PSPゲームレビュー

やり込み要素満載のハイスピードアクション
「ゴッドイーター」



捕喰、バレットなど、本作ならではのフィーチャ-を持つチーム連係型ハイスピードハンティングゲーム

 株式会社バンダイナムコゲームスから2月4日に発売されたPSP「ゴッドイーター」。チーム連係型ハイスピードハンティングゲームというジャンルの通り、スピード感溢れるアクションゲームに仕上がっている。

 ゲームのメインパートは株式会社シフトが担当。同社はPSP「サルゲッチュ ピポサル戦記 The Record of Piposaru War」やPS「XI[sai]」などを手がけている開発会社だ。

 本稿では、主に体験版のファーストインプレッションで触れていない点や変更点について紹介していく。ゲームの基本的な要素に関して知りたい方は、ファーストインプレッションを一読していただければ幸いだ。



■ 突如現れた謎の生物アラガミとアラガミに唯一対抗できるゴッドイーターたちの物語

それは決して遠くない未来。突如現われた謎の生物「アラガミ」によって、世界は「食い荒らされ」ていた。すべてを諦め、祈り続ける人々。さけられない運命に抗い、武器をとる人々。「アラガミ」を倒すことのできる唯一の方法、それは「アラガミ」自身の細胞を人体に連結し、兵器として操ること。「神」に対抗する兵器「神機」をたずさえ戦う彼らのことを、人は「ゴッドイーター(神を喰らうもの)」と呼んだ。終わりのない戦いの先に、少年たちは未来を見つけ出せるのか……?

 2050年代に突如として発生したオラクル細胞が地球上のありとあらゆる対象を捕喰しながら急激な変化を遂げ、多様な生物体として分化したアラガミ。通常兵器は一切通用せず、アラガミを構成する「考えて、喰らう細胞」のオラクル細胞を移植し、神機を扱うゴッドイーターのみが唯一渡り合うことができる。プレーヤーの分身となる主人公は、ゴッドイーターの拠点であるフェンリル極東支部より新型神機の適合者として招聘され、ゴッドイーターとして様々な任務に挑んでいく。そして、任務をこなしていく中で、大きな陰謀に巻き込まれていく……。

【オープニングアニメーション】



■ 体験版の評価を受けて一新された製品版

 体験版のダウンロード数が170万を突破し、本稿をご覧の皆さんの中にも体験版をプレイした方は多いだろう。プレイしていればまず気になるのは体験版との違いではないだろうか? 弊誌では以前に主な改良点を紹介しているが、どの程度改良されているのか、主な改良点について改めて紹介したい。なお、体験版は、製品版を持っていればダウンロードせずとも体験版をインストールすることが可能。もちろん、公式サイトからダウンロードすることもできる。本作に興味はあるものの、未プレイの方は、1度プレイしてみるといいだろう。

■ 改良点:アクション

 1 ヒットストップの追加
 2 ヒットエフェクトの全面修正
 3 ヒットSE、捕喰SEの全面修正
 4 クリティカルヒット時、大技ヒット時にカメラの振動を追加
 5 スタミナシステムの調整

  ・通常攻撃でのスタミナ消費の削除
  ・ジャンプ落下中、遠距離攻撃中、回避中にスタミナが回復する
  ・上記の変更に併せて、他アクションによるスタミナの消費を調整
 6 起き上がり時発生する隙をキャンセルしてガード&ジャンプ&回避が可能に
 7 バースト中に捕喰することでバースト時間が延長される

 特に5のスタミナ面の調整が大きい。体験版では攻撃中にスタミナが切れてしまわないように配慮しながらの戦わなければならなかったが、製品版ではロングブレードのインパルスエッジなど一部の特殊な攻撃を使わない限り、攻撃中にスタミナが切れることはない。思う存分振り回せるようになったわけだ。

 6の起き上がり時の隙がキャンセル可能になったことで、戦闘の展開がよりスピーディーになった。結果的に、倒されても操作不能な時間が体験版より短くなっているため、攻撃を受けてダウン→起き上がりに攻撃を受けることが少なくなっている。

 7の捕喰によるバースト時間の延長も大きい。体験版ではバースト中に捕喰するメリットは、捕喰時のダメージとアラガミバレットの追加入手だけであり、バースト中は攻撃してダメージを与える方が有効だった。だが、製品版ではさらにバースト時間が延長されるため、再度捕喰する選択肢も考慮にいれてもよいだろう。

