レビュー
レバーレスコントローラー「ZENAIM ARCADE CONTROLLER LEVERLESS」レビュー
非の打ちどころがない仕上がり。使い手を選ばないカスタマイズ性の高さが光る
2026年4月10日 18:10
- 【ZENAIM ARCADE CONTROLLER LEVERLESS】
- 4月15日18時 発売予定
- 価格:34,980円
格闘ゲームデバイスの中心がアーケードスティックからレバーレスタイプのコントローラーへと移り変わり、メーカーごとの特色を持った様々なレバーレスが発売されている。
そんな意欲的な新製品が相次いで発売されているレバーレス市場に、日本発のゲーミングブランド・ZENAIMからPC用レバーレスコントローラー「ZENAIM ARCADE CONTROLLER LEVERLESS」が4月15日に発売される。価格は34,980円 (税込) 。
「ZENAIM ARCADE CONTROLLER LEVERLESS」は、eスポーツシーンの最前線で活躍するZETA DIVISION所属のももち選手やひかる選手といったプロゲーマーと共同開発した、まさに競技シーンでの使用を想定したデバイスとなっている。
発表から早くも格ゲーマーの注目を集めている本機を今回弊誌では触れることができたので、実際にゲームをプレイした感想や使用感をお届けしよう。
ただ実用性のみを追求した武骨な「ZENAIM ARCADE CONTROLLER LEVERLESS」をチェック
本機はPC専用のレバーレスコントローラーで、無線機能などはなく、接続方法はUSB Type Cによる有線接続となっている。
黒一色に染まっているクールなカラーリングの本体。飾り気が無いそのビジュアルは、まさに“勝つこと以外は不要”といわんばかりの硬派なデザイン。サイズは幅362mm、奥行230mm、高さは39.25mm。薄型レバーレスと比べるとそこそこ厚みがある。
実際に手に取ってまず驚いたのはその軽さだ。しっかりとしたサイズ感があるものの、重量はわずか1,000gと非常に軽い。
こういったコントローラーは、ある程度の重みがないと操作しているときに本体が動いてしまい安定性がないといった印象を持っていたが、本体の裏面全体に付いている強力な滑り止めが機能しており、激しい操作でもズレることなくプレイできた。
天板部分も見ていこう。天面のボタンは24mmのものが14個、30mmのものが1個の計15個のボタンが備わっている。ボタンは本体の中央に詰まって配置されているため、手を置くスペースが十分に確保されているのは非常に良い。
ボタン同士の間隔も極限まで詰められており、手を大きく広げることなく全ボタンに指を添えられる設計になっている。全てのボタンを即座に押すことができるという、一切の無駄がない実戦向きといえるボタン配置だ。
本体上部には、HOMEボタンとSTARTボタン、その間にはLOCKボタンが備わっている。LOCKボタンを右側にスライドさせるとLOCKモードとなり、この状態だとHOMEボタンとSTARTボタンが無効になる。オフラインの大会などではこれらのボタンを試合中に押してしまうと最悪負けと判定されることもあるため、オフラインでプレイする人には重宝する機能である。
本レバーレスのもっとも注目のポイントは、オリジナル無接点磁気スイッチを採用した圧倒的な反応速度と操作感を誇るボタンである。ボタンのストローク量はわずか0.75mmととにかく浅く、物理的な入力スピードの高速化を実現している。実際にボタンを押した感触はやはり0.75mmというだけあり、ボタンを押したらすぐ底に到達するといった感触だ。しかし、押下圧が50gfとなっているので、ストロークが浅いながらもボタンを押した押し心地はしっかりあり、必殺技のコマンド入力時の手応えも十分に感じられた。
耐久性も売りとなっており、なんと1億回を超えても押下時の打感の変化がない超高耐久スイッチになっている。安いボタンではないので長く使える仕様なのは、とても安心感がある。
