レビュー

Xbox/PC用コントローラー「Nacon REVOLUTION X Unlimited」レビュー

LCDスクリーン搭載で楽々マッピング! 簡単に“自分仕様”にできるハイエンドコントローラー

【REVOLUTION X Unlimited】
7月10日 発売予定
価格:29,990円

 これまでハイエンドコントローラーをいくつも手がけてきたゲーミングデバイスメーカーのNacon。直近では2023年12月にPS5に最適化された「REVOLUTION 5 Pro」が登場しているが、遂にXbox Series Xに最適化された「REVOLUTION X Unlimited」が7月10日に発売される。

 本製品は“無制限”の名に相応しい究極のカスタマイズ性を実現。コントローラー本体に「LCDスクリーン」を搭載したことで、アプリなしでボタンのマッピングやスティック感度の調整ができるほか、Naconらしい豊富なカスタマイズパーツも付属しており、自分好みのセッティングを追求できるコントローラーとなっている。

 今回はNaconの日本代理店である3gooより海外版サンプルをお借りし「REVOLUTION X Unlimited」のレビューをお届け。マイクロスイッチによる軽快な操作感、LCDスクリーンを用いたボタンのマッピング、付属のカスタマイズパーツ、実際の操作感など「REVOLUTION X Unlimited」の魅力を紹介していく。

【NACON Revolution X Unlimited コントローラー アナウンストレーラー】

マットな質感にふっくらとしたグリップ!「REVOLUTION X Unlimited」の外観をチェック

 まずは「REVOLUTION X Unlimited」の外観や付属品を確認していこう。本製品はXbox公式ライセンスを取得しており、Xbox Series X|SやXbox One、PCに対応するほか、Bluetooth接続によってAndroidスマートフォンでも使用できるなど、幅広いプラットフォームに対応している。

 カラーはブラックのみで、ボタンやロゴにXboxのイメージカラーであるグリーンを使っており、クールでカッコいいデザインだ。全体的にマットな質感となっており、触り心地は非常にいいのだが、指紋やホコリが少し気になるので、付属のクリーニングクロスで定期的に拭いておこう。

マットな質感で、全体的に落ち着いたデザインだ
ボタンやロゴにはXboxを連想させるグリーンを用いている
【「REVOLUTION X Unlimited」のスペック】
  • 対応プラットフォーム:Xbox Series X|S/Xbox One/PC/Android
  • 接続方法:2.4GHz無線/Bluetooth/有線
  • ジョイスティックの配置:非対称
  • 方向パッド:4方向または8方向(カスタマイズ可能)
  • カスタマイズ可能なショートカットボタン:6個
  • バッテリー持続時間:10時間以上(使用しているプラットフォーム/モードによって異なる)

 グリップ部分はとてもふっくらしていて、比較的手の大きい筆者でもガッチリとホールドでき握り心地は良好。重量はカスタマイズパーツを装着していない標準状態で実測326gと、LCDスクリーンや6つのショートカットボタンを備えていながら、ハイエンドコントローラーの中では比較的軽い仕上がりとなっている。

 筆者所有の「Xbox Elite ワイヤレス コントローラー シリーズ2」や「DualSense Edge」、「Nintendo Switch 2 Pro コントローラー」とも比較してみた。この中で「REVOLUTION X Unlimited」はサイズが一番大きいのだが、ふっくらとしたグリップやバランスのいい重量配分によって、長時間のゲームプレイでも手が疲れにくいデザインとなっている。

【「Xbox Elite ワイヤレス コントローラー シリーズ2」と比較】
基本的なボタン配置は似ているが、やはり「REVOLUTION X Unlimited」は中央のLCDスクリーンが目を引く
グリップ部分のショートカットボタンはどちらも4つだが、配置がかなり異なる
USB-Cやアナログトリガー周り。「REVOLUTION X Unlimited」はここにも2つのショートカットボタン(緑色)がある
【「DualSense Edge」と比較】
価格帯の近い「DualSense Edge」と「REVOLUTION X Unlimited」
見た目からすると「DualSense Edge」が軽そうなのだが、実は「REVOLUTION X Unlimited」の方が少しだけ軽い
やはり「REVOLUTION X Unlimited」はショートカットボタンの多さが際立つ
【「Nintendo Switch 2 Pro コントローラー」と比較】
2025年6月に発売された「Nintendo Switch 2 Pro コントローラー」とも比較
価格帯が違うこともあり「Switch2 Pro コントローラー」の機能はシンプル
約235gという「Switch2 Pro コントローラー」の軽さは目を見張るものがあるが、カスタマイズ性は圧倒的に「REVOLUTION X Unlimited」に分がある