スタミナを気にせず使えるようになった通常攻撃。チャンスがあればコンボを決めてやろう起き上がり時に発生する隙をキャンセルできることでさらにスピーディーになったバースト中の捕喰のメリットが増えた。隙あらば捕喰してしまおう


■ 改良点:その他

 1 倒したアラガミを1回捕喰することで、複数の素材が手に入るようになった
 2 充実のコンフィグ機能を追加

  ・エイムモードに移行する際のカメラリセット設定
  ・L押しによるカメラリセット設定(上下左右/左右のみ)
  ・カメラ旋回速度設定
  ・ボリューム設定(BGM、SE、ボイス)
  ・ミッション終了時のセーブ設定(ON/OFF)
 3 ミニマップ表示の強化
  ・アラガミの方向情報を追加
  ・回復柱、トラップなどの位置表示
 4 アイテムアイコンを機能別に差別化したグラフィックスに変更
 5 キャラクターおよびアラガミのグラフィックモーションの改良
 6 NPCの戦闘中ボイス増加
 7 キャラクターエントリー時のパーツ追加

 「1」の1回の捕喰で素材入手が完了するのは嬉しい変更だろう。アラガミ1体に対して、タメを必要とする捕喰を3回するのは手間だったが、1回でよいのだ。複数のアラガミとの戦闘中に捕喰を試みる場合でも残さず素材を入手しやすくなったし、結果的にミッション達成後にマップに落ちているアイテムを拾う時間も増えた。

 「2」のコンフィグ機能により、ユーザー好みのセッティングがしやすくなったのは間違いない。ただ、PSPというプラットフォームの都合上仕方ない点かもしれないが、移動中の視点変更はやはり難しいままだ。移動はアナログパッド、視点変更は方向キーとPSPの左側部分でしか行なえないのは1番のネックかもしれない。さらに走るためにはRボタンを押しっぱなしにしなければならないという点もこの問題に絡んでくる。

 遠距離から銃形態で攻撃したいプレーヤーは、大まかな情報はミニマップで確認できるものの、走って距離をとる際、背後にいるアラガミがどうなっているか直接見て確認したくなるのではないだろうか。筆者は、左手親指でアナログパッド、左手人差し指で方向キー、右手人差し指でRボタンを操作という多少アクロバティックな手法を用いた。この際、移動方向は視点を軸に決定されるため、方向キー入力時には、方向キーと逆方向にアナログパットを入力する必要がある。どちらも同じ方向に入力するとその場をぐるぐると回ってしまうので注意。

 「3」のミニマップ表示の強化は、マルチプレイで役立つ改良点だ。他のプレーヤーが出した回復柱やトラップを使いやすくなった。

 「5」のモーション改良により、体験版で気になった連続攻撃モーションのつなぎに感じた違和感がだいぶ解消されている。

 「7」のキャラクターエントリー時のパーツ追加は、ヘアスタイルが9→12、ヘアカラーが7→15に増えている。

 ここで紹介した以外にも変更された点はあるが、全体的に改良といえる変更が製品版に施され、確実に遊びやすくなっている。体験版でのプレーヤー評価を受けて、きっちりと改良している点は評価すべきだろう。体験版をプレイして、不満な点があって製品版購入を控えている人は、上記改良点で解消されていると感じたら、製品版をプレイしてみてほしい。

倒したアラガミには1回捕喰するだけで全ての素材が入手できるように改良されたミニマップ表示の強化は、味方の出してくれた回復柱が楽に取れるなど、マルチプレイでの恩恵が大きいアイテムアイコンが機能別に差別化され、似たアイコンであっても誤って使用することが少なくなった

 基本的な操作方法やアクションは体験版と変わっていない。体験版をプレイしていればすんなりとプレイできるだろう。詳しくは体験版のファーストインプレッションを参考にしていただければと思う。



■ 迷うことなく進められるシンプルでわかりやすいゲームの流れ

 本作は、戦闘について悩むことはあっても、ストーリー進行で悩んだり、迷うことなく進められる、わかりやすい作りになっている。基本的にミッション選択、装備品や所持品の準備、ミッションに挑むという3つの流れを繰り返すだけでいい。ミッション成功条件は目標のアラガミを討伐するだけである。ストーリーに絡むミッションとそうでないものは、ミッション選択時に表示されているので、すぐに識別できる。

