするような感覚だった。

「ザ・ラスト・オブ・アス」は、どちらかというと、新型染系と言えるだろう。ブードゥー的ウロウロするよりも足が素早く、ウィルス感染系だが、怖い。

 「カメラを止めるな!」を見て、どんなに高いハードルに直面しても、人間と人間の間で助け合って頑張り合ったらなんとかなるだろうという思いで帰った。僕は仕事としてテレビドラマを作ったりして、ゲームの開発の近い場までいた経験もあるので、1つの作品を完成させることがどれだけ大変なのか目撃した経験もあるわけだ。それはあの映画をみて本当に同感したね。

 パニック、ミス、修正、ぶつかり合い、CEROによる改訂などの嵐の中に、「これは無理!」と思っても、最終的に出来上がり、「そこからの達成感とチームの連帯感が半端ないんだよな~」と、「カメラを止めるな!」を見ながら思い出させられた。「The Last of US」をプレイして、2度と人間との関係を作らないようにしておくねと覚悟した。どうせあいつが取られてしまうからね。さみしいゲームだね、と思ってプレイした同時に……

ゲームには「カメラを止めるな!」に登場する“ポン!ポン!の護身術はないんだけど、Naughty Dog だけあってQTEを使った護身術は十分に駆使する必要がある

 「The Last of Us」をプレイしてどうしてこのゲームがここまで評価されているかよ~く理解ができた。まずは、リマスター版とはいえ、もともと4年前のゲームであるにも関わらず、本当にグラフィックスが綺麗。ゾンビは、「カメラを止めるな」式のクラシックなヨロヨロ歩きするやつと違って、足が速くすぐに攻撃してくるタイプで、ステルスプレイの臨場感が半端ない。

 映画で言うと、イギリス映画「28日後...」みたいなゾンビ。主人公ジョエルの攻撃のコントロールには、若干操作しにくさもあったりしたが、敢えてあった方がリアルのではないかと思う。ホラー的なゾンビではないかもしれないが、このゲームが相当怖いね。「カメラを止めるな」と同じく、ジャンルだけではなく、キャラクター同士のリレーションシップにも鋭い焦点を置いている。

「カメラを止めるな」はファミリードラマだ!ハートワーミングだった。「ザ・ラスト・オブ・アス」の「家族」の構成が違う

 そして「The Last of Us」は絶望感が溢れていると言っても、本当に絶滅してしまうわけではない。プレイしてよかった。絶望感があって楽しかったな。ゲームが終わって半分ホッとした気持ち、半分Naughty Dog様が続編の方向性をどうするかな、と楽しみにする気持ちだった。絶望感どころか、シリーズに関して期待感もあった。

 正直、「カメラを止めるな」を引き金と、ゾンビゲームの再発見として「The Last of Us」をプレイすることは間違いだったかもしれない。「バイオハザード7」の方が良かったかもね。でも、遅れてもプレイして良かったな、とクリア後の今では思う。オススメだよ。

嫌だ!リアルすぎる!

 ちなみに今回「カメラを止めるな!」を見て「ラスト・オブ・アス」をプレイしてしまった失敗を踏まえて、次のゲームはどうするか迷っている。またゾンビゲームにするか、それとも「Game Dev Tycoon」にしようか。ゲームの開発を舞台にするゲームなんていいかも。