レビュー

内蔵ディスプレイで簡単ラピトリ設定!ロジクールG「PRO X2 RAPID」ゲーミングキーボードレビュー

【PRO X2 RAPID】
10月15日 発売予定
価格:35,750円

 ロジクールは、同社のゲーミングブランド「ロジクールG」よりゲーミングキーボード「PRO X2 RAPID」を10月15日に発売する。価格は35,750円。

 「PRO X2 RAPID」は、eスポーツ選手と共同開発した「PRO」シリーズのゲーミングキーボードの最新モデルだ。2024年10月に発売された前モデル「PRO X TKL RAPID」は、ロジクールGで初めてラピッドトリガーに対応し、今でも多くのゲーマーが使っているかと思うが、本製品は「X2」の名に相応しいフルモデルチェンジを遂げている。

 今回は発売前に2週間ほど試用する機会を頂いたので、本稿では「PRO X2 RAPID」のレビューをお届け。刷新された筐体、進化した打鍵感、新たに搭載されたOLEDディスプレイなど、本製品の魅力を紹介していく。

 なお、GAME Watchでは同時発売のゲーミングマウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」やゲーミングヘッドセット「PRO X3 LIGHTSPEED」のレビュー、新製品発表イベント「Logicool G PLAY 2026」のレポートも掲載しているので、併せてご覧いただきたい。

【PRO X2 RAPID Product Tour | Logitech G PRO SERIES】

“塊感”がカッコいい筐体。新たにシリコン製パームレストも付属

 まずは「PRO X2 RAPID」の外観を見ていこう。筐体は全く新しいものを採用しており、横からキースイッチが見える“フローティングデザイン”をやめて、トラディショナルなゲーミングキーボードへと回帰している。一つの大きな塊のようなデザインがカッコいい。

【「PRO X2 RAPID」の外観】
本体カラーはブラック・ホワイト・ピンクの3色。今回はブラックを提供いただいた
直線的で“塊感”がカッコいいデザイン
横からキースイッチが見える「フローティングデザイン」をやめて、トラディショナルな筐体へと回帰した
左側面に「X2」ロゴ、ESCキーは「ロジクールG」ロゴがあり、アクセントになっている
よりシンプルにしたい場合は、通常の「ESC」キーキャップも付属している
上側面の左側にUSB Type-Cポートを搭載。キーボードを“左斜め”に配置するFPSゲーマーにも嬉しい
上側面の右側には「PRO X2 RAPID」ロゴをプリント。プロ選手が大会で使っている時も一目でわかる
右側面には「ゲームモード」スイッチが搭載されている
本体裏面。滑り止めは6カ所にあり、グリップ力はかなり高い
実は上側面と裏面は半透明のプラスチック素材が使われており、デザインにメリハリをもたらしている
チルトスタンドは4度と8度の2段階。好みの角度に調整可能だ

 日本ではJIS配列のみがラインナップされ、レイアウトはテンキーレスのみ。この辺りは従来の「PRO」シリーズと変わりないが、上部に搭載されていた「メディアコントロール」が廃止され、新たにOLEDディスプレイが右端に搭載された。機能面については後ほど紹介したい。

【「PRO X2 RAPID」のキー配列】
レイアウトはテンキーレスのみ。日本ではJIS配列が販売される
文字・数字エリアに特殊なレイアウトはなく、JIS配列ユーザーであれば問題なく使用できる
ナビゲーションキーエリアは若干特殊で、本来Pause・PageUp・PageDownがある場所に、OLEDディスプレイが搭載された
Pause・PageUp・PageDownのキーキャップは付属しており、ソフトウェアからキーを割り当てて、変更することができる

 また、新たな付属品としてシリコン製のパームレストが付属。磁石などは内蔵されておらず、キーボード本体に添えるだけとなるが、好みの角度に置くことができるので筆者としてはありがたい。表面はサラサラとしているが適度にグリップ力があり、裏面もシリコン素材がラバーのように機能することで滑りにくくなっている。

【シリコン製パームレスト】
新たにシリコン製パームレストが付属
シリコン製のため、持ち上げると自重でたわむが、使用時は全く問題ない
表面はサラサラとしているが、適度にグリップ力がある。またコーティングのおかげか、指紋も目立たない
裏面はシリコン素材がラバーのように機能することで、滑りにくくなっている

 前モデル「PRO X TKL RAPID」と見比べてみると、新しい筐体を採用したこともあって、“フルモデルチェンジ”していることがすぐにわかる。ゲーミングキーボードらしさが残っているのが「PRO X TKL RAPID」なのに対して、プロが使う“機材”へと変貌を遂げたのが「PRO X2 RAPID」という印象だ。