 もし、ストーリーに絡むミッションが表示されていなければ、特定の人物に話を聞けば次にどうすればよいか教えてくれる。

 主人公達の拠点となるアナグラ(極東支部の施設全体を指すスラング)は、エントランス・新人区画・ベテラン区画・ラボラトリ・役員区画と5つの区画に分かれているが、各区画は迷いようもないほど狭いので道に迷うこともない。各区画間の移動もエレベーターで行き先を選択するだけなので時間もかからない。一部例外を除けば、エントランスだけで完結するので、移動に煩わされることは無い。


■ ミッション選択

 ミッションは、「難易度 1」、「難易度 2」と難易度別に分けられており、難易度決定後、受けるミッションを決定する。DLCで追加したミッションはダウンロードコンテンツを選べばプレイできる。

 ミッションを選択する際に注目したいのが、「STORY」や「FREE」の表示と説明文だ。「STORY」とあればストーリーに絡むミッションで、「FREE」ならストーリーとは無関係。説明文には、どんなアラガミが出てくるのか、相手がどの属性の攻撃をしてくるか、どの属性が弱点なのかなど、ミッション攻略に関する重要な情報が記載されていることが多い。装備や所持品を決定するのに参考となるため、読んでおくべきだ。

多彩なアラガミ討伐のミッションが用意されている。ミッションの説明文には攻略に関係する情報が記載されていることが多い。必ず読むようにしよう

■ 装備品や所持品の準備

 ミッションを受けたら、装備品や所持品の準備をする。ミッション内容に合わせた装備をすることでミッションの難易度が大きく変わってくるため、間違えのないように決定したいところだ。

 ここで活躍するのがターミナルという施設。ターミナルでは、アイテム、装備、バレット、データベース、セーブ、新しくマルチプレイを始める、が選択できる。

 アイテムは、アイテムを預ける、取り出す、アイテム合成が可能。所持できるアイテム数には制限があるため、アイテムスロットに余裕がないとミッションで素材などが入手できなくなってしまうので、よく考えて所持品を決定しよう。ミッションで入手した素材など、戦闘に使用できないアイテムは必ず預けておくクセをつけるといいだろう。アイテム合成ではお金と素材で、より強力な消費アイテムや素材を合成できる。

エントランスに用意されたターミナル。多くの機能を有しており、頻繁に利用することになるアイテム合成で作るアイテムは強力な効果を持つものが多い。強敵相手なら惜しみなく使おう死ぬまで効果の続くステータスアップ系のアイテムは1個だけ持っていき、ミッション開始時に使ってしまえばアイテムスロットを圧迫せずに済む

 装備では、装備の変更・強化・合成、ヘアチェンジができる。ミッションに合わせて、属性などを考えて装備を決定したい。強化では、所持している装備+素材+お金を消費して、装備を強化できる。合成では素材+お金を消費して、新たな装備を作ることが可能だ。装備については別項にて詳しく説明するが、初期装備以外は、合成・強化、購入のいずれかで入手することになる。合成・強化どちらでも作れるものもあれば、合成か強化どちらかでしか作れないものもある。

 ヘアチェンジでは、ヘアスタイルとヘアカラーがチェンジできる。ヘアスタイルにはメガネなども含まれている。料金は必要ないので、気軽に利用できる。好みや気分に合わせてチェンジしよう。

装備の変更では、現在装備している全ての装備によって、どんなスキル効果が得られているのか確認できる強化・合成では、必要な素材と金額が一目で分かる。どんな性能の装備になるのか、確認してから実行しようトップスとボトムスは合成する前に装備後のキャラクターが閲覧できる。よろず屋での購入時には名前しかわからないので注意しよう
無料で行なえるヘアチェンジ。ヘアスタイルは髪型だけなく、メガネや眼帯なども含まれている。時折ヘアスタイルやヘアカラーを変更して、気分を変えてミッションに挑むのもいいだろう

 バレットでは所持するバレットの調整・合成・改良などができる。バレットは本作で最も特徴的なシステムの1つともいえるもので、こちらについては後ほど説明させていただこう。

