レビュー
Switch「メダロット カードロボトルRB」レビュー
カードゲームとして生まれ変わった新生メダロット。詰め将棋のように頭を使う硬派なゲームに
2026年6月24日 00:00
- 【メダロット カードロボトルRB】
- 6月25日発売
- メダロット カードロボトルRB カブトVer.
- メダロット カードロボトルRB クワガタVer.
- 価格:
- ダウンロード版 5,478円
- パッケージ版 5,478円
「メダロット」は、1997年に「コミックボンボン」で連載が開始されたコミック、およびゲームボーイ用ソフト「メダロット」を起点に、以後30年近くにわたってコミックやゲーム、アニメなどメディアミックスで展開してきたシリーズの総称だ。「メダル」を装着することで自律的に動く1m程度のロボット「メダロット」によるバトル競技「ロボトル」が小学生から大人まで広く流行している世界が舞台となっている。メダロットのナンバリングタイトルは「メダロット」から2015年発売の「メダロット9」まで9作品あり、すべてRPGである。その他、スピンオフタイトルも多数発売されており、最近ではスマートフォン向けタイトルも展開されており、今なお高い人気を誇るシリーズだ。
6月25日、メダロットシリーズの完全新作ゲームとして、イマジニアから「メダロット カードロボトルRB」が発売される。タイトルからも分かるように、ロボトルをカードゲームのバトル(カードロボトル)として再現したDCG(デジタルカードゲーム)であり、メダロットシリーズのDCGとしては、2000年3月に発売されたゲームボーイカラー用ソフト「メダロット カードロボトル」に続く2作目となる。今回、発売前に試遊することができたので、早速レビューしていきたい。
原作の世界観をうまくカードバトルに落とし込んでいることが魅力
「メダロット カードロボトルRB」(以下、カードロボトルRB)は、「カブトVer.」と「クワガタVer.」の2バージョン展開であり、それぞれ最初にもらえるデッキや入手できるカードが異なる仕様だ。それぞれのバージョン間で通信対戦をすることで、すべてのカードが手に入るという、「ポケモン」シリーズでもお馴染みのやり方だ。
今回は主に「カブトVer.」をプレイした。最初にゲームを開始すると、まずはプラクティスがスタートする。全部で8つのプラクティスと2つのチャレンジから構成されており、初めてこの種のカードゲームをプレイする人でも、スムーズにルールを理解できるようになっている。
「カードロボトルRB」は、メダロットシリーズの世界観をうまくDCGに落とし込んでいる。その一つが、カードロボトル開始前に流れる台詞「合意とみてよろしいですね?」である。これは、ロボトル協会公認レフェリーであるミスターうるちが、ロボトルが起こりそうになるとどこからともなく現れ、対戦者に向けて放つ台詞だ。原作のコミックやアニメでもお馴染みなので、メダロットファンならこの台詞を聞くだけで、テンションが上がるだろう。プラクティスの開始前にもこの台詞が流れ、「X」ボタンで同意することで、プラクティスが始まる。
「カードロボトルRB」では、最大3体のメダロットを場に出すことができる。中央手前のメダロットがリーダーメダロットであり、先に相手のリーダーメダロットを機能停止(メダロットの世界ではバトルでメダロットを破壊したりはしない)に追い込めばこちらの勝ちだ。リーダーメダロットの前に並んでいる2体のメダロットはサポートメダロットと呼ばれる。
メダロット同士のバトルは、カードの左下に書かれているパワーの数値を参照する。パワーを比べて高いほうが勝利するが、攻撃対象がスタンバイ状態の場合、パワーが同じなら反撃を受け、どちらも機能停止するので注意が必要だ(いわゆる相打ちになる)。ただし、メダロットが行動するにはコストが必要になる。カードの左上に書かれている数値が通常攻撃に必要なコストだ。画面の左にエネルギーと書かれている数値があるが、コストはこのエネルギーによって支払うことになる。エネルギーは最初10からスタートし、ターンが回ってくるごとに1ずつ増えていき、最大16となる。例えば、3体のメダロットの行動コストがそれぞれ4、6、6なら合計16となり、3体とも行動が可能だが、行動コストが6、8、8ならどれか2体しか行動できないことになる。常に、場にいるメダロットの行動コストと残りのエネルギーを把握しておくことが大切だ。