【「PRO X TKL RAPID」と比較】
新登場の「PRO X2 RAPID(画像上・黒)」と前モデル「PRO X TKL RAPID(画像下・白)」
外観上の変化は“フローティングデザインであるか否か”がわかりやすいポイント
角の仕上げも「PRO X TKL RAPID」は丸みを帯びているのに対して、「PRO X2 RAPID」は直線的になっている
「PRO」のロゴも大きくなった
メディアコントロールボタンは廃止
新たにOLEDディスプレイを搭載した
【「PRO X2 RAPID」と「PRO X TKL RAPID」のスペック比較】
PRO X2 RAPID(本製品)PRO X TKL RAPID
レイアウトテンキーレス/JIS配列テンキーレス/JIS配列
キースイッチ磁気式スイッチ(KS-20 POM Custom)磁気式スイッチ
キーストローク0.1〜4.0mm0.1〜4.0mm
キーのアクチュエーションポイント0.05mm単位で調整可能0.1mm単位で調整可能
キーの押下圧30±10g35g
ホットスワップ対応非対応
キーキャップダブルショットPBTダブルショットPBT
ポーリングレート最大8,000Hz(TRUE 8KHz)最大1,000Hz
接続USB有線のみUSB有線のみ
吸音構造6層(PORONとシリコン)4層(PORONとシリコン)
ディスプレイ各種設定が可能なOLEDディスプレイ&ローラー搭載非搭載
RGBライティングLIGHTSYNC対応LIGHTSYNC対応
パームレストあり(シリコン製)なし
カラーブラック/ホワイト/ピンクブラック/ホワイト/マゼンタ
発売日2026年10月15日2024年10月29日
価格(2026年10月現在)35,750円32,780円

新しいキースイッチとOLEDディスプレイ。「PRO X2 RAPID」のスペック

 次にスペックや機能を確認していこう。先述のように、前モデル「PRO X TKL RAPID」は磁気式アナログスイッチを搭載し、ロジクールGで初めてラピッドトリガーに対応したが、「PRO X2 RAPID」は2026年現在のゲーミングキーボードのトレンドを押さえた最新仕様へと進化している。

 磁気式アナログスイッチは、Gateron製の「KS-20 POM」を搭載。「KS-20」といえば磁気式アナログスイッチの代表格で、多くのゲーミングキーボードに採用されている。だが「PRO X2 RAPID」に搭載されているのは、自己潤滑性に優れたポリアセタール(POM)樹脂を採用し、工場で潤滑剤を塗布(ルブ)したカスタム品で、押下圧も30gと軽めになっているのだ。

 もちろん、アクチュエーションポイントの調整、より高速な入力を可能にするラピッドトリガー、キーの優先順位を決められる「KEY PRIORITY(SOCD)」に対応。キーボード側のホールセンサーもアップグレードされ、アクチュエーションポイントやリセットポイントを0.05mm単位で調整可能になった。

【アナログスイッチ】
磁気式アナログスイッチは、Gateron製の「KS-20 POM」を搭載
スイッチケースにPOM樹脂を採用し、ルブ済みのカスタム品となっている
ホールセンサーもアップグレードされ、アクチュエーションポイントなどを0.05mm単位で調整できるようになった

 加えて「PRO X2 RAPID」では、アナログスイッチのホットスワップに正式対応。実は前モデル「PRO X TKL RAPID」もアナログスイッチの着脱はできたのだが、対応するアナログスイッチが販売されず、公式ではホットスワップ非対応となっていた。「PRO」シリーズのゲーミングキーボードでは、2019年11月に発売された「PRO X」以来のホットスワップ対応となる。

 試しに「KS-20」規格に沿ったアナログスイッチをいくつか装着したところ、ラピッドトリガーや「KEY PRIORITY(SOCD)」も含めて問題なく動作した。一方でパッケージには「サードパーティー製のスイッチを使用して生じる不具合は保証の対象外となる」という記載もあり、ホットスワップは楽しいが“あくまで自己責任”となるので注意してほしい。

【ホットスワップ】
アナログスイッチのホットスワップに正式対応
手元にあった「KS-20」規格のアナログスイッチ(左は本製品のKS-20 POM、中央はGateron製、右はOutemu製)は問題なく動作した

 そして「PRO X2 RAPID」の注目ポイントが、本体右上に搭載された「OLEDディスプレイ」だ。ここでは下にあるローラーとボタンを使いつつ、キーボードの各種設定を「G HUB」いらずで変更できる。

 「G HUB」といえば、ロジクールGユーザーにはお馴染みの設定用ソフトウェア。だが、プロゲーマーが大会でロジクールG製品を使用する場合でも、大会側が用意したPCに「G HUB」をインストールすることはできない。これはソフトウェアに見せかけて、別のチートを導入するといった不正を防止するために仕方のないことだ。

 だが、高機能化するゲーミングキーボードにおいて、ラピッドトリガーをコンマ数ミリ調整したいとか、キーの優先順位(SOCD)を変更したいという場面も出てくるだろう。そこで役に立つのが「OLEDディスプレイ」というわけだ。