 データベースでは、アラガミ、スキル、バレットなどの情報が閲覧できる。中でもアラガミの情報は重要。弱点属性や注意点など、攻略に関係する情報が記載されているからだ。ミッションの説明文で弱点について記載がない場合は、データベースで確認するといいだろう。

アラガミの弱点や行動パターンなどが調べられるデータベース。必要な情報を漏らすことなく入手し、スムーズにミッションを達成したい。他にも本作に関係する用語や人物についても閲覧できる

 アイテムの売買が行なえるよろず屋も忘れてはならない施設の1つ。各種回復アイテム、素材、バレット、装備などが購入できる。体力回復アイテムはミッションに挑むなら必ず持っていくべきだ。よろず屋の品揃えは、ストーリーミッションを進めることで増えていき、中盤以降になると強力なアイテムの元となる素材も購入できるようになる。装備品についてはその時点の進行段階で入手可能なものより、程度の低いものだけが購入できる。

 アイテムや武器の合成、バレット改良など、お金が必要になるケースは多い。そんなときにも、アイテムを買い取ってくれるよろず屋は役立つ。なお、本作の主な収入源はミッション達成の報酬、換金アイテムなどの売却の2種類である。

各種アイテムの売買が可能なよろず屋。ミッションに行く前にはターミナルだけなく、よろず屋にも立ち寄って必要なアイテムを揃えるといいだろう。回復系アイテムは命綱なので忘れずに購入するように。余裕があれば強化系アイテムも購入しておこう



■ ミッション攻略に欠かせない装備品、属性・スキルの要素

 アラガミとの戦いに勝利するには、プレイスキルの向上、新装備の入手が重要。特に戦うアラガミの弱点属性を持つ武器、そのアラガミの持つ属性を防ぐ装甲を装備しているかでミッションの難易度が大きく変わってくる。

 装備には、銃身・刀身・装甲・強化パーツA・強化パーツB・トップス・ボトムスの7種がある。それぞれの装備について簡単に紹介していく。

■ 遠距離攻撃が可能な銃形態での性能に関わる銃身

 銃身は銃形態で使うものでOPを消費して遠距離から攻撃できる。消費OPは発射するバレット(弾)や銃身のタイプにより決定される。銃身のタイプは、連射性能が高く弾種を選ばずオールラウンドに使用できるブラスト、レーザー系の弾種の消費オラクルポイントが軽減されるスナイパー、爆発系の弾種の消費オラクルポイントが軽減されるブラストの3種類。

 遠距離からの攻撃が可能なため、近距離攻撃の剣形態に比べ安全に攻撃が可能な銃身による攻撃は、使い勝手はいいが、OPがなくなれば機能しなくなる。そうなれば、剣形態での攻撃やアイテムを使ってOPを回復していくしかない。装備する銃身を選ぶ条件は属性を重視するべきであろうが、選択できる余裕があるなら使用弾種やプレイスタイルに応じて変えるといい。

遠距離からの攻撃が可能な銃形態。対するアラガミの弱点属性効果を高めてくれる銃身を装備しようLボタン長押しでエイムモードに。よく狙ってヒットさせたい。ミスしてOPを無駄にしないようにミッション中でもバレットはチェンジ可能。敵に合わせて弾種や属性を切り替えていける

■ OPを回復効果も持つ剣形態での攻撃に影響する刀身

 刀身は剣形態での攻撃に影響する装備。剣形態での通常攻撃は、OPの消費がなく、弱攻撃・強攻撃を組み合わせることで連続攻撃が可能。銃身は、1発の威力が低く、リーチは短いが手数の多いショート、ショートとバスターの中間的性能を持つバランスの良いロング、隙は大きいが威力とリーチを重視したバスターの3タイプに分かれる。

 ショートは手数が多く、攻撃ヒットによるOP回復が最も効率よく行なえるといった印象。攻撃後にすばやくステップやジャンプができるアドバンスドステップ/ジャンプは回避に役立つ。ただ、惜しむべきはリーチの短さ。かなり近寄らないと攻撃が当たらない。