メダロットは行動すると放熱状態になり、もう動けなくなる。放熱状態のメダロットには煙が出ているエフェクトが付く。もちろん次の自分のターンになれば放熱状態は解除され、スタンバイ状態となる。放熱状態のメダロットは、相手から攻撃を受けても反撃することができず、パワーが同じでも一方的に機能停止にされてしまうので注意が必要だ。
リーダーメダロットにはバリアが張られているため、一度機能停止にさせても、バリアやパーツ(後述する)が残っていれば、それを身代わりにすることができる。バリアが0で、パーツも装備されていない状態のリーダーメダロットを機能停止にさせれば勝利となる。
カードロボトルRBでは、メダロット1体ずつが順番に攻撃するだけでなく、「クロスアタック」と呼ばれる複数メダロットによる同時攻撃を行なうことができる。クロスアタックでは、参加するメダロットのパワーが合計されるので、バラバラに攻撃しても勝てない相手に勝利できる。さらに相手のリーダーメダロットにクロスアタックをかける場合、参加メダロットが1体増えるごとに追加で1回、相手のリーダーメダロットのバリアやパーツを破壊できる。クロスアタックは非常に強力な攻撃であり、積極的に使っていくべきだ。
基本ルールはこのようにシンプルだが、後述する戦術カードやメダフォース、メダロッターカードなどによって、奥深いカードロボトルが楽しめる。
パーツ選択や戦術カード、メダフォース、メダロッターカードの使い方が勝敗を分ける
プラクティスの後半では、パーツ選択や急速冷却、戦術カード、メダフォース、メダロッターカードについての説明が行なわれる。
メダロットはもともと、ティンペットと呼ばれる素体(骨組み)に外装や武装となるパーツを組み合わせ、頭脳となるメダルを装着することで完成する仕組みだが、「カードロボトルRB」でも、その世界観がそのままカードゲームのルールに採用されている。
リーダーメダロットの両腕にパーツを装備させることで、メダロットを強化できる。右腕パーツは基礎ステータスが上昇し、左腕パーツは能力が追加される。相手から攻撃を受けたときに、バリアの代わりにパーツ破壊を選ぶこともできる。
メダロットによっては通常攻撃以外に遠距離射撃ができるメダロットもいる。遠距離射撃では、スタンバイ状態のメダロットからも反撃を受けないことがメリットだ。
急速冷却も、「カードロボトルRB」ならではの面白いルールだ。基本的に、手札から場に出したばかりのメダロットは放熱状態となっているため、すぐ行動することはできない。他のTCG/DCGでは召喚酔いなどと呼ばれる状態だ。また、行動を終えたメダロットも放熱状態となり、続けて行動することはできない。しかし、それぞれのメダロットには急速冷却コストが設定されており、そのコストの数だけ手札を捨てることで、放熱状態からスタンバイ状態へと急速冷却できるのだ。このとき捨てる手札には、通常の手札だけでなく、バリアの破壊によって生じるバリア手札も含められる(バリア手札については次の節を参照)。このゲームは、ドローが非常に強力で、手札を潤沢に使えることが特徴の一つだが、その潤沢な手札を切ることで、場に出したばかりのメダロットや行動を終えたばかりのメダロットで攻撃することが可能になるのだ。ただし、行動には当然コストが必要であり、急速冷却によってスタンバイ状態になっても、エネルギーが足りなければ意味がない。筆者も慣れるまで、残りエネルギーをしっかり見ておらず、せっかく手札を捨てて急速冷却したのに行動できなかったというプレイミスを何度かしてしまった。ただの手札の無駄捨てになるので、くれぐれも残りエネルギーを把握しておくこと。
プラクティス後半では、実戦形式のチャレンジが行なわれる。「カードロボトルRB」では、1ターンがドローフェイズ→スタンバイフェイズ→アクションフェイズ→エンドフェイズの4つのフェイズに分かれている。
1ターン目のドローフェイズ時のみ、引いた6枚のカードを見てから、不要なカードを選んでデッキの下に入れ、その枚数だけカードを引き直すことができる。いわゆるマリガンと呼ばれるルールだが、ペナルティなしでマリガンが可能なのはなかなか強力だ。
カードによってはバリアリミットと呼ばれる制限が設けられているものもある。バリアリミットは、自分のバリア残量がその数字以下にならないと使えないカードであり、メダロットカードの場合、場に出すこともできない。つまり、こちらがピンチになった時にはじめて使える、逆転のための切り札のようなカードだ。