0.75mmの超短ストロークも魅力だが、それを超える売りはMOTION HACK(ラピッドトリガー)機能が搭載されている点である。
従来のボタンでは、アクチュエーションのON/OFFポイントが固定されており、“一定の深さまでボタンを押し込んでON”、“ボタンを離してOFFになる”といった設計だが、MOTION HACK機能はキーストロークに合わせてアクチュエーションのONとOFFのポイントが自動で追従するというハイテクな機能となっている。
アクチュエーションポイントのONとOFFのストローク量を0.1mm~0.65mmの範囲で0.05mm単位で調整も可能で、短ストロークの物理的な反応速度だけではなく“どのくらいの押し込みで入力がONになるか”、“逆にボタンをどのくらい離すと入力がOFFになるのか”といった細かな設定も自分好みに調整できるのだ。
さらにZENAIMならではのマニアックな機能も備わっている。磁気検知方式のボタンにはマグネットが搭載されているのだが、マグネットは温度によって磁気の強さが変化し、ボタンが反応するストローク量に変化が起こる。高温だと磁気が弱くなりボタンがONになりにくく、逆に低温だと磁気が強くなって少しボタンに触れただけで誤入力をしてしまうという、物理スイッチにはないデメリットが存在する。
ZENAIMはこの問題に対して温度検出をする部品を搭載して「温度補正機能」を実装することで解決している。この機能により、周囲の温度によって変化するストローク量を補正し、常に安定した精密なストロークを実現している。
トップレベルのプレーヤーはもちろん、そうでないプレーヤーも無自覚に大きな恩恵を受けられるありがたい機能だ。
ストローク量の調整をはじめとした本体の様々な設定は、PCと接続して専用のソフトウェアを使って行う。工場出荷時の状態では設定が甘めになっているので、このソフトを起動したらまず「ユーザーキャリブレーション」を行い、ユーザーの環境に合わせた設定にすることをメーカーが推奨している。
本体にはMEM機能(メモリー機能)が搭載されており、ボタンなどのカスタマイズした設定を最大4つまで記録することができる。キャラクターごとに異なる設定を保存したり、ゲームタイトルごとに切り替えて使用するといった用途で活躍する。
保存したMEMの切り替えにPCは不要で、本体のボタン操作だけで簡単に切り替えることができる。オフライン大会などで複数のタイトルにエントリーしている人には非常に便利な機能である。
設定のメインとなるのがボタンのアクチュエーション設定である。先のMOTION HACK機能の話で触れた、ボタンのONとOFFのストローク量の設定がこのソフトで行える。
ボタン全体を一括で設定できるのはもちろんのこと、ボタンの1つ1つを個別のストローク量に設定することができる。なので「ストリートファイター6(以下、スト6)」ならば、ボタンを押す瞬発力が重要になるインパクトボタンとパリィボタンのストローク量だけを最小にして、ちょっとボタンに触れた程度でも高速で反応するような設定にすることが可能。ストローク量の設定によってどんな差が出るのかは、次項で「スト6」を使って詳しく紹介していく。
他にも、ボタンの割り当て機能や、反対方向の移動ボタンを同時押しした際の挙動を設定するSOCDクリーナーなどの機能が用意されている。ボタンの割り当てはHOMEとSTARTを除く全てのボタンが変更可能で、同じボタンを複数箇所に設定することもできる。SOCDクリーナーでは左右と上下を同時押しした際の動作を、「オフ」、「ニュートラル」、「後入力」、「先入力」、「上入力」、「下入力」の6つから設定が可能だ。
「スト6」のCPTルールでは、同一ボタンの複数箇所への設定禁止や、上下同時押しでの上入力優先の禁止などのルールが定められているが、それ以外の規制がされていないタイトルであればかなり有効活用できそうだ。
ストローク量の調整といったありがたい機能から、温度補正機能といったマニアックな部分にまで行き届いており、勝負に勝つための機能が全て詰まったレバーレスコントローラーといえるだろう。
細かな調整で自分に合ったベストのレバーレスコントローラーに!