 ロングはバランスタイプだけあって威力、リーチともに申し分ない。特に強攻撃の1発目は踏み込みながら斬りつけるためリーチが長く、相手の隙を見つけた際にある程度距離があってもヒットさせられる。剣形態ながらインパルスエッジという砲撃ができるのも特徴。

 バスターはモーションが大きく、攻撃発生までに時間がかかるクセのある刀身。バスターを使いこなしたいなら、攻撃後に素早くガード体勢に移行できるアドバンスドガードはマスターしておきたい。ためることで威力が上がるチャージクラッシュなど、とにかく1発の威力を求めるならバスターだろう。

 銃身、刀身共にどのタイプにも長所、短所がある。筆者の場合はショート、ロングが使いやすく、使用頻度が高い。どの装備にもいえることだが、付加されるスキルも考えて装備を決定してほしい。特にマイナス効果のあるスキルは見逃さないように。

ショートは、リーチが短く、威力が低いものの、スピードと手数は圧倒的。隙が少ないのも魅力だロングはバランスのとれた使いやすい刀身。インパルスエッジはスタミナとOPを消費するが、高い威力を持っている一撃の威力が高いバスター。攻撃後に敵の攻撃を察知したら、アドバンスドガードで防ごう

■ 生死に大きく関わる装甲

 装甲はダメージ軽減に関係する防具。装甲も3タイプに分かれる。展開速度は早いが防御力の低いバックラー、バックラーとタワーシールドの中間的性能を持つシールド、展開速度は遅いが防御力の高いタワーシールド。

 プレイ序盤は、近距離戦をメインにするから展開の速いバックラーで! などとプレイスタイルによって選択していたが、武器に素材を回したい気持ちがあったため、全体的に属性防御値の高い装甲を1つ作成し、同じものを使い続けた。その後、色々試してみたが、タイプによる性能差よりも、やはり属性防御値の違いが戦闘に影響しやすかった。装甲自体の話ではない上に筆者だけかもしれないが、ガードのコマンドがR+○と複合入力のため、操作ミスでガードに失敗してしまうことが多くあった。Rを先行入力した状態で、○を押すように意識すると、失敗が少なくなるはずだ。

展開速度、防御力に違いがある3タイプの装甲だが、タイプよりも属性防御値で選択することをオススメする左がランク1のタワーシールド「対氷タワー」、右がランク6の「抗氷タワー 改」。ランクが上がると性能差は圧倒的。武器だけでなく、装甲も忘れずに強化・合成していこう

■ 攻撃、防御と様々なスキル効果のある強化パーツとスキル

 強化パーツは最大2つまで装備が可能で、装備することでスキル効果が得られる。こちらも他の装備と同様、目的に応じて切り替えていくといい。

 スキルの効果には様々なものがある。攻撃的なものには属性攻撃力アップやコンボのダメージ増加率アップなどが、防御的なものには属性防御力アップやスタミナが減りにくくなるなどが、特殊なものにはレアな素材の入手率確率アップや味方NPC能力アップなどがある。

 属性効果アップ系の強化パーツを装備し、ダメージアップを図るのが最も有用と感じた。もちろん、レア素材を入手したいなど、目的があれば目的に応じたスキル効果が得られるように装備するといいだろう。

ランクが高くなると、驚くほど強力なスキル効果が得られる強化パーツ。同じものを2つ装備したり、他の装備と同じスキル効果を持つものを装備しても意味がないので注意

■ ステータスに影響しないものの見た目に楽しいトップスとボトムス

 トップスとボトムスは属性、スキル効果など、戦闘に影響するステータスはなく、あくまで見た目だけ変化する装備。見た目が変わるだけで新鮮な気持ちでプレイできることもあるので、思い立ったら変えてみるといい。シックなものや派手なものなど、多くの種類が用意されている。条件を満たせば、NPCの着ているトップスとボトムスを作ることも可能だ。

バトルへの影響は一切ないが、大きく見た目が変えられるトップスとボトムス。かなりのバリエーションが存在する。上下セットになるように用意されてはいるが、色々と組み合わせを試してみるのも楽しい

■ 戦闘に関わる全てに影響する属性

 次に何度も出てきた属性について説明しておきたい。属性は、切断、破砕、貫通、火、氷、雷、神の7種類がある。装備品によって決まった属性を持っており、ものによっては他の属性が付加されている。銃身は切断以外の属性を持っていて、×2.0など属性が倍率で表示される。刀身は、ショートなら切断と貫通を、ロングなら切断を、バスターなら切断と破砕の属性を必ず持っている。装甲は全ての属性を持っている。なお、刀身と装甲は100などと直値で表示される。

