レビュー
「カプコン ファイティング コレクション」レビュー
2022年6月20日 12:00
格ゲーマーが気になるオンライン周りをチェック
筆者を含む、格ゲーマーが本作でもっとも気になっている部分といえばやはりネットワーク対戦周りの環境だろう。
オンラインモードは、世界中の猛者と実力を競い合う「ランクマッチ」、手軽にオンライン対戦が楽しめる「カジュアルマッチ」、野良やフレンドと複数人で集まって対戦できる「カスタムマッチ」の3モードが用意されている。
「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション」同様に、対戦したいタイトルを複数選択してマッチングすることができる。遊びたい候補がいくつもある人には嬉しい設計だ。
また、マッチングするまでの待ち受け時間もしっかりと考慮されており、「ゲーム待ち受け」ではマッチングするまでの間好きなゲームをプレイしながら待つことができる。もちろん対戦候補に入れたタイトル以外もプレイ可能だ。
さらに、各作品の設定資料やBGMを鑑賞しながら対戦相手を待つ「ミュージアム待ち受け」設定も搭載。対戦前に好きな作品のBGMを聴いて奮い立たせるのもありだ。なお。カスタムマッチだけは部屋を立てている都合上、ゲーム待ち受けとミュージアム待ち受けは残念ながらできない。
オンラインモードとマッチング機能の充実は確認できたが、オンライン対戦の肝心要は対戦時の快適さである。いくらオンライン機能が充実してたとしても対戦が重かったりラグが酷かったならば、それだけでオンライン機能的には死を意味している。
新しい作品がリリースされるたびに不安に思う部分で、本作が“万が一コメントに困る状態”であっても、ショックを受けない心構えでオンライン対戦を行なってみた。
結果から言うと、マッチングから対戦中に至るまで、ストレスというストレスが全く無かった。特に対戦中の遅延はほぼ無く、ラグがあったら難しい「ヴァンパイア」シリーズのチェーンコンボも気持ちいいほどキレイに決まる。触った感触としてはオフラインでプレイしているのと遜色ない感覚でプレイすることができた。今回、オンラインの快適さを自分の目で確かめることができ、発売日に遊ぶのが俄然楽しみになった。
他にも、初心者が遊びやすい機能や、往年の格ゲーマニアの心をくすぐる機能も充実している。
ゲームの設定からCPU戦の難易度設定や、1ボタンで必殺技が出るボタンカスタマイズなどの初心者救済システムが搭載されているの非常に優しい。1ボタンで技が出ると言っても、ガイルのソニックブームなどの溜め系の技はしっかり溜めモーションが入るのでゲームバランスはしっかりと保たれている。
カプコンも本作のターゲットを完全に理解している様で、ゲーム画面を懐かしのブラウン管仕様に変えるフィルター機能が用意されている。当時ゲームセンターでプレイしたことのない人にとっては“ただ画面が粗くなるだけのフィルター”だが、リアルタイムでプレイしていたオジ格ゲーマーには感慨深いものがある。
本作にはセーブ機能が実装されており、ゲームプレイ中どこでもセーブできるのがかなり便利である。「格ゲーにセーブなんていらないだろう」という声も聞こえてきそうだが、このセーブがあるお陰でちょっとした隙間の時間でも気兼ねなくゲームを楽しめる。さらに、ラスボス戦でセーブをしておけば、いろんなキャラのエンディングをサクッと見ることもできる。使い方次第ではとても役立つ機能である。
プレイのモチベーションを上げてくれる「ファイターアワード」も個人的には嬉しい要素である。ゲームクリアや特定の必殺技を当てるなど、様々な条件を達成することで実績が解除されるやり込み要素なのだ。実績解除を目的に何度も遊びたくなる設計は素晴らしいの一言。
「カプコン ファイティング コレクション」に収録される10タイトルを全て遊んでみたがどのタイトルも古臭さが無く、今なお色褪せない名作揃いであった。全タイトルオンライン対応で、幻の作品である「ウォーザード」までも収録されてパッケージ版が5,489円は正直安すぎである。
「ジャスティス学園」や「スターグラディエイター」、「ファイナルファイト リベンジ」などオンライン機能が無かった時代の名作はまだまだあるので、「カプコン ファイティング コレクション」のシリーズ化に期待である。