 接続方法は有線/2.4GHz無線/Bluetoothに対応。付属品はUSB-C to Aケーブル、USBレシーバー、カスタマイズパーツ、キャリングケース、クリーニングクロス、充電スタンドと非常に豊富だ。また充電スタンドはUSBレシーバーを差すこともでき、コントローラーの充電とUSBレシーバーの延長ケーブルを兼ねている。

【「REVOLUTION X Unlimited」の付属品】
USB C to Aケーブル。両端にフェライトコアが装着されており、ノイズを抑制している
2.4GHz無線用のUSBレシーバー。端子はUSB-Aだ
クリーニングクロスは「REVOLUTION X Unlimited」のロゴ入り
カスタマイズパーツ入りのボックス。後ほど詳しく紹介しよう
専用の充電スタンド
背部には接続用のUSB-C端子とレシーバー用のUSB-A端子を搭載
USBレシーバーの延長ケーブルも兼ねており、机上に置いておくと便利だ
キャリングケースはこれらの付属品を全て収納できる

LCDスクリーンで簡単マッピング!「REVOLUTION X Unlimited」のボタン周り

 続いては「REVOLUTION X Unlimited」のボタンやジョイスティックを見ていこう。ABXYボタンや方向パッドなど基本的な配置はXboxの純正コントローラーを踏襲しており、Xbox Series X|Sで画面キャプチャができるシェアボタンも搭載。ジョイスティックは左右非対称に置かれており、Xboxコントローラーに慣れている人であれば、違和感なく使用できるだろう。

 ABXYボタンや方向パッドにはオムロン製のマイクロスイッチを採用しており、マウスのような“カチカチッ”という軽快な音と感触を味わえる。またジョイスティックとトリガーには、精度と耐久性を両立した「ホールエフェクトセンサー」を採用しているため、長く使っているとスティックが勝手に動いてしまう“ドリフト現象”とは無縁だ。

 さらにRT/LTトリガーには、マイクロスイッチとアナログトリガーを切り替え可能な「インスタントトリガー」を搭載。FPSではマウスのクリックのように“カチカチッ”と操作できるマイクロスイッチ、RPGやレースゲームでは通常のアナログトリガーといった形で使い分けが可能で、通常のトリガーストップとはまた違う操作感を楽しめる。

基本的な配置はXbox純正コントローラーを踏襲。ABXYボタンや方向パッドにはオムロン製マイクロスイッチを採用している
RT/LTトリガーには「インスタントトリガー」を搭載。ただのトリガーストップではなく、内部でアナログトリガーとマイクロスイッチが切り替わっている
マイクロスイッチの時はカチカチとボタンのように扱うことができ、FPSといったシューティングに最適
アナログトリガーの時はRPGやレースなど幅広いゲームにあう

 そして「REVOLUTION X Unlimited」の目玉となるのが、6つのショートカットボタンと中央に配置されたLCDスクリーンだ。従来のNacon製コントローラーは、ボタンのマッピングやジョイスティックの感度などを設定する際、PCに接続して専用アプリケーションから行なう必要があったが、「REVOLUTION X Unlimited」はほとんどの設定をコントローラーだけで行なえるようになった。

 設定方法は簡単で、上面にあるマルチファンクションボタンを押すと、LCDスクリーンに映し出される設定をコントローラーで操作できる。操作周りの設定だけでなく、オーディオ関連の設定や省電力設定、Bluetoothのペアリングまで、ここからアクセス可能だ。

起動した状態。各種ステータスが表示されている
上面にあるマルチファンクションボタンを押すと……
設定画面へと移行。コントローラー本体のボタンで操作できる
2.4GHz無線/Bluetoothのペアリング設定のほか……
各モーターの振動設定
省電力設定など、PC要らずでさまざまな設定が可能だ

 ショートカットボタンは全部で6個あり、S1/S2ボタンは人差し指、S3/S4ボタンは中指、S5/S6ボタンは薬指or小指で押せる位置にある。このうちS3〜S6ボタンの4つについてはマイクロスイッチが採用されており、ABXYボタンなどと同様に“カチカチッ”という軽快な音を楽しめる。

 これらのショートカットボタンにはABXYボタンや方向ボタン、RB/LBボタン、RT/LTトリガー、スティック押し込みボタンだけでなく、メニューボタンやシェアボタンも割り当て可能。S1/S2ボタンは少し独特な位置にあるので慣れるのに少し時間がかかるが、習得すれば6個の追加ボタンによって、より快適にゲームをプレイできるようになる。