装備によって様々な属性を持っている。銃身、刀身それぞれに火・氷・雷・神の4種類を用意できれば、多くの状況に対応できるのでスムーズにミッションが進められるだろう。ただし、それだけ作るには多くの素材が必要になるある程度ランクが高い刀身の大半は、火・氷・雷・神のどれか1つが強いが、稀に2つの属性に強いものも存在する



■ ミッションに挑んで素材を入手し、新たな装備を作る

 装備を作るには前述の通り、ターミナルで装備の強化・合成を行なう必要がある。

 強化・合成に必要な素材は、倒したアラガミへの捕喰、ミッション達成報酬、マップに落ちている素材を拾う、素材をアイテム合成で作る、よろず屋で購入して入手する。アラガミへの捕喰、ミッション達成で得られる素材のみで作れる装備は多いため、ミッションを達成していけば、自然と作れる装備が増えていくだろう。

ミッション中に倒したアラガミを捕喰。どんな素材が取れたのか、その場で表示される拾って手に入れるしか入手方法がないアイテムも存在する。先を考えて、余裕があれば拾っておこうミッションクリア後にもらえる追加報酬。プレイ内容次第で通常報酬に加え、追加報酬、部位破壊報酬がもらえることも

 欲しい素材がどのミッションで得られるかは簡単に調べられる。基本的に素材の名前は「騎士~」や「鳥神~」とアラガミごとに統一されているからだ。欲しい素材の名前を確認したら、成功報酬を見て、同じタイプのものが並んでいれば、そのミッションで欲しいアイテムが取れる可能性のあるアラガミが出てくると思っていい。

 大型のアラガミは前足や盾など複数の部位を持っている。部位破壊ができれば、ミッション達成後に部位破壊報酬がもらえる。素材集めが目的であれば、部位破壊を狙うことで効率よく素材が入手できる。何度か繰り返せばきっと欲しい素材が手に入るだろう。

 本作をプレイしていて、素材が集めやすく調整されていると感じることが多々あった。1番の理由は、各属性の関係性だろう。多くのケースで、アラガミから倒して得られる素材は、そのアラガミの弱点属性以外の属性を持つ武器の素材である場合が多い。何度か繰り返せば別属性の武器が作成できるわけだ。これを繰り返していけば、楽に進められるように調整されている。このタイプのゲームを多くプレイしている人にとっては当たり前かもしれないが、初めてプレイする人にも進めやすい配慮がなされていると感じた。

 マップで拾うタイプの素材が必要な場合もある。特に神属性を持つ武器を作成する場合にはなかなか拾うことのできない素材が要求されがちだ。拾える箇所は固定だが、拾える素材やアイテムは、アイテムテーブルから抽選で選ばれる仕組みだと思われる。また、ミッションの難易度によってアイテムテーブルが変更されているようだ。

 拾うタイプのアイテムを集めたい場合に役立つのが、ミッション中にスタートボタンを押すことで選択できる「タイトルに戻る」。これを行なった後にセーブをすれば、ミッション中に回収したアイテムを持った状態を保存してタイトルに戻ることができる。これを利用し、アラガミを無視してアイテムを拾ってすぐにタイトルに戻れば、効率よくアイテム拾いができる。

銃形態でエイムモードを使えば、部位破壊を成功させやすい。全ての部位を破壊して、部位破壊報酬をゲットしよう剣形態で部位破壊を狙うなら、ロックオン時の方向キーを入力して、壊したい部位にロックオンを変更するといいアイテムを拾い終わったら、タイトルに戻って、すぐにリトライ。アラガミとの戦闘を避けて効率よくアイテムが回収できる

 非常にレアなケースだが、「スサノオ装備」シリーズは、予約特典でプレイ可能なミッションで入手できる素材がないと作成できない。予約していない人は、今後DLCで配信されるのを期待するか、予約特典の解除キーを持っている仲間と一緒にマルチプレイを行なうことができれば、ともに「スサノオミッション」をこなすことで素材を手に入れられる。