バリアは最初6枚あるが、その実態はデッキの中のカードであり、バリアが破壊されるとバリア手札エリアに移動し、通常の手札とほぼ同じ感覚で利用できる。デュエル・マスターズのシールドと似た挙動だが、デュエル・マスターズとは違って別のエリアに置かれ、エンドフェイズ時の手札枚数制限にも引っかからない。
このゲームはドローが非常に強力である。2ターン目以降のドローフェイズでは、ドローする前に手札の中から不要と判断したカードを好きな枚数捨てることができる。例えば、手札が4枚あって、そのうち2枚が不要なら最初に2枚捨てると、手札は2枚になるが、ドローフェイズではその時点での手札が何枚であろうと6枚になるまでドローが行なわれる。つまり、手札を全部捨てれば6枚ドローになるのだ。通常のTCG/DCGでは毎ターン、通常ドローは1枚または2枚程度というのが基本であり、呪文などで追加ドローできるものもあるが、ここまで豪快なドローができるTCG/DCGは筆者は初めて経験した。毎ターンドローフェイズで6枚になるのだから、どんどん捨ててしまえと思う人もいるかもしれないが、デッキ枚数は35枚と少なめなので、カードを捨てすぎるとデッキアウトで負けてしまう。手札を6枚にするドローは強制なのだ。
相手のリーダーメダロットにパーツやバリアがない状態で、そのリーダーメダロットと同等以上のパワーで攻撃すれば、こちらの勝利となる。
また、メダフォースと呼ばれるメダルに固有の能力も非常に強力だ。メダフォースはバリアリミットが設定されているため、こちらがピンチにならないと発動できないが、発動にコストは不要なので、勝負を決めるターンを早めることが可能だ。メダルのレベルが上がることで強化されたり、新しいメダフォースが利用できるようになり、最大2つまでセットできる。同じメダフォースは1ゲーム中で1回しか使えないので、使い所が肝心だ。
戦術カードは、他のTCG/DCGでいう呪文カードのようなもので、戦術ストックと呼ばれるコストを使って利用する。メダロットには、それぞれ射撃、格闘、防御、回復、設置、支援の6つの戦術タイプがあり、戦術ストックアイコンがあるメダロットを場に出すことで、戦術ストックが利用できるようになる。例えば、射撃ストックを2つ必要とする戦術カードを使うには、戦術ストックエリアに射撃ストックが2つ以上なければならない。戦術ストックは使うと消費されるが、毎ターン復活する。戦術カードもエネルギーを使わずに利用できる、非常に重要なカードだ。
メダロッターはメダロットのパートナーを指す言葉であり、メダロッターカードを1ターンに1枚だけ利用できる。自分のメダロットすべてのパワーを上げるなど、こちらも強力なカードであり、メダロッターカードが勝負を決めることも多い。
プラクティス8まで終わると、「カブトVer.」なら「メタビーデッキ」をもらえる。原作の初代主人公ヒカルの相棒もメタビーであり、懐かしく思うファンも多いだろう。
さまざまなライバルと戦うロボトルチャレンジ
「カードロボトルRB」では、「ロボトルチャレンジ」「ロボトルタワー」「通信対戦」の3つのモードが用意されている。ロボトルチャレンジとロボトルタワーは一人でプレイするためのモードで、ロボトルチャレンジがメインのストーリーモード的な位置付けだ。ロボトルタワーは、自慢のデッキでどこまで勝ち進めるかという、エンドコンテンツ的な側面もあり、一人でも長く遊ぶことができる。AIのプレイングも自然で強いが、やはり人間と対戦したいというプレイヤーのためのモードが通信対戦である。
カードはロボトルで集めたコインを使ってパックを購入するか、ロボトルチャレンジやロボトルタワーに出てくるライバルたちに勝利することで入手できる。
まずは、ロボトルチャレンジから紹介する。ロボトルチャレンジはさまざまな地形で待ち受けるライバルたちと対戦していくモードだ。リーダーメダロットには脚部タイプが存在し、得意な地形だと有利になるので、勝てない場合はリーダーを見直してみるのもよいだろう。各エリアのボスを倒すことで、次のエリアが開放される。同じライバルが別のデッキで再び登場することもある。ライバルは原作コミックやアニメに登場するキャラクターで、台詞の口調なども原作に準拠しているので、原作を思い出しながらプレイできる。
ライバルに勝つとコインや経験値がもらえ、メダルのレベルが上がり、メダフォースが強化されていく。このあたりはナンバリングタイトルであるRPG的な要素が感じられる。