【OLEDディスプレイ】
「PRO X2 RAPID」の注目ポイントであるOLEDディスプレイ。その下にはローラーとボタンがある
起動すると「ロジクールG」ロゴが表示される。カッコいい

 「OLEDディスプレイ」からはアクチュエーションポイントやラピッドトリガー、キーの優先順位、ゲームモード、レポートレート、LIGHTSYNCを設定可能。本来の「G HUB」と比較すると、いくつかの細かい設定は省かれているが、ゲームに必要な機能はほぼ全て変更できるので、まさに「オンボードG HUB」という名が相応しい。

 一方で「G HUB」をインストールできる環境であれば、ソフトウェアから設定した方が直感的に操作できるのは間違いない。PC上で「G HUB」が機能している場合は、OLEDディスプレイから各種設定を変更することはできないことからも、これまで通りソフトウェアの「G HUB」が本筋であることに変わりはない。

 だが、これはあくまで「PRO」シリーズのゲーミングキーボードであり、プロ選手の要求があったからこそ導入されたものなので、余計な機能というわけでは全くない。ちなみに「オンボードG HUB」を試してみたいという場合は、ソフトウェアの「G HUB」からオンボードモードを選択することで使用可能だ。

 また「OLEDディスプレイ」には84×64ドットの好きな画像を表示できるので、カスタマイズの一つとしても楽しめそうだ。

【オンボードG HUB】
アクチュエーションポイントからレポートレートまで、ゲーム周りで必要な機能を変更・調整できる
ローラーのおかげで、ラピッドトリガーの設定も直感的にできる
PC上で「G HUB」が起動している場合は、PC側が優先される
好きな画像を表示させることもできるので、カスタマイズの一つとして楽しむこともできる

気持ちのいい打鍵感!レポートレートも最大8,000Hzに向上

 ここからは実際に「PRO X2 RAPID」を使っていこう。今回は発売前に2週間ほど、仕事からゲームまでじっくりと試すことができた。まず打鍵感と打鍵音だが、前モデルの「PRO X TKL RAPID」からかなり変わっており、軽く滑らかなタッチと「コトコト」という上質な音が楽しめる。

 これはPORONフォームとシリコンを組み合わせた6層の吸音構造と、自己潤滑性に優れたPOM素材の「KS-20」を組み合わせることで実現している。いわゆる静音系ではないのだが、低く落ち着いた音のため、気になるようなことはない。ついついタイピングしたくなる気持ちのいい感触で、本稿の執筆も捗っていたような気がするほどだ。

 なお「PRO X2 RAPID」は、クッション性をもたらす「ガスケットマウント」を採用していないが、これはプロ選手から「ガスケットの沈み込みが、競技中は違和感につながる」という意見があり見送ったとのことだ。そのため「G512 X」と比較すると、底打ち時の打鍵感は少し硬めなのだが、この辺りはプロ仕様として捉えよう。

軽く滑らかなタッチと「コトコト」という音で、ついついタイピングしたくなる感触だ

 もちろん、ゲーム用途での使用で困ったこともない。ラピッドトリガーとSOCDの併用が可能なほか、レポートレートも最大8,000Hzに対応したため、アナログスイッチの性能をより活かすことが可能になった。前モデル「PRO X TKL RAPID」では最大1,000Hzだったため、ここは大きな進化点だ。

 一方でFPSをプレイする際は、マウスエリアを確保したいというゲーマーも多い。コンパクトな75%サイズや60%サイズに慣れている方は、テンキーレスサイズの「PRO X2 RAPID」が少し大きく感じてしまうだろう。筆者としては「PRO X 60」の進化版である「PRO X2 60 RAPID」の登場に期待したいところだ。

ゲームでの使用も全く問題ないが、よりコンパクトな「PRO X2 60 RAPID」を期待したい

「X2」の名前は伊達じゃない。弱点を徹底的に潰した「PRO」のゲーミングキーボード

 ここまで「PRO X2 RAPID」のレビューをお届けしてきた。本製品は筐体を刷新しただけでなく、打鍵感・打鍵音の改善、アナログスイッチのアップグレード、プロの声に応えたOLEDディスプレイなど、前モデル「PRO X TKL RAPID」の弱点を徹底的に潰した「X2」の名に相応しいゲーミングキーボードだ。

 また「PRO」シリーズのゲーミングキーボードではあるが、ホットスワップに対応したり、ディスプレイに好きな画像を表示させたりと、実はカスタマイズ性も高いのが本製品の魅力でもある。同時発売の純正キーキャップ「G-KEYCAPS」と組み合わせて、自分の好きなカラーにカスタムすることも可能だ。

 価格は35,750円と高価ではあるが、実際に使ってみるとロジクールGのこだわりが見えてくる。ぜひお近くの店舗で実機を体験しつつ、「PRO X2 RAPID」を手に入れてほしい。