■ 果てしないパターン数のバレットが作成できるバレット改良

 銃形態で発射する弾であるバレットは様々な属性、性能が存在する。ミッションに持ち込めるバレットは、通常のアイテムスロットとは別扱いの専用スロットに入るため、多彩なバレットが持ち込める。ただし、所持できるバレットを全て埋めてしまうと、アラガミバレットが得られなくなってしまうので注意してほしい。

生きているアラガミを捕喰することでアラガミバレットと呼ばれる特殊なバレットが入手できる。バレット変更で後にとっておくことも可能だアラガミバレットは味方に渡すことで、濃縮アラガミバレットに変化し、渡した相手をリンクバースト状態にしてパワーアップさせられる。リンクバーストはアラガミバレットを受け取った数で変化するため、マルチプレイでは誰か1人に集中してアラガミバレットを渡すと効果的だ

 バレットは合成、購入したものを撃ってもいいが、改良することで高い効果が得られる。改良は設定項目が多いため、多少複雑だが、使わないのは、あまりにもったいない。合成や購入で手に入れたバレットをそのままを撃つより、OP消費が少なく、効果が高いものを作ることすら可能だ。自分で作るのが苦手であれば、友人に教えてもらったり、ネットで調べてみるといいだろう。

 設定できる項目だけでもかなりのものだ。発射条件・水平と垂直の角度・バレットの属性とサイズと性能がある。これらの項目をさらに細かく設定して、バレットをつなげて改良することになる。

 しかし、好きなだけバレットをつなげられるかというと、そうではない。「同じバレットから発生した弾を重ねたり、交差させることはできない」、「弾丸に設定されたチップ数合計が65以上になってはいけない」という縛りがある。このことがさらに難解さを増している。その分、理解すればするほど、バレット改良を考えるのが楽しくなる。

 このバレット改良にはまると時間を忘れてしまうほど、いくらでもバリエーションを作ることができる。筆者がまず考えたのが、散弾銃のように広範囲に飛ぶタイプのバレットだ。確かに広範囲をカバーできるため、当てやすいが消費OPが大きく、効果も薄かった。次に考えたのが、着弾時に敵に張り付いて、張り付いた弾から、時間経過で連続で爆発したり、弾が発射されるものだ。これは効果が見込めたので、各属性分用意し、愛用している。また、バレット改良にあたり、気にしたのが消費OP量。スキルやアイテムよって最大値は変わるが、基本値の100を前提に、何発撃てるのかを考えて調整した。現在も消費OPが20、25、33などになるようにして作成している。おそらく、やり込んでいるプレーヤー達は、もっと強力なものや便利なものを考えついて使っていることだろうと思われるが、恥ずかしながら参考までに。

大量に用意された選択肢から選んで細かく設定できるバレット改良。これを考えるだけで時間を忘れて楽しめてしまう。作ったバレットには自由に名前がつけられ、アイコンも選択できる改良したバレットはプレビュー機能で動作に問題がないか確認をしよう


■ シングルプレイでパーティーを組む味方NPC

 シングルプレイにおける味方NPCは、プレーヤーが倒れた際にリンクエイドで起こしてくれる。言い方は悪いが「自動砲台」といった印象が強い。例えば、倒れたプレーヤーとNPCの間にアラガミがいる場合、アラガミに引っかかったまま直線的に走り続けたりする。おそらく、プレーヤーが倒れた場合、回復アイテムがあれば自分のHPを一定以上まで回復する、最短距離で移動してプレーヤーを起こす命令がNPCに与えられているのだろう。とはいえ、本作では1撃死することもあるので、シングルプレイでのNPCは欠かせない存在だ。

 NPCはプレーヤーを起こしてくれるが、他のNPCを起こす場面にはなかなかめぐり合えない。このため、NPCが倒れたら起こしてあげよう。いざというときに助けてくれるNPCは大事にすべきだ。最低2人はNPCが動いている状態をキープしておきたい。多数のアラガミと同時に戦うケースや1撃が強力なアラガミと戦うケースで、NPC1人だけ生き残ると、プレーヤーの方に直線的に向かってきて、あっさりとやられてしまうことが多いからだ。NPCは一定以上体力が減ると、自動で体力回復アイテムを使用する。これは最優先の行動として設定されているようで、体力が減ったら、何が起きてもその場で体力回復アイテムを使おうとする。ただ、仲間NPCの所持している回復アイテムは有限で、長時間戦闘していると体力を回復しなくなる。