上面にある緑のボタンがS1/S2ボタン
底面にあるグレーのボタンがS3/S4ボタン
グリップに内蔵されているのがS5/S6ボタンとなる
LCDスクリーンで簡単に割り当て可能だ

 ジョイスティックは、5つのプリセットの中から感度を調整できる「RESPONSE CURVE」のほか、デッドゾーンの設定だけでなく、デッドゾーンを完全になくす「SHOOTER PRO MODE」やスティック入力の反転も可能で、FPSゲーマーに嬉しい仕様となっている。

ジョイスティックまわりの設定もコントローラーだけで可能
プリセットの中から感度を選択できる「RESPONSE CURVE」
デッドゾーンの設定
デッドゾーンを完全になくす「SHOOTER PRO MODE」も搭載している

 もちろん、Xbox Series X|S/PCで利用可能なアプリ「REVOLUTION X Unlimited」もMicrosoftストアにて配信されている。こちらではジョイスティックの感度を自由に設定できたり、コントローラーやUSBレシーバーのアップデートも可能。テストエリアもあるため、よりじっくりと設定を追い込むときに便利なアプリだ。

 ボタンやジョイスティックの設定はプリセットとして保存可能で、LCDスクリーンを用いて単体で設定可能なクラシックモードで12個、アプリを用いて詳細な設定が可能なアドバンストモードで8個、合計20個をコントローラー本体に保存できる。各モードは底面のスイッチで切り替え可能だ。

より詳細な設定ができるアプリも用意。PCだけでなく、Xbox Series X|Sでも利用できる
LCDスクリーンではプリセットからしか選べなかったジョイスティックの感度も、アプリでは自由に設定できる
LCDスクリーンでの設定がメインのクラシックモードと、アプリ経由での設定がメインのアドバンストモードに切り替えできる
プロファイルは底面のボタンで切り替え可能だ

ジョイスティックヘッドやウェイトを装着可能! カスタマイズパーツをチェック

 Naconのコントローラーといえば、やはりハードウェア側のカスタマイズも忘れてはいけない。「REVOLUTION X Unlimited」ももちろん、ジョイスティックのヘッドやリングのほか、方向パッド、ウェイトなどのカスタマイズパーツが付属している。

「REVOLUTION X Unlimited」は豊富なカスタマイズパーツが付属

 まずはジョイスティック。ヘッドは標準で凹型のものが装着されているが、カスタマイズパーツとして凸型のタイプとゴム部分が分厚いタイプの2種類が付属している。また、傾斜角を変えられるリングも2種類用意されており、左右で異なるセッティングも可能だ。

ジョイスティックはヘッドパーツ2種とリングパーツ2種が付属
ヘッドは上方向に引っこ抜くようにして、簡単に取ることができる
まずは傾斜角を変えられるリングを好みに応じて装着
その上に凸型のヘッドパーツや……
ゴム部分の分厚いヘッドパーツを装着可能だ

 続いてはウェイト。10g、14g、16gの3種類が用意されており、グリップ内部に装着することで、重さや重心を変えることができる。特に「REVOLUTION X Unlimited」はLCDスクリーンなどを搭載したことで、重心が若干フロントヘビーとなっているため、ウェイトで好みの重量バランスに調整することが可能だ。

ウェイトは10g、14g、16gの3種類が付属
グリップ部分に内蔵して、重量バランスを調整できる

 最後は方向パッド。標準ではXbox純正コントローラーと同じ8方向タイプが装着されているのだが、これを4方向タイプへと変更できる。8方向タイプは斜め操作がしやすいという利点があるが、筆者は4方向タイプ派なので嬉しいポイントだ。

方向パッドのカスタマイズパーツとして4方向タイプのものが付属
向きが決まっているので、簡単に脱着可能
筆者は4方向タイプなので嬉しいポイントだ

 LCDスクリーンによるボタンのマッピングやデッドゾーンの設定だけでなく、ハードウェア側のカスタマイズも豊富なため、まるでオーダーメイドのようなコントローラーを作り上げることができる。細部まで突き詰めて、自分好みのセッティングを見つけて欲しい。

ソフトウェアとハードウェアをカスタマイズして、自分好みのセッティングを見つけよう!

