レビュー

「逆転裁判456 王泥喜セレクション」レビュー

「逆転裁判5」ではナルホドくんが弁護士に復活!

 2013年に3DSで発売されたのが、「逆転裁判5」。時間軸としては「逆転裁判4」の1年後にあたり、「逆転裁判4」の続編。弁護士としてナルホドくんが復活し、オドロキくんも引き続き登場。事務所の新弁護士として、海外で飛び級で弁護士資格を取ったという天才児(?)・希月心音ちゃんが登場する。

新メンバーのココネちゃん。まだ18歳のため、よくお子さま扱いされる。超天才のはずなのだが、割とズッコケキャラ
「逆転裁判5」からアニメパートが実装。アニメパートはもちろんボイス入りとなっている、嬉しい
「逆転裁判4」から引き続き登場するオドロキくん。随分ハードボイルドになったような気がするが、彼に何があったのだろうか

 本作からグラフィックが完全3DCG化しており、これによってグラフィックがより繊細になり、カメラワークなども「逆転裁判4」から飛躍的に進化した。

3DCGになったオドロキくん
法廷のグラフィックなども全て3DCGになったことで、演出面が大強化

 「逆転裁判5」からDLCに対応しており、コスチュームの変更が可能となっている。

ナルホドくんの黒歴史(?)大学生時代の服などがある

 証言を得て矛盾をつきつけるという、「逆転裁判」シリーズの基本的な遊び方は変わっていない。

 第1話は、新ヒロインのココネちゃんの幼馴染の森澄しのぶが、法廷爆破事件の被告人となる。法廷爆破事件によってオドロキくんは負傷してしまい、ココネちゃんはひとりで弁護席に立つことになるが、そんなココネちゃんを救ってくれたのが、弁護士として復活を果たしたナルホドくんだった。

ココネちゃん
お馴染みライバル検事の亜内(あうち)……のように見せかけて、実はこれまで対決してきた亜内検事の弟である
ココネちゃんのピンチに登場するのは、復活したナルホドくん。やはり彼には、法廷が似合う

 ちなみにココネちゃんのすごいところは、18歳で飛び級して弁護士資格を取ったことだけではない。なんと心理学も学んでおり、法廷でも心理学を活かした新たなシステム「ココロスコープ」が導入された。

証人の感情を、「モニ太」という機械とココネちゃんの能力で読み取って、証言と矛盾した感情を指摘する。例えば「悲しい」話をしているはずなのに、「喜び」の感情が現れているような発言を指摘して、新たな証言を引き出していくのだ
感情をうまく整理してあげると、証人の証言のノイズレベルが下がり、物語が進められるようになる

 そして第2話からは、本作のライバル検事となる夕神迅(ゆうがみじん)検事が登場。夕神検事は、囚人にして検事という謎の経歴の持ち主で、通称「ユガミ検事」と呼ばれている。法曹界の”歪み”をテーマにしている本作ならではのネーミングである。

ユガミ検事は囚人なので、手錠をされている。ユガミ検事もココネちゃんとは違った方面で心理学を応用した戦術を持っており、特にいつの間にか自分に有利な方へと心象を向かわせる心理操作に長けている

 第2話は第1話の前日譚で、ココネちゃんが新メンバーとして合流したストーリーが描かれる。妖怪を軸にした殺人事件が繰り広げられ、みぬきちゃんの友達の天馬ゆめみの父親・天馬出右衛門(てんまでえもん)が、九尾村の村長を殺害した容疑で逮捕されて、被告人となる。

天馬出右衛門
空を飛ぶ妖怪の姿が目撃されたりと、謎の多い事件。村に封印されているという妖怪・天魔太郎の正体とは?

 ナルホドくんが弁護士として復活を果たし、ストーリーも非常に丁寧に作られている「逆転裁判5」。オドロキくんの、目を見張るほどの成長ぶりにも注目してほしい作品だ。