レビュー
「スカル アンド ボーンズ」OBTレビュー
2024年2月13日 13:47
息詰まる展開の海戦。大砲を打ち合う激しい応酬は迫力満点
前述した略奪もそうだが、海戦は「スカル アンド ボーンズ」最大の見せ場だ。船のランクが上がるほどにたくさんの武器が設置できる。例えば、ランク2のカッターなら前と左右の3カ所、ランク3のバージなら前後左右の4カ所に武器を設置できる。
武器は長距離砲や短距離袍、散弾の大砲、火炎放射器や反則気味の魚雷まで、自由度高く取り揃っている。船を近づけて、船員たちによるマスケット銃での攻撃も可能だ。火炎攻撃を受けると、船体が燃えだして継続ダメージが入る。
大砲での海戦は狙える角度に制限があり、お互いに回頭を繰り返しつつ大砲を敵に向けて発射するというスタイルになる。NPCの船には、弱点が赤く表示されるので、そこを狙えば大きなダメージを期待できる。ドカーンドカーンと大砲を打ち合う派手さ、負けた船が火だるまになり大爆発して海の藻屑となっていく迫力はかなり気持ちがいい。船が沈んだ後に残る板切れや荷物の演出も、この手の戦いが好きな人が喜ぶポイントをしっかり押さえているという印象だ。
また、ある程度相手にダメージを与えると、敵の脆弱性メーターが満タンになり、乗り込める状態になる。乗り込むには、船を近づけて相手の船にむかって錨を投げる。錨が上手く引っかかれば、そのまま引き寄せて、勝利となって戦闘が終了する。乗り込んで勝利すると、船を沈めたときには手に入らない特別なアイテムが報酬として手に入ることがある。またどんなに強い相手でも、成功すればそこで戦闘が終了するのでどんどん狙っていきたい。
一方で戦闘で負けると、船が沈没して「航海終了」となる。この後、拠点に戻るかそれとも現地で復活するかの選択ができる。死ぬと、それまで持っていた素材や交易品をすべて落とす。アイテムは死んだポイント近くに浮かんでいるので、回収すれば元通りになるが、もし回収する前にもう一度死んでしまうとロストしてしまう。
その場での復活にはシルバーがかかるが、船体を修理した状態で復活することができる。ただし、この場合最大HPが少し減少する。この最大HPの減少は通常の修理材では直すことができず、時間をかけてペナルティが消えるのを待つか、停泊地で修理する必要がある。
プレイヤーの死亡にはいろいろな理由が付くが、一度だけあまりにも船員を過酷にこき使いすぎたのか、戦闘中にいきなり反乱を起こされたことがあった。「魚のえさになりな、キャプテン」というセリフとともに暗転、「航海終了」の原因が船員の反乱と記されていた。それ以来、果物が食べたいと言えばバナナをむき、疲れたと言えば休ませるホワイトな海賊船になった。
1人で倒せない敵は集団で。やはりオンラインゲームはマルチプレイが楽しい
たまに別の目的で訪れた場所で、たまたま拠点攻略が行なわれていたり、ネームド討伐の最中だったりすることがある。そんな時には、特にグループを組んでいなくても加勢が可能だ。たまたまストーリーの流れで、同じ敵を別々に倒しに来た2隻で協力して倒すこともできた。こういった突発的なマルチプレイはオンラインゲームならではの楽しさだ。
また、船にはタンク的な役割の船、サポートが得意な船、アタッカーの船というパーティプレイを想定した種別がある。武器にも、広範囲に船体の穴を修復する粘着物を発射する「修理用臼砲」や「修理ロングガン」といった味方を回復するための武器もある。
夜だけに現れる幽霊船「月女神」や海のモンスター、護衛の軍艦をつれて船団を組んだオランダ商船などとの闘い、周囲にたくさんの砦がある本拠地の略奪、そしてシーズン最後に戦うことになる強力なライバルなど、1人だけでは手に余りそうな相手はたくさんいる。かなりの範囲をソロで遊べるとはいえ、パーティプレイの楽しさはやはり格別だろう。
また協力だけではなく、宝の地図を取り合うPvPコンテンツ「カーゴハント」も定期的に開催されていた。始まると参加募集の告知がある。参加すると、参加しているメンバーが一覧になったUIが表示される。宝の地図を持っていると、マップ上に位置が表示されるのでそれを頼りに地図を奪いに行く。
発売後は東へと海域が広がっていく予感
今回は3日間だけのプレイだが、解放されたコンテンツは一通り触ることができた。最初はとっつきにくい感じもあるが、ある程度プレイしていくとどんどん航海が楽しくなってくる。ランク6までで訪れるのは、おおむねインド洋の西側で、レベル10以上の船がうろうろしている東側は全く訪れる機会がなかったが、サント・アンでのストーリーが一区切りついた後は、この海域で次のメインストーリーが展開していくようだ。
世界中に散らばる多彩なレシピや設計図を集めて、船を強化しつつ稼いだ金で装飾していくのは、それだけでもかなりの労力を必要とする。それ以外にも、上述した要素に加えて、自由な画角でスクリーンショットが撮れるフォトモードやエモートの収集、船員や自分の服装集めなどなどスタート時点で遊べる要素はかなり多彩だ。
「スカル アンド ボーンズ」という物騒な名前と、いかつい見た目からついつい避けてしまう人もいるだろうが、今のところ見た目以上の殺伐さはなく、NPCとの戦闘や交易や船づくりをのんびりと楽しむことができるゲームだ。
しかしながら、確かに残念なところもある。もう発売直前なのにラグやバグが散見されたのは気になる部分だ。海獣を拠点まで引っ張ってきてハメごろしをしているところも見かけた。こちらは仕様だとすれば、モンスターPKにつながる懸念があるだろう。
また、クエストやマップ上のマーカーなどUIの説明が不十分でわかりにくさがあることも気になった。だが、こういった不安定な要素や不足している部分は、いずれアップデートで解消されていくはずだ。これらの要素のために、根本的な面白さが揺らぐことはない。
このOBTでプレイした海域は、おおむねマダガスカル島とその向かいにあるアフリカの南東部がモデルになっている。ここから喜望峰を超えて西にいけば大西洋、インド洋を横切って東南アジアを抜ければ太平洋へと続く結節点でもある。今後登場が予定されているコンテンツを見る限り、航路は東アジア方面へと広がっていくようだ。海にロマンを感じる人なら、ぜひプレイしてみて欲しいと思う。
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