 NPCから学ぶこともある。例えば、NPCがガードしている場面を見たら、この後敵が攻撃してくるのかな? と、攻撃パターンの勉強になるのだ。



■ シングルプレイとマルチプレイの違い

 マルチプレイをしていて、シングルプレイと大きく違うと感じたのが敵の堅さ。シングルプレイではさっくり倒れてくれたアラガミでも、マルチプレイだとなかなか倒れてくれない。強力な装備を持ったプレーヤーや高いスキルを持ったプレーヤーと一緒にプレイしないと、シングルプレイよりも難しく感じるだろう。だが、なんといってもマルチプレイは楽しい。仲間がNPCではなく人なのだ。楽しいに決まっている。

 他にも、トラップや回復柱などのアイテムを人数分、計画的に利用できるなど、マルチプレイでのメリットはある。声をかけあうことで、戦略を練りながら、より楽しくマルチプレイがプレイできる。

 マルチプレイでは、ストーリーに関わるものも含めたミッションをみんなでプレイすることができる。ただし、プレイできるのは最も進行の遅いプレーヤーが受けられるミッションに限る。もし、その段階で入手できる最高の装備を揃えても進められないなら、友人や知人に助けてもらうといい。

 マルチプレイはアドホックモードで行なうため、遠隔地の友人とは一緒にプレイできない。だが、もしもPS3を持っているなら「アドホック・パーティー」を使うのをオススメしたい。筆者も実際に使ってマルチプレイを試したが快適にプレイできた。アドホック・パーティーを使っていて、通信トラブルが起きる場合には「ホストを他の人に変更」、「PS3とPSPの距離をなるべく近くする」を試してみてほしい。

 なお、マルチプレイでは、捕喰や拾うことで得られるアイテムは、全プレーヤーが獲得できるので安心してほしい。



■ DLCによるミッションの追加

 追加DLCの存在も忘れてはならない。2月25日までに3つのDLCが配信されている。今後も配信が続くようだ。続報に期待してほしい。

  ■ ダウンロードミッションパック

   ・Ver1.0  2月4日配信
    「ダンシング オウガ」(チャレンジミッション)
    「神ヲ蝕ムモノ」(予約特典限定ミッション)

   ・Ver1.1  2月10日配信
    「黒炎の女神」
    「雷神の饗宴」(チャレンジミッション)

   ・Ver1.2  2月25日配信
    「戦慄の巨人」
※最新Ver.をダウンロードすれば、それまでの追加ミッションがすべて収録されている。



■ 最後に

 ストーリークリアまで60時間以上、ミッションは100以上、武器やアイテムの作成、追加DLCという圧倒的なボリューム。スピーディーなアクション性と切り替えなしのマップを実現。ハイクオリティなアニメーション、無料登録の携帯コンテンツの充実とバンダイナムコゲームスの本気を感じる。

 とはいえ、キャラクタメイキング時に意外と似たようなキャラクターになってしまうのが気になるとか、カメラ制御にもう少し工夫がほしいとか、細かい点で気になるところはあるのだが、実際筆者は現在難易度7~8のミッションをこなして、素材集めにいそしんでいる。じっくりと長く楽しめる、アクション性の高い収集系ゲームをお求めの方にオススメしたいタイトルだ。

 また、もし続編が作られるならという前提で、勝手に期待していることが2点ある。1つ目がインフラストラクチャーモードによるインターネット経由でのマルチプレイ。チームの各員が連係して戦うゲームであり、マルチプレイを踏まえた作りになっているのだから、「もっと手軽に遊びたい」と思うのは自然ではないだろうか。2つ目が障害物をより生かしたシステム作り。敵本体や飛び道具は障害物を通りぬけることができないにも関わらず、敵の尻尾や障害物の向こう側から発生した爆風が当たったりする。見た目に突き抜けていたとしても、障害物をはさむことで攻撃を回避できるようにしてほしい。さらに言えば、ある程度の衝撃で壊れる障害物により、変化するステージを楽しみたい。



(C) 2010 NBGI

(2010年2月26日)

[Reported by 木原卓 ]