「ZENAIM ARCADE CONTROLLER LEVERLESS」が持つ多彩な機能を「スト6」を使って試していきたいと思う。
まずはユーザーキャリブレーションを行っただけで特に設定をいじらずにプレイしてみたが、デフォルトの設定でも特に不満はなく、0.75mmの超短ストロークが効いており、歩きとガードの細かな切り替えがスムーズに行えて非常に快適だ。
ストロークの浅いボタンは押したときの気持ち良さが損なわれてしまうのではないかと思ったが、このボタンは浅いながらもしっかりとした打鍵感があり、弾き操作によるコマンド入力やコンボを繰り出している瞬間の気持ち良さを十分に味わうことができた。
筆者の持っているレバーレスはMOTION HACKのようなハイテクな機能は一切ないので、ストローク量の調整でどれほど操作感が変わるのか気になるところだ。
アクチュエーション設定では、ボタンが反応する「ONストローク量」とボタン入力をリセットさせる「OFFストローク量」の調整ができ、デフォルトはONが0.20mm、OFFが0.30mmという設定になっていたが、どちらもストロークは短いに越したことはないだろうと安直な考えで最大まで浅くした0.05mmに設定してプレイしてみた。
0.数ミリの違いが果たして体感として認識できるものなのか正直不安ではあったが、結果から言うと“全くの別物レベルの違い”であった。動きの機敏さがデフォルトとは段違いで、まさに打てば響くといった反応速度でより機敏に細かく動けることに感動した。
従来のボタンは、ボタンを押してからONのポイントまで押し込む際のタイムラグがわずかながら発生するが、MOTION HACK機能を有効にしてストロークを浅く設定すれば、ほぼボタンを押した瞬間に即座に反応してくれる。
相手のドライブインパクトを返したり、相手の攻撃をベストなタイミングで受け止めるジャストパリィなどの瞬発力が重要な行動もデフォルト設定よりもやりやすかった。
ストローク量を浅くすることで、ゲームプレイにかなりの優位性があることを実感できた。しかし、プレイしていくうちに多少のデメリットも見えてきた。
筆者は深いことは何も考えずストローク量のONとOFFの両方を最短に設定していたが、この設定で筆者が細かく前後移動をしていると前や後ろが2回連続で入ってしまうことがあり、思ってもいないタイミングでステップやバックステップが暴発することが何度も起こった。
暴発の原因は筆者の入力の仕方の問題と、ONストローク量が浅いことによるものだが、ストロークをガッツリ深くしてしまうとせっかく機敏だった動きが重くなってしまう。そこでONストローク量はほんの僅かだけ深くした0.10mm、OFFを0.30mmまで深く設定してみると、機敏さはそれほど落ちずに暴発はかなり抑えられるようになった。
ストロークを最短にすると誰でも必ず暴発が起こるという訳ではなく、あくまで筆者の入力の仕方の問題ではあるのだが、こういったプレーヤーの入力の癖で起きてしまう事故もデバイスの調整でカバーできるのは嬉しいポイントだ。
MOTION HACK機能で恩恵を受けられたのは機敏な動作だけではない。ボタンを完全に離しきらなくてもONとOFFの動作になるため、複雑な入力の真空波動コマンド(236236)は大雑把な入力でもしっかり技を繰り出すことができた。
1Pサイドでの真空竜巻コマンド(214214)は利き手ではない薬指の運指が甘く、これまで結構な頻度で出ないこともあったのだが、筆者が持っているレバーレスと比べて圧倒的な成功率の高さであった。格ゲーにおいて入力ミスは敗北に直結するほど痛いマイナスなので、ここが改善されるのは特大級のメリットである。
本レバーレスはPC用デバイスではあるが、別売りのコンバーターを介して他のハードでも試してみたが、PS5とNintendo Switch 2では問題なく動くのが確認できた。PCと比べてハード差による多少の入力遅延はあるものの、コンバーターを介したことで遅延が生まれるといったことはなく、ストレスなく快適に使用できる。
EVO Japanなどの大きなオフライン大会ではPS5を使用することが多いので、コンバーターさえ持っていればそういった大会でも使用できる。コンシューマーハードをメインに格闘ゲームをプレイしている人も安心してもらいたい。
「ZENAIM ARCADE CONTROLLER LEVERLESS」は、格闘ゲームのトッププレーヤーと共同開発したコントローラーだけに、非の打ちどころがない仕上がりのデバイスとなっていた。
ガチの格ゲーマーでも満足できる多彩な機能とプレーヤーごとにベストな操作感が得られる高いカスタマイズ性。それらを兼ね備えながらも価格は決してマニア向けではなく、かなり頑張った価格設定になっている点もポイントが高い。今使っているレバーレスが物足りなくなっている人や、初めてレバーレスに手を出す人におすすめしたい逸品である。
(C) ZENAIM
















































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