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血みどろ、泥まみれの戦い、そして恋人同士のキス……「The Last of Us Part.II」は表現の限界を超える挑戦を感じさせる!
2018年6月12日 14:42
E3直前の6月11日、ソニー・インタラクティブエンタテインメントは「PlayStation E3 2018 Showcase」にて様々な新タイトルの最新情報を開示した。「The Last of Us Part.II」の発売日は本稿では最初に紹介された「The Last of Us Part.II」を取り上げたい。本作の発売日は未定。
今回の「PlayStation E3 2018 Showcase」はかなり凝った趣向になっていて、テントの中にセットを作り、そこにプレスを招いた。目の前には燭台と白い壁、木で作られたドアが左右にあり、礼拝堂の椅子、後ろにはつり下げられた電球による照明がある。教会風の内装となっていた。「ホラーゲームが発表されるのかな」と思った。
しかし、スクリーンに映し出されたのは「The Last of Us Part.II」だった。そして来場者は驚きの声を上げた。成長したエリーがいる場所、生き残りの人々がささやかにダンスパーティを楽しんでいる場所は、来場者がいる教会とそっくりなのだ!
楽しげに笑い合う男女達を前に、その輪には入らないエリー。しかし1人の気の強そうな女性がエリーの手を引き輪の中に入り親しげに言葉を交わす。そしてほほを寄せ合った後、女性がかなり熱烈にエリーにキスをするのだ。そしてエリーもまたそのキスに応え、2人は強くお互いの唇をむさぼるような熱烈なキスを交わしていく。……そしてエリーの回想にシーンは移る。
画面はシームレスにゲームプレイ画面に移行する。エリーは1人の男の背後からのどにナイフを突き刺し、力を込めてナイフをえぐる。男はもがくが、エリーの必殺の意志にあらがえず、絶命する。エリーは男の死体に目もくれずに、集落へ入っていく。
その集落は脅しのためか、むごたらしい死体を入り口に立てかけている。エリーが奥に行くと、縛られた男が悲鳴を上げていて、リーダーらしき男が縛られた男の胸にナイフを突き立て、そのまま腹まで一気に走らせる。縛られた男の腹から、ロープのように内蔵が飛び出し、男は絶命する。エリーはさらに先に進もうとするが……見つかってしまう。
ここからが激しいアクションの見せ場となる。弓矢とナイフでのステルスキルは最初は成功するものの、見つかって囲まれてしまう。逃げた先で次々と応援がくる絶望感。敵は容赦なくライフルを使ってエリーを追い詰めていく。エリーは時には身体ごと突進してナイフを突き立て、置いてあった瓶をすぐにつかんでそのまま敵の頭にたたきつける。
敵に追われれば車の下に逃げ込む。これでやり過ごしたと思ったものの、車の下をのぞき込む用心深い女が。エリーはのぞき込んできた女の頭に銃をポイントして打ち抜く。しかしその銃声がさらなる敵を呼んでしまう。
建物の中に追い詰められたエリー。ここでエリーは工作を行ない爆弾矢を作成、天井で爆発させ1人を粉々に、もう1人をよろめかせる。よろめかせた敵に武器をたたきつけノックダウンするものの、リーダーの攻撃を食らい吹っ飛ばされる。何とか逃れ敵が持っていた矢を拾うと突進してきた男ににいくつもの矢を打ち込み抵抗力を奪ってから、エリーは鉈の刃をリーダーの首に押しつけ、ぎりぎりと引き、とどめを刺した。
ここで再びキスシーンに画面は戻り、エリーは硬い表情のまま唇を離すが、相手の笑顔に、おずおずと笑みを返す。そしてタイトル「The Last of Us Part.II」が提示される。
今回見たデモは本当に圧倒された。非常にむごたらしく、泥まみれ、血まみれの戦闘だが、「アンチャーテッド」から「The Last of Us」を経た開発陣がこの戦いの方向を提示したのはとても興味深い。あらかじめ戦い方を覚えるとうまくいく、という方向ともまた異なる感じがした。刻々変わる戦いの中、どう攻撃をすれば敵の力をそぐことができるか、瞬間的な判断力が試されるゲーム性だと混じた。
そして表現である。きつい残酷表現だが、それは“強調”だったり、“爽快感”には繋がっていないのではないだろうか。人間同士が殺し合う極限状態の時、どう戦えば敵を”殺せる”のか残酷さよりもキャラクター達の必死さが感じられる。敵が2度と立ち上がってこないように戦う、という焦りや苛立ちのようなモノを感じさせる戦いだった。
そしてエリーと“恋人”のキスシーンである。前作「The Last of Us Part.II」も作家精が強く出た、開発者達の求める表現、テーマを追求した作品だったが、今作ではさらなる挑戦をしている。それを示すためのキスだったのではないだろうか。前作のもう1人の主人公ジョエルの行方も大いに気になるところだ。