実際にゲームをプレイ! LCDスクリーンの便利さは革命級

 ここからは実際に「REVOLUTION X Unlimited」でゲームをプレイしてみた。今回プレイしたのは「Forza Motorsport(Turn 10 Studios)」、「Apex Legends(Electronic Arts)」、「ゼンレスゾーンゼロ(HoYoverse)」の3タイトルだ。

 まずは「Forza Motorsport」からプレイ。こちらはXbox Series XにUSBレシーバーを接続して、2.4GHz無線でプレイしてみた。レースゲームをコントローラーでプレイする際は、アナログトリガーによるアクセル&ブレーキ操作、ジョイスティックによるハンドリングが重要視される。「REVOLUTION X Unlimited」は大きなブレもなく、非常にリニアに反応し快適なドライブを楽しめた。

 先述のようにアナログトリガーとジョイスティックにはホールエフェクトセンサーを採用しているため、どちらも酷使するレースゲームと相性抜群。加えて、4つの振動モーターによって、路面の状況やブレーキング時の振動が手に伝わるので「Forza Motorsport」との相性はかなりいい。

アナログトリガーとジョイスティックの精度が重要になるレースゲーム。「REVOLUTION X Unlimited」はリニアに反応し、スムーズなドライビングができた
4つの振動モーターによって、路面の凹凸やブレーキングの挙動が伝わり、没入感のあるドライブを楽しめた

 続いては「Apex Legends」をプレイ。こちらもXbox Series XにUSBレシーバーを接続して、2.4GHz無線でプレイしてみた。FPSといえば有線接続という方も多いと思うが、今回プレイした範囲では無線接続でも遅延を感じることはなかった。もちろん有線接続も可能なので、好みに合わせた接続方法でプレイしてほしい。

 なんといっても「REVOLUTION X Unlimited」のメリットは、アプリなしでショートカットボタンを設定できることだ。これまでだと、ゲーム側の操作設定を確認したあと、アプリに切り替えてショートカットボタンを設定し、ゲームに戻って設定が反映されているかを確かめるという感じで、ゲームとアプリを行ったり来たりする必要があり、時間を取られていた。

 だが「REVOLUTION X Unlimited」はゲーム画面のまま、マルチファンクションボタンを押すだけで、コントローラーの各種設定が可能となっている。手軽にショートカットボタンの割り当てが可能なので「こっちも試してみよう」とか「やっぱりこうしてみよう」と思った時、アプリへ切り替える必要がないというのは非常にありがたい。このLCDスクリーンは革命級の便利さだ。

「REVOLUTION X Unlimited」が本領を発揮するFPSゲーム。アプリいらずでショートカットボタンを設定できるのはまさに革命級の便利さだ
「ダッシュはS5……、いやS6かな」という感じで、途中で考えが変わってもすぐに設定でき、ボタン設定が非常に捗る

 最後は「ゼンレスゾーンゼロ」をプレイ。こちらは2025年6月にXbox Series X版がリリースされているが、今回はゲーミングPCにUSBレシーバーを接続して、2.4GHz無線でプレイした。

 「ゼンゼロ」は比較的操作がシンプルなアクションRPGだが、戦闘中はボタンの連打が多い。「REVOLUTION X Unlimited」はABXYボタンにマイクロスイッチを採用しているため、ラバーパッドを採用したコントローラーと比較して、“押した”という確かな感触が得られるほか、ボタンが戻ってくるスピードも早く、連打が非常にやりやすい。

 また「インスタントトリガー」によってRT/LTトリガーもボタンのように扱えるため、よりスムーズな戦闘が楽しめるのだ。「REVOLUTION X Unlimited」を購入する層はFPSゲーマーが多いと思うが、レースやアクションRPGなど幅広いゲームに合うコントローラーだ。

Xbox Series X|S版も配信された「ゼンレスゾーンゼロ」。マイクロスイッチは確かな感触があり、連打するときに気持ちいい
インスタントトリガーによって、終結スキルが発動しやすいのもポイントだ

「REVOLUTION X Unlimited」は長く使えるベストな相棒!

 ここまで「REVOLUTION X Unlimited」のレビューをお届けしてきた。筆者は最初「コントローラーに液晶パネル……?重そうだな」と思っていたが、そこは長年ハイエンドコントローラーを手がけてきたNaconということもあり、重量の増加を抑えつつ、6つのショートカットボタンやマイクロスイッチも搭載してきた。まさに全部入りのコントローラーに仕上がっている。

 内蔵LCDスクリーンによるコントローラーの各種設定は非常に便利で、まさに革命級の新機能。その分、価格は約3万円と高価ではあるが、ホールスティックセンサーを採用したジョイスティックやアナログトリガーのおかげもあり、長く使用できる相棒となってくれるだろう。プレーヤーの要求に応えてくれる確かなコントローラーなので、FPSゲーマーだけでなく、幅広いゲーマーに検討してほしい一台だ。