勝てなくなったらデッキを見直そう
ロボトルチャレンジでは、最初の2エリアくらいはもらったデッキそのままでも勝ち進むことができたが、途中から全く勝てなくなってしまった。このゲームはTCG/DCGとしては、運の要素がかなり少ないことが特徴だ。ランダムで引くシールドトリガーのような要素がなく、しかもドローが非常に強力なので、理詰めでプレイでき、一度勝った相手には何度でも勝ちやすい反面、勝てない相手にはとことん勝てなくなる。
勝てなくなったら、デッキを見直したり、新しいリーダーメダロットを軸に新デッキを作ることが有効だ。デッキは35枚で、同名カードは3枚までなので、パックを開封して同じカードが4枚になったら、自動的に4枚目のカードがダストに変換される。足りないカードや未入手のカードもダストから作成できるので、デッキ作りもはかどる。ただし、すべてのカードをダストから生成できるわけではなく、通信対戦で入手できるチケットが必要なカードもある。
また、ドローが強力だからといって、手札を切りすぎると、デッキ切れになってしまう。デッキが1枚もない状態でドローしようとすると負けになる。AIとの対戦で、正攻法ではなかなか勝てないと判断した場合、相手のデッキ切れを狙う戦法も有効だ。AIはどんどん手札を切って急速冷却を使うことが多いので、粘れば先に相手がデッキ切れになることも多い。
ロボトルタワーは腕試しにぴったり
「ロボトルチャレンジ」以外に、「ロボトルタワー」という一人プレイ用モードも用意されている。「ロボトルタワー」はタワーの最上階を目指してライバルと戦うモードであり、一度でも負けたらそこで終了。また1Fからやり直すことになる。難易度は、イージー、ノーマル、ハード、エンドレスの4つある。一番簡単なイージーは3Fで終了だが、ノーマルは5Fで、ハードは10F、エンドレスは文字通りエンドレスだ。難易度が上がるほど、もらえるコインや報酬も増えるので、腕試しにはぴったりだ。
見知らぬ人や友達との通信対戦にも対応
TCG/DCGの醍醐味はやはり対人戦にある。「カードロボトルRB」でももちろん、通信対戦機能が用意されている。通信対戦は、インターネットを介して世界中の誰かと対戦できる「ネットワーク対戦」と近くの人と対戦する「ローカル対戦」がある。ここではもう1本「クワガタVer.」を用意し、ローカル対戦を行なってみたが、快適に対戦を行なうことができた。通信対戦が終わるとチケットを入手できる。このチケットでは、パックやダストからは入手できないカードを入手できる。このため、カードコンプリートには通信対戦が必須となる。
運要素が少ない硬派なDCG/TCGが好きな人におすすめ
筆者は、最初にこのゲームを見たとき、原作コミックやアニメの雰囲気を再現した、低年齢層にも遊びやすいDCGだと思っていたのだが、実際にプレイしてみて、その認識が間違っていることが分かった。ドローが強力で、ランダム要素が少ないため、残りのエネルギーと盤面のメダロットの行動コストをしっかり計算して、しかも手札を切るときには積極的に切っていき、急速冷却を何度も使うことで初めてライバルに勝てたということが多かった。まるで詰め将棋に近い感覚だ。なかなか勝てないライバルに関しては、相手のデッキをよく研究し、メタを張っていくことが重要だ。
ビジュアルやBGMなど、原作の魅力を丁寧に表現しつつ、さらにアップデートさせている。BGMについては、メダTuberのボーカル入り楽曲も収録されている。歴代の枠を超えてシリーズの最新要素がしっかりと組み込まれており、プレイ中のテンションを大いに高めてくれる。メダロットファンはもちろん、デッキ構築とプレイングで勝負が決まる硬派なDCG/TCGが好きな人にもおすすめだ。原作を知っていた方が楽しいとは思うが、プレイ自体に原作の知識が必要なわけではない。なかなか勝てなかったライバルにしっかり対策をして勝ったときの喜びは、他のDCG/TCGではなかなか味わえないものだ。



































































































































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